青木薫のレビュー一覧
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著者の一人であるノーベル賞受賞者のレーダーマンは、これまでも一般向けの量子論の本を幾つも書いているようで、研究者であると同時に著述家・解説者としても一流のようだ。超ミクロから超マクロまでのスケール感を、もの凄く大きい(小さい)というのではなく、分かりやすくて理解しやすい数字を使って解説している。
本書のタイトルからは、量子論の歴史の本かと思っていたが、必ずしもそうではなく、最近話題になったヒッグス粒子というか、物質(究極的には素粒子)が質量を持つ仕組みを解説している。その際、粒子のスピンと対象性の破れという重要な概念を取り扱うが、残念ながら、ここが十分には理解できなかった。もう少し色々な本で経験地を積んでから、再度挑戦してみたい。 -
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ネタバレフェルマーの最終定理同様、読者が自然と引き込まれるような構成になっている。電車の中で読んだが、2時間くらいあっという間に経ってしまった。サイエンス系の本だと、読んでいても何が書いてあるか分からず、飽きてしまうケースが少なくないのだが、サイモン・シンはそのあたりが本当に上手だ。難しい数式なども出てこないので、予備知識がほとんどない状態でも読み進めることができる。宇宙論は数学や物理学を用いて詳細に説明しようとすればいくらでもできると思うのだが、読み物として読まれることを意識しているのだろう。それでいて、分かりやすく宇宙に関する歴史の概略を理解することが出来る。面白い。
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ネタバレフェルマーの最終定理同様、読者が自然と引き込まれるような構成になっている。電車の中で読んだが、2時間くらいあっという間に経ってしまった。サイエンス系の本だと、読んでいても何が書いてあるか分からず、飽きてしまうケースが少なくないのだが、サイモン・シンはそのあたりが本当に上手だ。難しい数式なども出てこないので、予備知識がほとんどない状態でも読み進めることができる。宇宙論は数学や物理学を用いて詳細に説明しようとすればいくらでもできると思うのだが、読み物として読まれることを意識しているのだろう。それでいて、分かりやすく宇宙に関する歴史の概略を理解することが出来る。面白い。
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「DJの首を吊し上げろ、奴らの音楽は俺の人生に何の役にもたっていない」(The Smith 「Panic」)
優れた科学ジャーナリストであるサイモン・シンが、代替医療の学術的研究を行うエツァート・エルンストとの共同作業により、鍼治療、カイロプラクティック、ホメオパシー、ハーブ療法等のいわゆる「代替療法」について、数多の先行研究を踏まえて科学的なプロセスによる効果検証を行い、その結果をまとめ上げた一冊。
検証にあたってのスタンスは決して「代替医療は効果がある/ない」というどちらかの立場に与するものでもなく、また生理学的な効用をもたらすメカニズムがわからないとしても、それが実際に効果があるのか、もしくはないのかという面だけのフォーカスを置いた点で極めて公正なものである。また、冒頭では医療の効果を検証するために先人が生み出した様々な科学的プロセスの解説が置かれ、本書の検証もまた同様のプロセスを踏んでいることが示される。
さて、結論としての代替医療の効果は概ね否定的なものとなっている。何も治療を施さない場合と比べて、明示的な効果がない、ということもさることながら、代替医療の問題の一つは副作用、通常医療に比べて高額になりやすい費用面、代替医療よりも効果のある通常医療を中止してしまうことによる症例悪化リスク、等が説明される。
何よりも問題なのは、様々な研究によりその効果が疑わしい代替医療がここまで大きなマーケットとして成立してしまっている背景、つまりなぜ人々は代替医療に入れ込んでしまうのか、という心理面の問題である。その仮説として挙げられるのは、通常医療の主体である医師があまりの多忙さ故に一人一人の患者にじっくりと向き合うことが難しく、患者が通常医療の科学的な効果やエビデンスを理解することができないからではないか、という点である。
なお、末尾ではこうした代替医療の問題点にも関わらず、疑わしい代替医療を広めた責任者として、セレブリティ、大学、政府機関、WHO等の10のプレーヤーが明示されている。首を吊らすべきなのは誰か、考えなければいけない。 -
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数学の系統を統一するラングランス・プログラムを牽引してきた数学者の半自伝のような数学本。
全問正解したのにMGUに入学させてもらえない(口頭試問で数時間に渡り拷問に近い質問を繰り返され、入学願いの取り下げを余儀なくされる。)旧ソ連でユダヤ人が受けていた迫害のひとつ。15,6で数学への夢を一度粉々にされた少年がバークレー大の教授になるまでのノンフィクションがひとつの軸。数学の系統を統一するラングランスプログラムと物理学への架け橋がもうひとつの軸。
数1で挫折したわたしには後者はほとんどSFだったけど、「難しいけどがまんして」とか「専門家でもわかっている人は少ないから安心して」など、笑える章題のおかけで最後まで読み終えた。
最終章の「数式はそれ自体として存在し、独自の知能を持つ」「数学者は数式を発明するのではなく発見する」って下りが面白かった。この世界は「物質」「意識」そして「数式」でできているそう。ペンローズの心の影をもっかいよんでみようかな。
フレンケルは三島由紀夫に触発されて「愛と数式の儀式」という映画をとっており、その映画では「愛の数式」を女性の体(その名は「真理」子)に刺青するそう。
うーん、イカれてる。見てみたいけどDVDはないみたい。残念! -
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古くは朝永振一郎の「物理学とは何だろうか」等、第一線の研究者が記した一般向けの学術解説書は数多あるが、物体を対象としない純粋抽象的理論の体系である数学の現在進行中の研究内容をかみ砕いた言葉でわかりやすく説明したものは、そう多くはないだろう。
量子論や超ひも理論といった物理学の理論が、元を質せば数学における成果(のある意味簡略版)であることは余り知られていないと思われる。
純粋理論を突き詰めた数学と宇宙の成り立ちを示す物理学とが同じ理論に行き着くことは、大きな驚異でもあるが、至極納得的でもある。我々が暮らす宇宙は、極めて合理的な存在基盤に立つということだ。加えて、人間の思考が(極く選ばれた人々に限るのかも知れないが)論理的である、ということでもある。
数学と物理学の間、または数学内の分野間での垣根をまたいだ統合作業も興味深いが、著者の自伝ともいうべき内容も本書の大きな魅力である。最終章の「愛の数式」は「?」だが。 -
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ホメオパシーは怪しいと気付いている人でも、鍼灸、カイロプラクティック、漢方を疑いなく信じている人は多い。
科学は今の時代でも万能ではなく、推論の積み重ねであり、原因が完全に解明されないまま利用されているものは多数ある。だが、本書が軸としているのは科学的根拠の究明ではなく、臨床試験とその結果を収集した系統的レビュー。ランダムで選ばれた患者に対し、二重盲検法によって試験担当者も対象者も本物の薬かどうか知らされないまま検証し、プラシーボの効果を排除してその効果を測定する。
正規の医薬品だろうと鍼治療だろうと霊感診療だろうとその理論はさておき、同じ検証プロセスを通してこそ何が有用で何が有害であるのかが正しく判定される。その結果、ほとんどの代替医療にプラシーボ以上の効果がないことが明確にされるが、代替医療の信奉者にこの事実を明らかにしたところで、恐らくほとんどが聞く耳を持たないだろう。
いくら正しいデータを並べようが、科学者が言葉を尽くそうが、人の信仰というものは簡単に破れるものではない。一般的に信仰のきっかけとは日常への不安や絶望からくるものだが、代替医療にハマるきっかけは現代医療に対する失望にある。医療制度が整った日本であっても、病院に不信感を抱くシチュエーションは簡単に想像できる。長時間待たされ、たらい回しにされた挙句、数分の会話で薬を処方されて終わり。こんな流れ作業では患者が一番必要とする『安心感』が得られず、プラシーボの効果が薄まることさえあるだろう。それは「医者なんだからこの苦しみを完璧に取り除いてくれるのが当然だ」と完全性を期待してしまう患者の無理解と相まって、優しいだけだが優しさがある代替医療という甘い罠に誘い込ませる。
斯様に未だもって現代は信仰が支配する時代であるが、これは代替医療に限ったことではない。政治・経済にとどまらず、科学の分野においてさえ、「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな話に根拠のない確信を持つ人は多い。自覚のない信仰に自ら気付く術はあるのだろうか。せめて、自分自身にも未だ見えない信仰があるのだろうということを覚えておき、信じ難い意見にも心を開けるようにしたい。 -
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2013年発刊。とてもおもしろかった。
天文学の歴史がこの一冊でざっとわかります。
理解力の乏しい僕ですら楽しめるくらいですから。
ええ。
【以下へぇ〜って思った点】
地球の自転=1日、月の満ち欠け=一ヶ月
季節のめぐり(地球の公転)=1年
地球と月と太陽という三つの天体が暦の元になっている。こんなの今さらすぎますが、僕はへぇ〜と思いました。昔の人たちは夜空をずっと観察しながらこの世界とは何なのかを探ろうとした訳ですな〜。
バビロニア国カルデア人が一日を24時間に区切り、一週間とう区切りを設けた。月〜日の曜日なんかも。
天動説から地動説へ。人間中心主義が崩壊。
宇宙の果て。ユークリッド幾何学。アインシュタインの登場。ビッグバンモデルの登場。
宇宙の晴れ上がり。コインシデンス。10の40乗。宇宙の平均温度はマイナス270度。インフレーションモデル。
ユニバース(単一宇宙)ではなくマルチバース(多宇宙)の考え方が有力に。
原子→原子核(中性子と陽子それをとりまく電子)→クォーク。
クォーク(粒子)以外にもさまざまな粒子が発見される
ビックス粒子など。
ひも理論。10次元。もう訳わかんない。
現代では多宇宙論があたりまえの説となっているそうです。
しかもその宇宙の数は人間が確認できる範囲外すぎてお手上げ状態。
結局、僕が感じたのはこの果てしない宇宙の歴史の中で、この地球で生きているということは、瞬きよりも短いくらいの本当に一瞬のできごとなんだということ(地球の寿命ですら)。しかも宇宙全体からすれば、すごくマイナーというか些細なできごと。
偶然なのか必然なのかわからないけれど、奇跡すぎる世界を生きていること。
すごいよ。 -
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宇宙の見方の科学哲学史。
初期の天動説、あるいはギリシャ時代の単純な地動説から、コペルニクスによる地球の太陽系での相対化が行われたとされるが、実はコペルニクスはそれも神の意図を知る上でのものであったと考えていた。むしろ後世の科学者たちがキリスト教的世界観からの離脱がこの時行われたと見た。また、ニュートン力学は依然完全統一理論を希求するところの出発点であり、アインシュタインもその系譜に載るが、量子力学や多元的宇宙論が出てくることで、現在の宇宙はたまたま人間が観測できている時代、空間にあるからだという、逆の意味(確率論的であるが)で人間中心論に戻って来ている。 -
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人間原理的な考え方は、まだ科学を十分に学んでいない小学生ぐらいの考え方だと思っていた。しかし、その人間原理が常に最先端の宇宙論の中で見え隠れしているという構図が面白い。
著者の青木薫氏は数々のサイエンス・ノンフィクションを翻訳していて、幅広い知識と分かり易い説明が特徴なので、本書もすんなりと読み進める事が出来る。
標準理論での限界や、インフレーション理論とひも理論のオーダーが全く異なる両極端から多宇宙ヴィジョンがでてくる件は非常に興味深い。
現在測定可能な宇宙と、多宇宙ヴィジョンが相容れない事も事実であろうし、我々が生きている間に検証が行われる可能性少ないだろうが、固定概念にとらわれず想像力を働かせる事により宇宙誕生の全体像が説明出来ると考えるだけでワクワクする。
「確実に正しい事などない」という疑問を持つ事が科学を進歩させる。
人間原理にもとづく宇宙論は、我々信じている科学がまだまだ発展途上であることを教えてくれているということではないか。
また、多宇宙ヴィジョンが間違っていたとしても実生活にはなんの支障もないであろう。
最先端の科学的アプローチの方法そのものを楽しめるのだから幸せな時代だと言える。 -
Posted by ブクログ
最新の宇宙論のひとつである"人間原理"が導かれた背景について、古代ギリシャ以降の宇宙論の変遷をなぞりつつ丁寧に語る。
古代の"神が作った"=人間のための宇宙の理念を破ったコペルニクスの原理。
・宇宙における人間の居場所は、なんら特権的なものではない
・宇宙には特権的な場所はない
このコペルニクスの原理が長らく科学的考え方のベースになっていたが、現代の多元宇宙論に至って状況が変わる。一度ビッグバンが起きた以上、それは何度あっても不思議ではない。そうして宇宙は無数に誕生し、その中でたまたま、この宇宙は人間が存在するに都合のよいものであったという。
⚪︎物理学者は、この「起こりうることはかならず起こる、何度でも起こる」という考え方を、空気のように吸い込んで物理学者になっている。それはいわば物理の世界の暗黙の了解、一種の常識なのである。