水谷淳のレビュー一覧

  • 宇宙・時間・生命はどのように始まったのか?:ホーキング「最終理論」の先にある世界

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    宇宙の成り立ちのことを考えるとそれはもう科学や数学というよりも発想の世界である。だからなんとなく素人でも参加できそうな気がしたりする。がしかし、本書かなり平易に書かれているが、予備知識が足らないとなかなか理解が難しい。が、ある程度読むと何となく理解ができるポイントが何回か来る。最終的には宇宙に関する研究の最先端について漠然と掴めたと思う。それこそ量子的に。今後の宇宙論について理解を深めるための足がかりになったと思う。

    この宇宙があまりにも人間に都合よくできている。確かにそうだ。
    量子の不確定性やもつれは謎すぎて正に現実は小説より奇なりである。

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    2025年11月12日
  • 僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない―――この世で一番おもしろい宇宙入門

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    人類がどれだけ宇宙のことをわかっていないかについて、かなりわかりやすかった。というと変な表現になる。でも何がわかってないかを知るためにはわかってることが何かを知ることが必要なわけで、本書は現代宇宙論の大まかな内容をきちんとわかることが出来る。数式付きの詳しい理解は教科書や学者に任せるとして想定される読者層の一般人ならこれで十分物知りだろう。

    文章はいかにも洋書的なユーモアと砕けた平易な感じで親しみやすいし、時間に空間、宇宙人まで話題の種になるようなポイントは大体抑えている。そういう意味でわかることを増やすことはこの本でできるけど、同時に読めば読むほどわからないことも増えていくのでそこはきちん

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    2025年10月29日
  • 最も賢い億万長者〈上〉―――数学者シモンズはいかにしてマーケットを解読したか

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    今はめっきり廃れてしまったテクニカル分析で財を成した数学者の投資手法がわかる。

    ・コンピュータ時代が幕を開けるやいなや、いち早くコンピュータを使って市場の秘密を解こうとする投資家が現れていた。早くも1965年には経済誌バロンズが、コンピュータは投資家に計り知れない恩恵をもたらし、機械によってアナリストは退屈な業務から解放されてもっと創造的な活動にあたれると論じた。

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    2025年10月25日
  • 宇宙・時間・生命はどのように始まったのか?:ホーキング「最終理論」の先にある世界

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    難解な本だが、知的な刺激と当たり前に受け入れてきた観念を覆すようなガツンと頭を打つような衝撃を感じられる内容。ホーキングはホログラフィック原理によって神などの第三者を介さずに世の理を説明しようとした結果生み出された理屈だが、逆に第三者を介在させることでも説明ができるような世界観を想像できた。これからのテクノロジーの発展の基盤となるような教養を深めるにあたっては必読の本であるように思う。

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    2025年09月28日
  • 科学文明の起源―近代世界を生んだグローバルな科学の歴史

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    江戸時代の日本が銅山を発見して「世界一の銅大国」になったきっかけは、一頭のゾウ!?
    ニュートンの万有引力はインカ帝国のおかげ!?

    常識のように疑いもしなかった科学史観が覆される一冊。

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    2025年08月06日
  • 世界はシンプルなほど正しい~「オッカムの剃刀」はいかに今日の科学をつくったか~

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    古代ギリシャから現代までの西洋哲学と科学の歴史を、「オッカムの剃刀」という縦軸を通して一気に俯瞰できるお得な一冊。正しいか間違っているかではなく、いかに単純に説明できるかという視点を持つ人と持たない人の差は大きいように思う。物理学を学ぶ機会がある高校生の後半から、大学生の前半ぐらいの時期に読むと、この先何を学ぶべきか、なぜ学ぶのかという疑問に立ち向かう力を持てるかもしれない。強くお勧め。

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    2025年06月28日
  • 「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた―――「ネコの空中立ち直り反射」という驚くべき謎に迫る

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    観測するための機材が一番大事と言う話。これは、色んなことにも言えることで、観測者の持っている知識や経験によって評価の仕方が変わるため、やはり人間を介して観測することは、非常に効率が悪い。
    どのように動き、どのように評価するかは、機械的に決めるべきであるとの考え方が、巻を通して書かれていました。

    何でもかんでも根性論やスピに逃げる人、必読です。結局、要領のいい生き方というのは遠回りでもいいから、確実なものをコツコツ積み上げることなんです。

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    2025年06月25日
  • この世で一番わかりやすい 宇宙Q&A―――人類が知りたくて知りたくてたまらない疑問ベスト20

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    物体はエネルギーである。永遠に続くものはない。まるで色即是空、沙羅双樹の花の色である。昔の人は量子や宇宙のことをなんとなく理解していたのだろうか?

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    2025年06月05日
  • 「感情」は最強の武器である―「情動的知能」という生存戦略

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    情動は身体と密接に繋がっている
    情動プロファイルのための簡易テストは自身の傾向を知るのに役に立った。期間をおいて再テストしてみると面白いと思う。
    腸内細菌や脳神経など多岐に渡る内容だったが、ショウジョウバエが失恋するとアルコールをあおるというのがなかなか興味深かった。

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    2025年01月13日
  • 僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない―――この世で一番おもしろい宇宙入門

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    本当に面白くて時間も忘れて一気読みしてしまった。
    もともと宇宙についての知識もない中学生だったが登場人物のジョークなどのおかげで読みづらさはなくすらすら読めた。
    専門的な内容も入っていて、身近でこんな不思議な現象が起きてるんだと考えるのが楽しかった。
    もう一度読みたいと思える良本でした。

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    2024年06月30日
  • 科学文明の起源―近代世界を生んだグローバルな科学の歴史

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    膨大な史料に基づいた科学史 とにかく洋の東西を問わず、全世界の科学史を文献に基づいて詳細に記載。
    日本の科学史についてもかなり詳細で正確なので、全編にわたってそうなのであろう。
    非常に公正な視点。信頼できる資料として保存版の本。
    医学の祖 イリヤ・メチニコフのことなど、知らなかったことを知ることができた。

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    2025年12月03日
  • 「感情」は最強の武器である―「情動的知能」という生存戦略

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    情動的知能という不思議な機能について解説している本。科学的根拠とストーリーを織り交ぜて書かれていて、科学的読み物として面白く読めた。

    【面白かった内容】
    ・心と体のつながり
    身体状態や環境が、感情や思考・意思決定に無意識に影響している。よりよい決断をするためには環境も大事。
    ・欲求と嗜好の関係
    欲求と嗜好は脳内では別のシステム。欲しいからといって好きなわけではない。

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    2024年01月05日
  • この世で一番わかりやすい 宇宙Q&A―――人類が知りたくて知りたくてたまらない疑問ベスト20

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    「この世で一番わかりやすい」というリード文が当たっているかは読者に委ねられるところであり、ピンポイントに抽出された20のテーマでは語られていないことも多々あるも、普段考えることのない宇宙に思いを巡らすことを充分に楽しませてくれる。難しい内容が所々にあるも、日本語訳がこなれており、挿絵もユーモアに富んでおり娯楽書としてお勧め。

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    2023年09月17日
  • 「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた―――「ネコの空中立ち直り反射」という驚くべき謎に迫る

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    でかまま的に、大当たりな一冊でした。
    構成が素晴らしく、タイトルとは一見無関係な事柄が有機的に絡み合い、取りこぼされることなく、総括されていく様は見事としか言いようがない。
    著名な物理学者たちが、猫という不思議な存在と意外なところで結ばれていたり、自然というか、進化の賜物を前にして戸惑ったりしている様がありありと伝わってくる。
    そして、科学というものが新しい技術による観察によって大きく動くこと、いまなお謎のままになっている事象があり、知り得ていることは存外と限られていること、それを改めて痛感する一冊だった。
    オッカムの剃刀が通じない世界を前にして、それでもそのもろい剃刀を手に挑むしかないのかも

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    2023年09月10日
  • 僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない―――この世で一番おもしろい宇宙入門

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    宇宙に関する調査研究の最前線を、分かりやすくかみ砕いた語り口調で平易に読むことのできる一般書。
    サブタイトルにある「この世で一番おもしろい宇宙入門」というのがこの本の読者層を一番親切に伝えているが、メインタイトルもよく本書の内容を伝えている。

    つまり、いま現在の科学で、宇宙について「わかっていないこと」を語ることで、必然的に「ここまでは分かっている」という研究の最前線(限界)の案内になっている。
    宇宙は何で出来ているの?
    から始まり、物質とは?空間とは?時間とは?次元とは?光より速く動けるのか・・・?等など
    物理学と量子力学と一般相対性理論とが、この宇宙について説明できている限界範囲を、楽し

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    2023年08月30日
  • この世で一番わかりやすい 宇宙Q&A―――人類が知りたくて知りたくてたまらない疑問ベスト20

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    親しみやすい口語調なのでテンポよく読める。
    堅苦しい説明はなく、一緒に考えてみようよ、というスタンスの本。

    前作 "We Have No Idea" は、分かっていないことの説明で、
    本作 "Frequently Asked Questions About the Universe" は、よくある疑問に答える内容だ。

    質問者は9歳から99歳と幅広く、本書の対象者も同様の年齢層だ。
    文字だけでも読み易いが、ほぼ全ページにあるマンガが理解の手助けになっている。

    タイトルに「この世で一番わかりやすい」とあるが、この手の読み物としては本当にわかりやすいと思

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    2023年08月26日
  • 僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない―――この世で一番おもしろい宇宙入門

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    翻訳者の水谷淳さんて気にしたことなかったけれど、読みやすいということに気が付いた。
    今までに、
    『「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた』
    『量子力学で生命の謎を解く』
    『宇宙を解くパズル』
    の3冊を読んでいたが、どれもこなれた日本語だったという印象が残っている。

    本書の内容は、宇宙の「わからない」部分について「わかりやすく」説明したものだ。
    ・何が分かっていないのか?
    ・どうして謎のままなのか?
    が、書いてある。

    宇宙に関しては、観測できて「分かっている」ことになっている部分は5%しかない。
    残りの95%の「わからない」部分とは、27%のダークマターと68%のダークエネ

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    2023年07月22日
  • 宇宙を解くパズル 「真理」は直観に反している

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    ハーバード大学の1年生向けの講義で使っているテキストというので、難しいのだろうと覚悟して手に取ってみた。
    確かに難しいが、いくつかやってみたところ、どの問題も考えることはできる。
    こんなパズルの本が欲しかった。という内容で面白い。なので買った。

    難しいと感じる理由の1つに、問題自体の意味がわからないというのがある。

    例えば、「半減期が1時間の放射性物質がある。3時間経過すると、この放射性物質はどれだけ崩壊するか。元々の全体量に対しての量を答えよ。」
    みたいな問題だと、「半減期」「放射性物質」「崩壊」を知らないと考えようがなく、答えを見ても理解できないだろう。

    本書のパズルは、問われている

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    2023年04月06日
  • 宇宙を解くパズル 「真理」は直観に反している

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    一見難しいパズルが、見方を変えることで簡単な問題に置き換えられる様を体験できる。パズルはすぐに覚えられる短いもので、本を閉じて他のことをしながらゆっくり考えることができる。自力で解けた時も楽しいし、より簡単に解ける解答を読むのも楽しい。発想の転換はどれも物理や数学で重宝されるもので、その一端を知れるのもよき。

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    2023年02月25日
  • 世界を支えるすごい数学 CGから気候変動まで

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    やさしそうな見た目とは裏腹になかなか読み応えのある難しさの本でした。


    かつて、数学とは何かを数値化するために使うものでありましたが、現在、さまざまなことが自動化されたおかげで、使うものではなくなってきています。

    例えば、お釣りの計算はレジでやってくれますし、目的地の最短ルートはわざわざ地図と睨めっこする必要もなくなりました。
    数学はこうして使うのではなく、「欠かせないもの」として変化していった、と冒頭で述べられています。

    また、数学は、作られた当初の目的とは思いもよらない形で利用されていることが多く、この本においても、そんな数学が主に取り扱われております。


    何か新しいものを生み出す

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    2023年01月22日