水谷淳のレビュー一覧

  • アインシュタインの戦争―相対論はいかにして国家主義に打ち克ったか―

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    副題見ずに勝手に原爆の話だと思ってたら、全く違ってた。
    世界大戦の中で相対論なるものが考え出され、認められるまでの、アインシュタインを中心とした科学者達のお話。

    現代でも国別の論文数がどうのとニュースになるけど、国の威信が叫ばれる時代、しかも戦争中に、国際協力で研究を続けることの困難さといったらないだろうなと。

    ローレンツ、エディントン、ボッシュ、プランクと名前は知ってる科学者たちがいっぱい出てきて、オールスター感あった。
    科学と政治が結びつかざるを得なかった時代だからこそ、トップ層の科学者は分野は異なっても協力/反発関係があったようで。

    なお、相対論の理解は進んだようで進みませんでした

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    2021年10月27日
  • 最も賢い億万長者〈下〉―――数学者シモンズはいかにしてマーケットを解読したか

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    後編は人間同士の衝突にフォーカスした内容でしょうか。
    ひとまず、もう少し自動売買に寄せたポートフォリオにしたいと感じた次第です。

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    2021年08月08日
  • 最も賢い億万長者〈上〉―――数学者シモンズはいかにしてマーケットを解読したか

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    最高の頭脳をもってしても市場と向き合うのは難しいのだなと改めて感じさせるものだった。また、数々の試行錯誤、紆余曲折、出会いと別れを繰り返して成功に向かう過程が生々しい。世界をとるのは簡単じゃないと思い知らされる。

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    2021年08月01日
  • なぜあの人のジョークは面白いのか?―進化論で読み解くユーモアの科学

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    笑いがおきる仕組みを解説するだけではなく、笑いを哲学・進化論的に考えて、なぜ笑いが世の中に必要だったかを解説しているのが楽しかった。
    笑いへの捉え方が少し変わった気がする。

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    2021年06月06日
  • なぜあの人のジョークは面白いのか?―進化論で読み解くユーモアの科学

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    ジョークは、人間が生きて行く上での薬にもなれば、毒にもなる取り扱い注意のものだ。




    「ユーモアと心」では、ユーモアの中で人を笑い者にするものが多い。ポイントは優越感を抱かせるだった。誰も自分がかわいいからなあ。




    「分かっちゃいるけどやめられない」のが「笑いとセックス」だった。ユーモアは、異性に対して自分をよく見せる道具になる。人間がいる限りなくなることのない笑いの1つだ。



    「ジョークと文化」では、ユーモアがうさ晴らしの手段になる場合として、反体制的なジョークを取り上げている。押さえつけられているとユーモアを言いたくなるようだ。




    ソビエト時代のロシアの地下で広まったジ

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    2021年05月16日
  • アインシュタインの戦争―相対論はいかにして国家主義に打ち克ったか―

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    相対性理論を検証するために、第一次世界大戦でドイツの敵だったイギリスの科学者たちが中心になって活動した記録だ.重力によって光が曲がるという現象を日食の際に観測することを企画したエディントンの奮闘が素晴らしい.1919年5月29日の皆既日食をアフリカとブラジルで観測している.当時イギリスではクエーカー教徒は良心的兵役拒否を認められていた由.クエーカー教徒のエディントンが担当職務も合わせて兵役を回避できたことが、相対性理論が注目される大きな要因だと感じた.また、スペイン風邪で戦争が早く終わったことも幸運だったようだ.

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    2021年05月10日
  • 僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない―――この世で一番おもしろい宇宙入門

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    僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない この世で一番おもしろい宇宙入門
    著:ジョージ・チャム , ダニエル・ホワイトソン他

    この本は、宇宙についてわかっていないことについて書いている。もう答えが出ているはずだと思っているかもしれないけれど、実はまだわかっていないいろんな大きな疑問についての本である。

    宇宙最大の未解決問題にはどんなものがあるのか、どうしてまだ謎のままなのかを説明している。まだ探検さrていない、とてつもなく広い未開の地にわくわくしてもらうのがねらいである。

    構成は以下の16章から成る。
    ①宇宙は何でできているの?
    ②ダークマターって何?
    ③ダークエネルギーって何?
    ④物資の

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    2021年02月20日
  • 僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない―――この世で一番おもしろい宇宙入門

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     宇宙について「分かっていない」ことを明らかにする本。科学の進歩でたくさんのことが解明されてきたが、それでもまだこんなにも分かっていないことがある、ということにワクワクが止まらない。

     "知らないこと"と"存在しないこと"は違う。宇宙について解明されていない95%に一体何が存在しているのか、ありとあらゆる可能性があるような気がしてすごく面白い。

     宇宙飛行士が地球へ帰還した後に宗教の道へ進むことがよくある、という話を聞いたことがあるが、こんなにも未知が詰まった宇宙を地球外から目の当たりにすれば、それはもう理屈では説明し得ない力、いわゆる神の力みたいな

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    2021年01月03日
  • ゲノム革命―ヒト起源の真実―

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    ここ30年ほどで急速に進歩したゲノム(DNA)の研究によって、人類の進化について調べる方法論やその結果わかったことを解説する。
    化石の研究にくらべて、研究者個人の考え方などに左右されにくく、わかった事を再検証によってさらに詳細に調べる事も可能であり、我々人類の進化の流れについてかなりクリアになりつつあるという感じを持った。
    他の人類進化の本には無いゲノム研究の詳しい考え方などが説明されている部分が良かった。

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    2020年04月18日
  • もっとも美しい対称性

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    楽しい本だった。対称性をキーワードに古代の数学からガロア理論、そして相対性理論、最先端の超弦理論へ。厚い本だが語り口がうまくどんどん読める。この中で特に対称性で大きな発見をしたのが若くして死んだ天才ガロア。改めてガロアの偉大さがわかりました。天才ウィッテンも出てきて、現代物理の入門としても良い本だと思います。

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    2019年09月15日
  • 数学は世界を変える あなたにとっての現代数学

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    数学の基本的な考え方を優しく書いてくれている方。内容的にはテクニックと言うよりも概念的なものが中心である。最初に挙げられているクイズ的な問題は実際にやってみても面白い。1942年の所であるが、内容的な古さは全く感じられない。全般は古典的な数学に関する話題であるが、後半は現代数学にもう少し踏み込んでいる。2+2=4では無いというあたりの話は結構衝撃的だった。

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    2018年11月12日
  • ゲノム革命―ヒト起源の真実―

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    ネタバレ

    人類進化の歴史を自然人類学やゲノム解析の観点から解説してくれる。化石だけではなく、遺伝子研究からの進化のストーリーが実に興味深い。

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    2017年04月23日
  • もっとも美しい対称性

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    数学者、物理学者たちが共通して持っていたと思われる考え方、対称性について、理解を深めることができる。すごい発見、考えをした人たちの生き様がよく描かれていて、面白いし、興味が湧いてくる。

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    2016年05月03日
  • 数学は世界を変える あなたにとっての現代数学

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    富んでいるときは
    役に立たないものでも
    寛容に受け入れられるが

    貧しくて余裕がないときは
    実用的なものや
    結論に飛びつきたくなる

    世界がもっと富んでいけば
    世界の人が多様性に寛容になり
    5階の住人も増えて
    人間がよりよく進化するのだろう

    ただ富むためには
    テクニックとしての数学も
    きっと必要

    ただ富むために
    テクニックの使用を間違えると
    悲しい結果にもなる

    正しい哲学をもって
    正しくテクニックを使用し
    多様性を受け入れることが
    この世界には必要と
    最近のニュースをみて思う

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    2015年04月19日
  • ダーウィンを数学で証明する

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    ダーウィンと表しつつも、フォン・ノイマンの自己増殖オートマトン論文をベースにしたメタ生物学的アプローチから進化論を数学的に証明しようとする試みである。講義を元に構成されており概念や抽象的内容が多いが、文体は軽やかで読みやすく面白い。ゲーム理論が生物学とも親和し始めており、筆者が強調するノイマンの先見性や偉大さには同意。

    DNAは自然ソフトウェアであり、人工ソフトウェアが開発されたからこそのアプローチだろう。そこから数式検証、例えばビットの順数より乱数のほうが進化が起こりやすいというのも、こうやって「自然の仕組み」が解明されていくのだなと感じさせられる。

    それにしても結局「Ω」が何なのかがよ

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    2014年09月15日
  • 「多様な意見」はなぜ正しいのか 衆愚が集合知に変わるとき

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    本書はミシガン大学の経済学者スコット・ペイジによる、集合知における「多様性」の効果を定量的に論じた本である。

    集団における最適化問題、予測問題、選好制約の解消問題について、多様性の効果を定量的に分析している。前者2つでは多様性がパフォーマンスの向上に結びつくのに対し、後者では多様性が選好関係を複雑にし、全員が満足する結果は得られないことを述べている。

    おそらく著者の貢献は最初の最適化問題への適用であり、残り2つは既存の研究結果の説明であると思われる。

    文章は読みやすいがわかりやすくしようとしてやや冗長である。理系の読者は、本書で紹介されている著者の論文を直接読んだほうがよいかもしれない。

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    2014年05月26日
  • もっとも美しい対称性

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    「対称性」ということなので、素粒子理論やひも理論のことが出てくるのは分かっていた。ただ、その説明のために高次方程式の解を導く公式から始まるのは想定外。ただ、読み進めていくと納得できる。高次方程式の解法が、何かが不可能であることを証明することや、複素数という新しい「数」の発明、という数学の歴史の中でも大きなステップにつながる出来事でもあったということがわかるからだ。そして何より、現代物理学にとって重要な「対称性」の鍵となるガロアの群論がここから始まったからだ。
    (群論は、大学のときに全く頭に入らなかったことで覚えている。大事なんだろうなとは思っていたのだけれど...)

    量子力学の歴史や、ひも理

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    2015年12月07日
  • 数学は世界を変える あなたにとっての現代数学

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    ネタバレ

    現代の見方ではより柔軟性な精神と変化に対する覚悟が必要だ。泥だらけの古いわだちから自分の精神を解き放て。そして絶えず変わり続ける世界に順応せよ。

    ビジネス書のような内容だ。
    まさか、数学に関する書籍からこのような内容をうけるとはおどろきだ。
    とにかく現代の数学、数学だけではなく現代美術、現代音楽にもふれないといけないんだよね。

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    2013年10月19日
  • 重力機械 ブラックホールが創る宇宙

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    タイトルの「重力機械」とは、ブラックホールを指す。この時空を歪ませる宇宙の究極の存在は、その巨大な質量、高速の自転、それらによる竜巻状の時空の歪みにより、降着円盤に膨大な摩擦熱を発生させ、核融合よりもはるかに効率的なエネルギー発生源になるということが、このタイトルに集約されているらしい。
    ブラックホールは、大きな質量を持つ恒星の最終形として生ずると理解していたが、最近の研究では、銀河中心部、あるいは銀河団中心部にある超重ブラックホールは、それとは別物らしい。本書は、このような超重ブラックホールを主な対象として、これが物質を食い尽くすだけでなく、時折膨大なエネルギーを放出することで宇宙が恒星過多

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    2013年05月06日
  • 数学は世界を変える あなたにとっての現代数学

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    声に出して読みたい本。
    小学高学年か、中学入ったくらいで、数学の授業の時に先生がこれを読んでくれたら、教えてくれたら、興味を持って楽しく勉強ができたかも。
    学校の先生もこのくらい柔軟な頭だったらいいのに。

    数学がわからなくても、この本は面白い。
    数学者と、現代芸術家を同じに見ているところ、面白い。
    挿絵も、現代美術テイスト?

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    2011年12月05日