水谷淳のレビュー一覧
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宇宙の仕組みを解明する手法のアナロジーとして、パズル問題が提示される。問題は取り組みやすくなるが、解法は簡単には思いつかない。解法は納得できるものと、理解できないものに2分される。
特に理解できない解法は、説明の丁寧さが欠けることが多く消化不良になる。
本書では双対性の概念が紹介されている。どこから手を付けていいか皆目わからない、膨大な計算が必要そう、という複雑な問題を、この概念を使うことで単純化した問題に置き換えるアプローチは面白い。まえがきには「スイカの重さの99%が水分だったとします。1日置いたら水分が蒸発して、98%が水分になっていました。スイカ全体はどれだけ軽くなったでしょう?」という問題が書かれていて、巻末にはその答えがあり「全体の重さは半分になった」とあり、その説明がされています。シンプルに考えられることが、ヒラメキに繋がるヒントになるのかもしれない。 -
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理論物理学方面のブルーバックス。
数学と物理学は相互に関係しながら発展してきた。例えば、マックスウェルが電磁気の方程式を統合しようとしたときに、数学的な矛盾を解消するために変位電流を導入した。そこから電磁波(光)の存在が理論的に予言された。そして光速が不変であることを数学的に満足させようとすると相対性理論が生まれた。
現代の超弦理論では用いられる数学も抽象的で高度なものになっているが、その数学的エッセンスを抽出してパズルとしてわかりやすく楽しく理解しようというのが本書の趣旨。とくに対称性や保存則を用いた鮮やかな解法が魅力的だ。物理の本なのでパズルだけでなく、それがどのように物理と関係しているかの解説も興味深い。 -
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当たり前ではあるが本書は題名通り「落下する猫が宙返りして着地できるのはなぜか」を論ずるもの。と言ってしまえば身も蓋もないが、しかし2つの理由でなかなかに読ませる作りになっている。
1つ目の特徴は、本書が19世紀以降の物理学が獲得してきたパラダイムを順に追いかけ、その時代時代に妥当とされた知見から導き出される暫定的な宙返り問題の「正解」を時系列的に並べる形をとっていることだ。そのため、僕のような物理学に見識のない読者は「これが究極の答えでは?」と何度も早とちりをさせられるのだが、先を読むたびにその都度問題の「一筋縄ではいかなさ」を思い知らされることになる。一応の正解は、NASAに研究を委託されたスタンフォード大の科学者トーマス・R・ケインらが辿り着いた、ラドマーカーらの「ベンド・アンド・ツイスト」を2度行うモデルのようだが、何せ本書はその時点でまだ5分の2を余しているのだ(若干拍子抜けだが、終盤近くで「猫は物理学者と違い、一つのモデルを排他的に選択しているのではない」という指摘がなされる)。
2つ目は、そのパラダイムの相幕に挿入される逸話の面白さだ。猫の空中落下連続写真を世に出した19世紀末の2人の科学者の邂逅(なんとこの2人、イニシャルも生年も没年も同じ!)、偏屈な数学者ジュセッペ・ペアノが挑んだ不毛な「チャンドラー揺動」の原因発見者争い(結局的外れだったというのが面白い)、8階よりも高所から落ちた方が高くなる猫の存命率、「ビュリダンのロバ」と呼ばれるロボット特有のパラドックスを克服するためのアルゴリズム…どれも単独で一冊の本ができそうな厚みのある話だが、極め付けは、最終章手前で論じられる「トポロジー位相」に関するものだろう。
猫の宙返りは、全体として角運動量を保存したま身体の各部分を連続的に動かしながら、最終的には最初と全く姿勢のまま正反対の方向を向く。これが「フーコーの振り子」を例に論じられる「非ホロノミック系」という幾何学的位相変化の蓄積と同じだというのだ。確かに、この猫の「腰の曲げ角度」と「腰をひねる角度」からなる座標を球表面上に配置し、猫の身体運動を計時的にプロットすると、先述のラドマーカーのモデルが猫の背骨の構造上不可能な領域を通過しながら元の座標に戻るのに対し、ケインのモデルではそのような無理のある経路を通らないことが視覚的に把握できる。これには驚かされた。フーコーの振り子と猫の宙返りをトポロジーで繋げる著者の力量に感じいることしきりだ。
以上、猫の可愛らしいイメージとはややかけ離れたハードな内容を持つ本書だが、読み物として非常によく作り込まれており、知的好奇心を満足させるに十分。やや長いが多くの人に読まれることだろう。 -
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ジョークは、人間が生きて行く上での薬にもなれば、毒にもなる取り扱い注意のものだ。
「ユーモアと心」では、ユーモアの中で人を笑い者にするものが多い。ポイントは優越感を抱かせるだった。誰も自分がかわいいからなあ。
「分かっちゃいるけどやめられない」のが「笑いとセックス」だった。ユーモアは、異性に対して自分をよく見せる道具になる。人間がいる限りなくなることのない笑いの1つだ。
「ジョークと文化」では、ユーモアがうさ晴らしの手段になる場合として、反体制的なジョークを取り上げている。押さえつけられているとユーモアを言いたくなるようだ。
ソビエト時代のロシアの地下で広まったジョークを取り上げている。
政事をネタにしたジョークのコンテストの開催が発表された。
第3位 懲役10年と全財産没収
第2位 独房監禁15年
第1位 禁固25年
ジョーク1つ言う自由もない社会だったのがよく分かる。
自由がないと言えば、やりたい放題の権力者が支配する中国だ。2013年、習近平主席をあのくまのプーさんに似ているとやゆするネタが広まった。2018年には中国政府はくまのプーさんの最新作を上演禁止にした。
器の小ささがよく分かる。権力者は笑われてなんぼと思わないとやっていけないよ。アメリカの大統領がいい例だ。
ユーモアは、良いこともあれば悪いこともあるので、使い方には注意だな。 -
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僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない この世で一番おもしろい宇宙入門
著:ジョージ・チャム , ダニエル・ホワイトソン他
この本は、宇宙についてわかっていないことについて書いている。もう答えが出ているはずだと思っているかもしれないけれど、実はまだわかっていないいろんな大きな疑問についての本である。
宇宙最大の未解決問題にはどんなものがあるのか、どうしてまだ謎のままなのかを説明している。まだ探検さrていない、とてつもなく広い未開の地にわくわくしてもらうのがねらいである。
構成は以下の16章から成る。
①宇宙は何でできているの?
②ダークマターって何?
③ダークエネルギーって何?
④物資のいちばん基本的な部品は何?
⑤質量の謎
⑥どうして重力はほかの力とこんなに違うの?
⑦空間って何?
⑧時間って何?
⑨次元はいくるあるの?
⑩光より速く進むことはできるの?
⑪地球に超高速粒子を撃ち込んでるのは誰?
⑫どうして僕らは反物質じゃなくて物質でできているの?
⑬ビッグバンのとき何が起こったの?
⑭宇宙はどのくらい大きいの?
⑮万物理論はあるの?
⑯宇宙で僕らはひとりぼっちなの?
難しい。本書を心からおもしろい!!読みたい!!と前のめりで読むにはまだまだ自分の知識も意識も足りないことがわかった。宇宙についてわからないことについて書かれているものの、自分自身まずは、宇宙についてわかっていることについてもわかっておらず、どれがわかっていて、わかっていないかもわからず、初見のワードに戸惑いながら、最後まで読み進めてしまった。
何度か読んで理解するということではなく、宇宙の基本や宇宙に関してライトに触れている書物から読み、宇宙に対しての意識を高めてから再度チャレンジしてみたい。
知識のなさに歯がゆさを感じながら読み進めており、世界の広さをまたまた感じさせられた。 -
Posted by ブクログ
宇宙について「分かっていない」ことを明らかにする本。科学の進歩でたくさんのことが解明されてきたが、それでもまだこんなにも分かっていないことがある、ということにワクワクが止まらない。
"知らないこと"と"存在しないこと"は違う。宇宙について解明されていない95%に一体何が存在しているのか、ありとあらゆる可能性があるような気がしてすごく面白い。
宇宙飛行士が地球へ帰還した後に宗教の道へ進むことがよくある、という話を聞いたことがあるが、こんなにも未知が詰まった宇宙を地球外から目の当たりにすれば、それはもう理屈では説明し得ない力、いわゆる神の力みたいなものが体中に漲ってくるのではないか、と想像した。というわけで積んでいる立花隆の『宇宙からの帰還』を近く読みたい。