水谷淳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ数学と宇宙物理学の…というよりは、ある数字をテーマにして物理的背景を語る本に近いかな。結構難易度は高いかも。
非常に大きい数字であるグーゴルプレックスから、思い起こすだけで頭がブラックホールになるグラハム数(表現が面白い)。0にヒッグスボソンの実験データまで。ただ一つ「数字」という概念を持ってきても、宇宙には解かれていない謎がまだ残っている。
あとずっと重力は質量が生むものだと思っていたけど、エネルギーが生んでるというのはマジなのかな?確かにE=mc^2は質量をエネルギーに変換できることを示したわけだけど。
重力は時空の(場の)曲がり具合として表現されるわけだけど、つまり時空を曲げるのは質 -
Posted by ブクログ
ネタバレイギリスのローカルな話題により過ぎなのと、コロナの話題が多くて今ひとつ入り込めなかった。
情報理論やベイズなど、最近のトピックについてもそれなりのページを費やしてかかれている
・としてコインの問題に戻り、Aを「1万回投げてオモテが5200回出る」、Bを「このコインは公正である」としよう(たくさんあるコインのうちどれだけの割合が本当に公正であるかを考えることに相当する)。第5章で説明したとおり、Bである場合にAである確率は比較的簡単に計算できる。そこでベイズの定理を使えば、もっと興味深い、Aである場合にBである確率、つまり、観察されたような結果の場合にこのコインが公正である確率を導き出すこと -
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Posted by ブクログ
欧米中心で語られる科学史を、そうではなくグローバルな相互関係で発展してきたことを明らかにする。コペルニクスの地動説はサマルカンドでの天体観測の成果に由来すること、新大陸発見後の博物学は現地の知識に大きく依存していたこと、量子力学の発展も日本や中国の研究者に由来する部分があることなどの事例がこれでもかと紹介される。また、科学も社会的な人間の営みであるので、社会情勢や政治による影響を受ける。例えば、植民地経営の一環で博物学が発展したことや、新興国や植民地では国力増進や独立のために科学力が重視されたことなどが紹介されている。
しかし、本書は欧米中心でないことの証左をかき集めた印象もあり、何故これまで -
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Posted by ブクログ
現代物理の最先端概念をパズルを通して、感じてもらおうという著作。
啓蒙本では、数式が使えない代わりに、喩えが使われることが多いが、本書はそれをパズルで代えようとしている。
数式的な対称性やネーターの定理など、原理は説明されているが、数学を用いずに説明しているため、しっかり理解できたという感覚は得られないのではないか。
「学問に王道なし」ということをこの手の本を読む度に実感する。
本当に10年単位の回り道になるかも知れないが、専門書の学習を積み重ね、その峰に到達したときには計り知れない喜びがある。それなりの本にはそれなりの喜びしか伴わない。 -
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Posted by ブクログ
「複雑な理論より、シンプルな理論のほうが正しい」
「余分な複雑さは削ぎ落とすが吉」
14世紀の神学者が唱えてたとされる、極めてシンプルで有効な方法論。
それは、科学の発展を後押しすることもあったし、科学の発展に裏打ちされることもあり、今やもう、語る必要もないくらい普遍的な心理となっている。
その裔に、ガリレオもコペルニクスも、ケプラーも、ニュートンも、おますのだ。
本書は、その視点で科学発展史を語る。
神の軛から、科学を解き放つのが、どれだけ困難な事業であったかが、ホンマによく解る。
著者は最後に、結局のところはそれは、ベイズ統計だろうという。
シンプルなことほど、現実である可能性が高