水谷淳のレビュー一覧
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数学のすばらしさを伝える良い本なのですが、私には難しかったので星3つ。
ある分野を念頭に考え出された数学が、まったく違う分野で大活躍している、不合理な有効性の例が列挙されている。選挙区の区分けの公正さを記述する数学、巡回セールスマンとP=NP問題の関係、ハミング距離を使う画像認識は次元を小さくするために敵対的サンプルを簡単につくれる、腎臓移植のドナー選びにグラフ理論が使われている、RSA暗号や楕円曲線のしくみと量子コンピュータでも破れない暗号、シュレジンガー方程式と複素平面の関係、コンピュータグラフィックスの回転に使われる四元数、ばねの不良解析に使われたカオス挙動のアトラクター、CATスキャナ -
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Posted by ブクログ
哲学、生物学、歴史学、宇宙物理学と、様々な学問から「未来」というものを触れており、1つのキーワードを巡る様々な解釈の差なども現れていた。「未来とは何か」という難解な命題に簡単に答えはでないだろうが、生物や人はどのように未来と向かい合ってきたか、は描かれていた思う。
あらゆる生物は未来を操ろうとするものであり、①どんな未来を望むかという目標、②起こりうる未来を見極める予想、③目標に向かうための行動、という3ステップによって未来操作が行われる。未来予想では現在目に見えるトレンドから帰納的に推測するしかなく、そうした意味で未来を見ることは過去を見ることに等しい。 -
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ネタバレ科学エッセイとして面白いけど~1「落下するフィギュアスケート選手」1850頃マクスウェルが,落下し始めたときからすでに回転していて肢を引っ込めたりの倍s足りして慣性モーメントを変えて回転速度を変える。2「タック・アンド・ターン」1894頃マレが,前肢後肢を引っ込めて上半身・下半身の慣性モーメントを変え,逆回転を抑えながら先に上半身を遅れて下半身を回転させる。3「ベント・アンド・ツイスト」1935頃ラドマーカーとブラークが,腰を折り曲げて上半身と下半身を逆方向に回転させることでそれぞれの角運動量を打ち消し合うようにする。4「尾をプロペラのようにつかう」1895頃,ペノアが,プロペラ運動で身体を逆
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フェルミ推定より計算力の本。
どこかで発表されている統計値は、ほとんどは概算値。
無駄な精度はいらない。化石が6900年22日前のもの、という話。
統計値は、一番信頼度の低い要素と同程度しか信頼できない。
投票でさえも、数えるたびに違う。無効票の扱い、穿孔くずが残っている票の有効性、などによる。
精緻な数値より、精緻でなく丸めた概数のほうが実感がわく。
有効数字が2桁より多いと、正確な値と思いがちだがそうでもない。有効数値が4桁必要なものはほとんどない。
イギリスでは12×12まで覚える。インドは20×20まで。
10の3乗=キロ、6乗=メガ、9乗=ギガ、12乗=テラ、15乗=ペタ、 -
Posted by ブクログ
宇宙のことは5%しかわかってない。残りの95%を占めるダークマターやダークエネルギーは謎のまま。宇宙を膨張させる力が光速を超えているならば、観測できる宇宙限界の外は?素粒子も17種類まで見つかっているが、その先の基本粒子の存在は?人間が認知できる4次元を超える次元はあるのか、それは検証可能か?そもそも宇宙は何のためにあるのか、といった哲学的な問題まで、わからないことだらけ。この本では終始一貫してその謎を再提示することで、宇宙への理解の無力さを突きつける。ふざけた記述を重ねてわかり易さを狙っているが、煩わしく不要そのものに感じる。謎を追求したい人よりも追認したい人向きだろう。