あらすじ
バフェット、リンチ、ソロス、ダリオを
凌ぐ脅威のリターン!
32年間平均66%の収益率、運用収益は10兆7000億円超!
個人の推定資産は2兆5000億円
投資の世界でこれほど稼いだ者は誰もいない
ウォール街で桁外れの利益を出し続ける謎のヘッジファンド「ルネサンス・テクノロジーズ」。創始者のジム・シモンズは、40歳で数学者からトレーダーに転身した。なぜ、素人集団のルネサンスが市場で勝ち続けてきたのか。人間の感情を一切排除したアルゴリズム投資の裏で繰り広げられる、科学者たちの喜怒哀楽のドラマ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
上下巻に分かれていますが、上巻はシモンズの生い立ちから、起動に載っていよいよ株式の投資にも乗り出すというところまでが描かれてます。
個人的には生い立ちから描かれてる上巻の方が読み物としては面白いかなと思いました。
30年前はアルゴリズムが間違えてる可能性もあるとシモンズも感じているのか、システムの判断に従わずに主観を入れて売買して失敗しているのは興味深かったです。
Posted by ブクログ
まずは身近な話から。
娘の中学受験のとき、ネットのクチコミサイトみたいなものを覗いたことがある。今、うちの子は偏差値が40なのですが、あと一年でxx中学に受かるでしょうか、みたいな聞いてどうする系のトピックが溢れ、それは無理ですだの、いや、うちの子はラスト数ヶ月でどうだのという論争があちこちで勃発していた。
そこでひとつわかったことは、一般的な傾向と個別のサンプルとはしばしば混同して語られているということだった(子どもの教育、という切実な問題ではとくに)。早々にその掲示板に見切りをつけたことは、自分自身の精神衛生上はよかったと思う。
さて、複雑怪奇な株式市場に博打好きの天才数学者が挑んだとき、どんな個別サンプルからどんな一般的傾向を発見できたのか、というのが本書のテーマである。
コンピュータの性能も悪く、株価のデータを手で書き写すような時代に、今まさに人工知能がかかりきりになるような戦いが行われていた。
大学で基本を習った方には馴染み深いと思うが、経済学の現場では、効率的市場仮説、すなわち市場では皆が正確な情報を持っていて誤りは瞬時に訂正される、というややウソくさい仮定が(行動経済学がノーベル賞を取った今でも)重宝されている。これは、要するにこの仮定のもとでは理系っぽい数学を使いやすいからだ。
本書の登場人物、シモンズをはじめ全員変人の数学者集団は、美しい数式を操れる知性でもって市場の効率性を疑い、文字通り一つずつ集めた手作りの株価データをもとに市場参加者を出し抜いた。「傾向」を見抜いたのだ。
「目標は、何か数学モデルを考え出して、それを枠組みとして使って何らかの結果や結論を推測することだった。、、、一番大事なのは、つねに正解じゃなくても、十分に多くの場合に正解であることだ」(p147)。
まだ上巻、本当の試練はどうやらこれからだ。
Posted by ブクログ
最後の最後で本書は読者に対して勇気づけるような言葉を投げかけるが鵜呑みにしてはならない。
シモンズの功績は特別だし、並大抵の人間が出来ることではない。
自分に関する感想ではとにかく時期を見て何度も読み返すことが本書のエッセンスを得るために大切なことと感じる。
Posted by ブクログ
最高の頭脳をもってしても市場と向き合うのは難しいのだなと改めて感じさせるものだった。また、数々の試行錯誤、紆余曲折、出会いと別れを繰り返して成功に向かう過程が生々しい。世界をとるのは簡単じゃないと思い知らされる。