宇宙に関する調査研究の最前線を、分かりやすくかみ砕いた語り口調で平易に読むことのできる一般書。
サブタイトルにある「この世で一番おもしろい宇宙入門」というのがこの本の読者層を一番親切に伝えているが、メインタイトルもよく本書の内容を伝えている。
つまり、いま現在の科学で、宇宙について「わかっていない
...続きを読むこと」を語ることで、必然的に「ここまでは分かっている」という研究の最前線(限界)の案内になっている。
宇宙は何で出来ているの?
から始まり、物質とは?空間とは?時間とは?次元とは?光より速く動けるのか・・・?等など
物理学と量子力学と一般相対性理論とが、この宇宙について説明できている限界範囲を、楽しく軽妙に読めてしまうかなりの力作。
勿論、読みやすさを重視して、科学的に厳密に正確な説明がなされているかと言ったら、結構端折っているのだとは思うのだが、一般読者層に
「宇宙についての科学って、何だか面白いね!」
と思わせることには成功していると思う。
ただ、全く何の予備知識もなしに読みだしたら、それでもちょっとヘビィかもしれない。
最近、子供用に買った『宇宙』の図鑑を延々読み聞かせをしていたので、ちょっと前提知識があったから、ド文系の私でもすんなり読めた部分はあると思う。