あらすじ
「直観力」「やる気」「リスク評価」……
感情や情動は生命の進化がもたらした究極の能力だ!
最先端の「感情神経科学」が明らかにした、
感情や情動の驚くべき世界。
今、「感情神経科学」は大革命のさなかにある。
そして、かつては「的確な判断の邪魔をするもの」とされてきた感情や情動は、
進化がもたらした生存のための最強の能力であることが明らかとなっているのだ。
自分の情動状態を知り、感情を手なずけ、活用するための、
最先端科学の知見が満載の書。
★本書で得られる知見★
・感情や情動は、進化がもたした生存のための卓越した能力である
・人は情動がなければ何も行動を起こせない
・あなたの意思決定は、ポジティブな状態か、ネガティブな状態かという
「コア・アフェクト」に大きく影響される
・やる気も鉄の意志も情動によってもたらされるが、
それらは睡眠不足や加齢によって衰えてしまう。
・喜びやポジティブな情動は人を創造的にし、リスクを取るように促す。
・悲しい気持ちのときは、より現実的で正確な判断を下せる。
・空腹感は(食べ物に限らず)ものを手に入れることを促し、
嫌悪感はものを手放すことを促す。
・「欲しい(欲求)」と「好き(嗜好)」は脳の別の回路によるものである
(「好きではないのに欲しい」という衝動も生じうる)。
・情動は伝染する。幸せな人に囲まれていると幸せになれる。
・社会的な成功を収めている人は、他人の感情を理解したり、
自分の情動をコントロールできるなど情動的知能が高い。
・自分の情動プロファイルを知れば、感情を手なずけていつでも役立たせられる
……
「情動状態のダイナミクスを意識することは、人生の成功に欠かせない要素の一つである。
やる気を出したり、衝動を抑えて気分を整えたり、他人に適切に対応したり上で役に立つのだ」
(「第2章 情動の目的」より)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
情動は身体と密接に繋がっている
情動プロファイルのための簡易テストは自身の傾向を知るのに役に立った。期間をおいて再テストしてみると面白いと思う。
腸内細菌や脳神経など多岐に渡る内容だったが、ショウジョウバエが失恋するとアルコールをあおるというのがなかなか興味深かった。
Posted by ブクログ
情動的知能という不思議な機能について解説している本。科学的根拠とストーリーを織り交ぜて書かれていて、科学的読み物として面白く読めた。
【面白かった内容】
・心と体のつながり
身体状態や環境が、感情や思考・意思決定に無意識に影響している。よりよい決断をするためには環境も大事。
・欲求と嗜好の関係
欲求と嗜好は脳内では別のシステム。欲しいからといって好きなわけではない。
Posted by ブクログ
理性とは異なる情動が、怒りや悲しみのなどネガティヴな感情だけでなく、やる気や共感などポジティブな感情にも影響を与えていると言うことですが、目に見えない頭や心の中の事だけになかなか理解が難しかったです。
理性と本能が並びたっている状態を御者が本能側をコントロールして理性的にしていると言うプラトンの馬車と言う考えではなく、外部からの反応に対して情動が起こり、情動により感情が湧き上がる、と言う玉突きのような関係なのでしょうか?
何か嫌な事があってムッとしても我慢してグッと堪えると言う考えだと本能と理性の関係に近いですが、ムッとした事に対して受容や再評価など自分の情動を認識して手懐けるやり方の方が、確かに感情をうまくコントロールできそうですが、少し意識的なトレーニングが必要そうです。
Posted by ブクログ
読んでて降りてきたこと2つ、中庸の一節、「喜怒哀楽の未だ発せざる、これを中という。発して皆節に中る、これを和という」感情・情動がでるのは人間として自然だが節度が必要ということ。
もう一つ、東畑開人さんが言ってた「馬とジョッキー」という言葉が妙にしっくり馴染む本