読み始めて
これ書くの楽しかっただろうな〜
と思った。
架空の県の架空の街。架空の会社と物。架空だけど異世界ファンタジーじゃなくて現実世界に実際にあるかのような地方都市。
そこで生きる普通の人々と、人間の姿で生きる神の話。
取り立てて何か起きるわけでもなく、日常の暮らしや独白。エッセイのような読みや
...続きを読むすさで延々と読める。
あるあるが沢山でクスッと笑えて、絲山さんらしい痛快さが良い。
旦那さんに掻い摘んで少し読んで聞かせたら「漫才みたいだね」と。
そう言われると漫談みたいだと思う。表現の面白さや言葉の選び方が最高。テンポもいい。
私が好きなのは恋愛を語る50代女性が、
「私のところに恋愛の取り扱い説明書って来ました?」
っていうところ。
恋愛についての説明がめちゃくちゃ面白くて、上手いこと言うなぁ〜と感心しまくりでした。
あと、中年男性だって流れるプールで流されたい!なんで中年男性はジムで鍛えるとかストイックじゃないといけないんだ!とか、分かる!私も流されるの大好き。
で、その後、なんなら生まれ変わって流しそうめんになって、箸の間をすり抜けて「うひゃー!」と叫びたいとか。それもなんか分かる(苦笑)
でも、面白いだけでなく、神を登場させることで人間というものを浮かび上がらせて、心に響くところやハッとさせられるところも多い、ちゃんとした文学小説です。
終わってしまってさみしい。ぜひ第二弾も書いて欲しい。