絲山秋子のレビュー一覧

  • 夢も見ずに眠った。

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    単行本で読んで大好きになったので、文庫も買って読みました。あぁ、タイトルのセンスからして素晴らしいし、読んでいて文章がじわーっと体に沁みてくるというか、佐和子と高さんの会話が味わい深く、夫婦のなんともいえない関係が見事に描かれていて好きです。

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    2023年03月12日
  • 夢も見ずに眠った。

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    高之を許せないと思った一章目から次を読むのに時間がかかってしまった。でもちゃんと最後まで読んでよかった。絲山作品、いつもなんでか寂しくてたまらない気持ちになる。今作も寂しかったほんとうに。

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    2023年03月04日
  • 小松とうさちゃん

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    非常勤講師の小松と飲み友達のサラリーマン宇佐美ことうさちゃんの話。
    新幹線で隣り合わせたみどりと恋に落ちる小松。
    2人のピンチを正義の味方のように助けるうさちゃん。
    何でもないような普通の生活の中でまったく普通の2人のおっちゃんたちの話です。
    でもなんだかとてもいい感じな2人でした。

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    2023年03月03日
  • 袋小路の男

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    最初の2つは同じ登場人物を視点を変えた話で、そんな構成ありかよ!最高。と思いました。絲山さん2冊目にして何となく男の登場人物の傾向が分かった気がする。どっちつかずでダメだけど、セックスや結婚がセットにならない、友達とも恋人とも違うぬるま湯のような関係が心地よい。十円玉の温度で手のあたたかさを知る、すごい一文だった。アーリオ オーリオは美由の瑞々しい感性がが光る作品だった。時間のかかる手紙でのやりとり、哲と美由の距離感と星の話がリンクして美由の淡い恋心が流れ込んでくるようだった。かなり好き。

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    2023年02月06日
  • 離陸

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    絲山秋子にしては珍しくかなりの長篇。何かを解決する類いの小説ではないので、消化不良を起こす読み手もいるかもしれない‥‥とは思った。ただ自分的には、主人公・サトーサトーの人生を生きているような主観的視点が妙に心地よくてしっくりとハマった。

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    2023年02月03日
  • イッツ・オンリー・トーク

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    『イッツオンリートーク』はパッとしない何かを抱えた登場人物たちが交わって時間が流れる。なんて事ないような気もするし、鮮烈な人生のような気もする。ただずっと聞いていられるムダ話。感情移入できなくともなんか面白かったです。『第7障害』はちょっと動物大好き系フリーターの僕には辛かったけど、傷付いて、距離をおいて、許して、って優しくて切ない時間の流れを感じられる名作でした。馬はみんな天国に行く、それは絶対そう。ヨギボーのCMみたいなとこやろなぁ。

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    2023年01月31日
  • ばかもの

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    ばかもの 本人?の一人称で書かれた物語は、荒削りで生々しい…。読んでて こちらがギュッと苦しくなる描写を くどくどと書き連ねている波に いつのまにか巻き込まれている様だった。
    ばかもの 後は なんとか ええ感じで生きってって欲しい。

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    2022年11月29日
  • 袋小路の男

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    ネタバレ

    2005年(第2回)。4位。
    「袋小路の男」日向子は高校の先輩に恋をした。しかし、大学に入りOLになっても、いわゆる友人以上恋人未満。その中で恋(日向子は浮気という)もしたけど。なんかさ、思い出すよ、若いころ。なんだかうまくいかない恋ってあるよ。
    「小田切孝の言い分」男の側からの日向子との関係。
    「アーリオオーリオ」中学生の姪と文通する30代男。パスタばかり食べてるらしい。これは、唐突に終わった感が。
    不思議な世界観で、機会があれば読んでみたい作家かなぁ。

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    2022年11月23日
  • 逃亡くそたわけ

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    ネタバレ



    p53
    道端にブドウ畑があった。あたしは思わずブレーキを踏んで、後ろの車にクラクションを鳴らされた。なごやんとあたしは目と目を見合わせて次の瞬間車から出て畑に忍び込んだ。マスカットのつぶつぶを片っ端からちぎり取って口に放り込むと水分と甘味が盗みの喜びをかきたてた。そうなるともう、止まらなかった。次がトマト畑で、それからキュウリだった。茎は意外に強くて手でちぎるのは大変だった。
    「バーベキューセットがあれば、茄子でもトウモロコシでも行けるのになあ」
     キュウリをぽりぽり噛みながら、善悪のみさかいのつかなくなったなごやんが言った。 


    p112
    「ねえなごやん、悲しかね、頭のおかしかちうこと

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    2022年11月12日
  • 袋小路の男

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    ネタバレ

    表題作の『袋小路の男』、『小田切孝の言い分』『アーリオ オーリオ』の3編。 
    前2作は、12年間思い続け手を触れたこともなく「10円玉の温度で暖かさを感じる」。こういう男女の関係を純愛というの?女性が男性に振り回されている感はありますが、一線を超えたらこの今の関係が崩れてしまうのを恐れているのでしょうか。もどかしいけれど、なんだか懐かしい感覚も抱きました。
    『アーリオ オーリオ』は叔父と中学生の姪が手紙でやりとりをするお話。微笑ましい。

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    2022年09月26日
  • 袋小路の男

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    読書開始日:2022年9月19日
    読書終了日:2022年9月24日
    所感
    【袋小路の男】
    【小田切孝の言い分】
    小田切孝は虚勢を張る。
    つい弱音を吐くと、メッキが剥がれ、人が離れていく。
    わたしは小田切孝がハリボテだと気づいているが、愛しているから離れない。
    小田切孝もそれに気づいているから離れない。
    でも近づきすぎると、小田切孝が自身の弱さを目の当たりにし、わたしもわたしで小田切孝の弱さを受け止めきれないかもしれないと不安に苛まれ、先に進まない。
    それでも時間をかけ、進まないことこそが二人の関係性とお互いが気づき、袋小路のぺんぺん草になった。

    【アーリオ オーリオ】
    素敵なお話のようだった

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    2022年09月24日
  • 逃亡くそたわけ

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    双極性障害と九州とロードムービー。対極するはずの疾走感と閉塞感が矛盾なく収まっている。作者本人に告発の意図はないのかもしれないが、日本の精神疾患治療の暗部をざっくりと生々しく晒している。

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    2022年08月06日
  • 逃亡くそたわけ

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    普通でない二人の逃避行なんだけど、本当の所 おかしいのは周りな気もする。
    逃避行しているうちに、少しずつ気持ちも身体も 二人の関係性もほぐれてきているようで、九州の自然と街と言葉に 追体験した気になりました。
    この後の二人が再出発出来ます様に。

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    2022年07月30日
  • 逃亡くそたわけ

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    久々の絲山秋子さん!
    花ちゃんの博多弁丸出しの会話に伴う疾走感がたまらない。引きずられアッという間に読み終えた。
    主人公・花田こと花ちゃんは「亜麻色二十エレは上衣一着に値する」が幻聴で聴こえ出すと自分ではどうすることもできなくなってくる。『資本論』の一節だそうだが、時折り何度も出てくるこのフレーズは不可解だがテンポ感があり効果的に使われていた。
    「どうしようどうしよう夏が終わってしまう」軽い気持ちの自殺未遂がばれ、入院させられた花ちゃんは、退屈な精神病院からの脱走を決意する。名古屋出身の「なごやん」を誘い出し、彼のぼろぼろの車での逃亡劇。なごやんと衝突しながらも、車は福岡から、阿蘇、さらに南へ

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    2022年07月26日
  • 忘れられたワルツ

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    オーロラを運ぶ女と遭遇する「葬式とオーロラ」、見ず知らずの駅に降り立ってしまう「NR」が面白かったです。え、いつの間に非現実に入り込んだのだろうという不思議な世界観でした。一風変わった人たちの人生の一場面を垣間見るストーリー。少し辛い過去を抱える登場人物の不穏な空気の中にも、ふと笑える会話もありで、そうか、そうだったと、所々共感してしまう。ヤンキーとチャラ男の違い、ブリーフとトランクス論。
    ほんのり震災の要素が絡まっている。過去と今とは違う、もうふつうなんてなくなった。5年後のふつうなんて想像できない。そうだな・・。
    直接的ではないのに、後でふわりと響く独特な雰囲気でした。今日の地元紙、日曜の

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    2022年06月19日
  • 小松とうさちゃん

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    読書開始日:2022年6月14日
    読書終了日:2022年6月17日
    所感
    【小松とうさちゃん】
    話が出来すぎてる気がする。
    もう少し自然な方が好み。
    みどりも小松もうさちゃんも、もう少し人柄を知りたかった。
    結末ありきだったのかな。
    【ネクトンについて考えても意味がない】
    優しい作品だった。
    心和らぐ大好き。
    ネクトンについて考えても本当に意味がない。
    影響があるのは生死に関わる時だけ
    ある日スーッと心がおりてきただけ
    漂う漂流者でもいい
    南雲咲子が羨んだように、つまるところはクラゲのように清く漂いたい

    【小松とうさちゃん】
    細く長くを主眼に置くと、楽しさは薄れる
    【ネクトンについて考えても

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    2022年06月17日
  • 忘れられたワルツ

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    ネタバレ

     意味がわからなければ、わからないままに、読めばなぜか懐かしを覚える絲山秋子さんの作品です。独立した7話が収録されています。「忘れられたワルツ」、2013.4発行。どれも味わい深いです。絲山さんですから、車、煙草、病の話はしっかりテーマになっていますw。私は、第3話「葬式とオーロラ」、第7話「神と増田喜十郎」が気に入りました!

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    2022年04月08日
  • 薄情

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    読書開始日:2022年3月19日
    読書終了日:2022年3月22日
    所感
    北関東、東京へ行こうと思えば行けるくらいの立ち位置。
    この立ち位置も、宇田川のうだつのあがらなさを助長させていたのだろう。
    行動すればなにかが変わることも、
    行動できない理由なんか一つもないことも、
    心のどこかで自覚しながら、日々を怠惰に過ごす。
    自分と対極の鹿谷の自由生活に触れ、その人生の疑似体験を行うも、
    どこかで鹿谷の失敗を望んでいた。
    自分のしがみついた安定が間違っていないことを、実感したかった。
    みずから実感を掴みに行くのではなく、その実感が来るのを待っていた。
    ここにも、宇田川の弱さが出る。
    鹿谷がいざ失敗を

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    2022年03月23日
  • 海の仙人

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    ネタバレ

     ~森の青葉の蔭に来て なぜに寂しくあふるる涙 想い切なく母の名呼べば 小鳥答えぬ亡き母恋し~♪ 霧島昇と高峰三枝子の「純情二重奏」(1939年)。この物語は「孤独の三重奏」でしょうか。絲山秋子「海の仙人」、2007.1発行、文庫。ファンタジーの世界が広がっていました。 

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    2022年03月18日
  • 逃亡くそたわけ

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    暗いはずなのに暗くない、精神病の教科書より精神病が伝わるような一冊でした。彼らは何から逃げたかったんだろう。

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    2022年02月08日