絲山秋子のレビュー一覧

  • 沖で待つ

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    勤労感謝の日

    「あまり大袈裟じゃなく、ホームパーティーみたいな感じ」ではあっても一応お見合いで呼ばれたのに、あのナリと態度の男性の方がどうかと思ってしまう私は、主人公目線…
    いや、私が彼女の母なら、その場は取り繕っても、速やかにお断りの連絡を入れるでしょう



    沖で待つ

    太っちゃんの言葉のチョイス
    あんなノートを残されたら泣いてまうかも


    みなみのしまのぶんたろう

    ひらがなとカタカナだけのぶんしょうがこんなによみづらいものだったとは!
    ぶんたろうがかぞくとたのしいなつやすみをおくれるといいな



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    2023年12月15日
  • イッツ・オンリー・トーク

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    「イッツ・オンリー・トーク」は、それぞれにキャラクターのちがう男たちとの関わり 身体を介さないコミュニケーション(痴漢を除いて)、即物的でない繋がりの方が向いているひとたちだ お互いになにも期待しない気安い関係のほうが心地よいときもあるよね
    「第七障害」は馬術の話だ、馬・群馬・篤、馬づくし 年下男のよさ、ありますね〜
    どっちも感想書くの難しいけど、好きな感じでした

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    2023年11月11日
  • 夢も見ずに眠った。

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    ネタバレ

    冒頭の岡山旅行では「勝手な旦那さんだなぁ」と思ったし、そりゃ奥さんも機嫌悪くなるよなと思った。
    旦那さんは非正規雇用で婿養子でもあり、精神的にしんどいだろうなと思ったら、やはり鬱になってしまった。そういう面で同情的な気持ちもあったが、やはり旦那氏は奥さんの気持ちをもう少し考えるべきだと思ったし、話し合うべきだと思った。離婚の決断も勝手だと思う。
    ただ、引き込まれて読んでしまったし、旅先での話とか聞いていると、旅行したいなぁと。絲山さんの作品は昔に逃亡くそたわけとか読んだことあるけど、また改めて読んでみたいなと思った。

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    2023年10月19日
  • 夢も見ずに眠った。

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    物語の雰囲気は現実感に満ち溢れていて、日本のどこかの夫婦の生活を切り取ったようでした。夫婦の2人は日本各地を訪れていますが、私が生まれ育った街が出てきた時はテンション上がりました。物語の中の人と同じ空気を感じられるのはいいですね。

    私はまだ20代で、大人の生き方はわからないけれど、この物語の夫婦の想いは胸にしまっておこうと思います。

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    2023年09月20日
  • 逃亡くそたわけ

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    ロードムービーみたいな小説。2人の逃避行。
    劇的な「救い」は訪れないし、2人ともこれからどうするんだろう的空気が読み終わっても胸に残るのだが、不思議と好きだった。雰囲気が、としか言えない。ロマンチックもカタルシスもない。けれど読んでいるあいだ心が凪になれる。

    虚しさと目的地のないどん詰まり感がある。カラッと、突き抜けた明るさもある。どっちをより強く感じるかは受け手によるのかも。私は前者かなあ。
    花ちゃんとなごやんでずーっとダラダラ逃げ続けてほしいなあ、と思った。無理だと分かってるから余計そう思うんだろう。

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    2023年08月31日
  • エスケイプ/アブセント

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    これもよかったな~。京都へ少しの間逃亡する、元・活動家の男の語り。どうしてこんなにどこの方言も自然なんだろう?
    祈りの描写が良かった。手紙みたいな、もっと言えばメールみたいな。

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    2023年08月26日
  • ばかもの

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    群馬(高崎・前橋)の話で、また方言がとてもリアルで驚き。これもよかったなあ。
    アル中の焦燥感ってこんな感じなんだろうな、というのがよくわかる。

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    2023年08月26日
  • イッツ・オンリー・トーク

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    イッツオンリートークは様々なだめんず達が出てくるけど、みんなそれぞれに人間臭いどころがあって、絶妙に心を揺さぶられました。
    第七障害も良かった。涙を誘われました。
    登場人物が下手に飾られてなくて、すごく現実味がある感じが好きです。

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    2023年06月05日
  • 夢も見ずに眠った。

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     どっちかと言えば俺が旅、だよなあ。俺が旅に出てしまったようなものだよなあ。旅先でもばらばらだったけれど、あとで落ち合うのは楽しかったな。
     岡山の夜をかれは思い出していた。(220p)

    総てが、旅人視点からの物語だった。1998年から2022年までの大学同級生の男女の話ではあるが、まるで旅人のように初めて見る景色と同様に、着かず離れない2人の初めて知る景色を描いている。

    knkt09222さんのレビューに、岡山や松江や三次の話が載っていると聞き、それなら私も‥‥と思い紐解いた。初めと終わり以外は埼玉や北海道や岩手や東京周辺などが舞台になるのだけれど、冒頭に岡山の笠岡や倉敷や岡山市商店街の風景が、正に旅人として取材したままに描いたのがわかる描き方で置かれていた。たぶん他の全ての風景や街の描写も、作者が実際に歩いたところなんだろうなと思う(時間の使い方がとてもリアルだった)。

    冒頭、高之と沙和子はちょっとした口喧嘩で倉敷と笠岡で別れて観光旅行をする。そして岡山駅前の和食屋で、何気なく仲直りしてサワラの刺身と黄ニラの煮浸しとタコの唐揚げを食べる(←岡山のど定番の名物料理)。キャリア志向の沙和子と風来坊気質の高之の、夫婦では収まらないジグザグ関係。それでもあとあとから顧みて、高之が2010年の岡山の旅を「楽しかったな」と振り返るように、彼らが自ら選んで角を曲がって行くのが、とても読んでいて心地良かった。

    高之の趣味(博物館・古代好き)が、私に似通っていて好印象。それでも鬱になるような繊細な部分も持ち合わせている。沙和子も繊細のようでいて、40歳を過ぎても起業して真っ直ぐ歩いている。なんかとても心地良かった。高之も言っているけど、長いこと別れて暮らしている2人だけど、こんな相性良い相手は他に居ないと思うよ。

    私の苦手分野の小説なのだけど、自ら旅し「夢も見ずに眠った。」ように本を閉じることができた。

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    2023年05月16日
  • 逃亡くそたわけ

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    ネタバレ

    精神病院=プリズンからの逃亡
    博多生まれの花ちゃんと、名古屋生まれのなごやん。

    書き出しの〜亜麻布二十エレは上衣一着に値する〜も、最高によくって‼︎

    九州の北
    博多から、耶馬溪、磨崖仏でヒル、別府、阿蘇いきなり団子、椎葉村で川になごやん流され(よく助けた花ちゃん)、宮崎でエアコンのガス漏れ直し、桜島、指宿知林ヶ島、開聞岳。

    福岡の運転マナーを名古屋走りのなごやんがたしなめるのも面白く(花ちゃんの父は木刀積んで運転していると)更に笑った。

    がんばったルーチェ。エアコン壊れたけど、ね。

    方言も心地よく、ルーチェから流れるTHEピーズの曲♪

    終わりが気になって仕方なかったけど…
    畑泥棒、当て逃げ、無免許、万引き…どうなる二人⁉︎

    海でのラベンダーの香り、突然の九州地図、ココがラストもよかったぁ。

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    2023年04月27日
  • 夢も見ずに眠った。

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    単行本で読んで大好きになったので、文庫も買って読みました。あぁ、タイトルのセンスからして素晴らしいし、読んでいて文章がじわーっと体に沁みてくるというか、佐和子と高さんの会話が味わい深く、夫婦のなんともいえない関係が見事に描かれていて好きです。

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    2023年03月12日
  • 夢も見ずに眠った。

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    高之を許せないと思った一章目から次を読むのに時間がかかってしまった。でもちゃんと最後まで読んでよかった。絲山作品、いつもなんでか寂しくてたまらない気持ちになる。今作も寂しかったほんとうに。

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    2023年03月04日
  • 小松とうさちゃん

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    非常勤講師の小松と飲み友達のサラリーマン宇佐美ことうさちゃんの話。
    新幹線で隣り合わせたみどりと恋に落ちる小松。
    2人のピンチを正義の味方のように助けるうさちゃん。
    何でもないような普通の生活の中でまったく普通の2人のおっちゃんたちの話です。
    でもなんだかとてもいい感じな2人でした。

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    2023年03月03日
  • 袋小路の男

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    最初の2つは同じ登場人物を視点を変えた話で、そんな構成ありかよ!最高。と思いました。絲山さん2冊目にして何となく男の登場人物の傾向が分かった気がする。どっちつかずでダメだけど、セックスや結婚がセットにならない、友達とも恋人とも違うぬるま湯のような関係が心地よい。十円玉の温度で手のあたたかさを知る、すごい一文だった。アーリオ オーリオは美由の瑞々しい感性がが光る作品だった。時間のかかる手紙でのやりとり、哲と美由の距離感と星の話がリンクして美由の淡い恋心が流れ込んでくるようだった。かなり好き。

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    2023年02月06日
  • イッツ・オンリー・トーク

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    『イッツオンリートーク』はパッとしない何かを抱えた登場人物たちが交わって時間が流れる。なんて事ないような気もするし、鮮烈な人生のような気もする。ただずっと聞いていられるムダ話。感情移入できなくともなんか面白かったです。『第7障害』はちょっと動物大好き系フリーターの僕には辛かったけど、傷付いて、距離をおいて、許して、って優しくて切ない時間の流れを感じられる名作でした。馬はみんな天国に行く、それは絶対そう。ヨギボーのCMみたいなとこやろなぁ。

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    2023年01月31日
  • ばかもの

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    ばかもの 本人?の一人称で書かれた物語は、荒削りで生々しい…。読んでて こちらがギュッと苦しくなる描写を くどくどと書き連ねている波に いつのまにか巻き込まれている様だった。
    ばかもの 後は なんとか ええ感じで生きってって欲しい。

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    2022年11月29日
  • 袋小路の男

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    ネタバレ

    2005年(第2回)。4位。
    「袋小路の男」日向子は高校の先輩に恋をした。しかし、大学に入りOLになっても、いわゆる友人以上恋人未満。その中で恋(日向子は浮気という)もしたけど。なんかさ、思い出すよ、若いころ。なんだかうまくいかない恋ってあるよ。
    「小田切孝の言い分」男の側からの日向子との関係。
    「アーリオオーリオ」中学生の姪と文通する30代男。パスタばかり食べてるらしい。これは、唐突に終わった感が。
    不思議な世界観で、機会があれば読んでみたい作家かなぁ。

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    2022年11月23日
  • 逃亡くそたわけ

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    ネタバレ



    p53
    道端にブドウ畑があった。あたしは思わずブレーキを踏んで、後ろの車にクラクションを鳴らされた。なごやんとあたしは目と目を見合わせて次の瞬間車から出て畑に忍び込んだ。マスカットのつぶつぶを片っ端からちぎり取って口に放り込むと水分と甘味が盗みの喜びをかきたてた。そうなるともう、止まらなかった。次がトマト畑で、それからキュウリだった。茎は意外に強くて手でちぎるのは大変だった。
    「バーベキューセットがあれば、茄子でもトウモロコシでも行けるのになあ」
     キュウリをぽりぽり噛みながら、善悪のみさかいのつかなくなったなごやんが言った。 


    p112
    「ねえなごやん、悲しかね、頭のおかしかちうことは」


    p142
    「知らん。いっちょんわからん」
     もう、なごやんの小理屈にもうんざりだ。山を越えても越えても、この九州にはどこにもラベンダー畑なんかなかった。探しても無駄だった。あたしは黙ってラムを飲み続けた。それで気持ち悪くなって、トイレも何もないパーキングに車を停めてと言って、端の草むらでハンバーグとラムを吐いた。ふらふらしながら車に戻ると、運転席にいたなごやんが運転席の窓から空になったラムの瓶を道路の方へ叩きつけた。パン! とガラスが砕ける音がして、残骸がキラキラと飛散していた。
    「俺もああやって粉々になればいいんだ」
     なごやんは言った。小さくはあったが、吐き捨てるような調子だった。それっきりあたし達は口をきかなかった。

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    2022年11月12日
  • 袋小路の男

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    ネタバレ

    表題作の『袋小路の男』、『小田切孝の言い分』『アーリオ オーリオ』の3編。 
    前2作は、12年間思い続け手を触れたこともなく「10円玉の温度で暖かさを感じる」。こういう男女の関係を純愛というの?女性が男性に振り回されている感はありますが、一線を超えたらこの今の関係が崩れてしまうのを恐れているのでしょうか。もどかしいけれど、なんだか懐かしい感覚も抱きました。
    『アーリオ オーリオ』は叔父と中学生の姪が手紙でやりとりをするお話。微笑ましい。

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    2022年09月26日
  • 袋小路の男

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    読書開始日:2022年9月19日
    読書終了日:2022年9月24日
    所感
    【袋小路の男】
    【小田切孝の言い分】
    小田切孝は虚勢を張る。
    つい弱音を吐くと、メッキが剥がれ、人が離れていく。
    わたしは小田切孝がハリボテだと気づいているが、愛しているから離れない。
    小田切孝もそれに気づいているから離れない。
    でも近づきすぎると、小田切孝が自身の弱さを目の当たりにし、わたしもわたしで小田切孝の弱さを受け止めきれないかもしれないと不安に苛まれ、先に進まない。
    それでも時間をかけ、進まないことこそが二人の関係性とお互いが気づき、袋小路のぺんぺん草になった。

    【アーリオ オーリオ】
    素敵なお話のようだったけど、理解ができなかった。
    きっと自分は譲側であり、小島側なんだと思う。
    でも哲のような、自然の中でも見えない自然にまで興味を示せる人間は、好奇心があってカッコイイと思う。

    袋小路にはまってる。
    反時計廻りに回った
    なんて無謀なんだろう、なんて素敵なんだろう

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    2022年09月24日