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Posted by ブクログ
多分書評で読んで購入したんだけど、書評から想像していたストーリーとは大分違った(笑)
大学で非常勤講師を勤めている小松というおじさんと、陣地を奪い合うタイプのネトゲで領主を務めるサラリーマンの宇佐美という、小松よりやや若いおじさんの二人が登場する。
おじさんとおじさんの話って……。
何て色のない、と思っていると。
小松が出張途中で偶然みどりさんという同い年の独身女性と出会い。
また、みどりさんを暗い目で見続ける雇用主、八重樫がめちゃくちゃ謎で。
気付けば、この話どうなるんだ!?と引き込まれずにいられなかった。
小松とみどりさんパートがゆっくり流れていく合間に、宇佐美の「うさぴょん」ネトゲパートが挟まっていくリズムが、良い。
領主として采配を振るう宇佐美の、現実でもネットでも同じようなことやってんなあ、という閉塞感もしんどくなりすぎない。
そんな二人のおじさんが、クライマックスにして豹変する、もうね、そのシーンに快哉を叫んでしまったよ(笑)
マイナーな映画館で上映されるタイプの映画には、持ってこいだと思うんですよ。
もちろん映画化されたら観に行くので、誰か作ってくれないかな……。
自分の中では、色んなピースがはまるべき所にはまったと感じる、とても素敵な作品だったー。
Posted by ブクログ
読書開始日:2022年6月14日
読書終了日:2022年6月17日
所感
【小松とうさちゃん】
話が出来すぎてる気がする。
もう少し自然な方が好み。
みどりも小松もうさちゃんも、もう少し人柄を知りたかった。
結末ありきだったのかな。
【ネクトンについて考えても意味がない】
優しい作品だった。
心和らぐ大好き。
ネクトンについて考えても本当に意味がない。
影響があるのは生死に関わる時だけ
ある日スーッと心がおりてきただけ
漂う漂流者でもいい
南雲咲子が羨んだように、つまるところはクラゲのように清く漂いたい
【小松とうさちゃん】
細く長くを主眼に置くと、楽しさは薄れる
【ネクトンについて考えても意味がない】
ネクトン=自力で泳げるやつ
クラゲ=プランクトン
ベニクラゲは死なない
【飛車と騾馬】
Posted by ブクログ
中編「小松とうさちゃん」
短編「ネクトンについて考えても意味がない」
掌編「飛車と騾馬」(小松とうさちゃんの前作)
たいてい読んだ小説に関しては、エバーノートや未公開メモに詳しめのあらすじを書くのだけれど、本作はその必要はなさそう。
50代冴えない男の、これが最後かもしれない恋を、40代のネトゲに嵌っている飲み友達が応援する。
実は相手にも事情があって……、という内容。
断章ごとに視点人物が変わる。それが3人、と思いきや4人。
タイトルふうに言い直してみれば「小松と、宇佐美と、みどりと、ほんのちょっとだけ八重樫と」というところか。
偶然が幾つか起こるが、それが虚構的に嘘っぽくなく、とはいえ事実のんべんだらりべったりの散文と違って、この偶然って面白いねーと思えるというくらいの絶妙なリアリティラインで成立している作品。
しかし個人的には、ラインを越えてあえてご都合主義的あるいは作者の恣意的、と見做せるレベル、に注目しておきたい。それでもいいのだと。
さらに俯瞰してみれば、語り手の中年女性みどりが、若者(八重樫)も少し年下(宇佐見)も、本命の同い年(小松)も3人全員、無意識的に手玉に取っておいて自分の術数にはまるで無自覚、というやや怖い構図になるが……そこまで深読みできながらも、する必要がない、という作り。
みなどこか、平均的・標準的・普通の幸せ(親世代の常識)を、掴み損ね、静かな諦観を感じながらも、自分の現状をさほど恨んだりしない。この、よさ。
掌編は措いておくとして、短編「ネクトンについて考えても意味がない」は……おお、私自身の小説だ。
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