絲山秋子のレビュー一覧

  • 逃亡くそたわけ

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    精神病棟から抜け出した2人のロード小説。

    凄い劇的な事件が起きる事もなくダラダラ旅してるだけなんだけど、それが良い。

    ただ、ロードムービーやロード小説の醍醐味は個人的には別れのシーンと思ってるけど、そこがこの作品では消化不良だったかな。

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    2022年12月28日
  • 沖で待つ

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    独特の文体がリアルで描写が細かい。

    『勤労感謝の日』に出てくるお見合い相手がとにかく嫌なやつ!嫌なやつっぷりを見事に書いてる。

    住宅設備メーカー勤務の男女の同期のお話『沖で待つ』芥川賞受賞作。同期って友達とも同僚とも違うなんか特別な関係なんだよね。その辺りを丁寧に書いてて面白かった。

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    2022年12月18日
  • 夢も見ずに眠った。

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    タイトルの感じが好きだったのと、なんとなくの直感で購読。

    ものすごく面白い、というのとは違うけど、ずーっと心地よい波にプカプカ浮いている感覚。
    いい意味で、読んでいると気持ち良い波で眠くなって、タイトルに反して良い眠りにつける。笑
    色々な場所が出てきて、高之がどこでも車で行くからか、ペーパードライバーの私も運転する夢を見た。

    高之がちょっと変わっているので、なんで2人は結婚したんだろう、と思ったけど
    離れていても相手のことを考えてしまう、というのは
    やっぱり2人はなるべくして一緒になったんだと思った。
    具体的なことはあまり描かれない。
    2人の感情が、情景に乗せて伝わってくる心地良い作品。

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    2022年12月16日
  • 袋小路の男

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    最近仕事忙しくて本読めなかったけど、合間に読みました。短編が3つ。1つ目と2つ目は同じ登場人物の話。恋愛小説ですが、心理描写は細かくしているものの、全体的には淡々と簡明に書いている印象。共感とかはなかったけど、詩的で良いんじゃないでしょうか。

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    2022年12月15日
  • 夢も見ずに眠った。

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    旅はいいなと、あらためて感じました。
    その地でしか味わえない歴史、自然などを直接肌で感じることができるので、とてもリフレッシュできると思います。本作の中でも、高之と沙和子が各地方に旅行する場面が多く描かれていて、物語が大きく変換する時もどこかしら2人で旅行に行っている。一度はバラバラになってしまった2人だが、再び出会いまた、旅に出かける。岡山、島根、北海道
    、熊谷、青梅など、様々な場所で、心を通わせる2人の20年に渡るラブストーリーを堪能してほしいです。

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    2022年11月17日
  • 離陸

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    村上春樹的な訳のわからなさがある。「死とは離陸すること。みんな駐機していて、いつかは離陸する」っていうのは分かったんだけど。
    訳のわからないくせに最後まで一気読みさせるからすごい。

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    2022年10月11日
  • 逃亡くそたわけ

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    亜麻布二十エレは上衣一着に値する。
    『資本論』の一説らしい。

    ホンタメで続編が紹介されていて、気になったので先に前作のこちらを。
    変わった小説でした。あてのない旅ってしたことないなぁ。逃亡ってなんかいいなぁ〜。九州は呑み温泉旅しかしたことないな。九州縦断旅が無性にしたくなりました。阿蘇でいきなり団子食べて花ちゃんを感じよう!と思って調べたら近所の和菓子屋さんに置いてるみたい。今度買ってみよっと。

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    2022年08月22日
  • 小松とうさちゃん

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    きっとどこにでもいるような中年二人。絲山秋子の晒し方、拾い方にかかるとなぜか彼らが愛おしく思えてくる。併録の「ネクトンについて考えても意味がない」の異種生物間精神的交流噺も良かった。

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    2022年08月14日
  • エスケイプ/アブセント

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    なんかいいんだよな、絲山秋子。サクッと読める短くて軽快すぎる文章なのに、気づかないうちにえぐられている。

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    2022年08月13日
  • 小松とうさちゃん

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    ネタバレ

    おじさんのあだ名がうさちゃんってところからほっこり。うさちゃんのシーンは主にネットゲーム
    小松さんとみどりさんのとんとん拍子はすごかったけど、穏やかな話だから好き。
    まさかみどりさんがうさちゃんのゲームの同盟だったとは、それも二役。さすがに出来過ぎだけど面白かった。

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    2022年08月01日
  • 袋小路の男

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     切ない平行線。互いの心情は包み隠さずストレートに表現される反面、男女が心身共に交わる事なく時が流れる。読み手のその時の感情によっては歯痒くも感じられる場面が次々と繰り返されるものの何故か納得感も覚えさせられ、物語と読者との距離も接する事なく一定の間隔を保ったまま結びの行までだどり着いてしまうような不思議な短編たちでした。
     気付かぬうちにするりと読み進めえられるのは話の展開だけでなく文章の書き方が上手なのかもしれない。滞りなく文字を追う目が先に導かれていった。

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    2022年06月29日
  • 袋小路の男

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    ネタバレ

    これは恋愛?純愛?なんとなく綺麗だけど、実は、ものすごくドロドロで。

    わかるようなわからないような…引きづりますね。

    2話目でただの閉塞感は薄まりましたが。

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    2022年06月14日
  • 袋小路の男

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    「袋小路の男」には三作品が掲載されていて、一番初めの物語、「袋小路の男」は書き方、いや主人公の語り口調がとても好きだと思った。その理由はなぜか、大抵改行があまり行われていない文字の羅列は、開くたびに時折うっとなってしまうことがある(そんなこというなら小説なんて読むな、という話であるが)が、絲山秋子さんは違う。
    この改行のない文章は、主人公思考の過程を表しているのではないか、思考が思考を呼び、その思考はたしかに存在しているにもかかわらず、この主人公の身の一つとなる構成要素の一つとなる。
    文字の繰り返し、会話、文字の繰り返し、会話、このリズムは、自然と私たちの頭の中に入ってきて、スッと消えて入って

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    2022年05月29日
  • 逃亡くそたわけ

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    めっちゃ良かった。面白い。
    精神病棟から逃げ出して、九州を逃亡する約1週間ほどを描くロードムービー、いや
    ロードノベル?
    亜麻布二十エレは上衣1着に値するという
    意味不明な言葉が主人公の頭に幻聴として
    響く。最初意味不明だなと思ってたけど
    調べてみて、更に作品に深みが出ました。
    方言も素晴らしい。そして、驚く程、自然で嘘っぱちでない。そいぎんたはいいですね。また好きな作家が増えたな〜。

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    2022年05月28日
  • 妻の超然

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    絲山さんの本は前にまとめ買いしたのでちょこちょこ読んでいるのだが、この手の「らしさ」というか毒が前面に出ている作品があんまり合わなくてつらい。なにかにつけ現れる不満、攻撃性が常に読書のテンションを下げてくる。
    巨人戦は負けた時の悔しさが尋常じゃないから見に行きたくないとかものすごくわかるし、「他人へのむきだしの善意と、社会へのむきだしの悪意」への不安、「その全てを見ていたいと思う」とか面白いと思うところはどの短編にもあった。妻の超然が敗北するところなどはやっぱり見事だなと思うけど、物語に回っている毒に疲れてしまうのが印象として強い。

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    2022年04月08日
  • 妻の超然

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    ネタバレ

     芥川賞作家の作品だと思いました。超然というのは手をこまねいて、すべてを見過ごすこと。栄えるものも、滅びるものも。「妻の超然」「下戸の超然」「作家の超然」の3話が収録されています。私は「作家の超然」が気に入りました。絲山秋子「妻の超然」、2013.3発行(文庫)、2010.9刊行。

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    2022年03月13日
  • 袋小路の男

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    最近、積読を積極的に消化しようキャンペーンをやっていて、この本も随分と前に古本屋で購入してあった本。
    まず、袋小路の男と小田切孝の言い分。
    デカダンス的な男女の何とも割り切れない十数年。2人が、世の中で名前がついている関係にならないのは、2人がどこまでも自己愛から抜け出せないエゴイストだからかなと思います。別にそれが良いとか悪いとかじゃなくて、2人はその自己愛の依存関係が心地良いのだから、そういう関係性もあるのだろうけど。臭いモノを、臭いとわかっていながら何度も嗅いでしまうような、そんな気持ちで読み進めてしまった物語でした。
    私が好きだったのは、アーリオ オーリオの方。
    中年独身男と姪っ子の文

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    2022年02月27日
  • 妻の超然

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    ネタバレ

    「妻の超然」「下戸の超然」「作家の超然」の三篇からなる中編集。

    恥ずかしながら私、「超然」という言葉を知らなくて。
    読む前に意味を調べました。

    で、「超然」とは、『物事にこだわらず、平然としているさま。世俗に関与しないさま』という意味とのこと。

    夫の浮気に超然といようとする妻。
    超然とした態度を恋人に罵倒される男。
    そして病気に対して人生に対して超然としている作家。

    それぞれがそれぞれの問題に対して、どこか悟りを開いたような、一種諦めのような、そんな状況が描かれています。

    でも、なんだろうなー。
    それって、自分の本当の感情を抑えようとしてるだけなんじゃないかなー。なんてことを、読みな

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    2022年02月17日
  • 袋小路の男

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    家にあった本。意外や川端康成文学賞作品。

    十年に及ぶ女性の片思いのの物語と思いきや、実は両思いだけどなかなか交際には発展しないもどかしい二人の距離感を、時に暖かく描いている作品。

    淡々と読みながらも、ホントふとあったかい表現がうまく使われてます。直接的な表現は少ないのでぼーっと読んでると見落としてしまいそうな。

    特別結論に向かうような作品ではなくゆる~い感じなので、はっきりしたエンディング好きな人はちょっと物足りないかも。

    でもまぁどっちかというと女性向けでしょうか。

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    2022年01月06日
  • 忘れられたワルツ

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    小品7作
    どの作品も主人公はそこし変わった人
    理解できるところとそうでないところがありそこし読みにくかった

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    2022年01月04日