絲山秋子のレビュー一覧
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「超然」を描いているが、読後感はまったく超然とはならない。
むしろ、なんとも言えない焦燥感というか、もやもやが残る。それこそがこの小説の影響力なのだろうと思う。すっきりしない、胸にひっかかったものの正体は何なのか。
(2013.4)Posted by ブクログ -
絲山さんのかく物語はいつも静かでさびしげ。きっともっとドラマチックに描こうと思えば描けるのだけど、淡々としている。その静けさが私はとても好き。わーわー騒ぐクラスメイトたちの背中をぼんやり眺めている、あの感じに似ている。少し村上春樹を思い出した。Posted by ブクログ
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見た目超然としているようであっても心の中はそりゃあ、バタバタしてるもんなんだな…
人は愚かでそして強がり。
だからいとしい。
最後の「作家の超然」は作者の思いが強くあらわれているね。Posted by ブクログ -
あぁーこの軽い感じ。けど重い感じ。なんか矛盾した感じ。このメンドくさい感じ、自分とダブります(別に自分は活動家でもなけりゃ左翼でもないんだけど)。
「元」左翼活動家である正臣が、妹の家に転がり込んで「マトモな」生活を送る(送ろうとする)までの間に訪れた京都で過ごす1週間程の出来事。
左翼的思想だって...続きを読むPosted by ブクログ -
装丁の爽やかさをあっさりと裏切るエッジの効き具合。
一見冷めている様でいて、どこか温かい独特の雰囲気。
突き抜けた突き放し加減?に思わず噴き出してしまったり。
人との距離感てほんと難しい。
業界の裏話やリスナーとのやりとり、ローカルネタも面白かったです。
読後感よろしいです。Posted by ブクログ -
富井省三、乙。
不思議な話だったなー。
自宅ドアの鍵穴がなくなるなんて。
早く起きなきゃいけないのに、読むのをやめられず一気読み。
ビビりの自分にはちょっと怖くて、
ちょっととっ散らかってて、でもホッとして、高揚感もあって。
やっぱり絲山さんが好きだ。Posted by ブクログ