絲山秋子のレビュー一覧

  • ばかもの
    長らく積んだ。想ったより数倍ロマンチックな恋愛小説。文章にリズムがあるからかするすると読めるのだけど、今回は少しずつ。読み終わるのが惜しくて、とかではないけれど。
    ヒデが駄目な奴かどうかはともかく、こういう男(便宜上ダメ男)を書かせたら作者は人後に落ちない。
    最初から既に、道を踏み外し転落しそうなオ...続きを読む
  • 絲的メイソウ
    またまた、完全に女を捨てて
    サービス精神満点!

    一つ一つについて語りたいくらいだわ。
    この人、どんな小説書くんだろう。
    意外にくっらーいヤツじゃないかな?
    電車で読むのはやめた方がいい。
    不意に笑い出す変な人になっちゃうから。
  • 絲的サバイバル
    焚き火焚き火〜
    焚き火の傍らでコーヒーなんていいな。
    女を捨ててサービス精神満点な感じ

    とりあえず1人はイヤ。
    1人はやめて。
  • 忘れられたワルツ
    どの一瞬も決定的であることに間違いはないけれども、やはりそれでもその前後とでは決定的に地球がずれてしまうようなできごとが存在する。その出来事のあとには人々は今までの地球とは別の場所で生きていかなければならない。その違和感、喪失感を静かにすくい取って描いた作品。すばらしい。
  • 忘れられたワルツ
    恋愛は雑用だと言い切るアラフォー女性 金子の「恋愛雑用論」、強震モニタばかり眺めている魚住と井出(美人)…女2人のパジャマパーティー的な「強震モニタ走馬灯」、恩師の葬式へ向かう巽とオーロラを運ぶ女性の一瞬の交流を描く「葬式とオーロラ」、理屈っぽい彼氏にアスペルガーと指摘される女性の「ニイタカヤマノボ...続きを読む
  • 忘れられたワルツ
    短篇が7つ.どれも登場人物はわずかだが、それぞれ特異な個性を持っている.小利口くん、魚住、巽と出会う女性、峰夫、津田、風花、増田喜十郎.読んだ後、何故か内田百閒の”冥途”を思い出した.少しぞっとするのが似ているからかな.
  • 末裔
    絲山さんが長編を書くとこうなるのか、という新鮮さ。
    何にしても絲山さんの小説に出てくる人物は当たり前の感性を当たり前に具えていて、それなのにちゃんと一人の人間であるというあたりまえの個性があって好き。

    定年間近、妻を数年前に亡くし子供二人も自立して家にはいない。そんな家(ごみ屋敷)の鍵穴がある日突...続きを読む
  • イッツ・オンリー・トーク
    再読
    表題作はのち映画化「やわらかい生活」、落馬事故で馬を安楽死させたことに罪を感じている女を描く「第七障害」収録
  • 妻の超然
    方々より面白いという噂を聞きつけ,読んでみました.
    妻の超然,下戸の超然,作家の超然の全3編.
    この作品,面白いのは間違いないのだが,なんとも不思議な面白さなのだ.一番のおススメは断トツで妻の超然だろう.結婚10年の冷めた夫婦の物語.妻の強かさと,夫の滑稽さが際立っている.どこの家庭も一緒なのかな....続きを読む
  • 忘れられたワルツ
    淡々と進んでいく文章の中に、ドキッとするほど深いものがある。震災以降、また大きな「何か」がやってくると仮定しての話もあって、少し背すじが寒くなった。しかし文中の人物は、そのことを神の仕業として静かに受け止めている。
    表題作「忘れられたワルツ」は、ちょっとよく理解できなかった。「ニイタカヤマノボレ」と...続きを読む
  • 絲的メイソウ
    いやー、好きだなーこういう人。毒舌笑
    テンポ良くスパスパ切り込んでくる。
    小説とはまた違った文章の巧さが心地よい。

    それから、作家としてのしたたかさを感じた。

    絲山秋子、こんなにエッセイの面白い作家とは思わなかった。
    ぽんぽん読んでしまった。
    他のエッセイも読んでみたいなー
  • 忘れられたワルツ
    よいです(*^_^*)
    短編集なので、サクッと読めます。
    それにしても、ムダがないというか
    作品の描き方がとっても上手いです。
    他の作品も読みたくなりました。
  • 忘れられたワルツ
    奇しくも「神は死んだ」と重なるところもあったりして。連作短編の後半になるに従って此岸と彼岸の境界が曖昧になっていく。
  • 絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか
    絲山さん、いつもながら小説作品はクールなのに実物が面白すぎます。
    言葉遣いも女性としては全くダメなところは絲山作品を知らずに本書だけ読めば敬遠してしまいそうですが、自分としてはこのギャップがクセになります。
  • 忘れられたワルツ
    これは良かった。どれも不思議で不穏な味付けで、でもそういう場合に得てしてありがちなようにどれも似通っているというわけでもない。NRや忘れられたワルツの怖さ、神と増田喜十郎のペーソス。
  • 末裔
    家の鍵穴がなくなるなんて、あり得なそうもないのに、読んでいるうちに「アリかも」な気分。
    なんとも果てしなく寂しい中年男、と思ったが、最後はそうでもない感じ。
  • 妻の超然
    『作家の超然』

    梶井基次郎の『櫻の樹の下には』を思い出しました。美しい櫻の樹の輪廻、樹の中の腐っためぐり、その中に自分や自分の作品もあることを、この絲山さんという作家は強く思っているんだな、と感じました。

    容赦ない書き方をする人だな、自分に厳しいんだろうな、と思います。
  • 忘れられたワルツ
    久々に読んだ、絲山秋子。

    たぶん私は、この人の意地悪さ加減が、好きなのだな。

    前半は割とコミカルな展開の話が多く、後半は、ちょっと変わった人が出てくる話が多いようだ。
  • 末裔
    不器用な中年男性が、再び自分を、家族を取り戻す物語。いや、これから取り戻すぞ、というところで終わるお話。
    はじめからおわりまで不思議な話だ。好きだ。
  • ばかもの
    自分を駆り立てるものを自分の中にも外にも見つけられない。そのことを自覚することの痛み。

    主人公である「ヒデ」と、一見ヒデをコントロールしているかのようにみえる「額子」もともにそんな痛みにさらされボロボロになっていくが、最低限の生活は保障されている。
    生活が保障されているからボロボロになってもその状...続きを読む