絲山秋子のレビュー一覧

  • 袋小路の男

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    純愛というより、特定の他人に対して甘えることを通して、それによってなんとか自分と世界のバランスを維持している、そんな関係を描いている。それは一種の共依存なのだろうが、その言葉で簡単に片付けてはいけないと一方でそのようにも考えてしまうのは、描かれた二人の時間の確かさにあるのだと思う。

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    2024年05月23日
  • 御社のチャラ男

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     ある地方都市の食品会社で「チャラ男」であると自他ともに認める中年男性を、さまざまな人の目を通して描く連作短編集。
              ◇
     ジョルジュ食品の営業を担当する岡野繁夫(32)は、今日も各取引先を回っていた。
     岡野は要領の悪い人間だが、営業という仕事は気に入っている。どこから弾が飛んでくるかわからない社内で気を張り詰めているよりも、外へ出て自分のペースでノルマをこなす方が性に合っていると思うからだ。

     その日、外回りを終えた岡野繁夫が事務所に戻ると、同僚の山田さんが逮捕されたと耳にした。以前からあった窃盗癖が顔を出したらしい。
     警察での事情聴取に社長が直々に出向くことになった

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    2024年05月12日
  • 御社のチャラ男

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    相変わらずサラリーマンというものをよく描いてくれる。サラリーマン曼荼羅の完璧な絵図。大好きな作品ではないけれど、読んで良かった作品。

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    2024年04月29日
  • 袋小路の男

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    3つの話から構成されていて初めの袋小路の男がラブレター?で2つ目がそなアンサー的な話になっている
    不思議な関係の2人の物語
    出会ってしまったが結ばれる事なく続いていく、これはもはや純愛なんだろうかと思いました
    くっついたらいいのにと思ってしまいますが、そうならないのが不思議な関係なんでしょうね
    3つ目のお話は別の話と思うのですが、何か関係が隠されてるのでしょうか?
    最後がすっと終わってしまいよくわかりませんでした

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    2024年04月08日
  • 神と黒蟹県

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    架空の黒蟹県を作り、よくある隣市との小競り合いなどを描いた作品。架空とはいえ作り込みががしっかりしているのでもう少し物語を広がらせても良かったのにと少し残念で勿体無いような気がした。面白い作品だった。

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    2024年03月26日
  • 御社のチャラ男

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    チャラ男というから、どんな人たらしが出てくるのかなと思ったら、上辺だけ整えて自信がない薄っぺらなおじさんの話だった。
    みんなが人たらしの手のひらで転がされて、あの人こんなところがずるいよね〜でも好き!みたいな話かと思ってたので、全然違った笑

    磯崎さんの章のこちらの文章が刺さりまくってしんどかった。
    「正月とは、なんというさびしさなのだろうと思う。(中略)日本中に老人のさびしさが溢れる。」
    自分の両親にはこんな寂しさを味わせたくないけど、核家族化が進み、親戚同士で集まる機会なんて滅多になくなった現代では、意識して動かないと難しそう。

    新市長や新知事がヌルッと決まったことや、「それがどうした」

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    2024年03月25日
  • 御社のチャラ男

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    あらすじ 
    美容や健康のためのオイル、ビネガーなどの商品を扱うジョルジュ食品に勤める三芳道造部長。見栄っ張りで、どこかいい加減、ノリが軽やかな彼は社内でひそかに“チャラ男”と呼ばれていた。

    総合点 2.2/5

    ストーリー 2.0/5
    何が言いたいのか、よくわからない。
    ストーリーも深みがなく、読むのがしんどかった。

    キャラクター 3.0/5
    数多くの登場人物が出て来て、1人1人章立てしている。キャラクター同士のつながりは「チャラ男」を中心に繋がっているものの、繋がりがストーリーに大きく関わってくるわけではない。

    表現力 2.0/5
    意図的にそうしているのだと思いますが、全体をとおして短

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    2024年03月16日
  • 御社のチャラ男

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    ある会社のチャラ男(部長)の周辺の人々のことをその人たちの視点から変わるがわる描いた作品。
    タイトルで読みたい!と思った作品だが、思っていたのと違った。全体的にうーん、という感じでした。

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    2024年03月09日
  • 御社のチャラ男

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    群像劇……とひとことでいってしまうのも野暮なくらい、巧い小説。
    章と章が緊密に構築されているのに、息苦しくない。
    キーパーソンが時々程よいところに挟まることで、宝石を別角度から覗いたときのように見え方が変わる。
    そのため単なるあるある小説ではなくなっている。
    チャラ男はいるし、誰しもある程度チャラ男の部分があるし、ジェネレーションギャップもジェンダーギャップも織り込まれた有象無象……会社員。

    それがどうした。
    は使っていきたい。

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    2024年03月07日
  • 沖で待つ

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    ネタバレ

    勤労感謝の日
    近所の御婦人にセッティングされた最悪なお見合い。主人公の置かれた状況は決して良くはないけど、強くて自由で自分で道を切り開こうとしていて魅力的だった。
    そんな主人公だから自分で気分を切り替えられるし、こういう時に立ち寄る場所があるのかな。いいな。三作の中で一番好きだった。

    沖で待つ
    昭和なブラックな働き方をしていると精神安定のためにヤバい趣味を始めちゃうって話か?と思ったけど多分違う。
    会社で一緒に働く人達とのつながりや同期の絆。たまたま同じ会社で同じ営業所で仕事をする人たちとの関係は、学生時代の友達とは違う距離感になる。お互いに変なところやカッコ悪いところを知りながらも信頼し合

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    2024年02月22日
  • 逃亡くそたわけ

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    ある男女、恋愛関係でも、友達関係でもない、の二人の逃避行物語。絲山氏お得意のど直球な言い回しが小気味よい。この逃避行に楽しさ要素は全くないのだが、主人公たちがたどった道のりをドライブしたいと思った。

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    2024年02月19日
  • 薄情

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    関東に暮らしていたことがあるので、この北関東方面の雰囲気がよく伝わる。
    都会とは違う郊外都市の在りがちな話をうまく膨らませているな〜、と感心する。

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    2024年02月04日
  • 沖で待つ

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    初の絲山氏の小説。インパクトがある登場人物。そのインパクトという点では芥川賞受賞のタイトルのものより「勤労感謝の日」の方が上。ある意味女性作家でないとここまで描写できないのではないか。勤め人経験のある人ならこの2作はより楽しめるはず。

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    2024年01月28日
  • 神と黒蟹県

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    黒蟹県の人々と神の視点から、黒蟹県を描写する。

    物語自体は全く普遍的だが、黒蟹県人の地域的な視点、ひいては個人視点と、それらを俯瞰した神の視点により、普遍的な風景から重要なことが浮かび上がってくる。

    売却済

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    2025年06月30日
  • 薄情

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    言葉の選び方がさすが秀逸で、言葉に言い表しにくい機微や地方の描写が手に取るように思い浮かんで飽きることなく読めた。主人公に引きづられて気持ちが落ち込みそうになったが、最後の最後で雲間から弱い光がさすように希望が持てた。理解が難しい文面もあり、また読み返して理解を深めたい。

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    2024年01月08日
  • 袋小路の男

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    なんとやっかいな…指一本触れられないからこそ、前にも進めず嫌いにもなれず、諦めもきれずに生殺し 実際そんなに大したことない男でも、恋する女の献身的で盲目的な恋愛には、厚さ15cmくらいあるフィルターがかかっていて、周りの声もまったく耳に入らない そうなんだよねえ、知ってます 感情を持て余しすぎて自己消化不全に陥って、むしろ冷静に置かれた状況や自分の感情を冷静に捉えている日向子の分析や思いに多分に共感して読んでいて苦しくなりました

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    2023年11月11日
  • 夢も見ずに眠った。

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    絲山秋子さんはじめましてだった。

    ふたりの掛け合いとかセリフとか心地よかった。
    心の病はもちろん本人もしんどいけど、周りの人もしんどいよね。家族とか恋人とか。
    でも乗り越えるのは本人だから、どうしようもないよね。
    お互いに意地張らずに素直にヨリを戻して平穏に過ごしてほしいなぁと心から思った。

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    2023年11月02日
  • 忘れられたワルツ

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    2011年から2012年頃に書かれたようで、作者の震災後の複雑な気持ちの変化が感じられた。

    絲山さんの感性か高尚すぎて
    私には
    理解や共感が追いつかず。

    伝えたいメッセージが
    わからないまま。

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    2023年10月23日
  • 末裔

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    生きている人間は修正が利くが、死んだ人間のことなんか間違えて覚えていたらそのまんまじゃないか。

    今までは気持ち半分で両親や叔父母の先祖についての話を聞いていたがこの一文で先祖についての意識が変わりいまは先祖についての話を深く聞きたいそう思う。
    鍵穴が消えているという不思議な出来事から省三の中の心境が少しずつ変わっていく物語。不思議な点はいくつかあるがそれも読み切るまで違和感は感じなかった。そう言うところを自身で噛み砕くのもまた一つの楽しみではないか。私はまだ若輩で省三ぐらいの年齢で読んでいたらもっと違うように思えたのかな、そう思いまたきたる時に再読したいと思った。

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    2023年10月23日
  • 逃亡くそたわけ

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    オフビートなロードムービーっぽい小説。
    特に大きなイベントはなく、淡々と主人国の二人が来るまで博多から鹿児島へと南下する。
    退屈と言えば退屈な話なのだが、ジャームッシュ映画のような「面白い退屈」と言えば良いだろうか。ストーリーの起伏ではなく、主人公二人の会話を楽しむ小説だ。

    「幻覚の方が実感なのだ」
    精神病院に入院している主人公が幻覚を表現した時のセリフだ。健康な人間でも不安に苛まれている時は、自分の想像が現実以上に実感を伴う。
    「あたし」と「なごやん」の会話が普通なだけに、病人と健常者の境界があいまいなものだと感じる。


    「幻覚の方が実感なのだ」

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    2023年10月10日