絲山秋子のレビュー一覧

  • ばかもの

    Posted by ブクログ

    絲山秋子さんの文章が好きです。
    リズム感があるし、簡潔で、なんだか面白くて。

    書き方は淡々としているのに、内容や描写が切なくてどんどん読み進めてサラリと読めてしまいました。

    0
    2017年01月07日
  • 絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか

    Posted by ブクログ

    数年前に購入して、何度も読んでる本。
    特にレシピを作ってみたりするわけではないのに、気がつくと読み返している。
    絲山さんはたぶん料理がうまい人なんだと思う。だけど、作中において絲山さんが自分のためだけに作る自炊料理にはなんとも言えないリアルなテキトーさがあって、そこが面白い。
    ぶっきらぼうで時に繊細さのかけらもない言葉遣いのなかに、連載のために真冬に毎食そうめんを食べ続ける生真面目さや、トラバタって(好きな人ができて)食事が全く喉を通らない、挙句好きなひとにもらった卵を食べまくり絶賛する女子高生みたいな可愛らしさに作者の人柄が見えてくるような気がして、絲山ファンとして大変楽しめる一冊。

    0
    2016年12月15日
  • ばかもの

    Posted by ブクログ

    アルコールに依存して完全に駄目になり孤立した男が、それからまた誰かとともに生きようと再生するお話。主人公は普通より数倍どうしようもない人間だけど、そのどうしようもなさは等身大でありとても共感できる。なぜ等身大であるかというと、主人公の生まれや環境に特別な不幸や不自由がないからだと思う。学生時代の彼女とセックスの後に缶ビールを飲む習慣が別れた後もなんとなく残り、次第に飲む量が増え、いつのまにか依存症になっていた。それだけなのである。私もこの主人公となんら変わらない。多くの一般的な人の生活と近い延長線上にある。だからこの小説は広く共感を呼ぶ力があるのではないかと思う。

    読んだ方はわかる通り、主人

    0
    2016年10月30日
  • 不愉快な本の続編

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「ニート」収録作「あいなんていらねー」で語り手を翻弄するスカトロ男がいたが、彼のその後。
    不思議な題名が気になるが、表紙にはカミュ「異邦人」(すなわちよそもの)、裏表紙には乱歩「芋虫」が刻印されているらしい。
    そして絲山秋子ならでは、不在の人物こそが登場人物を操っていると、あるタイミングでふと気づかされる。
    本書では弟だが、実は書き出しすぐに言及されていた。
    ただしそれを初読時に感じさせることないほどにふらっと現れた語り手。
    本が開かれたから現れたといえるほどに。

    (まあ成田さんと別れてしばらくヒモ暮らしをしていたみたいだけと)

    流れるように新潟に行き、好きになった女と結婚するが、「不愉快

    0
    2016年10月22日
  • ラジ&ピース

    Posted by ブクログ

    昔から人と関わるのが苦手で、今では人に心を開くことをほとんど諦めているアラサー女性の新天地での物語。そこで出会い、されるがままに付き合いを続けるも気を許していなかった沢音に対して野枝が初めて心を開く場面が個人的にとても良かった。カーチェイスって言うの?猛スピードを出して追い越したり追い越されたりしながら車を走らせる。互いに自分の車の中という別の空間にいて当然言葉も視線も直接交わることのない状況でありながら、そのうち感情が高揚し気がついたら心を通わせていたーー。こんな心の交わし方もあるんだって心の底から驚いたし希望も感じた。何がきっかけで友情が芽生えるかって本当に分からないものだし、対人関係でひ

    0
    2016年10月08日
  • 海の仙人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これはまたいい小説を読んだ。
    優しくて非情でリリカルで奇妙で。
    何せファンタジーという名の「神」が当たり前のように現れたり消えたりするのだ。
    そしてファンタジーは、筋としてはいてもいなくても変わらないのに、いることで間違いなく小説が芳醇になる。
    小説が「∞」という形状をしているとしたら、その結節点にファンタジーが存在していたりしていなかったりするのだ。
    内的モノローグはこういう仕掛けを通じて小説的なダイアローグになるという、見本のような小説だ。

    ★孤独な者と語り合うくらいだ。
    ・いま、お前さんの運命の女が走ってきたのだ。
    ・ファンタジーと会うのははじめてだけど、でも前から知ってるような気がし

    0
    2016年09月03日
  • 逃亡くそたわけ

    Posted by ブクログ

    語り手花ちゃんと、たまたまの道連れなごやんの、博多弁と標準語の遣り取りが軽妙で面白い。
    花ちゃんが感覚的であればあるほど、なごやんの理屈っぽさが滑稽に見えてくる。それがユーモラスでいとおしい。それも人を傷つけない、優しいユーモアだ。
    極度の躁病および幻覚と、軽い鬱病。
    ロードムービーならぬロードノベル。
    私が仕事を通じて触れた九州の一部を、ことごとく外す形で九州を南下していく。
    旅を通じて、快癒、治癒、自己の回復、故郷との和解、などなど、先の見えない旅にも係らずどこかしらが癒えていく。
    その最終局面が、たわけ=たぁけ=名古屋弁、という、回帰。ほんのりと感動。
    これは恋愛でも友情でもない、人と人

    0
    2016年08月18日
  • イッツ・オンリー・トーク

    Posted by ブクログ

    「沖で待つ」に続いて読んだ作者の作品。現代の市井のなんか冴えない人を書くのがうまい。私も含めこうパッとしない毎日だけど、何とかみんなやってるんだよな。希望と言えるのかもわからないものだけど、そんな小さな光を示してくれる作品だった。

    0
    2016年05月29日
  • 末裔

    Posted by ブクログ

    家に入ろうとしたら、鍵穴が無くなっていた。入れない。 その瞬間から、不思議な場所、人達との出会いが始まる。
    放浪の末に、手に入れるもの、気づくこと。
    深い。

    0
    2016年02月21日
  • 海の仙人

    Posted by ブクログ

    正直、冒頭の唐突さに面食らってしまい、話に入り込めるまでは、いつ本を閉じようかと考えながら読んでいました。慣れてきたら驚くほどにするすると入る言葉と映像の渦に、興奮気味に読み終えた海の仙人。結びにかけての、まるで詩のように研ぎ澄まされた文体は、さすがです。きっと、再読時には初めから入り込めるでしょうね。

    0
    2016年01月08日
  • 海の仙人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    よかったぁ。しみましたぁ。

    海が見たい‼︎敦賀の浦底行かねば‼︎

    宝くじ当選、ファンタジー登場って
    なに⁉︎この現実からの距離感…⁉︎

    でも、河野の日常と。かりん、片桐とのかかわりって。
    しっかり、じっくり、しっとり伝わる。
    心がじんわりと、あったまったかしら。

    ファンタジー登場の海〜諦めたように〜
    かりんとの海〜青い稲妻〜
    偽善と同情、幸せ、孤独。
    〜心の輪郭なんじゃないか?外との関係じゃなくて自分のあり方だよ。背負っていかなくちゃいけない最低限の荷物だよ。〜

    澤田もよかった。
    そして、ヤドカリ。

    0
    2015年12月20日
  • ばかもの

    Posted by ブクログ

     主人公ヒデの言葉通り、人の人生は「容易じゃねえなあ」というのが一番の感想。儘ならないことばっかりで、人を傷つけ人に傷つき、それでも存在し続けなければならない過酷さ。だけど、そんな日々の中で何かを失った経験をした後のヒデと額子は、きっとお互いを思いやって大事にし合えるのだと思えるラストはとても温かかった。

    0
    2015年12月15日
  • 妻の超然

    Posted by ブクログ

    超然という意味を知らずに、ばかものがおもしろかったので読みました。
    それぞれの超然とする様はみっとも無いような、意地っ張りのような居心地の悪さがとても読みやすかったです。

    伝わるとすればせいぜいそれは愛想だろう。

    0
    2015年11月17日
  • イッツ・オンリー・トーク

    Posted by ブクログ

    とりあえず寝る女の、男の選択基準の話。短編2編収載で、あといっこは乗馬の話。あまり感じるものはなかったです。

    0
    2015年10月20日
  • 忘れられたワルツ

    Posted by ブクログ

    久しぶりの絲山作品。

    なんだか不思議な後味の短編ばかり。
    でも、はっとするフレーズがどれにもあって、
    色んな名前のない気持ちを起こさせる。
    とても好みの短編集だった。

    0
    2015年01月28日
  • 忘れられたワルツ

    Posted by ブクログ

    どれもよかったけど、
    最後のやつ、特によかったなぁ。
    どれもこれも絲山秋子らしさがよく出ていて、
    静かでも激しく人間らしさで満たされているような作品ばかりだった。

    0
    2015年01月17日
  • ばかもの

    Posted by ブクログ

    酒に溺れる駄目男と
    自由奔放な年上の女

    であって別れて、再び出あって

    最後はちょっと希望が見えて。

    この人の文章は好きだなぁ

    0
    2014年12月31日
  • 忘れられたワルツ

    Posted by ブクログ

    絲山さんにしてはファンタジー色が強かった気がした。現代をうまく取り入れて話がかかれてるから、絲山さんの文は読みやすいー。私は絲山作品は短編より長編好みだな、と思った。

    0
    2014年10月13日
  • 絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか

    Posted by ブクログ

    【本の内容】
    真冬に冷やし中華に挑戦して惨敗し、締切と格闘しながら、満腹になれる丼を五連発で作る。

    さらにはあまり食べないエスニック料理の食材を集めて悪戦苦闘、そしてオリジナルの豚キムチに舌鼓を打つ。

    群馬県高崎市在住、一人暮らしの著者による試作に試作を重ねた毎日。

    時に切なく時に笑える傑作料理エッセイ。

    [ 目次 ]
    力パスタ
    冬の冷やし中華
    大根一本勝負
    すき焼き実況中継
    GoGoお買い物
    丼五連発
    蕎麦屋で飲む酒
    デパ地下チャーハン
    豚キムチにジンクスはあるのか
    春の日記〔ほか〕

    [ POP ]
    気に入ったものを食べ続ける、インスタント食品にひと手間かける、オリジナルメニューに

    0
    2014年09月11日
  • イッツ・オンリー・トーク

    Posted by ブクログ

    【本の内容】
    引っ越しの朝、男に振られた。

    やってきた蒲田の街で名前を呼ばれた。

    EDの議員、鬱病のヤクザ、痴漢、いとこの居候―遠い点と点とが形づくる星座のような関係。

    ひと夏の出会いと別れを、キング・クリムゾンに乗せて「ムダ話さ」と歌いとばすデビュー作。

    高崎での乗馬仲間との再会を描く「第七障害」併録。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    人と人との関わり方を、あくまでも正直にまっすぐ描いた作品。

    パンをトーストするのと同じくらい単純に、理由もなく何も残らないセックスをすると主人公は述べる、その表現がリアルだ。

    飾りをすべて剥ぎ取ってしまえば、あとに残るのは無味無臭の、無駄話にも

    0
    2014年08月28日