絲山秋子のレビュー一覧

  • 忘れられたワルツ

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    ネタバレ

    恋愛も雑用と一部と考えてしまう事務員と、小利口くん。

    風変わりな離婚した魚住が毎晩見る地震計の揺れ。

    理科の先生の葬式とオーロラを運んでると言った知らない女。

    鉄塔と変だけど気の合った今は亡きいとこと別れた恋人。

    ノーリターンで直帰だった上司と部下が行き着いた先。

    母の浮気調査のために家を出て行った姉を案じる妹と変わった家族。

    市長になった同級生を支え続け女装することになった男と神。

    恋愛雑用が一番面白かったと思うけど
    長い病院の待ち時間で読み進めたからか、
    頭にうまく入ってこない部分もあり
    たぶんこの本の面白さを全身で感じ取れていない。

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    2017年06月29日
  • 忘れられたワルツ

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    良く判らなかったというのが素直な感想。
    「震災後を生きる者たちの不安/不穏を描き出す」といった解説があり、確かに作品中に震災がチラチラ顔をのぞかせるのだけれど、別に震災が有ろうが無かろうがこんな不安/不穏は存在するので。。。
    それぞれの短編は面白いのだけれど、一冊の本としての印象が薄い、そんな本でした。

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    2017年05月07日
  • 不愉快な本の続編

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    思わず手にとってしまうタイトルに衝動買いしましたが、短編集『ニート』に収録されている「愛なんていらねー」の著者を主人公にした作品なのだそうです。短編のスピンオフのはずが堂々の1冊になったというところでしょうか。いわば続編ではありますが、本編を知らなくても問題なく読めます。本編は私の苦手なスカトロの描写もあるようなので、むしろ知らずにいてよかったかも。(^^;

    この続編から察するに、主人公のボク、「乾ケンジロウ」はイケメンの賢い奴。しかしというのかだからというのか女が放っておかず、ずっとヒモとして暮らすろくでなし。性的倒錯者でもあるが自分のほうから女にのめりこむことはない。そんな彼が初めて恋を

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    2017年05月15日
  • ラジ&ピース

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    相馬野枝32歳独身。FMラジオのDJ。
    自分の容姿に強烈なコンプレックスを抱き、極端なほど他者との距離を保つ彼女が、唯一自分を解き放てるのが自らパーソナリティを務めるラジオ番組。
    仙台から群馬のFM局に転職した彼女が、半ば強引にできた女友達やリスナーとの関わりの中で、ほんの少しずつ自分を肯定していく・・・という標題作は、本当にFMラジオの番組を聞いているかのような孤独な心地よさ。
    群馬の小ネタ(高崎人は前橋人が嫌いとか・・・ホント?)も随所にはさまれクスッと笑える。

    併録された「うつくすま ふぐすま」は、短いながらスカッと晴れた空を感じさせるキレのいい作品。
    生ゴミのようだと感じる男とずるず

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    2017年04月01日
  • 不愉快な本の続編

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    富山の美術館に足を運んだ時にこの小説が掲載されていて、久しぶりに絲山さんの本を手に取ってみた。ニート以来倦厭していたのですが、まさかニートの続編とは思わず…。タイトル見れば分かるんだけど笑。やっぱりちょっと苦手かも。

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    2017年03月09日
  • イッツ・オンリー・トーク

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    絲山さんのデビュー作である表題作と「第七障害」の2作。
    【イッツ・オンリ・トーク】
    「無駄話さ!」というタイトルどおり、軽いタッチの15のエピソード。主人公の優子は新聞記者をしていたが、精神を病んですべてを失い、今も薬のお世話になりながら、絵を描いて暮らしている。
    「セックスなんてトーストを焼くみたいなものよ」という彼女と、EDの議員、うつ病のヤクザ、いとこの居候、痴漢、うつ病仲間との関係がさらっと描かれている。
    それぞれのエピソードは面白いとか泣けるとかではないんだけど、すっ~と入ってきて心地よいのは絲山さんの無駄のない文章のおかげなのだろう。
    特に私は、痴漢がお気に入り!私もこんな痴漢と付

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    2016年11月25日
  • ラジ&ピース

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    他の本より地の文があっさりしていて、主人公の内面もガシガシ消しゴムで削られた跡だけがある。
    つまりは測りかねた主人公の変化が、大きいものなのか小さいものなのかわからなかった、それが読みのせいなのか作品の性質なのかもいまひとつ確信できない。

    「うつくすま ふぐすま」も、収録。

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    2016年10月06日
  • エスケイプ/アブセント

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    ネタバレ

    遅すぎた中年、福岡に向かい、ふと京都に降りる。
    そこには現在を把握していない、双子がいたが、今はどうやら。
    コスプレ神父バンジャマンと交流。
    結局双子に会うことはなかったが、その不在こそが隠れた透明の背骨である。
    それは作中に形を変えて言及される。
    「不在は、美化される。キリストだってそうだ。」
    キリストなんかより歌子婆さんみたいな人が今現在生きているってことを美化したいね、という独白や、
    なんで大人ってドライでソリッドではなく、生、なんだろう、といった感覚やに、
    大いに共感。ずっとそう思っていた。

    ちなみに「アブセント」はその双子の片割れ。

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    2016年10月05日
  • ばかもの

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    ネタバレ

    気ままな大学生活を送るヒデは、年上の女性額子との性的な関係に溺れていたが、結婚を決意した彼女に手ひどく振られてしまう。
    社会人になったヒデは、いつしかアルコール依存症になり立ち直るきっかけをつかめずにいた。
    一方額子も不慮の事故で左腕を失ったうえ離婚し、一人山間の村で生活していた。
    全てを失い、絶望した二人が長い年月を経て再会した・・・

    絲山さんの文章は読みやすく、気持ちが良い。
    ヒデがなぜアル中になったのかよくわからなかったが、実際に酒浸りになるときもそんなものかもしれない。
    ずっとヒデが抱いていた「行き場のない思い」って何なのだろう・・・額子もまた行き場なく山奥の村に流れ着いた。
    互いに

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    2016年08月14日
  • イッツ・オンリー・トーク

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    ネタバレ

    こういう、特にサスペンス的なことは何もなく、同年代の女性の日常(あるいは非日常)が淡々と書いてあるだけの本を面白く読めるようになったのは、30になってからだと思う。
    多くは独身の女性が主人公なので、感情移入はできないけれど、理解はできる。
    わたしも、結婚してなかったら、こんな人生だったのかなぁなんて。

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    2016年05月04日
  • 海の仙人

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    宝くじにあたった河野、店員を辞め、敦賀の空き家を買い取って一人暮らし。元同僚のサポーター片桐、ヘビーワーカーの恋人かりん。いるとはなしに、仙人ファンタジー。

    人間ではない仙人の存在が不自然ではない、だけど現実的でもある、不思議な世界ですね。人間界のドロドロがない。

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    2016年05月07日
  • 不愉快な本の続編

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    だらしない男の話。

    続編てそんな本なかったけどなと思ったら
    そういうことだったんだな。
    当然あらちは全く覚えとりません。

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    2016年02月13日
  • 絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか

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    美味しい料理ができたばかりだけではなく失敗もあけっぴろげに書いています。
    文章自体も竹を割ったような感じで堅苦しくありりません。
    だから堅苦しくなく読めました。

    私はこの作家さんを勉強不足で知りませんでした。
    だから鬱って言葉がやたらでてくると思って調べたら精神疾患を患っていたんですね。

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    2015年11月09日
  • イッツ・オンリー・トーク

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    さらっとしてる。まさにイッツオンリートークって感じ。終わり方は好き。構成も。他の作品も読んでみたい。

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    2016年03月08日
  • イッツ・オンリー・トーク

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    ・すべては無駄話さ。
    ・醒めた筆致。
    ・アウトサイドに行きかけている人たち。
    ・アンニュイな生活。
    ・心と躰の感覚の乖離。

    第七障害
    表題作がクールなら、こちらはビタースイート。
    愛馬を殺してしまったと思う女性が、時を経て人と関わり、乗り越えるまで。

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    2016年09月20日
  • ばかもの

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    筆者特有のテンポのよい文体のおかげで、激しさや深刻さが、淀みなく、流れていく。
    恋愛って別に美しいわけではなく。
    人間って別に高尚な生き物というわけではなく。
    等身大の自分と向き合ったような気分になり、恥ずかしくもほっとした。

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    2015年04月06日
  • 妻の超然

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    ネタバレ

    この著者の本は初めて.
    歳をとるごとに諦めが人生を覆い,超然とならざるをえなくなる.そうならないためには膨大なエネルギーがいる.
    そういうことを実感してしまうと,この小説はやりたくもない復習をしている感じ.そういう気持ちにさせてしまうほど,うまくかけてることなのかも.

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    2014年10月18日
  • 末裔

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    自分の家に入ろうとするが鍵穴がない。困っているところで不思議な男に出会い、泊まるところを紹介され一息をつく。しかし数日たつとそのホテルも跡形なく消え、今は誰も住んでいないと思われるが昔お世話になった叔父の家がある事を思い出し、電気も通わない家に泊まる事にする。そんななかで自分の親の事、親戚の事、家族の事を考える、どんどん不思議な人との縁がうむ出来事に巻き込まれていくという不思議なお話でした。

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    2014年08月31日
  • 忘れられたワルツ

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    ひとが感情的になっているとき、わたしは真っ白になった脳みそを抱えて戸惑う。ひとの感情がわからないから、共感しろと言われるのが一番困る。冗談がわからないし、嘘かもしれないと思ったら相槌を打つこともできない。
    (P.92)

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    2014年07月24日
  • ばかもの

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    ばかものな男の子と、ばかものな女の人のはなし。こんなおかしなものも書くんだ、と思いつつ。わたしが惚れ込んだ絲山秋子の圧倒的な憤りは見えないな、と思いつつ。

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    2014年06月11日