絲山秋子のレビュー一覧

  • ラジ&ピース

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    絲山女史の作品を
    追っかけているわけでないし
    すべてを読んだわけでもないけれど
    基本的に病んでいるものが多い。

    そうじゃない絲山女史を読んでみたい
    今回は特にそう思った。

    そう思っていたら
    オマケの一編『うつくすま ふぐすま』はかなりいい。

    『逃亡くそたわけ』に出てくる

    "亜麻布二十 エレは上衣一着に値する"

    といい、
    女史は言葉を切り取るのがとても上手い。

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    2014年06月10日
  • エスケイプ/アブセント

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    職業的革命家をドロップアウトした正臣、偽神父のバンジャマン。彼らはともに、いわばかけがえのない青春期を失ってしまった。そして、過去における継続的な挫折のゆえに将来への展望もなきに等しい。小説のアイディアとしてはわからなくもないが、やや作為的に過ぎるようにも思う。タイトルの所以となったジョディ・ハリスとロバート・クインの「エスケイプ」も職革の過去には違和感が否めない。一方の「アブセント」は、もう少し自然だが、その分インパクトには幾分か欠けるだろう。小説のテーマは「喪失」であり、読後には一抹の寂寥感が残る。

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    2014年04月19日
  • イッツ・オンリー・トーク

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    デビュー作らしい初々しさのある中編二作。絲山さんの小説は、タイトルがいいな。『全てはムダばなし』。あとがきで、絲山Aは働く女共感もの。絲山Bは精神的に破綻したひとたちがいっぱいでてくるもの。とあって、ああそういえばそうかなぁと思う。

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    2014年04月08日
  • 忘れられたワルツ

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    絲山さんの作品に出てくる女性の恋愛観はすごく共感できるなぁと思いました。

    地震にまつわるあれこれは、やはり読むと複雑な気分になってしまう。いろんな想いが入り混じって。

    だから、読後の気持ちも複雑。

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    2014年04月06日
  • 絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか

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    鬱なあなた、食いっぱぐれるほど忙しいあなたに、一番簡単で一番ボリュームがあって一人分の量の増減が簡単で材料買い置きができて、しかも嫌な世間を忘れられる空前絶後百鬼夜行天網恢々疎にして漏らさずスーパーエコノミカルグレイテストリミテッドなおすすめ料理、それはズバリ豚キムチです。他の何にも負けない自信を持って申し上げます。(私ってほんとに鬱かよ)
    (P.68)

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    2014年02月27日
  • 末裔

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    絲山秋子の長編。家族であることとは、を、定年間近の省三の視点から描く。父や叔父、自身の生い立ちを辿りつつ、最後に戻ってくるまでの話。メモ。(1)何かを始めるということ。それは本当に恥ずかしいことだ。…でも、一度位いいではないか(2)が待っていたのは終わりじゃなくて変化だったのかもしれない。

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    2014年02月22日
  • 妻の超然

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    妻の超然、下戸の超然までは、面白く読んだ。

    でも、作家の超然がよく分からないまま終わってしまった。読後感はいまいち。

    下戸の超然、女性の身勝手さがすごくうまく描かれている。まるで自分を見ているかのようだった。

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    2014年02月14日
  • ばかもの

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    絲山秋子の作品は6冊目になるが、多彩な世界を描く多才な作家という印象だ。主人公のヒデは、これという原因や理由も見いだせないままに(しいていえば、額子に捨てられたのが原因か)、泥沼のようなアルコール依存症に陥っていく。小説が東京を舞台に描かれていたならば、彼は立ち直れないままだっただろう。ところが、まだ濃密に地縁や血縁の生きる高崎であったことが彼を救っている。しかも、そこにさえ居づらくなった先には片品という、さらなるアジールが用意されていた。ただ、分らないのは、この小説が「想像上の人物」を必要としたことだ。

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    2014年02月10日
  • 忘れられたワルツ

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    ネタバレ

    震災にまつわるような、きっかけにしつつも遠巻きにしているような、そんな短編集。当たり前にありそうで、少し不思議な要素が混じっている。でもその「当たり前」と「不思議」の境界線なんて、もともと曖昧なものだよねと、そう思わされるような一冊。最初の方の短編は、絲山さんのイメージとちょっと違うかなと思っていたのだけれど、途中から最後にかけては、やっぱり絲山さんだなと思うような感じで、あの、なんというか少し病んでいるような、危うい方に片足だけどっぷりと浸かっているような、そんな感覚。それはそれで、「ここでしか読めない」ものではあるのだけれど、この前半の部分こそが私としては面白くて、今後の絲山さんにも期待だ

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    2013年09月29日
  • 忘れられたワルツ

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    結婚しない、できない女の人の話を書かせたらこの人の右に出る人はいないのではないか。女装に目覚める人やアスペルガーだと気づく女の人の話なんて、奇想天外な話。決して半沢直樹見て元気を出すことのなさそうな男の人や絶対美ST読まなさそうな女の人、そんな地方に住む普通の人々の話ににひととき現実逃避できた。

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    2013年09月22日
  • 妻の超然

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    3編ある。
    三人称、一人称、二人称と視点を変えて、
    それぞれ物語の登場人物たちが
    修復、別離、自己批判を超然と受け止める。

    順を追って文学性が高くなって読者にも
    幅をもった解釈が必要になってくる。

    果たして最後に絲山女史は何を伝えたかったのだろうか。

    例え文学の行き着く先が
    いかがわしい廃棄物や
    音さえもない滅びであったとしても、

    絲山女史は凡庸な読者など差し置いて
    どんどんと文学の高みへ駆け上がってゆく。

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    2013年09月16日
  • 妻の超然

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    妻の超然、下戸の超然、作家の超然、の三編。
    妻の超然が一番好きかな。一度壊れたものはあんな風にうまく戻らないと思うが。
    そういう意味では下戸の超然が現実的な展開だったかな。

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    2013年09月15日
  • 忘れられたワルツ

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    収録されている7編の読み切り短編はいずれも「小説新潮」(2012年3月号~2013年3月号に掲載されたもの。

    彼女の小説は、その乾いたユーモアが独特なテイストを生むのだけれど、今回は震災後の世界を取り上げながら、「一人語り」の実験的な試みにチャレンジしていて、その感性が研ぎ澄まされた感が強い。

    たとえば、『神と増田喜十郎』なんてすごい。なにしろ「神様」が俗人のごとく登場し独り言を呟くのだから、、、

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    2013年07月28日
  • 忘れられたワルツ

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    【収録作品】恋愛雑用論/強震モニタ走馬燈/葬式とオーロラ/ニイタカヤマノボレ/NR/忘れられたワルツ/神と増田喜十郎

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    2013年07月27日
  • ラジ&ピース

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    おのれの弱さが他人の目には強さであるように映ることがある。
    なぜかといえばその強さとは、弱さを覆い隠し守るための鎧のようなものだからだと思う。
    でも内心、その鎧の重さに辟易していたりする。

    『ラジ&ピース』も『うつくすま ふぐすま』もそんな短編で、少し乱暴にまとめると30代の女が武装解除するという話。

    あまりにすとんと変化が訪れるので、ちょっと物足りなかった。

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    2013年06月24日
  • ラジ&ピース

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    あまりにも読みやす過ぎて、内容が訴えてくることを意識しているのに通過してしまったかのような、そんな読後感さえ。「うつくすま ふぐすま」のような痛快譚の方が、著者の持ち味が現れていて面白かった。

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    2013年06月14日
  • イッツ・オンリー・トーク

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    引っ越しの朝、男に振られた。やってきた蒲田の街で名前を呼ばれた。EDの議員、鬱病のヤクザ、痴漢、いとこの居候―遠い点と点とが形づくる星座のような関係。ひと夏の出会いと別れを、キング・クリムゾンに乗せて「ムダ話さ」と歌いとばすデビュー作。高崎での乗馬仲間との再会を描く「第七障害」併録。(「BOOK」データベースより)

    イッツ・オンリー・トーク、すべてはムダ話だとエイドリアン・ブリューが歌う。

    セックスなんてトーストを焼くようなものだと考える優子と問題を抱える男たちとの話。出てくる男たちがちぐはぐで面白い。「男との関係を「点」のイメージであって「面」であってはならなかった。ましてや時間軸の設定

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    2013年04月13日
  • 妻の超然

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    超然とした人たちの話。

    前2作はテンポ良く読めたけど
    作家の超然だけはなんだか手強かった。。
    この作家は絲山さんっぽいんだろうか。

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    2013年03月24日
  • イッツ・オンリー・トーク

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    たまにはこーゆー病んでる小説もいいかな。嫌いじゃない。短編2作品を収録してるんだけど、2作目のほうが受けはいいとおもうw 篤くんから学んだことあったわー。勉強になりましたw
    でも多分人にこれをオススメするときは人を選ぶと思う。

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    2013年03月23日
  • 絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか

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    炊事エッセイ。

    絲山さんはやっぱり変わった人だ。
    面白かったし、美味しそうなのもあったけど
    夜読むものではなかったみたい。
    お腹が空いてくるから。。

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    2013年03月19日