感情タグBEST3
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EDの議員、うつ病のヤクザ、痴漢、駄目男のイトコ
・・・35歳の女の「すべて無駄話さ」
第七障害の篤がいいな
この人の作品初めて読んだけど、すごく好きかも
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絲山秋子さんなので、あらすじ読まずに購入。
表題作『イッツ・オンリー・トーク』は観たいみたいと思ってて未だに観ていない寺島しのぶさん主演の映画なはず‼やっぱり面白い。
もうひとつの、『第七障害』は最初読むのもきつかったけど、中盤からかなり良かった~好きだ~こうゆうの
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面白い。偶然買った本がこれ、ってこの著者との運命を感じる。この先この人にはまりそう。
解説を本屋の店員さんが書いているのも面白い。
そのなかで言っている「痴漢に人気」私も1票。
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「キング・クリムゾン」に目を奪われて購読。期待を裏切らない素晴らしさだった。
「イッツ・オンリー・トーク」は、キング・クリムゾンのエレファント・トークのなかで繰り返しぼやかれるセリフだ。これと同名の本作品は、まさにキング・クリムゾン的な世界である。
暴力的な狂気とニヒリズムが渾然一体となっている。それは作中で「へんなの。不気味だよ」と言われるような、変な世界なのである。
しかし、この変さは、決して乱雑なものではない。むしろ整然としている。この丁寧さも魅力的であり、とてもうまいと思った。
「第七障害」もよかった。すごく丁寧に創られている。上州弁がさりげなく出てきて、ニヤついてしまった。ただ、キンクリ感はあまり感じられなかったのは残念だ。
解説で、絲山作品にはAとBがある、Aは芥川賞的で、Bはキンクリ的だ(と私は解釈した)、とあった。なるほど、Aもいいが、やっぱりBを読みたいなあ。
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映画「やわらかい生活」を見て原作も読もうと思って2年近くも経ってしまった。
優子は寺島しのぶ、祥一は豊川悦司になってしまうのは仕方がない。結構強烈なイメージだったから。
登場人物は一致しているが、ストーリーは少し違ったような。
蒲田も重要な役(目)だったように思う。ヨーカドーあったんだ。
初期の頃の絲山作品は結構読んでいるつもりだったが、デビュー作は読んでなかった。なんとなく実際の蒲田を知った今の方が雰囲気がわかって良かったと思う。逆に蒲田を知らなかったら(それが正しい味わい方のような気がするが)、映画も見ていなかったら、どんな感想だったのか。
併録の「第七障害」も良かった。こちらも地名が具体的にたくさん出てきて、その土地を知っているともっとリアルな感じがするのかと思った。
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「イッツ・オンリー・トーク」は、それぞれにキャラクターのちがう男たちとの関わり 身体を介さないコミュニケーション(痴漢を除いて)、即物的でない繋がりの方が向いているひとたちだ お互いになにも期待しない気安い関係のほうが心地よいときもあるよね
「第七障害」は馬術の話だ、馬・群馬・篤、馬づくし 年下男のよさ、ありますね〜
どっちも感想書くの難しいけど、好きな感じでした
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イッツオンリートークは様々なだめんず達が出てくるけど、みんなそれぞれに人間臭いどころがあって、絶妙に心を揺さぶられました。
第七障害も良かった。涙を誘われました。
登場人物が下手に飾られてなくて、すごく現実味がある感じが好きです。
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『イッツオンリートーク』はパッとしない何かを抱えた登場人物たちが交わって時間が流れる。なんて事ないような気もするし、鮮烈な人生のような気もする。ただずっと聞いていられるムダ話。感情移入できなくともなんか面白かったです。『第7障害』はちょっと動物大好き系フリーターの僕には辛かったけど、傷付いて、距離をおいて、許して、って優しくて切ない時間の流れを感じられる名作でした。馬はみんな天国に行く、それは絶対そう。ヨギボーのCMみたいなとこやろなぁ。
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この人の小説はラストが好きだ。淡々とした文章が続いてゆっくり降り積もったもののエッセンスが、最後にすこしだけ滴って落ちる感じ。
「イッツ・オンリー・トーク」の優子の「なんかさ、みんないなくなっちゃって」も、「第七障害」の篤が順子の頬にそっと触れた余韻も本当にいい。ぐっと心をつかまれてゆっくり離されて、余韻がじんわり広がっていく。
私は「第七障害」の方が好みだった。前の話でダメ男たちを見てきたせいか篤くんの一途さと素直さの好感度がガンガン上がる。かわいい。解説によると痴漢さんはすごく人気あるらしいけど、どうしてなんだ…?点の優しさより、べったりした面の優しさの方が好みなのかも。そして男たちより美緒が魅力的だった、こんな人と友達になりたい。かるーいふわふわしたノリで、いつでも歌を歌ってる人。あこがれるなあ。
光に向かっていくお話だけど、あくまで淡々とした姿勢は崩さず、ゆっくりゆっくり氷が溶けていく様子を見守る感じで、ほんのり温かいから安心して寄り添える。何回も読みたくなる。
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「沖で待つ」に続いて読んだ作者の作品。現代の市井のなんか冴えない人を書くのがうまい。私も含めこうパッとしない毎日だけど、何とかみんなやってるんだよな。希望と言えるのかもわからないものだけど、そんな小さな光を示してくれる作品だった。
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【本の内容】
引っ越しの朝、男に振られた。
やってきた蒲田の街で名前を呼ばれた。
EDの議員、鬱病のヤクザ、痴漢、いとこの居候―遠い点と点とが形づくる星座のような関係。
ひと夏の出会いと別れを、キング・クリムゾンに乗せて「ムダ話さ」と歌いとばすデビュー作。
高崎での乗馬仲間との再会を描く「第七障害」併録。
[ 目次 ]
[ POP ]
人と人との関わり方を、あくまでも正直にまっすぐ描いた作品。
パンをトーストするのと同じくらい単純に、理由もなく何も残らないセックスをすると主人公は述べる、その表現がリアルだ。
飾りをすべて剥ぎ取ってしまえば、あとに残るのは無味無臭の、無駄話にも等しいセックスのみだという感覚に頷く女性は多いのではないだろうか。
ここでの対人関係はすべて「点」である。
昔ながらの付き合いが近所や親戚を含めた複雑な網目模様をなす「面」だとすれば、ここに出てくる関係はすべて1 対1である。
居候しているいとこでさえ、主人公と1対1以上のつながりを持っているようには見えない。
点が三角形に結ばれることがあったとしても、自分以外の2点の動きがどうなろうと自分には全く影響がない、そんな関係性だ。
希薄な関係と言うのは簡単だが、この小説を読んでいるとその関係にひどく心を揺さぶられてしまう。
そこには「点」の関係で生きてきた私たちの確かなリアルがあるのだ。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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絲山さんのかく物語はいつも静かでさびしげ。きっともっとドラマチックに描こうと思えば描けるのだけど、淡々としている。その静けさが私はとても好き。わーわー騒ぐクラスメイトたちの背中をぼんやり眺めている、あの感じに似ている。少し村上春樹を思い出した。
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淡々と始まって、淡々と終わる。単に日常生活のある適当な一部を切り出したかのように。
何かの主題があって、それをストーリーにするのではなく、エピソードを積み重ねながら全体の雰囲気を作っていく。そんな作品です。
強いて言えば、主人公とその周りに集まる奇妙な男たちの、濃密でありながら、どこか淡々とした人間関係。こんな関係もまた良いではないかというのが主題なのかもしれません。
なかなか面白い物語でした。
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表題作の「イッツ・オンリー・トーク」と「第七障害」の二編を収録しています。
「イッツ・オンリー・トーク」は、橘優子という35歳の女性の物語です。議員候補の本間、鬱病でヤクザの安田、いとこで元ヒモの祥一、そして優子と奇妙な関係をつづける痴漢など、彼女をとりまく男たちとの日常を、タイトルが示すとおり「イッツ・オンリー・トーク」、すべてはムダ話だという調子でえがいています。
「第七障害」は、かつて馬術大会でゴッドヒップという馬とともに出場するも転倒してしまい、馬を安楽死の運命へと追い込んでしまったことに対する懺悔の念をいだきつづけている早坂順子の物語です。彼女のライヴァルだった永田篤や、同居人の美緒との関係をえがいています。こちらは、順子が過去の苦しみを乗り越えるというストーリーでありながら、ドラマティックな盛り上がりを作り込むのではなく、「イッツ・オンリー・トーク」と同様の淡々とした叙述で物語がつづられていくのが印象的でした。
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ストーリーのない話を、つらつらと書き綴ったお話。
読んでいて面白くないってわけじゃないが、何も記憶に残らん。
1週間後には内容を全部忘れる自信がある。
きっと1ヶ月後には、記憶にない本として再読できると思うので
ある意味お得な一冊。
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絲山さんのデビュー作らしい。そしてこの本を広めたのは、大手の書店員さんらしい…うらやましい。
デビュー作から絲山さんらしい、ダメ女がダメ男を預かる(?)ストーリー。しかしダメ男(いとこ)とは恋愛関係になるわけではなく、ダメ女は他に4人の男と関わりを持つ。なんだか理解不能ですわ…。けどそれが絲山ワールド。
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絲山さんのデビュー作である表題作と「第七障害」の2作。
【イッツ・オンリ・トーク】
「無駄話さ!」というタイトルどおり、軽いタッチの15のエピソード。主人公の優子は新聞記者をしていたが、精神を病んですべてを失い、今も薬のお世話になりながら、絵を描いて暮らしている。
「セックスなんてトーストを焼くみたいなものよ」という彼女と、EDの議員、うつ病のヤクザ、いとこの居候、痴漢、うつ病仲間との関係がさらっと描かれている。
それぞれのエピソードは面白いとか泣けるとかではないんだけど、すっ~と入ってきて心地よいのは絲山さんの無駄のない文章のおかげなのだろう。
特に私は、痴漢がお気に入り!私もこんな痴漢と付き合いたいと思ってしまったよ・・・
【第七障害】
馬術で馬を死なせてしまった主人公順子が閉ざした心を回復していく様子を群馬の風景を織り込みながら、静かに描いていく作品。
野反湖でのシーンは胸にジワッと来て、読後がとてもよかった。
私は、こちらの作品の方が好きかも。
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こういう、特にサスペンス的なことは何もなく、同年代の女性の日常(あるいは非日常)が淡々と書いてあるだけの本を面白く読めるようになったのは、30になってからだと思う。
多くは独身の女性が主人公なので、感情移入はできないけれど、理解はできる。
わたしも、結婚してなかったら、こんな人生だったのかなぁなんて。
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・すべては無駄話さ。
・醒めた筆致。
・アウトサイドに行きかけている人たち。
・アンニュイな生活。
・心と躰の感覚の乖離。
第七障害
表題作がクールなら、こちらはビタースイート。
愛馬を殺してしまったと思う女性が、時を経て人と関わり、乗り越えるまで。
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デビュー作らしい初々しさのある中編二作。絲山さんの小説は、タイトルがいいな。『全てはムダばなし』。あとがきで、絲山Aは働く女共感もの。絲山Bは精神的に破綻したひとたちがいっぱいでてくるもの。とあって、ああそういえばそうかなぁと思う。
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引っ越しの朝、男に振られた。やってきた蒲田の街で名前を呼ばれた。EDの議員、鬱病のヤクザ、痴漢、いとこの居候―遠い点と点とが形づくる星座のような関係。ひと夏の出会いと別れを、キング・クリムゾンに乗せて「ムダ話さ」と歌いとばすデビュー作。高崎での乗馬仲間との再会を描く「第七障害」併録。(「BOOK」データベースより)
イッツ・オンリー・トーク、すべてはムダ話だとエイドリアン・ブリューが歌う。
セックスなんてトーストを焼くようなものだと考える優子と問題を抱える男たちとの話。出てくる男たちがちぐはぐで面白い。「男との関係を「点」のイメージであって「面」であってはならなかった。ましてや時間軸の設定された「立体」などは論外だった。私はそういうイメージでしか男をとらえられなかった。」というのが共感できた。自分に見せるその時々の「点」の部分だけで充分。それ以上は踏み入りすぎていて、とてもじゃないけどトーストを焼く感覚でセックスはできないだろうと思う。
「第七障害」は少し意外な話だった。ゴッドヒップを殺してしまったと思い悩んで順子は群馬から逃げ出す。逃げたまま終わるかなと思っていたのに群馬に戻ってくるのは絲山さんっぽくなかった。
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たまにはこーゆー病んでる小説もいいかな。嫌いじゃない。短編2作品を収録してるんだけど、2作目のほうが受けはいいとおもうw 篤くんから学んだことあったわー。勉強になりましたw
でも多分人にこれをオススメするときは人を選ぶと思う。
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「第七障害」は好きな終わり方。表題作はなんというか、もやもや。居候はもっと若い男かと思って読んでいて最後で話全体のイメージが変わってしまった。
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はじめて絲山さんを読む。
精神病の主人公が、一癖ある男たちと過ごす日常。よくある日常とは遠い出来事ばかりだが、文体は淡々としていて、感情が抑え目なところが丁度良かった。「痴漢」ってネーミングの男が魅力的に描かれているのが面白い。
「それはパンをトーストするのと同じくらい単純なことで、理由も名前もない、のっぺらぼうのトーストは食べてしまえば実にあっけらかんと何も残らないのだ」