絲山秋子のレビュー一覧

  • 御社のチャラ男
    感想
    年を重ねても見つける。でも彼らの明るさに救われることもある。うるさいだけのこともある。自分には持っていないものがある。なりたくはない。
  • 薄情
    言葉の選び方がさすが秀逸で、言葉に言い表しにくい機微や地方の描写が手に取るように思い浮かんで飽きることなく読めた。主人公に引きづられて気持ちが落ち込みそうになったが、最後の最後で雲間から弱い光がさすように希望が持てた。理解が難しい文面もあり、また読み返して理解を深めたい。
  • 神と黒蟹県
    蟹に反応してしまった。架空の町を舞台にしたオムニバス短編集。手探りで進む内容が面白くて次は何かと手が止まらない。楽しかった。
  • 神と黒蟹県
    架空の県と不思議な地名と名前の人々。

    各章の終わりに、黒蟹辞典なるものが添えられていて、これまた興味深く、紐解いてみたくなる。
    著者の頭の中には、この辞書がぎっしり詰まって整然とした別世界が織りなしているんだろうな。

    そして、装丁がなんともユニーク。
    県のロゴとして最高だ!!
  • 神と黒蟹県
    地味でビミョーな架空の県「黒蟹県」を舞台に、そこを訪れ、そこに暮らし、そこで働く人々のありそうで無さそうな、無さそうでありそうな日々のあれこれをユーモアたっぷりに描く連作短編集。

    巻頭の地図や短編ごとの末尾の「黒蟹辞典」など、架空の県の設定をよくぞここまでという造り込みにリアリティが増す。
    どこの...続きを読む
  • 神と黒蟹県
    ありそうで、なさそうで、でもやっぱりあるなという妙なリアリティと、ゆるーいところに時折投入される鋭いまなざしにドキリとさせられる
    平凡な毎日だけど小さな変化は必ずあってそこに焦点を当てる、地味だけど何かしら知りえた満足感があって面白味が増幅される
  • 袋小路の男
    なんとやっかいな…指一本触れられないからこそ、前にも進めず嫌いにもなれず、諦めもきれずに生殺し 実際そんなに大したことない男でも、恋する女の献身的で盲目的な恋愛には、厚さ15cmくらいあるフィルターがかかっていて、周りの声もまったく耳に入らない そうなんだよねえ、知ってます 感情を持て余しすぎて自己...続きを読む
  • 夢も見ずに眠った。
    絲山秋子さんはじめましてだった。

    ふたりの掛け合いとかセリフとか心地よかった。
    心の病はもちろん本人もしんどいけど、周りの人もしんどいよね。家族とか恋人とか。
    でも乗り越えるのは本人だから、どうしようもないよね。
    お互いに意地張らずに素直にヨリを戻して平穏に過ごしてほしいなぁと心から思った。
  • 末裔
    生きている人間は修正が利くが、死んだ人間のことなんか間違えて覚えていたらそのまんまじゃないか。

    今までは気持ち半分で両親や叔父母の先祖についての話を聞いていたがこの一文で先祖についての意識が変わりいまは先祖についての話を深く聞きたいそう思う。
    鍵穴が消えているという不思議な出来事から省三の中の心境...続きを読む
  • 忘れられたワルツ
    2011年から2012年頃に書かれたようで、作者の震災後の複雑な気持ちの変化が感じられた。

    絲山さんの感性か高尚すぎて
    私には
    理解や共感が追いつかず。

    伝えたいメッセージが
    わからないまま。

  • 逃亡くそたわけ
    オフビートなロードムービーっぽい小説。
    特に大きなイベントはなく、淡々と主人国の二人が来るまで博多から鹿児島へと南下する。
    退屈と言えば退屈な話なのだが、ジャームッシュ映画のような「面白い退屈」と言えば良いだろうか。ストーリーの起伏ではなく、主人公二人の会話を楽しむ小説だ。

    「幻覚の方が実感なのだ...続きを読む
  • 沖で待つ
    何かに絶望してしまった人たちに読んでほしい作品です。「沖で待つ」は、同期の社員が亡くなってしまい、その同期の家にある目的のために行くのだが、その家に亡くなったはずの同期がいた。
    読んでて、どこか怪談かと思わせるような少し怖さを感じました。でも最後には、少し涙がでてくるような作品でした。
  • まっとうな人生
    読み終わってから一週間ほど経つが『消えない傷もある』という言葉が頭から離れない。本当にそうだから。『出口のないトンネル もある』し、『明けない夜もある』という言葉も、よくぞ言ってくれたと思う。

    退屈な本と思っていた序章部分。 でも『沖で待つ』という清しい本を書いた筆力のある作家さんだから、何かある...続きを読む
  • 沖で待つ
    絶望を感じてる時、なんで自分だけがこんな目にと孤独感と苛立ちに苛まれるが、実はそばに見守って助けてくれる人がいる。そういうことに気づかせてくれる内容でした。
  • まっとうな人生
    好きな作家さんの新刊だわーと思って読み始めたら、家族が移住した富山のお話でなんとなく親近感笑

    そして、私ここまでダイレクトにコロナのことを書いている本初めて読んだなぁと思いました。
    私にとって読書ってどこか現実逃避だから、無意識に避けてたのかもしれない。だから最近歴史小説ばっかり読んでたのかもしれ...続きを読む
  • 夢も見ずに眠った。
    岡山で不機嫌になった沙和子が自分に被った。同じ場所にいて感じ方は違くても、同じものを見れて会話ができるということは大切な時間なのだと思った。
  • 不愉快な本の続編
    呉から始まり、各地を転々とし、呉に終わる話。主人公が終始好きになれず、物語にも結局いまひとつ肩入れできなかった。
  • イッツ・オンリー・トーク
    読んでる間は終始心地よくて、あっという間に読み終わってしまった。
    分からないけど何となくわかる気もする
    表題も好き。
  • 妻の超然
    「妻の超然」「下戸の超然」「作家の超然」から成る。前ふたつは、共感できたりと面白かったが、作家の超然は難しかった。何度か読めば理解できるのかなぁ。
  • 沖で待つ
    女性総合職がまだ珍しかった時代のお仕事小説「沖で待つ」。住宅設備機器メーカーの福岡営業所に同期で配属になった太っちゃんを中心に、ベテラン事務員の井口さんや先輩の副島さんなどとの日々が描かれます。
    同期って特別な関係だなというのと、新人配属された部署って何とも言えない思い出があるな、というのをしみじみ...続きを読む