絲山秋子のレビュー一覧
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架空の『微妙に』『地味』な県、黒蟹県を舞台にした連作集。
癖の強い市長がいて、地域同士の確執があり、めんどくさい地域もあればこれといった特徴もない地域もある。
移住してくる人、生まれた時から住んでいる人、一度出て行ってまた戻ってきた人、様々な人がいてその中に神が交わる。
架空の場所や物と実在の物が交わるように、人々の人生のリアルな部分と神のとぼけた部分が交わる。
先の話に出てきた名前だけの登場人物の物語が後に出てきたり、脇役で出てきた人が後に主人公となって描かれたり、様々な視点で楽しめるのも連作集の楽しいところ。
黒蟹県の様々な地域の様々な人たちの物語が多視点で楽しめた。
時折出てくる神 -
Posted by ブクログ
「いつか君に出会って欲しい本」で紹介されていたので読んでみる。短編が3作。
2本目がタイトルの「沖で待つ」
新卒で入った住宅関連会社の同期の男女、営業所は離れたり、片方は結婚するものの友情は続きどちらかが死んだら「パソコンのHDDを壊す」約束をする話。
新卒で入った会社で同期とワイワイやっていた事は、私もとても楽しい記憶の1つで、その頃を思い出したりして楽しい。間違いなくそれも青春の欠片だと思う。この約束の話は聞いたことがあり、この本読んだことあったっけかな?とログを見直すも無い、なんだったかな。
さんさくめは、ひらがなばかりでよみずらかったのでななぺーじめで、よむのをやめた。
1作目 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人のゴールは死しかないもんなと、(悲観では無く)静かに受け入れられる本。
結局、人の「真実」なんて確かめようが無い。
あるのは、誰の目から見ても確かな死だけ。
こう書くと、ものすごく暗くて陰惨な物語のようだけど、読み口は不思議なほど重たく無い。
わりとボリュームのある本だけれど、他の方の感想にもある様に一気読みさせられる。
面白くて面白くて辞められない!と言うより、
淡々と無理のない速さで歩いているから、ついいつもより長く歩いて遠くまで来てしまった、という感じ。
無性に空港に行きたくなったし、飛行機に乗りたくなった。
空港と空の上の空間は、確かにあの世とこの世の中間みたいだなと感じていた。 -
Posted by ブクログ
表紙がとても綺麗で手に取りました。
二十四節気は知っていても、それをさらに三等分した七十二候は知らない人が多いのでは?
わたしも今回初めて知りました。
雉始雊(きじはじめてなく)というように、動詞で示されているのが、分かりやすい。
どれも現代人にも理解できるもので、時代が変わっても季節の移ろいは変わらないものだなと思います。
この本では、二十四節気の春夏部分を抜き出し、また、各節気の真ん中の七十二候をタイトルに各自が短編をお書きになっています。
思えば、短い作品は触れてこなかったので、どれも不思議な余韻を残す終わり方で、こちらの想像力や読解力を掻き立てるなぁと短編の面白みを初めて知りま