絲山秋子のレビュー一覧
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言葉の選び方がさすが秀逸で、言葉に言い表しにくい機微や地方の描写が手に取るように思い浮かんで飽きることなく読めた。主人公に引きづられて気持ちが落ち込みそうになったが、最後の最後で雲間から弱い光がさすように希望が持てた。理解が難しい文面もあり、また読み返して理解を深めたい。Posted by ブクログ
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架空の県と不思議な地名と名前の人々。
各章の終わりに、黒蟹辞典なるものが添えられていて、これまた興味深く、紐解いてみたくなる。
著者の頭の中には、この辞書がぎっしり詰まって整然とした別世界が織りなしているんだろうな。
そして、装丁がなんともユニーク。
県のロゴとして最高だ!!Posted by ブクログ -
ありそうで、なさそうで、でもやっぱりあるなという妙なリアリティと、ゆるーいところに時折投入される鋭いまなざしにドキリとさせられる
平凡な毎日だけど小さな変化は必ずあってそこに焦点を当てる、地味だけど何かしら知りえた満足感があって面白味が増幅されるPosted by ブクログ -
絲山秋子さんはじめましてだった。
ふたりの掛け合いとかセリフとか心地よかった。
心の病はもちろん本人もしんどいけど、周りの人もしんどいよね。家族とか恋人とか。
でも乗り越えるのは本人だから、どうしようもないよね。
お互いに意地張らずに素直にヨリを戻して平穏に過ごしてほしいなぁと心から思った。Posted by ブクログ -
2011年から2012年頃に書かれたようで、作者の震災後の複雑な気持ちの変化が感じられた。
絲山さんの感性か高尚すぎて
私には
理解や共感が追いつかず。
伝えたいメッセージが
わからないまま。
Posted by ブクログ -
何かに絶望してしまった人たちに読んでほしい作品です。「沖で待つ」は、同期の社員が亡くなってしまい、その同期の家にある目的のために行くのだが、その家に亡くなったはずの同期がいた。
読んでて、どこか怪談かと思わせるような少し怖さを感じました。でも最後には、少し涙がでてくるような作品でした。Posted by ブクログ