絲山秋子のレビュー一覧

  • 神と黒蟹県

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    タイトルに惹かれ、初めて絲山さんの作品を読みました。すごく不思議な内容でしたが、登場人物のセリフがとても心に刺さったり説得力があったりし、現実的な部分と架空の部分の線引きが絶妙でした。

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    2024年08月29日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    表紙がとても綺麗で手に取りました。

    二十四節気は知っていても、それをさらに三等分した七十二候は知らない人が多いのでは?

    わたしも今回初めて知りました。
    雉始雊(きじはじめてなく)というように、動詞で示されているのが、分かりやすい。
    どれも現代人にも理解できるもので、時代が変わっても季節の移ろいは変わらないものだなと思います。

    この本では、二十四節気の春夏部分を抜き出し、また、各節気の真ん中の七十二候をタイトルに各自が短編をお書きになっています。

    思えば、短い作品は触れてこなかったので、どれも不思議な余韻を残す終わり方で、こちらの想像力や読解力を掻き立てるなぁと短編の面白みを初めて知りま

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    2024年08月05日
  • 神と黒蟹県

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    ネタバレ

    地方に暮らすいろんな人と神のお話。
    地方(田舎の方)に暮らす人の感覚とかすごくわかるなぁと。
    黒蟹は、なんとなく北陸のイメージで読んでしまいました。

    赤い髪の彼の話が1番好きだったかな。

    割と長い時間軸で色んな人を見たので面白かったです。
    あと絲山さんの文章は、途中でメモしたいワードがたくさん。おばさん、おばあさんである時間の長さとか。『賑わいの創出』と『怒られの発生』とか。ヤンキーの世襲とか。面白かったなぁ。

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    2024年07月15日
  • 沖で待つ

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    芥川賞受賞作ということで手に取った。バブル、男女雇用機会均等法成立など、何十年も前の時代背景で共感しにくさが否めなかったのが正直なところ。後書きの解説含めて、当時はこうだったんだなあ、と思った。

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    2024年07月06日
  • 神と黒蟹県

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    ネタバレ

    旅する感があります。

    神さま…と。
    章末の黒蟹辞典が面白い。
    架と、実。

    キリ蕎麦と、テラ蕎麦。
    架の方言。
    落雁と、きんつば。
    所々登場の神。
    お弁当コンテスト。

    『なんだかわからん木』
    『赤い髪の男』
    が、よかった。

    そして、神は⁉︎

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    2024年07月02日
  • 神と黒蟹県

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    ネタバレ

    ほんとにありそう!と思える設定の細かさがすごい。出てくる人がちょっとずつ交わる(コーキと再会,とかはない)感じが絲山さんらしい。何ともほっこりした読後感。

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    2024年07月01日
  • 神と黒蟹県

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    地味で微妙な架空の県、黒蟹県。架空なのに、というか架空ゆえに、リアリティがありすぎる。誰もが「あの地域かな?」と自分の知っている地名を思い浮かべたくなるような、地味でありがちな日常。
    各章ごとにその回に出てきた言葉の辞典がついているが、それが架空のものと現実のものがないまぜになっていて面白い。
    「半知半能の神」がときどき出てきて、でもすごいことが起きるわけでもなくて、どこで暮らしても人間ってなんかみんな同じような感じで変だよな。。
    と混乱してくる。

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    2024年06月02日
  • 袋小路の男

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    純愛というより、特定の他人に対して甘えることを通して、それによってなんとか自分と世界のバランスを維持している、そんな関係を描いている。それは一種の共依存なのだろうが、その言葉で簡単に片付けてはいけないと一方でそのようにも考えてしまうのは、描かれた二人の時間の確かさにあるのだと思う。

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    2024年05月23日
  • 御社のチャラ男

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     ある地方都市の食品会社で「チャラ男」であると自他ともに認める中年男性を、さまざまな人の目を通して描く連作短編集。
              ◇
     ジョルジュ食品の営業を担当する岡野繁夫(32)は今日も各取引先を回っていた。
     岡野は要領の悪い人間だが、営業という仕事は気に入っている。どこから弾が飛んでくるかわからない社内で気を張り詰めているよりも、外へ出て自分のペースでノルマをこなす方が性に合っていると思うからだ。

     その日、外回りを終えた岡野繁夫が事務所に戻ると、同僚の山田さんが逮捕されたと耳にした。以前からあった窃盗癖が顔を出したらしい。
     警察での事情聴取に社長が直々に出向くことになったの

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    2024年05月12日
  • 御社のチャラ男

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    相変わらずサラリーマンというものをよく描いてくれる。サラリーマン曼荼羅の完璧な絵図。大好きな作品ではないけれど、読んで良かった作品。

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    2024年04月29日
  • 袋小路の男

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    3つの話から構成されていて初めの袋小路の男がラブレター?で2つ目がそなアンサー的な話になっている
    不思議な関係の2人の物語
    出会ってしまったが結ばれる事なく続いていく、これはもはや純愛なんだろうかと思いました
    くっついたらいいのにと思ってしまいますが、そうならないのが不思議な関係なんでしょうね
    3つ目のお話は別の話と思うのですが、何か関係が隠されてるのでしょうか?
    最後がすっと終わってしまいよくわかりませんでした

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    2024年04月08日
  • 神と黒蟹県

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    架空の黒蟹県を作り、よくある隣市との小競り合いなどを描いた作品。架空とはいえ作り込みががしっかりしているのでもう少し物語を広がらせても良かったのにと少し残念で勿体無いような気がした。面白い作品だった。

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    2024年03月26日
  • 御社のチャラ男

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    チャラ男というから、どんな人たらしが出てくるのかなと思ったら、上辺だけ整えて自信がない薄っぺらなおじさんの話だった。
    みんなが人たらしの手のひらで転がされて、あの人こんなところがずるいよね〜でも好き!みたいな話かと思ってたので、全然違った笑

    磯崎さんの章のこちらの文章が刺さりまくってしんどかった。
    「正月とは、なんというさびしさなのだろうと思う。(中略)日本中に老人のさびしさが溢れる。」
    自分の両親にはこんな寂しさを味わせたくないけど、核家族化が進み、親戚同士で集まる機会なんて滅多になくなった現代では、意識して動かないと難しそう。

    新市長や新知事がヌルッと決まったことや、「それがどうした」

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    2024年03月25日
  • 御社のチャラ男

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    あらすじ 
    美容や健康のためのオイル、ビネガーなどの商品を扱うジョルジュ食品に勤める三芳道造部長。見栄っ張りで、どこかいい加減、ノリが軽やかな彼は社内でひそかに“チャラ男”と呼ばれていた。

    総合点 2.2/5

    ストーリー 2.0/5
    何が言いたいのか、よくわからない。
    ストーリーも深みがなく、読むのがしんどかった。

    キャラクター 3.0/5
    数多くの登場人物が出て来て、1人1人章立てしている。キャラクター同士のつながりは「チャラ男」を中心に繋がっているものの、繋がりがストーリーに大きく関わってくるわけではない。

    表現力 2.0/5
    意図的にそうしているのだと思いますが、全体をとおして短

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    2024年03月16日
  • 御社のチャラ男

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    ある会社のチャラ男(部長)の周辺の人々のことをその人たちの視点から変わるがわる描いた作品。
    タイトルで読みたい!と思った作品だが、思っていたのと違った。全体的にうーん、という感じでした。

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    2024年03月09日
  • 御社のチャラ男

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    群像劇……とひとことでいってしまうのも野暮なくらい、巧い小説。
    章と章が緊密に構築されているのに、息苦しくない。
    キーパーソンが時々程よいところに挟まることで、宝石を別角度から覗いたときのように見え方が変わる。
    そのため単なるあるある小説ではなくなっている。
    チャラ男はいるし、誰しもある程度チャラ男の部分があるし、ジェネレーションギャップもジェンダーギャップも織り込まれた有象無象……会社員。

    それがどうした。
    は使っていきたい。

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    2024年03月07日
  • 沖で待つ

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    ネタバレ

    勤労感謝の日
    近所の御婦人にセッティングされた最悪なお見合い。主人公の置かれた状況は決して良くはないけど、強くて自由で自分で道を切り開こうとしていて魅力的だった。
    そんな主人公だから自分で気分を切り替えられるし、こういう時に立ち寄る場所があるのかな。いいな。三作の中で一番好きだった。

    沖で待つ
    昭和なブラックな働き方をしていると精神安定のためにヤバい趣味を始めちゃうって話か?と思ったけど多分違う。
    会社で一緒に働く人達とのつながりや同期の絆。たまたま同じ会社で同じ営業所で仕事をする人たちとの関係は、学生時代の友達とは違う距離感になる。お互いに変なところやカッコ悪いところを知りながらも信頼し合

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    2024年02月22日
  • 御社のチャラ男

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    あーこーゆー上司いたよなぁ
    会社もこーゆー感じだともたんよなぁー

    てチャラ男と同年代の私は思いました

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    2024年02月21日
  • 逃亡くそたわけ

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    ある男女、恋愛関係でも、友達関係でもない、の二人の逃避行物語。絲山氏お得意のど直球な言い回しが小気味よい。この逃避行に楽しさ要素は全くないのだが、主人公たちがたどった道のりをドライブしたいと思った。

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    2024年02月19日
  • 御社のチャラ男

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    御社のチャラ男 これもタイトル買い。
    御社のチャラ男て(笑)
    チャラ男の定義が少し自分が思ってるものと違ったけど、どこにでも居るらしい。
    初読み作家さんだったけど刺さる言葉がけっこうあったな。

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    2024年02月16日