絲山秋子のレビュー一覧

  • ラジ&ピース

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    ネタバレ

    *引用*

    オトコに脳味噌はいらない。
     百歩譲ろうか。脳味噌だけでもホルマリン漬けにしたくなるような、常軌を逸した賢さならいい。でも、なかなかいないでしょう、そんなひと。凡庸でしょう、あんたもその前もまたその前も。つまり私とつきあう大抵のオトコは。少しお利口なら友達になって一生つきあった方がいいじゃない。オトコなんてあれよ、どうせ飽きるんだから。三年もったら大したもの。何に飽きるか。それは何のためにつき合うかと一緒。つまりセックス。べたべたして好きだの愛してるだのぐじゅぐじゅ言うこと。でもね、セックスとお利口は両立しないの、殆どの場合。オバカにならないとあんな恥ずかしいことはできないの。おわ

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    2012年01月27日
  • ラジ&ピース

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    さて困りました。何と書けばよいのか?
    こういう時はネットの書評を読んで、同感できる言葉を拾い集めてみる事にしましょう。

    ◇こんな魅力的な不機嫌は絲山さんの得意技のひとつだ。
    ◇なんか愛想は悪いがなかなか気の利いたつまみをだしてくれる飲み屋みたいな小説。
    ◇はっきり言って、野枝は、お近づきになるのは遠慮したくなるほどの『嫌な女』なのだが、これぞ絲山秋子の筆の凄いところで、いつのまにか物語に引き込まれ、野枝に好感を持ち、応援までしている自分がいた
    ◇日差しの中で少しずつほぐれていくような野枝のほんのわずかな変化が作品に温かみを加えていきます。

    自らの殻にこもる孤独(引きこもりとはちょっと違う)

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    2016年07月30日
  • 絲的メイソウ

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    小説ではストイックとでもいうべきキリッとした表現の絲山氏なのに、素のエッセイではひねくれたオヤジのようになるギャップが素敵です。

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    2011年05月31日
  • 絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか

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    おもしろかったー!同じもの食べ続けたり、発明したり。雑誌の食べものページにここまで真摯に向き合ってる人がいるだろうか、と(笑)食べ物が好きで真面目なことがよくわかる。ヘナッポはぜひ作ってみたいです!

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    2011年01月21日
  • エスケイプ/アブセント

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    ロックなんだな。男臭い。
    やっぱり大好きだ、絲山秋子。元職業革命家と京都の街。エトランゼの目線で濃密な街の匂いを嗅ぎ分ける本能に脱帽。

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    2011年01月15日
  • ばかもの

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    流されるばかり、ついには酒に溺れるダメ男のヒデと、強いのか弱いのか何とも捉え切れない性格の額子の物語。
    二人ともある種の破綻者なので、感情移入し辛い筈なのに、なぜか物語に引き込まれて行きます。そこらは絲山さんの上手さのようです。でも、入り込めない人も居るでしょうね。ですから人によって評価が大きく割れる作品だと思います。
    つらい経験をした後の二人の再会。燃え上がる訳でもなく、どこか淡々と寄り添って行く静謐感が良い感じです。
    映画化されるそうですが、どうかなぁ。

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    2016年07月31日
  • エスケイプ/アブセント

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    もうこの絲山さんの作品って、文学の超最先端、って思った。
    極限まで究極まで研ぎ澄ました、文学。

    酸いも甘いも、喜怒哀楽も、個人も社会も、欲望も無碍も、生も死も、
    全部感覚として分かっていて、最短でそれを表現している、気がする。

    生まれて初めて、サイン会なるものに行ってしまった。。
    今、世界で一番逢いたい人、に逢えた歓び。
    緊張しすぎて、頭が真っ白、口が渇きまくり。

    絲山さんの作品で最も好きな「海の仙人」にサインをいただいた。
    あぁ、一緒に酒が飲みてぇ~な~。

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    2010年05月30日
  • エスケイプ/アブセント

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    評価が分かれる作品だろうなぁ。

    文体が軽くて、すぐに読み終わってしまうので、何コレ?これで終わり?と呆気にとられる方もいるかもしれません。男性目線で書こうとしているので、多少無理があるかなと感じる個所もありましたが、そういうのを抜きにして、ストーリーの雰囲気がとてもおもしろい。雰囲気と軽妙な文章だけで読ませるというか。

    神父のコスプレ、いいじゃない。

    日々、生きることこそ革命です。

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    2011年04月03日
  • エスケイプ/アブセント

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    私も、行き詰ったら、神父のコスプレでもしよう。
    などと思ってみる。
    この本読んでたら、生きることが最早ちっせー革命だと思えた。
    気づいたら終わってる――日々と似てる。
    でも、毎日何とか積み重ねてれば、そのうち大きくなるかも。

    この題材に、この軽妙な文章センス、いったい何なの!(赤面で)

    あーもー絲山さんすげえ好きだ。

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    2010年03月25日
  • エスケイプ/アブセント

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    主人公は左翼運動の元活動家。革命を夢見て、闘争と潜伏に明け暮れること20年の果て、テレビでアメリカの同時多発テロを目の当たりにしたことで挫折を味わい、運動から脱落。40歳になってやっと気づいたことといえば、とりあえずの敵は国家権力とかじゃなくて、ただの退屈だった・・・ってこと。
    人生を棒に振ったと気づいたときの虚しさ、寂しさ、空恐ろしさ。絲山作品の主人公はいずれも、世間にうまく馴染めない人。面白そうだけど、お近づきになるのは謹んでご辞退申し上げたい人などが多いようですが、この作品でも脱落者である自称元革命家の目を通して、生きていくことの嘘っぽさ、それでもなお捨てがたい人生の物哀しさを、絲山さん

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    2010年02月28日
  • エスケイプ/アブセント

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    2作とも読んでようやく「なるほど」と思える。
    個人的には一回読んだだけじゃちょっと内容を把握しきれんかった。それはわたしがそういう「活動」をしていたわけじゃないし、そういう世代からも少し遠いところにいるせいもあるとは思う。
    でもこういう内容の話にしては取っ付きやすい作品だと思います。
    絲山さんの「尖った」部分が出てる。「逃亡くそたわけ」的な、焦燥感というか疾走感というか、そういうのを感じました。

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    2010年01月25日
  • 絲的メイソウ

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    絲山秋子氏のエッセイ。コレが迷走なのか瞑想なのかは別にして大変面白く読めた。特に面白いと思ったのはエッセイ全部が五七調で書かれている文章だ。よくよく読んでみると特別な意味も無く、内容もすかすかなのだが大変面白い試みだと思った。ここ最近読んだエッセイの中ではコレが一番面白いと思った。

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    2009年10月07日
  • イッツ・オンリー・トーク

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    淡々と始まって、淡々と終わる。単に日常生活のある適当な一部を切り出したかのように。
    何かの主題があって、それをストーリーにするのではなく、エピソードを積み重ねながら全体の雰囲気を作っていく。そんな作品です。
    強いて言えば、主人公とその周りに集まる奇妙な男たちの、濃密でありながら、どこか淡々とした人間関係。こんな関係もまた良いではないかというのが主題なのかもしれません。
    なかなか面白い物語でした。

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    2016年08月16日
  • 海の仙人

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    なんか、粗筋を書くとドロドロの恋愛小説みたいですが、そんな話ではありません。
    不思議な話です。ファンタジーっぽい要素もあれば、きれいな恋愛小説的なところもある。どう書けば、この小説の魅力を言い表せれるのか判りません。
    ただフワフワと心地よく、時に微笑ましく、時に切なく物語の中を漂ったような気がします。

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    2016年08月16日
  • 細長い場所

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    死生観とは違うんだけど、何か色々考え方が変わるかもしれない。読むべき人が読んだら、救われるかもしれない。自分の心と見比べながら、会話をしながら、何かを確認するように読みました。
    死んでから完全に消えるまでの間にある、不穏な世界の細長い場所の話。なはず。
    決して読後感は虚無ではなかった。
    ほとんど理解出来てないかもしれないし、咀嚼出来てる気がしないのだけれど、自分に死が迫った時にこれを読んだら少し楽な気持ちで死ねるのかもしれない。

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    2025年12月21日
  • 細長い場所

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    ネタバレ

    おそらくは死後の世界を描いた話。
    話、と言っていいのか…絲山さんの中にある条理を超えた世界をそのまま見せられていて、率直に言って「わからん」という感じです。
    デヴィッド・リンチの映画を見るときと同じような、幻想的でざわつきのある、でもなぜか魅力的で見てしまうが、でも話はさっぱりわからなくて気づいたら寝てました、というようなあの感じを活字で体験した気分です。
    ラストにつまりなんなのか、は描かれているので「よかった、このまま放り投げられなくて」とホッとしました。とはいえ疲れました。いや、今もって理解できたのか?と問われると正直よくわからない…

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    2025年12月20日
  • 沖で待つ

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    最初の職場に一番仲がいい人が出来ることに共感、新しい職場の人達はすでに仲がいい人がいる。人生の目標に「長生きです。」って言える人間性が好き。

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    2025年11月05日
  • ばかもの

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    眼前に無限に伸びているように感じる時間の意味のなさと途方もなさに行き場のない感情が肥大してアルコールで目隠しをして今日と明日を繰り返すだけの生活が生々しい。酒をやめるか、生きるのをやめるか
    アル中目線の語り以外のところは、まあ普通だった

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    2025年10月26日
  • ばかもの

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    3.5 アルコール依存をめぐる物語。主人公はアルコールで全てを失う。今でこそ飲むことはある程度コントロールできるが、昔はこの主人公に近い状態や心情もあったことを思い出した。人に優しく、傷つけずに生きていきたいなと思った。

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    2025年09月23日
  • 袋小路の男

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    2005年第2回本屋大賞第4位。
    3つの短篇集です。
    2つは連作になっており、同じ二人について、女性目線と第三者目線とで、それぞれ描かれています。
    距離感って大事です。

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    2025年08月23日