絲山秋子のレビュー一覧

  • 絲的メイソウ

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    絲山秋子氏のエッセイ。コレが迷走なのか瞑想なのかは別にして大変面白く読めた。特に面白いと思ったのはエッセイ全部が五七調で書かれている文章だ。よくよく読んでみると特別な意味も無く、内容もすかすかなのだが大変面白い試みだと思った。ここ最近読んだエッセイの中ではコレが一番面白いと思った。

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    2009年10月07日
  • イッツ・オンリー・トーク

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    淡々と始まって、淡々と終わる。単に日常生活のある適当な一部を切り出したかのように。
    何かの主題があって、それをストーリーにするのではなく、エピソードを積み重ねながら全体の雰囲気を作っていく。そんな作品です。
    強いて言えば、主人公とその周りに集まる奇妙な男たちの、濃密でありながら、どこか淡々とした人間関係。こんな関係もまた良いではないかというのが主題なのかもしれません。
    なかなか面白い物語でした。

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    2016年08月16日
  • 海の仙人

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    なんか、粗筋を書くとドロドロの恋愛小説みたいですが、そんな話ではありません。
    不思議な話です。ファンタジーっぽい要素もあれば、きれいな恋愛小説的なところもある。どう書けば、この小説の魅力を言い表せれるのか判りません。
    ただフワフワと心地よく、時に微笑ましく、時に切なく物語の中を漂ったような気がします。

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    2016年08月16日
  • 袋小路の男

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    真実とはなんだろう
    読み終わってそう思った
    わたしが思う男への気持ち
    あなたから見えるわたしの言動
    どちらも事実なのだろうけど
    受ける印象は全く異なる
    実際の人間関係でもこんなこと
    が始終起こっているのかもしれない

    相手の突拍子もない(と当時私が感じた)言葉や行動もそういうことだったのかもなと思うのです

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    2026年08月12日
  • 袋小路の男

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    本の中身を知らずに、福袋形式で、偶然この本に出会った!
    袋小路の男が1番好きだった。
    彼のことを、あなたと書いてるのが、主人公のどうしようもない愛情が漏れて見えて、すごくわたしは好きだった。

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    2026年08月11日
  • 細長い場所

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    短篇集。
    この世の話ではない。
    あの世、間、別の世界。

    何が良かったか言葉で言えないのだけど、なんか良かった。
    「気配と残像」が好き。

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    2026年07月05日
  • 細長い場所

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    おとなのおとぎ話のような9章のオムニバス。

    生と死の間のような、死後のような。
    常にもやがかかったような世界。

    「気配と残像」の会話はなぜだかしっくりくる。
    うなづいてしまう。

    飛行機のファーストクラスとネットカフェの個室の比較に思わず唸る。

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    2026年06月11日
  • 御社のチャラ男

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    チャラ男、確かに似た感じの人よくいますね。
    よくいるのにチャラ男はなんで嫌われるのか、
    おそらく会社のチャラ男は利己的で、普通の人は利他的で我慢してるからなのかな

    理性のある人は利他的に振る舞いチャラ男を嫌う、
    チャラ男は利己的で嫌なことから逃げる。

    でも本当は、利他的に振る舞うべきと思ってた会社っていう枠だって突然消えたりする

    ということは「御社のチャラ男」は、勝手に作った枠の中で抑圧されている、自由になりたい自分なのかも

    この作者さん初めて読みましたが、短いフレーズで謎かけみたいな表現をよくされていました。都度自分なりに考えて、分かったり分からなかったりしたけど、こんなに深く物事を考えるなんて作家さんってすごく大変な職業だと感じました。

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    2026年06月05日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    七十二侯を題にとり、春夏の三十六のなかから十二の掌編を集めた掌編集。
    作家の個性がよくわかる。
    特に長嶋有とか村田沙耶香とか。よく読んでいたからか。季節賛美とか、情景の小説なのかと思えばそうでもなく、その言葉から感じたものを小説に仕立てているようにも感じる。
    野人になった姉を持ち、ルームシェアした友人と赤ん坊のシェアを考える、ドライなのか突き放しているのか不思議な感覚になる土脉潤起。
    襤褸から、昔住んでいた家に働きにくる山村の少女たちの継ぎ接ぎと寒さについて思いをたどる雷乃発声、

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    2026年06月05日
  • 細長い場所

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    ネタバレ

    死後の「魂」について描いた、全9章からなる連作短編、と呼んでよいと思う。
     それぞれに魂の在りようが異なり、各章は別々の話になっている。一方、「駐屯地」や「飛行船」といった、とりたてて特殊ではないが、一編の小説としてそう頻繁に使うこともない名詞が章を跨いで登場し、小説世界は一続きのものと感じさせる。
     身体だとか、記憶だとか、名前だとか。これらのものは、「死」によって“失われる”もの、と捉えるのが多数派と思うけれども、この小説では“解放される”と捉えるのらしい。魂たちは、身体(/記憶/名前)を失ったのではなく、身体(/記憶/名前)から解放されたのだと。
     すると、各章の魂たちは、これらを部分的に解放された、死の途中にある魂なのだろう。解放のされ方に応じて、違ってきた在りようであり、生前の記憶が不明確だったり、名前を無くしていたり、死の途中にいることを自覚していたり/していなかったり、はたまた、この死の途中の世界のルールを把握していたり/していなかったりもして、結果として、同じ一続きの世界が違ったように見えている、ということなんじゃないかと思いながら読んだ。
     最後の第9章のような、割合い自己認識のできた状態で死を経過する魂でいられるなら、幸せだろうなあ。

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    2026年05月31日
  • 沖で待つ

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    家族が読んでるのを拝借した
    薄い短編集で文章も軽いのですぐ読み終わった
    ひとつめの勤労感謝の日は
    なんというかさくらももこのエッセイみたいな口と性格の悪い女の話でちょっと楽しかった
    ふたつめの沖で待つは
    これが芥川賞受賞?って思うようなあっさりした話だった
    ほんと特にいうことはないけどなんかすっと読めたし嫌いじゃない
    最後のみなみのしまのぶんたろうは
    急にどうしたってくらい変でこれなに?
    なんかの暗喩?
    なんで全部ひらがな?
    結局なんなの?
    石原軍団の話?
    と混乱したまま終わった
    誰かの解説が聞きたい

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    2026年05月14日
  • ばかもの

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    長い小説ではないが、展開も要素も多い。キーとなるテーマだけでもアルコール依存症や宗教、男女の別れと再開、人生における様々な喪失など。
    およそ10年ほどの時間が流れるが、主人公の一人称語りは大学生の頃からさして変化しないのに、突然老婆のようになって現れるヒロインには読者もぎょっとしてしまう。
    評価の分かれそうなのはそのヒロインのキャラクター。極度にぶっきらぼうであり、途中で結婚しそうになる献身的な恋人とは対照的に描かれるのだが、いくらなんでも少し常人離れしていると思った。まぁ小説なのでそんなものかも知れないが。

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    2026年05月12日
  • 沖で待つ

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    読書に縁がなかった自分に勧めてくれた一冊の本。
    薄い一冊だったが、勧めてくれた方の優しい想いが込められているようだった。

    3部作で織りなされた一冊。
    「勤労感謝の日」
    人にとって何が大切か何が幸せか何に癒されるのか…
    それはその人のみに与えられうるものであると思わされたお話。時間も空間もお金の使い方も、誰に左右されるものではなく、その人自身にとっての感じ方でいいと思わされた。ただ、この時代というか、この日本ではまだまだそれが許されない…認められない…大きな顔で歩くことが難しい状況は否めないが。
    自分の感じ方を頼りに歩みを進めることがまず第一歩かと。

    「沖で待つ」
    同期(男女)の友情、仲間意識。2人にのみ通ずる合図。テニス仲間としてのペアの在り方、気のいらない、肩の力が抜けたような関係性が描かれていた。
    男と女の友情は成立しないと一般的に言われているが、どの分野にもどの関係にもどの事情にも例外はつきもの。ペアはここを述べたかったのかと感じる物語だった。
    結末は悲しくて切なくもあったが、永遠に続く関係性のようにも感じられた。

    「みなみのしまのぶんたろう」
    なぜひらがな表記?と読み進めていると、やはり小学生以下を対象に書かれているよう。
    子供騙し的ではあったが、読み進めると学び多くもあった。
    ぶんたろうの置かれた状況は自分ではどうにもならない状況ではあるが、そこでどう在るかはぶんたろうに任せられていた。
    実際、自分にはどうすることもできない環境に置かれることなんて、この社会ではザラにあることだと。そこでただ悪態をついて生きていくのか、現状を打破するために立ち向かうのか、諦めてただ時間の流れに身を任せるのか、そこにある意味を探っていくのか、マイナスな状態をプラスにするほどの楽しみを見つけてしまうのか、、、
    自分がどのスタンスで今後、いや、現在いようとしているのか、再度考えさせられた。

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    2026年05月02日
  • 細長い場所

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    久しぶりの絲山秋子さん。不思議な話しなんだけどSFっぽい感じがしないのは何故か?難しい言葉や難解な文章が多いけど胸にズンとくるメッセージがある。
    『良いことを多くした人が報われることも、悪いことをした人が罰を受けることもない。そんなことを望むのも生きているものたちだけだ』
    『自ら決めた習慣や役割にとらわれ、何事かを成すことにとらわれ、ふと湧き出た一瞬の欲にとらわれ…』
    クヨクヨ思い悩む、この優柔不断な私を前向きにさせてくれる本だった

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    2026年04月25日
  • 沖で待つ

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    ネタバレ

    とても読みやすくて、ほいほい読めた。なんていうか芥川賞のイメージではない。
    星形ドライバー。仕事がらハードディスクを分解したりしていたのでニヤリ。
    副島さん、いいひと。太っちゃんの詩。ストレートでいい詩やん!
    映画化されるということで手に取った作品。映画、見てみたくなった。

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    2026年04月25日
  • 袋小路の男

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    ネタバレ

    袋小路の男
    友達
    高校を中退して家を出た。

    私
    友達に誘われて、「エグジット・ミュージック」へ行くようになった。大学を卒業後、大阪が本社の食品会社に就職した。

    あなた
    小田切孝。新宿昭和館のそばにある薄暗いジャズバー「エグジット・ミュージック」で初めて会った。二年生で、成績が良くて、彼女がいるのにソープランドばっかりに行ってる。バスで偶然再会。一度も売れたことのない作家。「エグジット・ミュージック」でアルバイトをしている。

    あなたの彼女
    目が大きくてふわっとした髪の可愛い人。

    みっちゃん
    大学の友達。きっかり二年間つきあって、大学卒業と共に別れた。アメリカの大学に留学。


    小田切孝の言い分
    大谷日向子
    食品会社の東京本部で法務部の仕事をしている。

    小田切孝
    新宿三越裏にあるジャズバー「エグジット・ミュージック」でアルバイトをしながら小説を書いている。三十三歳の時にK新人文学賞の佳作でデビューを果たした。

    久保真由美
    日向子の大学時代の友人。結婚して二人の子供を育てながらパートをしている。

    柏田恵津子
    日向子の会社の同期で、広告宣伝部にいる。

    投稿マニアの男
    日向子が大阪に住んでいた頃に付き合っていた男。

    加藤
    新入社員。

    前原宏
    新しくやってきた課長。


    アーリオオーリオ
    松尾哲
    清掃工場勤務。

    美由
    中学三年生になったばかりの哲の姪。

    譲
    哲の兄。

    雅美
    譲の妻。

    菅野
    五十代。清掃工場の同僚。

    尾島達郎
    哲の高校時代の友人。

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    2026年04月23日
  • 逃亡くそたわけ

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    絲山秋子さんの離陸に心を奪われて、もう一作読もうと購入していたこちら。精神病棟からの逃亡記はそこそこいままでも読んだことありそうな設定つつ、登場する2人の心の動きや様子がとてもリアルでわかるし生きていることを感じられた。移動は人を何か強くするのかしら。九州の田舎の描写もグッときた。

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    2026年04月14日
  • 沖で待つ

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    この作品は住宅設備メーカーの同期として
    出会った「私」と「太っちゃん」の
    恋人でも親友でもない、けれど誰よりも深い場所で繋がっていた不思議で尊い関係性を描いた物語

    読み終わった後、静かな波が引いていくような
    切なくて…でもどこか温かい余韻に包まれました




    物語は会社の同期だった「太っちゃん」が
    不慮の事故で亡くなるところから始まります…

    「死んでも、ハードディスクは壊してね」
    そんな約束を交わせる相手だったふたり…

    男女の友情という言葉では片付けられない!
    恋愛のような熱情とも違う!
    同じ時代、同じ会社という組織の中で
    戦友のように、あるいは合わせ鏡のように
    過ごしてきたふたりの歳月が
    太っちゃんの不在によって
    より鮮明に浮かび上がってきます…




    絲山さんの綴る文章は、淡々としていながらも
    時折ハッとするほど鋭く
    人間の本質を突いてきます!

    「沖で待つ」という言葉に込められた意味を
    何度も反芻してしまう…
    先に逝ってしまった人と
    こちら側に残された自分
    その間にある広大な海を私たちは
    どうやって泳いでいけばいいのか…




    「寂しい」という言葉を使うのは簡単だけれど
    この物語が描くのは、もっと深く
    言葉にならないほど
    純粋な「他者への敬意」なのだと感じました!

    一生のうちに、こんな約束を交わせる相手に
    一人でも出会えたなら…
    それはどんな恋に落ちることよりも
    幸福なことなのかもしれない…

    静かな夜にゆっくりとページを
    めくりたい作品でした♡

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    2026年03月28日
  • 御社のチャラ男

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    2026/02/26
    ある小さな会社の社員たちの目線で描かれる物語。
    それぞれの独白で話が進んでいく。
    途中、早口で考えをババっと述べるようなシーンがあって(実際に早口かどうかは知らないけど)、ん?どういう意味だ?ともう一度読み直すことがあった。
    組織で働いてると、こういうことあるよねーと、一社でしか働いたことがない私も思った。

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    2026年02月26日
  • 細長い場所

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    ネタバレ

    死後の世界か‥‥
    若い頃はよく考えたけど、だんだん死が身近になってきた今日この頃はあんまり考えなくなったな。なんでだろう?
    考えるのが怖いから?
    どうでもよくなってきたから?
    何故かな?
    地獄があれば必ず落ちると思うから、半透明になってふわふわと、知った人が全員死後の世界にやって来るまで漂っている感じがいいな

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    2026年02月03日