絲山秋子のレビュー一覧
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ネタバレ「逃亡くそたわけ」の続編。ざっと読み返してから、臨んだ。
富山のあるあるや、県雑学や、生活や、イベントや、固有名詞たくさん。
地図があるのは前作と同じだが、経路ではなく、富山の歩き方というニュアンス。
花ちゃんもなごやんも、県外からの移住者。いわゆる「たびの人」としての生活観だが、たぶん作者の実感でもあるんだろう。
2019年4月から2021年10月まで、つまりコロナ禍の初期。
自粛と分断で生活が、ガタつきそうなのを、なんとか抑えるのだが、双極性障害持ちとして、とはいえ家族もできたいい大人として、なんとかかんとか。
特に花ちゃんが、大人になったものだなと感慨深いが、それは読者も同じ。
前作のや -
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う~~ん、ワカラン。
芥川賞作家・絲山秋子が挑む“生と死の旅”最新長編『細長い場所』と紹介されています。目次を見ると確かに第1章から9章まであり長編のスタイルですが、各章の物語につながりは有りません。主人公が同じかと言えば、そもそも主人公というモノが居るのかどうか。何とも不思議な小説です。
仏教でいえば49日までの中陰の期間でしょうか。亡くなって、浄土へ旅立つ準備をしつつ現世と来世の間を彷徨う。次第に過去は薄れ、個さえも不明瞭になる。そんな感じの世界(仏教色は全くない)が綴られています。
ただ、良く分かりません。理解出来なくても、その世界に浸る事が出来れば、それはそれで楽しいのですが、どうも弾 -
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ネタバレおそらくは死後の世界を描いた話。
話、と言っていいのか…絲山さんの中にある条理を超えた世界をそのまま見せられていて、率直に言って「わからん」という感じです。
デヴィッド・リンチの映画を見るときと同じような、幻想的でざわつきのある、でもなぜか魅力的で見てしまうが、でも話はさっぱりわからなくて気づいたら寝てました、というようなあの感じを活字で体験した気分です。
ラストにつまりなんなのか、は描かれているので「よかった、このまま放り投げられなくて」とホッとしました。とはいえ疲れました。いや、今もって理解できたのか?と問われると正直よくわからない… -
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この小説は間違いなく「道中」が面白い小説でした。
人は誰しもいずれは死という結果に行き着くものだし、そこに至るまでの道中に意味を持たせる必要はない。滑走路を走っているうちにいつかふわりと離陸していくものなんだと思った。
作中で解決されない謎があるが、それはたまに思い起こす昔の消化不良の恋みたいなもので、自然と過ぎ去ってまたいつかふと思い出すことがあるだけ。結局のところ他人は他人で、人間は他人の考えなんか真には分からないんだよな、とそんなことを思う。このほろ苦い実感を噛みしめるのもこの作品の価値なのかもしれない。
しかし、物語の中に生きていた人物たち全員にいつの間にか愛着を持っていた。だ -
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ネタバレ最後が少し怖かったぐらいでイマイチよくわからなかった本だった。
物語も浮浪者みたいな主人公が自分の人生を語り口調で淡々と話しているみたいな内容。
内容自体もまぁ太陽が頻繁にでていたり昔関わった女性の話が度々出ていることから、過去の場所や出来事に囚われていないように見えてるが、本当は誰よりも囚われているんじゃないん?と思った。
そう考えると最後の主人公の行動が今までの逃亡者のような人生を、最後に本当に逃げないといけない出来事を起こすのをきっかけに逃亡生活みたいな人生を終わらせるためだったんじゃないかと思い少しだけ主人公の気持ちがわかった気がした。 -
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「神と黒蟹県」がよかったので、同じ作家さんの本を。短編が3本、どれもサクサク読めました。
「勤労感謝の日」働く女の疲労と怒りとカッコよさと情けなさが全開。毒が効き過ぎな女子会、罵倒がキレッキレで笑っちゃう。女性総合職の第一世代。「働きマン」よりひとまわり上な感じかな?
「沖で待つ」会社の同期、という関係を特別なものとして描く。こんなふうにいろんなものを超えた関係になれるもの?
おしごと描写がリアル。あと、男のポエムが地味にリアル。三代目魚武さんとか、「一生一緒にいてくれや」とか、一時やけに流行ったあの空気。ただ「沖で待つ」というワードのかっこよさは頭ひとつ抜けてる。さすが。
第134回芥川