絲山秋子のレビュー一覧
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チャラ男、確かに似た感じの人よくいますね。
よくいるのにチャラ男はなんで嫌われるのか、
おそらく会社のチャラ男は利己的で、普通の人は利他的で我慢してるからなのかな
理性のある人は利他的に振る舞いチャラ男を嫌う、
チャラ男は利己的で嫌なことから逃げる。
でも本当は、利他的に振る舞うべきと思ってた会社っていう枠だって突然消えたりする
ということは「御社のチャラ男」は、勝手に作った枠の中で抑圧されている、自由になりたい自分なのかも
この作者さん初めて読みましたが、短いフレーズで謎かけみたいな表現をよくされていました。都度自分なりに考えて、分かったり分からなかったりしたけど、こんなに深く物事を考えるなんて作家さんってすごく大変な職業だと感じました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ死後の「魂」について描いた、全9章からなる連作短編、と呼んでよいと思う。
それぞれに魂の在りようが異なり、各章は別々の話になっている。一方、「駐屯地」や「飛行船」といった、とりたてて特殊ではないが、一編の小説としてそう頻繁に使うこともない名詞が章を跨いで登場し、小説世界は一続きのものと感じさせる。
身体だとか、記憶だとか、名前だとか。これらのものは、「死」によって“失われる”もの、と捉えるのが多数派と思うけれども、この小説では“解放される”と捉えるのらしい。魂たちは、身体(/記憶/名前)を失ったのではなく、身体(/記憶/名前)から解放されたのだと。
すると、各章の魂たちは、これらを部分的に解放された、死の途中にある魂なのだろう。解放のされ方に応じて、違ってきた在りようであり、生前の記憶が不明確だったり、名前を無くしていたり、死の途中にいることを自覚していたり/していなかったり、はたまた、この死の途中の世界のルールを把握していたり/していなかったりもして、結果として、同じ一続きの世界が違ったように見えている、ということなんじゃないかと思いながら読んだ。
最後の第9章のような、割合い自己認識のできた状態で死を経過する魂でいられるなら、幸せだろうなあ。 -
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読書に縁がなかった自分に勧めてくれた一冊の本。
薄い一冊だったが、勧めてくれた方の優しい想いが込められているようだった。
3部作で織りなされた一冊。
「勤労感謝の日」
人にとって何が大切か何が幸せか何に癒されるのか…
それはその人のみに与えられうるものであると思わされたお話。時間も空間もお金の使い方も、誰に左右されるものではなく、その人自身にとっての感じ方でいいと思わされた。ただ、この時代というか、この日本ではまだまだそれが許されない…認められない…大きな顔で歩くことが難しい状況は否めないが。
自分の感じ方を頼りに歩みを進めることがまず第一歩かと。
「沖で待つ」
同期(男女)の友情、仲間意識。2人にのみ通ずる合図。テニス仲間としてのペアの在り方、気のいらない、肩の力が抜けたような関係性が描かれていた。
男と女の友情は成立しないと一般的に言われているが、どの分野にもどの関係にもどの事情にも例外はつきもの。ペアはここを述べたかったのかと感じる物語だった。
結末は悲しくて切なくもあったが、永遠に続く関係性のようにも感じられた。
「みなみのしまのぶんたろう」
なぜひらがな表記?と読み進めていると、やはり小学生以下を対象に書かれているよう。
子供騙し的ではあったが、読み進めると学び多くもあった。
ぶんたろうの置かれた状況は自分ではどうにもならない状況ではあるが、そこでどう在るかはぶんたろうに任せられていた。
実際、自分にはどうすることもできない環境に置かれることなんて、この社会ではザラにあることだと。そこでただ悪態をついて生きていくのか、現状を打破するために立ち向かうのか、諦めてただ時間の流れに身を任せるのか、そこにある意味を探っていくのか、マイナスな状態をプラスにするほどの楽しみを見つけてしまうのか、、、
自分がどのスタンスで今後、いや、現在いようとしているのか、再度考えさせられた。 -
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ネタバレ袋小路の男
友達
高校を中退して家を出た。
私
友達に誘われて、「エグジット・ミュージック」へ行くようになった。大学を卒業後、大阪が本社の食品会社に就職した。
あなた
小田切孝。新宿昭和館のそばにある薄暗いジャズバー「エグジット・ミュージック」で初めて会った。二年生で、成績が良くて、彼女がいるのにソープランドばっかりに行ってる。バスで偶然再会。一度も売れたことのない作家。「エグジット・ミュージック」でアルバイトをしている。
あなたの彼女
目が大きくてふわっとした髪の可愛い人。
みっちゃん
大学の友達。きっかり二年間つきあって、大学卒業と共に別れた。アメリカの大学に留学。
小田切孝の言い分
大谷日向子
食品会社の東京本部で法務部の仕事をしている。
小田切孝
新宿三越裏にあるジャズバー「エグジット・ミュージック」でアルバイトをしながら小説を書いている。三十三歳の時にK新人文学賞の佳作でデビューを果たした。
久保真由美
日向子の大学時代の友人。結婚して二人の子供を育てながらパートをしている。
柏田恵津子
日向子の会社の同期で、広告宣伝部にいる。
投稿マニアの男
日向子が大阪に住んでいた頃に付き合っていた男。
加藤
新入社員。
前原宏
新しくやってきた課長。
アーリオオーリオ
松尾哲
清掃工場勤務。
美由
中学三年生になったばかりの哲の姪。
譲
哲の兄。
雅美
譲の妻。
菅野
五十代。清掃工場の同僚。
尾島達郎
哲の高校時代の友人。
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この作品は住宅設備メーカーの同期として
出会った「私」と「太っちゃん」の
恋人でも親友でもない、けれど誰よりも深い場所で繋がっていた不思議で尊い関係性を描いた物語
読み終わった後、静かな波が引いていくような
切なくて…でもどこか温かい余韻に包まれました
物語は会社の同期だった「太っちゃん」が
不慮の事故で亡くなるところから始まります…
「死んでも、ハードディスクは壊してね」
そんな約束を交わせる相手だったふたり…
男女の友情という言葉では片付けられない!
恋愛のような熱情とも違う!
同じ時代、同じ会社という組織の中で
戦友のように、あるいは合わせ鏡のように
過ごしてきたふたりの歳月が
太っちゃんの不在によって
より鮮明に浮かび上がってきます…
絲山さんの綴る文章は、淡々としていながらも
時折ハッとするほど鋭く
人間の本質を突いてきます!
「沖で待つ」という言葉に込められた意味を
何度も反芻してしまう…
先に逝ってしまった人と
こちら側に残された自分
その間にある広大な海を私たちは
どうやって泳いでいけばいいのか…
「寂しい」という言葉を使うのは簡単だけれど
この物語が描くのは、もっと深く
言葉にならないほど
純粋な「他者への敬意」なのだと感じました!
一生のうちに、こんな約束を交わせる相手に
一人でも出会えたなら…
それはどんな恋に落ちることよりも
幸福なことなのかもしれない…
静かな夜にゆっくりとページを
めくりたい作品でした♡