絲山秋子のレビュー一覧

  • 袋小路の男
    純愛というより、特定の他人に対して甘えることを通して、それによってなんとか自分と世界のバランスを維持している、そんな関係を描いている。それは一種の共依存なのだろうが、その言葉で簡単に片付けてはいけないと一方でそのようにも考えてしまうのは、描かれた二人の時間の確かさにあるのだと思う。
  • 御社のチャラ男
     ある地方都市の食品会社で「チャラ男」であると自他ともに認める中年男性を、さまざまな人の目を通して描く連作短編集。
               ◇
     ジョルジュ食品の営業を担当する岡野繁夫(32)は今日も各取引先を回っていた。
     岡野は要領の悪い人間だが、営業という仕事は気に入っている。どこから弾が飛んで...続きを読む
  • 御社のチャラ男
    相変わらずサラリーマンというものをよく描いてくれる。サラリーマン曼荼羅の完璧な絵図。大好きな作品ではないけれど、読んで良かった作品。
  • 袋小路の男
    3つの話から構成されていて初めの袋小路の男がラブレター?で2つ目がそなアンサー的な話になっている
    不思議な関係の2人の物語
    出会ってしまったが結ばれる事なく続いていく、これはもはや純愛なんだろうかと思いました
    くっついたらいいのにと思ってしまいますが、そうならないのが不思議な関係なんでしょうね
    3つ...続きを読む
  • 神と黒蟹県
    架空の黒蟹県を作り、よくある隣市との小競り合いなどを描いた作品。架空とはいえ作り込みががしっかりしているのでもう少し物語を広がらせても良かったのにと少し残念で勿体無いような気がした。面白い作品だった。
  • 御社のチャラ男
    チャラ男というから、どんな人たらしが出てくるのかなと思ったら上辺だけ整えて自信がない薄っぺらなおじさんの話だった。
    みんなが人たらしの手のひらで転がされて、あの人こんなところがずるいよね〜でも好き!みたいな話かと思ってたので、全然違った笑

    磯崎さんの章のこちらの文章が刺さりまくってしんどかった。
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  • 御社のチャラ男
    あらすじ 
    美容や健康のためのオイル、ビネガーなどの商品を扱うジョルジュ食品に勤める三芳道造部長。見栄っ張りで、どこかいい加減、ノリが軽やかな彼は社内でひそかに“チャラ男”と呼ばれていた。

    総合点 2.2/5

    ストーリー 2.0/5
    何が言いたいのか、よくわからない。
    ストーリーも深みがなく、読...続きを読む
  • 御社のチャラ男
    ある会社のチャラ男(部長)の周辺の人々のことをその人たちの視点から変わるがわる描いた作品。
    タイトルで読みたい!と思った作品だが、思っていたのと違った。全体的にうーん、という感じでした。
  • 御社のチャラ男
    群像劇……とひとことでいってしまうのも野暮なくらい、巧い小説。
    章と章が緊密に構築されているのに、息苦しくない。
    キーパーソンが時々程よいところに挟まることで、宝石を別角度から覗いたときのように見え方が変わる。
    そのため単なるあるある小説ではなくなっている。
    チャラ男はいるし、誰しもある程度チャラ男...続きを読む
  • 沖で待つ
    勤労感謝の日
    近所の御婦人にセッティングされた最悪なお見合い。主人公の置かれた状況は決して良くはないけど、強くて自由で自分で道を切り開こうとしていて魅力的だった。
    そんな主人公だから自分で気分を切り替えられるし、こういう時に立ち寄る場所があるのかな。いいな。三作の中で一番好きだった。

    沖で待つ
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  • 御社のチャラ男
    あーこーゆー上司いたよなぁ
    会社もこーゆー感じだともたんよなぁー

    てチャラ男と同年代の私は思いました
  • 逃亡くそたわけ
    ある男女、恋愛関係でも、友達関係でもない、の二人の逃避行物語。絲山氏お得意のど直球な言い回しが小気味よい。この逃避行に楽しさ要素は全くないのだが、主人公たちがたどった道のりをドライブしたいと思った。
  • 御社のチャラ男
    御社のチャラ男 これもタイトル買い。
    御社のチャラ男て(笑)
    チャラ男の定義が少し自分が思ってるものと違ったけど、どこにでも居るらしい。
    初読み作家さんだったけど刺さる言葉がけっこうあったな。
  • 神と黒蟹県
    黒蟹県!? 三ヶ日凡(みつかび なみ)が主人公のフィクションかと思いきや、黒蟹県なる架空の県とこの県に御座す神が主人公?の連作短編集でした。聞きなれない言葉や単語が出てくると思ったらしっかり各章の最後に黒蟹辞典なるものが付いており架空のものと実在するものが解るようになっていました。そして、最後のほう...続きを読む
  • 薄情
    関東に暮らしていたことがあるので、この北関東方面の雰囲気がよく伝わる。
    都会とは違う郊外都市の在りがちな話をうまく膨らませているな〜、と感心する。
  • 神と黒蟹県
    なんのこっちゃなタイトルだが、そのまんまだった(笑)。架空の黒蟹県を舞台に、そこに住む人々と降臨した神の姿を描いた連作短篇集である。神といってもほとんどなんの力も持たず、人の姿をして日常生活を送っているという地味さ! 
    絲山さんには地方都市とそこに生きる人々を魅力的に描いた作品が多いが、まったく架空...続きを読む
  • 神と黒蟹県
    絲山秋子の神と黒蟹県を読みました。
    神様が黒蟹県という架空の県で人間として暮らすのですが、私的にはイマイチでした。
    絲山秋子は川端康成賞や芥川賞などを受賞しているのですが、他の作品は読んでないので何とも言えませんが、つまらなくは無いのですがイマイチとても面白いとも思えませんでした
  • 沖で待つ
    初の絲山氏の小説。インパクトがある登場人物。そのインパクトという点では芥川賞受賞のタイトルのものより「勤労感謝の日」の方が上。ある意味女性作家でないとここまで描写できないのではないか。勤め人経験のある人ならこの2作はより楽しめるはず。
  • 神と黒蟹県
    黒蟹県の人々と神の視点から、黒蟹県を描写する。

    物語自体は全く普遍的だが、黒蟹県人の地域的な視点、ひいては個人視点と、それらを俯瞰した神の視点により、普遍的な風景から重要なことが浮かび上がってくる。
  • 御社のチャラ男
    うーむ

    もっと笑える小説かと思っていた。

    チャラ男さんも、
    想像していたより年上。
    そして、この程度と思ってしまう。

    また、チャラ男さんに絡めて、
    それぞれの登場人物の生き様(?)を描き、
    どや、どれかに当てはまるやろ
    と上から言われているようで、
    あまり好きではない。

    連載時期がもう少し遅...続きを読む