絲山秋子のレビュー一覧

  • ラジ&ピース
    この本を大阪の本屋で買った。翌日に京都の嵐山へ行く途中の車中で読み始め、帰りの車中で読み終わった。あっというまに読めた。面白い。「水たまりに落ちたレシート」と主人公が自身のことを思っているとある。この表現方法に惹かれた。この主人公が田舎町で人と関わり、積極性を獲得していくはなし。自分に訪れる色々な機...続きを読む
  • 絲的メイソウ
    絲山秋子の絲的メイソウを読みました。絲山秋子の露悪的エッセイでした。瞑想というよりは妄想に近いような、絲山的人生観が綴られていきます。禿礼賛という章では禿に萌える絲山秋子の感じ方が大まじめに語られています。寝言は寝て言えという章では、寝言で、お客様に丁寧に挨拶をした後、「クソオヤジがっ」と言ってしま...続きを読む
  • 絲的メイソウ
    おまえはおれか状態の絲山先生。
    恋するくだりは、30代女にしかわからない稚拙さ。
    20代のほうがもっと狡猾。
    赤ちゃんがえりしてるね。
    なのに、好きになった人から順に嫌いになっていく、矛盾。
    痛いな、痛すぎるな。
    ホント他人事とは、思えない。
  • 絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか
    この作者の書く小説が大好きなので、思わず手に取ったのだが、大当たり。文章がいちいち面白い。くすくすっと笑ってしまうような、成る程と唸ってしまうような。
    料理が好きな人、ことばの語感を楽しみたい人、どちらにもおすすめしたい。
  • エスケイプ/アブセント
    久々に面白いと思える本でした。主人公視点の文体や、キャラクター設定も新鮮。いい加減なやつらなのに、嫌いになれない登場人物たちで、頑張れよって応援したくなります。最後はキュンとなりました。
  • 絲的メイソウ
    絲山さんの作品(小説)を読んでイメージされる「絲山秋子像」がこっぱみじんになった一冊。すげえ、こんな人だったのか。おもしろすぎる。私自身は例の「五七調エッセイ」にはピンとこなかったくちなんですが、いろんなネタ満載。個人的には、この本で絲山さん初体験というのはおすすめしません。
  • 絲的メイソウ
    絲山秋子さんはもの静かなお姉さんだと勝手に思い込んでいたので、
    啖呵の切り方などに驚いた。
    なんだか親近感が沸いた。
  • 絲的メイソウ
    1/10  傑作。いじいじしていた自分の心を逆向きに挫いてくれたような。エッセイとしてはかなり大好きの部類でした。ばんから、とか、がらっぱち、とかいう言葉がしっくりきそうな。なんだろなー。辛気くさいこともこれくらいネタにできるような人になりたいと思ったよ。
  • 御社のチャラ男
    複数の人物による、ひとりのチャラ男を軸に据えたお話。これはちょびちょび楽しむべきだったかな、とおもったけれど、一気に読みました。会社が崩壊する場面、なんだか日本の未来を見るようで、背筋が寒くなりました。「それがどうした?」って、仕事で使ってみたいなあ?ちょっと強めなので、「それがどうかしましたか?」...続きを読む
  • 御社のチャラ男
    「あなたの身の回りにもいるでしょう?こんな人。あなたも誰かに当てはまるでしょう?」と当て書きして書いても、普通なかなかこんなに上手くハマらないし、本質的には変わっていくこともなくそれぞれブレた軸で次の周回に入っていく感じとか、狙って書いてるのがすごい。
  • 御社のチャラ男

    世の中には真性チャラ男もいるけど、このチャラ男は中身がないことを悟っている点で仮性チャラ男だ。

    組織で働くってことは、色々と割り切りが必要だなと改めて感じた。
  • 神と黒蟹県
    黒蟹県という架空の都市を舞台にした、そこに住む人々の短編集。
    なんとなく想像はできつつもつまるところ絵を結ばないが雰囲気だけは想像できる世界。架空と現実とがいい具合に混ざっているので、全く存在しないことであってもすんなりと読めてしまう。話の終わりに用意された黒蟹辞典でそれが架空が実際かを判断して、架...続きを読む
  • 神と黒蟹県
    “黒蟹県”なる架空の微妙な県を舞台に、普通の人々と半知半能の神が普通に関わったり関わらなかったりする八編からなる短編集。各編で登場人物が変わったり、神が主人公になったり、前の編の主人公か後の主人公と関わったりして、黒蟹県のリアリティが補強されていき、架空と現実が混じり合って、なんとも不可思議な黒蟹ワ...続きを読む
  • 御社のチャラ男
    これはお仕事小説じゃなく会社員小説というのが納得!

    お仕事小説は読むと自分も頑張ろうと思えるが
    これはそうではない。
    この小説は出てくる人達が特徴的で
    妙にリアルに読めるからちょっと苦しくもなる。
  • 御社のチャラ男
    お仕事小説ではない。ギャグ満載の軽い小説でもない。組織に集うさまざまな個人の心理と相互関係を描いて、面に敷き並べたという感じを受けた。それぞれに過去や、生傷や、妄想や、漠然とした憧れを持って生きる普通の人間であり、彼らが企業や社会を動かしている。
  • 御社のチャラ男
    面白かった。叙述トリックのような終盤が特に良いです。

    恐らく自身の欠点・短所を客観的に認識できているのは"チャラ男"三芳部長、"窃盗癖"山田さん。しかし、周囲から二人の言われようときたら散々。
    自分のことを"正しく"認識できているからと言って、それが社会的・人格的その他にとって"正しく"機能し反映...続きを読む
  • 神と黒蟹県
    架空の黒蟹県を舞台にした連作短編集。
    最初の『黒蟹営業所』を読んだときは「これ面白いのかなぁ」と、ちょっと思った。
    でも次の『忸怩たる神』から、じわじわと面白くなる。個人的に好きなのは『なんかわからん木』
    あと黒蟹辞典も好き。本文を読みながら「これ絶対、架空のものだろー」と思ったものが実在したり、逆...続きを読む
  • まっとうな人生
    なんか逃げた話読んだなあと思ってたらその(一応)続編だった。でも知らなくても問題ない。
    絲山秋子がかく地方がほんとにほんとに好き。一人称の語りに時折まざる博多弁?が「たびのひと」感をましていて、でも別に疎外されてるわけでもない。あの感じ、めちゃわかる。あと一番わかって笑っちゃったのは、夫が抱く金沢コ...続きを読む
  • 袋小路の男
    うん、好きだ!

    3編からなる短編集。
    『袋小路の男』と『小田切孝の言い分』は
    同じ男女を描く視点違いの2編。
    この2つ好きだわ〜。
    名前はつけられないような関係性。
    とくに“バカだな”のくだりがしびれた。

    『アーリオオーリオ』は叔父と姪の文通で、
    星座や星がキーワードになっている。
    こちらも静か...続きを読む
  • 神と黒蟹県
    絲山秋子さん好きにはたまらない魅力が詰まった作品です。ファンタジーですが、細部の地方都市のリアリティが抜群にうまい。黒蟹辞典と地図で何時間でも妄想が掻き立てられます。