あらすじ
個であることをやめるとき――名前も記憶も肉体も失って、気配や残存となったわたしたちの心は最後に誰と、どんな旅をするのか。生と死のあわいに見る、懐かしいのに不思議な風景。
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Posted by ブクログ
本のタイトルとしてはあまりにも平易な印象のタイトル。
開いて読むるは超感覚の粘膜の中。
具体的に書かれていても想像が難しく、「これは何を書いている?」とはてなになった。
理解が足りないといえばそれまでだが、「あまりよくわからない果実」をまるごと飲み込むような気持よさがある。
超越的な存在・観念の主観で見る世界。退廃したこの世界に僕らという主語はいないのだと知る。
唐突にこのような小説を手にして、読むことができてとてもうれしい。また開き読んでみれば今回とはまた違う感覚を得られるだろと強く思う。
Posted by ブクログ
死生観とは違うんだけど、何か色々考え方が変わるかもしれない。読むべき人が読んだら、救われるかもしれない。自分の心と見比べながら、会話をしながら、何かを確認するように読みました。
死んでから完全に消えるまでの間にある、不穏な世界の細長い場所の話。なはず。
決して読後感は虚無ではなかった。
ほとんど理解出来てないかもしれないし、咀嚼出来てる気がしないのだけれど、自分に死が迫った時にこれを読んだら少し楽な気持ちで死ねるのかもしれない。
Posted by ブクログ
おそらくは死後の世界を描いた話。
話、と言っていいのか…絲山さんの中にある条理を超えた世界をそのまま見せられていて、率直に言って「わからん」という感じです。
デヴィッド・リンチの映画を見るときと同じような、幻想的でざわつきのある、でもなぜか魅力的で見てしまうが、でも話はさっぱりわからなくて気づいたら寝てました、というようなあの感じを活字で体験した気分です。
ラストにつまりなんなのか、は描かれているので「よかった、このまま放り投げられなくて」とホッとしました。とはいえ疲れました。いや、今もって理解できたのか?と問われると正直よくわからない…