畑野智美のレビュー一覧

  • 宇宙の片すみで眠る方法

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     依里(ヨリ)は、結婚間近の恋人を、バス事故で亡くしてからうまく眠れない。
    彼が亡くなった、それだけでもショックなのに、知らない女性と、いるはずのない場所で事故にあったとしたらなおさらだ。
     人生は喪失と再生の繰り返しだ。
     両親の意見を、恋人の意見を聞き入れながら生きてきた依里に対して、それは軽いモラハラでは・・・と指摘されて、初めて自覚する。
    その部分を読んで初めて、ああそうか、と、そういう考え方もあるのねと思ったのです。
    昭和の人間なんて、多かれ少なかれそういう環境だったのではないか。
    大げさにすることでもないのではないか。
    時代が違うといえば、それだけのこと。でも、時代に合わせていろいろアップデートも必要なのがイマドキ。

     ご本人が寝具店勤務経験者ということで、寝具にもとても詳しい記述がありました。
    寝具って、自分に合っているかなんて改めて考えることは少ない。
    こんなもんかなぁと思いながら、長年が過ぎていく。
    人間関係も同じようなものだと気づかされる内容です。
    本当に自分の意思が反映されている人生なのか、自分の人生を自分で選ぶ。
    今一度振り返ってみるのもいいかもしれません。

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    2026年07月24日
  • 大人になったら、

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    ネタバレ

    主人公のメイがとにかく主体性がなく、自分のアイデンティティを他者に求めているような人物像で少しイライラした。だけどそれは父や恋人に置いていかれた喪失感によるものなのかもしれない。大人になり切る前に、盲目的な愛を注いでくれていた(と思っていた)人に捨てられた。これまで信じていたものに突然背を向けられるということで、自分の軸がぐらりと揺らいでしまったのかもしれない。
    羽鳥先生は怖い。

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    2026年07月22日
  • 30代後半、独身、ひとり暮らし

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    古い価値観はまだ残っていて、タイトルのような状態だと「結婚は?子供は?」と聞いてくる奴がいるんですよね。
    ちゃんと自立して生活しているんだからいいじゃないかと思います。
    それよりも私はだらしない彼氏が嫌でした(笑)。でも本人が納得してつき合っているのなら、外野がとやかく言うことじゃないしなあ…。
    いろんな生き方がもっと認められる世の中になってほしいと思いました。

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    2026年07月18日
  • 消えない月

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    ネチネチ陰湿ストーカー気質のワイも真っ青の最恐ストーカー小説でした。

    ストーカーの被害者目線だけではなく、加害者目線からも描かれるのが面白い。
    解説も自身がストーカー被害に遭ったことで、被害者支援のNPO法人を立ち上げた小早川明子さんがされている。
    解説を合わせて読むと、この小説は加害者の心情がかなりリアルに描かれているんだと感じた。

    「被害者が加害者から逃げるための努力をするように、加害者も同じように、あるいは被害者以上に、被害者に接触するための努力をする。努力する者に運は味方をする。努力が間違っているものだとしても。」といったニュアンスのことが本編で描かれており、ここが一番ゾッとした。

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    2026年07月13日
  • 世界のすべて

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    ネタバレ

    性的マイノリティの人たちの話
    恋愛感情が沸かない、沸きすぎる、女の子だけど女の子が好き等、様々な人が織りなす物語

    理解を示していきたいと思わされる一方で、コトリちゃんとの居酒屋での会話がかなり考えさせられた
    多様性を理解している→その上で女装している男性は気持ち悪い→それは普通の自分にコンプレックスがあるから→ゲイの友達を新しいアクセサリーのように考えている人もいる

    コトリちゃんを性的マイノリティではない人(=多くの読者)の立場としておくことで、より話が面白くなってました


    一方で、ストーリーというよりは、様々な性的マイノリティ紹介資料になっていた印象
    分かりやすくはあるので、ジェンダーの授業や社内研修で使えそう

    あとみんな顔がそこそこ良い設定だったのが、なんだかな(例えば恋愛感情が沸かない人の多くの悩みは、モテ無いだけかもっていう葛藤だと思う)
    せっかく小説なので、読んでいるあなたの中で、登場人物を全員いけてない見た目で想像して読んでみてほしい。また違った感想を抱ける作品だと感じた

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    2026年07月12日
  • 若葉荘の暮らし

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    とても温かい。大人になると新しい人間関係を作ることが煩わしくなってしまうけど、
    不意に接した人との繋がりをもっと丁寧に大事にしないといけないと思いました。

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    2026年07月11日
  • 30代後半、独身、ひとり暮らし

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    30代後半でも独身でもひとり暮らしでもないけど借りた。色々なことに悩まされて惑わされる年頃かも。どうありたいか、何がしたいかをしっかり考えなくちゃな。

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    2026年07月11日
  • アサイラム

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    アサイラム…。 避難施設。レイプ、DV、虐待、イジメ、様々な被害者の心のケアを行う場所として国が作った街で色々な被害を受けた人のどうやったら立ち直れるかなどの話。 加害者は、反省とかするのだろうか?被害者は、自分が悪かったのかと悩み精神にくるし…。  レイプなんか心の殺害に近いと思う。イジメだってそう。 主人公は、立ち直れるのか。心が壊れる話は、きついわ

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    2026年07月03日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    織守きょうやさんの一編が最高に好きでした。尊い。
    作者さんの別の短編集でも描かれていたけれど、美味しいものを食べて(できれば)喜んてほしいって、シンプルに愛の本質だなぁ。尊すぎて何回も読み返しました!

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    2026年06月21日
  • 30代後半、独身、ひとり暮らし

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    人が心から安心できることは永遠にないのではないか。
    結婚しても独身でも、稼いでいても稼いでいなくても。
    心の持ちようとかよく聞くし、私もそう思っていたけれど、そう思いたいだけなのかもしれない。
    SNSでは、独身だけど幸せだし人生満喫してます!のような投稿を見かけるけど、本当でもあり、全部が本当でもないような気がする。
    だからといって全てが不幸でもない。

    既婚者も独身も子持ちも子なしも、違う種類の罪悪感があって、各々気を遣いあいながら生きている気がする。

    結局どんな肩書きであっても、不安はついてくるし、それを受け止めて生きていくしかない。
    自分に刷り込まれてきた思い込みを、ひとつずつ解いていった先に幸せがあるのだと思った。

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    2026年06月18日
  • 30代後半、独身、ひとり暮らし

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    畑野智美さんのエッセイかと思って借りたら違った。でも主人公はエッセイ漫画家。フリーランス、独身、美人、彼氏がちょっとどうしようもないのでズルズル付き合ってる。うーーーん勿体ないと思いながら読んでいたけれど、なんとか整って終わったので良かった。

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    2026年06月09日
  • 14歳までの犯罪

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    14歳の子達の心の揺らぎがこと細かに描かれているお話しだと思いました。

    14歳…大人でもなく子供でもない難しい年齢。
    今は情報過多の時代だから普通の自分がなんかつまらなく思てしまうのかな?

    このくらいの子が万引きとかのスリルを味わうということはどの時代にもあったのかもしれないけれど、最後の方で友達のお兄さんが
    『オレたちの時は駅前のスーパー潰しそうになったからほどほどにしろよ』
    と、笑いながら言ったのには誰もがやること…みたいなニュアンスがあって空恐ろしくなりました。

    中学生、高校生が教室という狭い空間に数十人も詰め込まれて自由がない。
    だから刺激を求めがちなのかもしれないね。
    けれど、逆に考えれば社会の荒波から守られている部分もあると思う。
    でも、そんなことはその年代を生きている時はわからないのよね。

    複雑な感情で考えが行ったり来たり…その様子がよくわかりました。

    ↓こんな文がありました。
    これを読み、すごく毎日気を遣って生きているのだろうな…と感心?してしまいました。

    目立っている人に従い、自分の立場以上に注目されないようにする。クラスのバランスを崩してはいけない。自分の役割を考え、それにふさわしい振る舞いをする。やりたいことも、やりたくないことも、周りを見てから決める。みんなの感情が作り出す空気を読み取らなくてはいけない。

    (Word)
    万引きしたかったわけじゃない。おもしろそうなことがしたかっただけだ。(中略)万引きに参加することは二度とない。それでいいのに、なんだかつまらない。

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    2026年06月05日
  • 大人になったら、

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    後ろのあらすじを読んで主人公が自分と同い年だったため手に取った本

    読み終わってから装丁を見返したら納得した

    消えない月の作者とは思わなかった
    消えない月が衝撃的で
    こんなほっこり系なお話も書く作家さんなんですね

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    2026年05月27日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    名取佐和子さんのドーナツ息子が特に今の私には響きました。
    私にも息子がいるのでこの先、親がこどもを思うようにこどもにも親を思う瞬間が物語の様に一瞬でもあると良いなという淡い期待をしてしまいました。
    一緒にいれる時間を大事にしないとと改めて思いました。

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    2026年05月17日
  • 30代後半、独身、ひとり暮らし

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    著者のエッセイだと思い込んで読み始めてしまってて途中、物語なんだと気づいたけど、その先、物語なんだとちょくちょく自分に言い聞かせないとエッセイだと思ってしまうようなリアルっぷり。貝塚くんがいい人だったな~。

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    2026年05月15日
  • 大人になったら、

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    結婚してない、SEXのない生活、初恋が忘れられない。
    これらが普通じゃないとされる大人...。

    人には人の進む速さがある、と思うけどやっぱり周りがずっと前にいると自分が異常なのかなって思ってしまうよね。

    内容としては30代独身女性のあるあるで、大きな展開もないんだけど、最終的に、メイ改め、命の人生も歩を進めていることが分かって、よい気持ちで本を閉じることができた!

    杉本くん、良いキャラだったな〜笑

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    2026年05月14日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    「おやつ」をテーマにした6名の作家によるアンソロジー。

    手作りであろうと、出来合いのものであろうと、相手のためを思って食べ物を用意する行為が愛情そのものだと思った。

    クロテッドクリームをたっぷりのせたスコーンを食べたくなった。

    島本理央さんの作品は表現にドキッとするところがあったので、他の作品も読んでみたい。

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    2026年05月13日
  • 神さまを待っている

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    女性の貧困について。
    かつては貯金0、カード利用額>=収入となる生活をしていたものだが、ここまでの貧困は経験したことないのは何だかんだで恵まれていたのだと認識した。
    昨今の情勢ではとても他人事とは思えず、明日は我が身かもしれない…

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    2026年05月13日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    “美味しいおやつが食べたくなる”ようなものではなく、おやつを通して気持ちや人生の揺らぎを描いたアンソロジーだった。

    作中のおやつは、ただ甘いものではなく、それぞれの登場人物が踏ん張るための“小さな支え”や“カンフル剤”として描かれていた。

    自分らしく生きる道を見つけるきっかけになったり、本と一緒に孤独や空腹を埋める青春の思い出になったり、懐かしい味が安心へ繋がったり。

    特に4話目の子育ての話は、自分ではない誰かの人生に関わり続けることの大変さが強く伝わってきた。
    迷ったり悩んだりしながらも、その子自身を信じていくしかない。
    だからこそ、ほんの少し息をつける“おやつの時間”が必要なんだろうなと思った。
    複雑な感情を呼び起こすものだったとしても、それで踏ん張れるなら、その人にとって大切な支えなんだと思う。

    5話目では、選択することの難しさが描かれていたけれど、周りの雑音や不安があっても、自分が本当にやりたいことを素直に選びたいし、きっと選べるんだと思えた。
    海外児童文学のエピソードと一緒に語られるおやつも素敵で、ただ「美味しそう」だけでは終わらない余韻があった。

    まっすぐな道だけが正解じゃなくて、遠回りでも、自分の目指す場所へ向かおうとしているなら、それはちゃんと人生と向き合っていることなんだと思わせてくれる作品たち。
    帯にあったようにおやつはまさに“今日を乗り切る力をくれる”ものだった。

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    2026年05月10日
  • やるせない昼下がりのご褒美

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    なんだかんだ言っても不倫なんてろくな
    もんじゃない、何で不倫をするんだろうと
    思っていたんですが、スリルや刺激を求める
    ためなんて言われたら勝手にしてくれと
    作品の趣旨と違う感想を持った島本理生さんの
    「楽園の代わりのカッサータ」。
    受けた恩というか優しさって相手が
    思っている以上に大きなものだし
    その優しさを自然とできる彼・・・素敵だ
    と思った織守きょうやさんの
    「ファースト・アンド・オンリー」。
    両親を亡くした悲しみから救い出してくれた
    瀬戸内の島でいっしょに暮らす叔父との
    素敵な時間とジャムに心ひかれた友井羊さんの
    「春とマーマレード」。アイドルって見た目の
    華やかさとは裏腹に大変な職業だと思った
    畑野智美さんの「アンパッサン」。
    子供ってなんだかんだ言ってもその子の
    ペースで大人になっていくそして親は
    成長した子供のことも認識するけどまだまだ
    心配が尽きないって感じた伝わった
    名取佐和子さんの「ドーナツ息子」。
    有りがちなが言葉だけど、「何かをするのに
    早いも遅いもない。ただ、始めるだけさ」
    がほんとにそうだよねと心に刺さった
    伊吹有喜さんの「ストロベリーの歌」。
    どの話も面白かったけど、個人的には
    「ファースト・アンド・オンリー」と
    「ドーナツ息子」が面白かったかな。

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    2026年05月08日