畑野智美のレビュー一覧
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なんか直樹の死に関わるあれこれやその後の成り行きが今やってるドラマに似ているなと。
まず、依里が大学卒業後、留学も就職もしなかったことが彼女の主体性のなさを物語ってる。彼に合わせ、彼のためにだけ生きたから、失った時に何も残らなかった。そんな彼女が、少しずつ“自分”がやりたいことを優先させていこうとする過程が描かれる。
また自分を無くしそうで、一度は離れた高橋と本の終わりでは行き違ったけど、webで公開された続編でその先の選択を見られてよかった。
依里の再生物語としてだけではなく、自ら寝具店勤務経験者だという作者の知識が生きた、自分に合った寝具の選び方など役にたつ知識も満載で面白かった。
枕難民の私、マットレスにも問題あるのでは?と寝具売り場に行きたくなってる。
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Posted by ブクログ
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あの人と過ごす
何気ない「おやつ」の時間が、
今日を乗り切る力をくれる。
おいしいものを愛する作家陣が贈る、
心とおなかの空腹をあたたかく満たす連作短編集。
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好きな作家さんが多く参加されていて購入しました。
これもかなり前に読んだので記憶が曖昧ですが。
ぱらぱらページをめくると少しずつ思い出してきました。
島本理生さんの「楽園の代わりのカッサータ」が好きでした。
議員と不倫という不毛なことと、
切ないけどなんか爽やかな部分もあって。
他の作品も同級生や親子等で、
忘れられない瞬間と食べ物が。
読後が良いアンソロジーでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ少し前に読み終わった作品。
登場人物やあらすじなど少しうろ覚えになってしまっているけど、覚えている限りで感想を書く。
大きな展開はなくても、色々なライフステージにいる家族、友達、恋人、同僚の登場によってそれぞれにとっての"幸せ"の定義や苦悩を感じ、感情移入してしまった
30代後半、まさに自分のこれまでの人生を振り返って答え合わせをする時期なのかな
方向転換をするには少し勇気がいる、だからといって目を背けていたら何も変わらない。それをまざまざと見せられて、これから30代後半を迎える私は少しザワザワする気持ちになった。
《印象に残っているところ》
・主人公ー夏帆、漫画家(イラストレーター)、30代後半、長女、美人
美人なのに嫌味がなくて聡明な印象。妹がいて、妹の言動に迷惑したり、困惑したり、イライラすることがあってもそれを態度に出さず、距離も取らず、困っているときはいつも助けてあげるところ、とにかくしっかり者の長女というイメージ。
自分の描きたいものではなく、ターゲットやどんなイラストを求められているかを冷静に分析して、それに応える形で絵を描く仕事をこなすところ、理想と現実を切り分けて考えられる、とても賢い人。その分析は正しく、自分の稼ぎだけで生きていける、自分の生活を丁寧に組み立てているところも、私が理想だと思う30代後半の大人の女性。
・夏帆と妹の関係
ザ・出版社勤務です!の育児しない系男との結婚でほとんどワンオペ育児を強いられている妹。
自分がイライラしていると、姉が独り身であることを非難することでストレスを発散している。夏帆の心に浮かんだ「しきりに結婚を勧めるけど、あなたはそんな夫と結婚して本当の幸せを手に入れたの?ワンオペで家事も育児もできない夫なのに?(意訳)」のような言葉に痛快!もっとやれ!と思ったけど、絶対に言葉にしないのが夏帆。お姉ちゃんって生きづらいのね。
末っ子でやりたい放題していた私、客観的に自分を見ているようで恥ずかしくなった。実兄たち、こんな妹をありがとうね。
・女友達の変遷
夏帆の日常に女友達があまり登場しないのが妙にリアルで。親友はバツイチになってから病んで性格が変わってしまうし、定期的に会っているといえばやはり妹。そんな妹もワンオペ家事育児で大変そうで、夏帆自身も"幸せ"の定義が分からなくなってくるのが分かる。
『女性は同じライフステージにいる人としか友人関係を維持できない』という言葉は、悔しいけど的を射ていると思う。ライフステージが違うのに関係を維持できている場合は、どちらかまたは両方が相当に神経をすり減らして、気を遣ってなんとか維持しているのではないかと思う。
そうまでして維持するべきか、それともお互いのためにそっと距離を離していくのか(自然に)
、それもその人の考え方によるよね。
夏帆は妹といると苦しい気持ちになることの方が多そうだから距離を取っても良いのでは、と思いながら読んでいた。
・ヨシくんと別れられない夏帆!
何年も付き合って、結婚や子供の話をすると、気まずい感じになってしまい、それ以来お互いにその話題を避けている、そんな状態で何年もダラダラ付き合っている状態→やめとけそんな男!
夏帆の仕事が順調だったり同僚(男)の話題を出すと不機嫌になる→やめとけそんな男!!
過去に夏帆が作った「フルーツと食べ物の組み合わせが嫌い」と言っておきながら、若い女と浮気。若い女の作ったフルーツのカプレーゼ(だったっけ)は食べてるっぽくて→やめとけそんな男!!!
浮気した時点でもう絶対にアウトなのに、最初は許そうとしてしまう夏帆、どうして、どうしてなの、、と思いながらも年齢や重ねてきた時間を考えると離れられない・別れ話を切り出すのも体力がいるのかな、と考えたりした。
まともな恋愛経験がない私がこんなこと言うのもあれだけど、美人な人って意外と恋愛に苦労している気がする。なんでなんだろう、顔が良いと内面も知らずに安易な男がすぐに寄ってくるのか。まぁ残念ながらそっち側の苦悩が分かることはないのだけど(泣いてない)。
・貝塚くんと付き合わないの凄い!
正直に言うとパフェのクリームを口につけているところからおばさん(私)、メロかったです。仕事を支えてくれる健気な年下男子、最高じゃない?
ヴィラでキスされたときも告白されたときも、曖昧な態度を取らずにちゃんと断っているところ、夏帆って本当に誠実だと思う。これも美人故なのかな〜真のモテ女という感じ、尊敬します。私ならグラッと来てそのまま受け入れてしまいそうだよ、てかみんなそうじゃないんですか??
《メモ》
この作品を読んで、30代の女性の悩みって本っっ当に多種多様なんだなと改めて考えさせられた。
私は既婚・子持ちだから妹の気持ちに少しだけ共感する部分もあったけど、それでも環境や生活の仕方が違えば悩みは全然変わってくる。
バリキャリにはバリキャリの、独身には独身の悩みがある。でもそれを一括りにしてはいけなくて、その中でも、その人によってさらに分岐していく。だからこそ人の悩みを簡単にカテゴライズして「分かる」なんて共感するのは失礼にあたるよな、と感じた。
全ての悩みがもうある程度どうでも良くなって、どんな人とも仲良くなれるようなおばあちゃんになりたいな〜
でもきっとおばあちゃんにはおばあちゃんの悩みがあるのよね…(沼)
大切なのは、優先順位を間違えないこと。仕事なら仕事、趣味なら趣味に生きて全然良い!
でも夏帆のように自分を犠牲にして人に尽くすってやっぱり人生を消費しているような気がしてしまった。
自立しているし生活の基盤も自分で整えられる夏帆が、もっと自分を大切にして自由に生きられる世の中でありますように。
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依里(ヨリ)は、結婚間近の恋人を、バス事故で亡くしてからうまく眠れない。
彼が亡くなった、それだけでもショックなのに、知らない女性と、いるはずのない場所で事故にあったとしたらなおさらだ。
人生は喪失と再生の繰り返しだ。
両親の意見を、恋人の意見を聞き入れながら生きてきた依里に対して、それは軽いモラハラでは・・・と指摘されて、初めて自覚する。
その部分を読んで初めて、ああそうか、と、そういう考え方もあるのねと思ったのです。
昭和の人間なんて、多かれ少なかれそういう環境だったのではないか。
大げさにすることでもないのではないか。
時代が違うといえば、それだけのこと。でも、時代に合わせていろいろアップデートも必要なのがイマドキ。
ご本人が寝具店勤務経験者ということで、寝具にもとても詳しい記述がありました。
寝具って、自分に合っているかなんて改めて考えることは少ない。
こんなもんかなぁと思いながら、長年が過ぎていく。
人間関係も同じようなものだと気づかされる内容です。
本当に自分の意思が反映されている人生なのか、自分の人生を自分で選ぶ。
今一度振り返ってみるのもいいかもしれません。 -
Posted by ブクログ
ネチネチ陰湿ストーカー気質のワイも真っ青の最恐ストーカー小説でした。
ストーカーの被害者目線だけではなく、加害者目線からも描かれるのが面白い。
解説も自身がストーカー被害に遭ったことで、被害者支援のNPO法人を立ち上げた小早川明子さんがされている。
解説を合わせて読むと、この小説は加害者の心情がかなりリアルに描かれているんだと感じた。
「被害者が加害者から逃げるための努力をするように、加害者も同じように、あるいは被害者以上に、被害者に接触するための努力をする。努力する者に運は味方をする。努力が間違っているものだとしても。」といったニュアンスのことが本編で描かれており、ここが一番ゾッとした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ性的マイノリティの人たちの話
恋愛感情が沸かない、沸きすぎる、女の子だけど女の子が好き等、様々な人が織りなす物語
理解を示していきたいと思わされる一方で、コトリちゃんとの居酒屋での会話がかなり考えさせられた
多様性を理解している→その上で女装している男性は気持ち悪い→それは普通の自分にコンプレックスがあるから→ゲイの友達を新しいアクセサリーのように考えている人もいる
コトリちゃんを性的マイノリティではない人(=多くの読者)の立場としておくことで、より話が面白くなってました
一方で、ストーリーというよりは、様々な性的マイノリティ紹介資料になっていた印象
分かりやすくはあるので、ジェンダーの授業や社内研修で使えそう
あとみんな顔がそこそこ良い設定だったのが、なんだかな(例えば恋愛感情が沸かない人の多くの悩みは、モテ無いだけかもっていう葛藤だと思う)
せっかく小説なので、読んでいるあなたの中で、登場人物を全員いけてない見た目で想像して読んでみてほしい。また違った感想を抱ける作品だと感じた -
Posted by ブクログ
人が心から安心できることは永遠にないのではないか。
結婚しても独身でも、稼いでいても稼いでいなくても。
心の持ちようとかよく聞くし、私もそう思っていたけれど、そう思いたいだけなのかもしれない。
SNSでは、独身だけど幸せだし人生満喫してます!のような投稿を見かけるけど、本当でもあり、全部が本当でもないような気がする。
だからといって全てが不幸でもない。
既婚者も独身も子持ちも子なしも、違う種類の罪悪感があって、各々気を遣いあいながら生きている気がする。
結局どんな肩書きであっても、不安はついてくるし、それを受け止めて生きていくしかない。
自分に刷り込まれてきた思い込みを、ひとつずつ解いていった先に幸せがあるのだと思った。 -
Posted by ブクログ
14歳の子達の心の揺らぎがこと細かに描かれているお話しだと思いました。
14歳…大人でもなく子供でもない難しい年齢。
今は情報過多の時代だから普通の自分がなんかつまらなく思てしまうのかな?
このくらいの子が万引きとかのスリルを味わうということはどの時代にもあったのかもしれないけれど、最後の方で友達のお兄さんが
『オレたちの時は駅前のスーパー潰しそうになったからほどほどにしろよ』
と、笑いながら言ったのには誰もがやること…みたいなニュアンスがあって空恐ろしくなりました。
中学生、高校生が教室という狭い空間に数十人も詰め込まれて自由がない。
だから刺激を求めがちなのかもしれないね。
けれど、逆に考えれば社会の荒波から守られている部分もあると思う。
でも、そんなことはその年代を生きている時はわからないのよね。
複雑な感情で考えが行ったり来たり…その様子がよくわかりました。
↓こんな文がありました。
これを読み、すごく毎日気を遣って生きているのだろうな…と感心?してしまいました。
目立っている人に従い、自分の立場以上に注目されないようにする。クラスのバランスを崩してはいけない。自分の役割を考え、それにふさわしい振る舞いをする。やりたいことも、やりたくないことも、周りを見てから決める。みんなの感情が作り出す空気を読み取らなくてはいけない。
(Word)
万引きしたかったわけじゃない。おもしろそうなことがしたかっただけだ。(中略)万引きに参加することは二度とない。それでいいのに、なんだかつまらない。