畑野智美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
わかりやすい文章で、読みやすかった。全体的に雨が似合う雰囲気の話だな、と思った。
喫茶店「ブルー」は店長の啓介さんの人柄か、悩みを抱える人たちが安心して過ごせるような落ち着いた店。そこでアルバイトする鳴海優輝は常連の北村さんやヒナちゃんたちと関わり合う中で、さまざまなマイノリティの人々の悩みを知るようになる。世界のすべてを知っている人なんて、いるのだろうか。自分を「普通とはちがう」と思っている人たちとの出会いは、優輝に色々なことを考えさせる。
今よりむかし、チェーン店ではない喫茶店がちょいちょいあって、そういう店に行くととても落ちついた。コーヒーが好きな人が経営してると思っていたけれど、そ -
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なんだか不思議なお話で、漂う哀愁が素敵な一冊だった。
気持ちを伝える前に事故死した初恋の人。その後タイムマシンと巡り合い、過去に戻り彼女を救おうとする主人公。しかし、その行動によって未来は思わぬ方向に変化していく…という物語。
最初は何が何だかわからなくて読むのにエネルギーが要ったが、読み進めるにつれて主人公の置かれている状況がわかってくる。
タイムマシンで初恋の人を救うためにがむしゃらに奮闘すると思いきや、ゆっくりと流されるような日々が送られていく。
突き抜けた感じはないのだけれど、じわりじわりと作品の世界観に浸っていき、主人公の初恋の人への愛情や切望、抱えている哀愁や孤独が伝わって -
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35歳の独身カフェ店長、全く共感ポイントないかなぁと思いながら読み進めていくと意外にもいつの間にか羽鳥先生の登場ばかり待って先を急ぎたくなり、その時にはメイに感情移入している自分に気づくのだった。元カレの思い出や、心の友や、いつでも行けるカウンター席のバー、必ず食べるメニュー(焼飯)、そして目指したかった目標とそれに向けてのオンプロセス、このお店使っていいよと言ってくれるパトロン?まで選択肢あり、ちょっと恵まれすぎでしょ〜と、子どもいて普通の(とは何か問題もあるが)結婚生活を送ってる側人間にしてみたら、彼女がとても輝いて見えた。しかも札幌での新生活!最期の春まで眩しかった。
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Posted by ブクログ
アサイラムとは避難所のような意味合いがあるらしい。主人公のスミレは大学生の頃に受けた性暴力により、仕事を辞めざるおえない状況に陥ってしまう…。そんなスミレがたどり着いたのが、性暴力のみならずDVや虐待、いじめなどの被害者を集め心のケアを受けられる地域だった。被害者同士やカウンセラーとのつながりを得ることになったスミレは…。
罪を犯した人には刑務所がある、でも被害を受けて心に傷を受けた人たちの救済の場は?って考えるとないんですよね…!この作品では、被害者の心の負担を最小限にできるよう行政サービスを行き届かせています。実際にあったらどうだろう?とか、ちょっと考えちゃいました。こんな地域があっ