畑野智美のレビュー一覧
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感想
お互いに何処か足りないところがある、そんな二人が偶然にも出会うことってあるんだなぁ。家族にも色々な形がある。
あらすじ
夜野光は、成瀬という親友の家族に支えられて生きてきた。アパートが取り壊しになるということで住み込みの仕事を探していた。
これまで通りレストランの仕事だと思っていたが、そこは手芸店だった。手芸店は木綿子という七歳上の女性が暮らす家だった。
木綿子は、男性と付き合ったことがなく、ひかりは普通の生活をしたことがなかった。
二人はお互いを大事に思いつつ、恋愛には興味がない。一般常識では一緒にいるために恋人や性的な理由づけが必要なのか?二人は自分たちだけの関係を模索する -
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主人公がタイムマシンを使い過去に行ったことで未来の世界が変わってしまう物語。あらすじだけ文字にするとよくありそうなSF物語である。けれど、日常にフォーカスされた話であるからこそ、たったひとりの人間の行動が世の中の出来事に大きく反映されているのだと納得できる。
誰かに影響を与えていない人なんて、この世にいない。一本早い電車に乗る乗らない、コンビニで寄り道をするしない、たったひとりの選択で未来の世界が変わってくる。そう考えると、自分が生きていることにすら責任が伴うように思えてくる。
だけど、重く考え過ぎず生きたい。というより考えなくても、どんな世界線で生きたとしても、出会うべき人とは必然的に出 -
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特に盛り上がりがあるわけでもないが、飽きずに最後まで読み続けることができた。文章も読みやすかった。
多様性を認めながら、「恋」とはこういうものという一般論にこだわりすぎている気がする。しかもひかりと木綿子の2人とも。「恋」の形も人それぞれでいいじゃん、と思うのだが、他のことは「人それぞれ」と思えているのに、どうして「恋」だけはそう思えないのだろう。やはり「典型的な恋」をしてみたい気持ちが人間にはあるのかな。映画で漫画でドラマで小説で「恋とはこういうもの」と刷り込まれてしまっているから。
岡村孝子の歌に「幸せなんて言葉があるからそれとわからずに思い出ばかり作るのね」という歌詞があるが、「恋」 -
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料理が上手なひかりくん(28)と、手芸用品店を営むゆうこさん(35)。夫婦でもない、恋人でもない、家族でもない、二人だけがわかる微妙な関係が描かれているのが良かったと思います。同時に、貧困や多様性のことも絡めていて素晴らしい作品でした。
一緒に食事をして、お茶を飲んで、働いて、お客さまと話して、お風呂に入って、寝る。
二人がしているそんな生活が羨ましいなと思いました。
料理ができたり、裁縫ができたりと、モノを作るってとても素敵なことだと改めて思いました。
ゆうこさんの『まわりのものが自分の人生をつくってくれている』という言葉は、非常にグッときました。
この本を読んだボクは、小学生の頃の -
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マッサージ店に勤める女性が、お客と少しの期間交際したばかりに、ストーカー被害にあっていく…。
被害女性視点とストーカー視点の2つで物語は進んでいくため、普段触れることのないストーカーする側の視点や、どういった思考回路でその結論に至るのかが描かれていて到底理解出来ないと思った。また1人の女性にそこまで執着できることを少し羨ましくも感じた。もしかすると、被害女性が好きなのではなく、そういった環境に身を置いている自分自身が好きなのかもしれない。
反対に女性視点では、どれだけ逃げ続けても、ストーカーの思い通りにならない限り、何をしてくるか分からない恐怖、履き違えた愛情をひしひしと追体験できた。
生 -
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グロいな、と思ってしまった。
希望が見えては失われていく過程をさまざまな状況で見せつけてくる。就活生なので「私もこうなるのか…?」とヒヤヒヤしながら読んでいた。
けど、私にはいざという時に助けを求められる家族がいる。この物語は「頼れる人がいない状況が貧困だ」ということを伝えたいのだと思う。その視点で見ると、私が貧困になる確率は低いから安心してしまった。いや、安心していいのだと思うけれど。
愛が夜職を軽蔑しない考え方は私は賛成できないかな。この本が執筆された頃は死なないための手段の一つとして夜職があったのだと思う。世間も夜職への批判はありつつ「生きるためには」と思っている部分もあったと思う。 -
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怖いけど、本を読む手も、彼の暴走も、止まらない… そして読み終わった後は題名の意味がスッと理解できるようになる。
人生において縁がないものであってほしいストーカー。彼らがどういう経緯で、心理で、そのような行動に出るのか気になって読んでみた。
ストーカー加害者、被害者の両方の視点が交互に描かれていることで、ふたりの思惑がどのタイミングですれ違うか、また加害者の狂う段階が垣間見れて興味深かった。ストーカーになる側の思考回路が支離滅裂すぎて、まるで自分が理不尽な理由でストーキングされているかのような疑似体験を通して、恐怖に怯えながら読み進めないといけない。
ストーキングに至るまでの経緯で被害者に -
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【2024年183冊目】
独立を夢見て、マッサージ師として働くさくらは、常連客である松原の告白を受け、付き合うことに。最初は優しかった松原だったが、徐々にモラハラの片鱗を見せ始め、耐えきれなくなったさくらは、松原に別れを告げる。さくらはきっと誰かに脅されているんだ――距離を置こうとすればするほど松原はエスカレートしていき…。
読み始めてすぐに、「これ、下手なホラーよりだいぶホラーな話かもしれない」と思い「ええ、やだなぁ…」と顔をしかめながら読みました。いわゆる、ヒトコワという奴だったのかもしれません。一言で言えばストーカー話なのですが、ストーカー側の感情の描写がやけにリアルで「あれ?もしかし