畑野智美のレビュー一覧

  • ふたつの星とタイムマシン

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    はじめは子ども向けのような話だなと思ってましたが、30ページ程度の中にあれだけの面白さを詰めて、さらにどこかで話や登場人物が繋がっているという仕掛けもあり、読み終えた時には、タイムマシンに乗ってたどり着いたような気分でした。
    どれも不思議な話でしたが、あったらいいなと思うものばかりで、たくさんの夢を見た気がします。

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    2023年12月10日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    読んでる間中、悲しさと寂しさが体にまとわりつくように、周りを漂っているような気分だった。

    コミカルな描写や、会話もあるのだけどそれを感じさせない、主人公の平沼先生、長谷川さん、魚住さん、丹羽君のご両親、いろんな登場人物の悲しさが溢れている。

    特に丹羽君のお父さんの気持ちが辛かった。痛いほど気持ちが分かる。お母さんが持たせた草餅も、どんな気持ちで作ったのか想像すると本当に悲しい。

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    2023年12月04日
  • 神さまを待っている

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    とてもリアルな内容だった。今まで自分が関わってこなかった、これなかった体験を鮮明に描いており、この本を読んでよかったとすごく思えた。水越の苦労が、本当に本当に報われて欲しい

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    2023年12月04日
  • 神さまを待っている

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    自分がかつてOLだったとき、友人の結婚式に出席した時、時を遡って、自分が主人公の愛になったみたいにどんどん物語に引き込まれていって、あっという間に読んでしまった。
    途中で、お金があるうちにアルバイトするとか、もっと方法があっただろうにと思わなくはなかった。
    愛が友人に相談して惨めになりたくないとか、そんな気持ちが邪魔して、気がついたらホームレスになっていた、ということなのだろう。
    たくさん無くしたことはあったけど、雨宮に見つけてもらえて良かった
    雨宮、時には暑すぎるけど、人生の中で1人はそんな子に出会えたら、心強いよねと思った。
    結局、愛を救ってくれた神様は、雨宮であり、千鶴であり、上谷であり

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    2023年11月17日
  • 水槽の中

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    緩やかなペースで進むのがより高校生ぽく感じた。何か特別な事が起こるわけではないが、高校生の日常そのものだった。高校卒業して10年以上も経ったが、何でもない思い出が一つ一つ鮮明に蘇って胸がギュッと苦しくなった。あの頃も青春してるな〜と思う事もあったが、大人になってからの方があの頃は尊かったなとしみじみ思う。

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    2023年11月06日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    物理的な説明は不明ながら、ボーイミーツガールの切なさとパラレルワールドの不思議さがいい具合にミックスされてとても面白かった。井神教授の深い愛に包まれた研究室、いい雰囲気でした。

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    2023年11月03日
  • 大人になったら、

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    35歳独身女性の主人公に、年齢も環境も全然違うのにとても共感しました
    話にぐいぐい引き込まれていって、わかる、わかると思って読んでました
    作者の筆力なんでしょうね
    いいところで終わってしまって、その後が気になります

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    2024年09月16日
  • 神さまを待っている

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    26歳の女性が派遣の満期で職を失い、失業手当の受給期間を過ぎても仕事は決まらず、お金がなくなり家賃が払えなくなって漫画喫茶に寝泊まりするようになる。
    怠けていたわけでも、贅沢や浪費をしていたわけでもなく、真面目に働いて慎ましく暮らしていただけなのに。でも、これが現実。
    主人公は四年制大学を卒業している。派遣や日雇いでの事務仕事だって人並み程度の能力があることは描写されている。
    日本は、普通の人が普通に働いて普通に生活することができない国になってしまったんだな。
    頼れる実家があるかないか、それが全ての運命の分かれ道になっている。
    実家、就職、人脈ガチャ…全てが運ゲー。


    終盤に出てきたCEOが

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    2023年10月25日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    ネタバレ

    たとえ運命の岐路が違ったとしても、人はいつかは会うべき人に出会うという人生の恵みをSFならではの仕掛けで表現した佳作。
    プロットに瑕疵があるとすれば、時間旅行に執着して研究者にまでなる主人公がパラレルワールドの陥穽に思い至らずに猪突猛進する序盤の展開は明白な矛盾だが、「恋愛」小説を成立させるために敢えて目を瞑ったのだろうと……。

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    2023年11月03日
  • 水槽の中

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    桜並木の坂道を上がると正門が見える。
    海辺の町の、海の見える高校で、同じクラスの遥とマーリン、バンちゃんとアルトの4人の一年間を綴った物語。
    バンちゃんとアルトは、考古学部員の男子。
    派手な子や目立つ子もいるけれど、いじめのない良いクラスメートたちに囲まれて、何か特別なことがあるわけでもないけれど、読んでいて何故かわくわくしてくる。
    これが青春ていうやつかなぁ。

    高ニのあの頃の初々しい思い出の数々。
    大人の恋愛の一歩手前のような、切なくて胸がキュンとなった恋も、かけがえのない友情も、何もかもがぎゅっと詰め込まれていて、記憶の断片として、いつまでもいつまでも大事にしておきたい。
    ひかりに反射し

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    2023年10月25日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    最後に題名とカバー絵が沁みる! 宇宙工学を目指す高校生の光二は、好きな女子に告白できないまま目の前で彼女を失う。そして、同じ物理の分野でもタイムトラベルを研究する大学へ進学し、そこで本物のタイムマシンに出会うのだが……失った彼女を想い続け、過去を変えることを厭わない彼は、周りの人間の想いには気付けず、時空の歪みを引き起こして別の人生を歩まざるを得なくなった。恋愛を含めた人間関係に執着しない彼の軽妙な会話も、この物語を楽しむポイントだ。科学技術の進歩が人類を不幸にするかもしれないという寓意も込められている。

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    2023年10月22日
  • 神さまを待っている

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    2年ぶりの再読。テーマは貧困。
    すごく引き込まれる内容だった。面白かった。
    主人公である水越愛の苦しい状況を応援したいという猛烈な想いと、テーマが決して他人事ではないという緊張感があったことが没頭できた理由だと思う。

    登場人物に、2児のシングルマザーであるミサという人物が出てくる。
    彼女は、出会い喫茶で、「茶飯」ではなく「ワリキリ」をして生計を立てている。そこまでしないと家族を養っていけないのが、読んでいてとても苦しかった。生活保護を申請しようにも、学歴のないミサに対し、市役所の人が怒ったような、責める態度になるという。おまけに彼女には発達障害があって、制度のことなんてなおさら理解できない。

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    2023年09月12日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    ネタバレ

    高校生の丹羽君は自分の気持ちを伝えようとしていた相手である長谷川さんを交通事故で亡くしてしまう。大学生になり研究室にあるタイムマシンで過去に戻るがそこで目にしたものは…。

    元の時代に戻れてもそれは全く同じ世界でないというのがこの物語の主軸となっている。いるはずの人がいなくなってる世界。

    魚住さんは丹羽君をどんな気持ちで送り出したんだろう…。丹羽君も長谷川さんも魚住さんも好きという気持ちを言えずに会えなくなる切なさ。

    平沼先生に会う時お弁当箱に入った奥様手作りの草餅をお土産に持参した丹羽君のお父さんには涙でした。

    最後に出てきた村上さんが誰なのかピンと来なくて考察を読んでそうなんだ…と。

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    2023年08月23日
  • 神さまを待っている

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    しんどかったー…。何度も何度も、途中で本を閉じて深呼吸が必要だった。

    私もブラック企業で働いたり、つまずいたりしたせいで、精神・物質両面で貧困を味わった時期が長かった。20代の頃って、楽しいし体力もあるけど、何だか貧しかった記憶がつきまとう。
    その頃を思い出すには、十分すぎる心理描写だった。ほんとにリアル…。

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    2023年08月16日
  • 水槽の中

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    高校2年生の帰宅部の女子遥とマーリン、そしてクラスメイトで考古学部の男子アルトとバンちゃんの仲良し4人組の青春物語。

    読み始めは少し退屈なお話だな…なんて思ってしまったけど、花火大会でアルトが遥にいきなりキスした場面からこの2人の恋の行方に目が離せなくなりました。花火大会、文化祭、修学旅行、球技大会。高校生活にはどれも欠かせないイベント。気になる人がいたら気合いも入りますね。読んでいたらいつの間にか自分も高校生に戻ってました(笑)

    卒業後はみんなバラバラになるかもしれないけど、この4人の関係は何だかいいな~。

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    2023年08月10日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    ネタバレ

    ポプラ並木さん、bmakiさんのおススメ
    SFは私の老化した脳が付いていけないのだけれど
    これは登場人物の内面も深く描かれていて
    時空を飛んでもなんとか(笑)
    設定も面白く夢中になって読んだ

    二人の若い想い
    切ないね

    私は年齢的に丹羽光二の両親の想いが刺さってしまった

    あちらとこちらの世界
    それぞれに懸命に生きている

    ラストにやわらかな光がさしこんだ

    ≪ 初恋が 胸あふれだす 命かけ ≫

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    2023年08月09日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    ポプラ並木さんのベスト11の中に入っていて、私が未読だった一冊。

    SF。私はそれほどSFが得意分野ではないのだが、パラレルワールドの物語はその中でも割と好きな分野(*^▽^*)

    プロローグから本編に入っていくあたりが、どうにも読み辛くなかなか頭に情景が入ってこない(-。-;
    会話文の連続が、誰が喋っているのか全然ついていけず(^◇^;)


    48歳の私。
    どうも最近、老眼が進んできたようで、少し字が小さいと、うまく読めないのだ(^◇^;)
    私はど近眼で、眼鏡をかけると文字がかなり小さくなってしまう。。。

    100均で老眼鏡を買ってきた(笑)
    こりゃ読みやすい(笑)

    そこからはスピードアッ

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    2023年07月17日
  • 夏のバスプール

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    ネタバレ

    最近何故か青春ものが続く。主人公・涼、夏休み直前の登校中、同じ高校の女子・久野ちゃんにトマトを投げつけられる。久野は野球好きの弟が中学でいじめられたことで仙台から転校してきた。久野が野球部の西澤と付き合っているという噂。涼の元カノの微妙な距離感、親友カップルの関係もおかしい。涼は自分では気づかないうちに西澤や身近な同級生に心に傷を与えていたことを知る。青春時代の繊細な心情、微妙な距離感、疑心暗鬼、このすべて青春なんだ!ラストの涼と久野が対峙する場面はドキドキした。畑野作品の短文だけど鋭い描写を堪能した。④

    仙台の強豪野球部というと2校。仙台育〇と東〇。悪いイメージされちゃうのは困ってしまう。

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    2023年07月01日
  • 夏のバスプール

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    夏になると読みたくなって今年もまた読み始めました。
    学生のときの夏休み直前〜夏休みの期間って本当に魔法のような特別な時間で、大人になればなるほど恋しくて。あの時の感情にまた出逢いたくなります。

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    2023年06月25日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    普通に面白いエンタメなのですが、ロボットだとかバーチャルだとかそういう近未来要素は特に本筋とも何の関係もないので、別にいらなかったのでは?と思ってしまいました。そういう要素が作品を陳腐にしてしまっている感じです。
    でも、基本的には面白くサクサク読めてよかったです。

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    2023年06月05日