畑野智美のレビュー一覧

  • 国道沿いのファミレス

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    私が父のことをあまり良く思わないのは、きっと自分と似てるからなんだろうな、特に自分の嫌なところが。
    歳を取って、鏡に映る顔の形やちょっとした仕草や口調が似てくるのを自覚すると、益々そう思うようようになった。
    だけども、ほんとは自分の嫌なところは、多少の遺伝はあったとしても、自分の人生の、自分の責任なんだよね。
    息子を持って、二人とも独立した今となって、もっとこう接してあげていたら良かったとか、こう育てていれば良かったとか思うけど、彼らの人生には、私はまた間接的にしか関与できなくて、彼らの人生は自分で作り上げるものなんだよ。今度の次男の就活でつくづく思った。
    ずっと長い、父と私、私と息子たちとの生活を経て、そういうことが漸く分かって来たのも今更なのだけど、この小説の、主人公と父の関係を見ていて、そういうことを改めて思った。
    前置きが長くなったけど、この小説、ファミレスのチェーン店に勤める主人公・佐藤善幸がネットに書かれた良からぬ噂によって、都心の店から、遠く離れた故郷の町の店に飛ばされてきたところから始まる。
    幼馴染みのシンゴ、その母の茜さん、高校の同級生でシンゴの恋人の吉田さん、行きずりから恋仲になった綾さん、女にだらしない父、それを赦してこの日まで来た母と祖父、店の上司・同僚とアルバイトの面々…、これらの人との交わりの日々がグダグダと描かれる。
    それにしても、このグダグダ感がリアル過ぎ。
    したいことが何もない、将来の確たる希望もない、ただ生きるために生きている、欲望に任せて彼女と交わる、執着もなく、愛情も薄く、若者だけでなく、多分人間誰しもが持つ怠惰な欲望がこれでもかというように描かれて、自分の怠惰な心にグサッと来る。
    だけども、それでも「立派な社会人になる」程度のささやかな望みの中で、恋を実らせ、仕事に生きることも、ちゃんとしたひとつの人生と思わせて、エンディングのささやかな幸福感が余韻あり。

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    2015年10月03日
  • 星のうらの恋

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    アイドルとの恋愛の夢物語だけで終わらず、主人公が会社員として働く職場での男女差別、女性の働きづらさやキャリアの築き方、30代目前の悩みに共感できた。

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    2026年10月12日
  • 星のうらの恋

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    ネタバレ

    知り合ったときは誰だか知らなかった。好きになった人はアイドルだった。誰にもバレず同棲、その後自分探し的なワーホリ。ワーホリ中の旅先にアイドルの彼が追いかけてきて、うーん期待していた内容と違ったかな。推しがいる人には楽しいのかもしれない。

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    2026年10月11日
  • ヨルノヒカリ

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    ネタバレ

    刺繍屋さんのお話
    勤めていた飲食店潰れてアパートは取り壊し、1人露頭に迷っていた主人公が住み込みで働ける店を見つける。
    それが刺繍屋さん。刺繍屋さんのの店主は恋愛というものがどういうものか理解できないが、主人公の孤独そうで子犬みたいなところをほっとけなくて働いてもらう。
    平和な日々を過ごすが、ある日店主を傷つける男性を殴ってしまう。自分の中の凶暴性に向き合わなくてはいけなくなる。

    男女で一つ屋根の下、普通なら恋愛・結婚と言われる年齢だが、そもそも普通とは何か。
    感情とは何かにわ一般的なものに当てはめなければならないものなのか。葛藤するお話
    一般的に の重みがよくわかる作品。特に感情に関しては一番一般的にが通用しないと思う。
    一般的に を自分が他人に言うべきではないと思った作品であった

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    2026年10月08日
  • 消えない月

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    なんと言っても後味の悪さ、、
    題材がサイコパスだからそれは仕方ないのかな。
    大体、幼少期に注がれなかった愛情は大人になると異様なカタチで相手に求めるようになる。
    この松原も同じで、これは彼の幼少期で且つ家庭環境が招いているとしか思えない。
    しかし、被害者に関しても最初の曖昧な態度が相手に火をつけているとも言える。
    服従させるような人格が見えた時点で、離れる行動は大切だと思う。

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    2026年10月05日
  • 宇宙の片すみで眠る方法

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    『いつでも、誰よりも、わたしを大事にしてくれていた』
    『生きていてくれたら、ずっと好きでいられた』

    『酔っぱらっているというほどでもないのに、高橋さんと話したい気持ちになる』
    高橋さんとの不思議な関係
    『でも、その線を越えてはいけない』

    依里の行き場のない想い。
    眠れない彼女が、寝具店で、さまざまなお客様と出会う。
    依里が最後に決断したことには、考えさせられたけど、これからのことも少し想像しながら、本を閉じました。

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    2026年10月04日
  • 大人になったら、

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    最後の文章が素敵で、読んだ直後余韻ひったひたになりました。
    私も31歳で仕事に対する目標ってなんだろう…結婚して子供を産むのが正解でいいとされてることなのか、周りと比較してしまう主人公に共感した。そして、大人になってからの「普通」や「恋愛」、人を好きになることがこんなにも複雑に思えてしまうのは、自分に何もないからなのかと思いました…私も「命より大切」と思える存在にめぐり逢いたいし、そう思ってくれる人と一緒にいたい。

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    2026年10月03日
  • 大人になったら、

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    『大人になったら、』という題名に興味を持ったので読んでみた。

    解説にもある通り、葛城命という主人公の身の上やその思想を描く筆致は見事だった。

    小説内では基本メイと呼ばれるが、彼女はいわゆる「35歳独身の拗らせ女」と呼ばれる人である。そのことは解説でも書いてある。
    彼女はキートスという喫茶店の社員であり、出世欲と結婚願望は、明確には意識していないものの「なんとなくある」。これも本当に「よくいる」という感じだ。

    つまりは本当に「片腹痛い」もっと言えば「イタイ」と思わせる書きぶりであり、読者の感情を揺さぶるに足る表現力があるということの裏付けであろう。

    しかし結局、私の中に最終的に残った読後感は、
    なんとも言えない不快感や疲れであった。

    多くの読者に読まれて感情を動かす物語世界を描くことと、本当の名作とされる小説の違いは、
    まさしくこのことであろう。

    小説を読んだ後、自分の中に何が残るか。

    不快感を味合わせるくらい良い表現で分かりやすい作品と、なんだかよくわからないがためにさらに深く読んで考える必要のある作品とがあれば、
    私は後者が好きだ。

    その点でこの小説のよい点を挙げると、葛城命という人間を反面教師的に受容できる点であろう。

    羽鳥先生との将来が暗示されて物語は幕を閉じるわけだが、私はその先にとてもではないがいい未来は想像できない。

    いい未来を想像させないことは作家としては凄いのだ。しかし、ネガティヴなニュアンスで心の箱に終われてしまうのだ。
    それは果たして「いい小説」と言えるのだろうか。私はそれが疑問なのだ。

    これは自分の中である種の「教訓」となった。言ってしまえば、「イタイ人と付き合うと大変だ」ということだ。

    教訓となっていることは凄いのだ。
    しかし、それは「ネガティヴな教訓」なのだ。

    良いか悪いかはさておき、とにかくそうなのだ。


    しかし、現代の女性を象徴するような社会的な姿とそこに息づくリアルな心情があることも確かに感じるため、そこに考える余地はあるような気がした。

    ジェンダーの観点からもう一度読み返そうかな。

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    2026年09月27日
  • 星のうらの恋

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    推し活、貧困、副業、自己実現など現代の要素がたくさん詰まっている本だった。

    アイドルと付き合うというちょっと非現実的な感じがすごくファンタジーだったけど、未来のことを考えすぎず今を全力で生きるという姿がかっこいい。

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    2026年09月24日
  • 若葉荘の暮らし

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    40歳以上・独身女性のみのシェアハウス。コロナ禍で飲食店のアルバイト店員をしていたミチルは生活費を抑えるためシェアハウスに入居する。
    そこには事情がありながらも自立して生きる女性達がいた。一緒に食べ、時には交流し、でもあっさりとした付き合い。
    ミチルは人と出会い、環境が変わる中でひとつの決意をする。

    シェアハウスの暮らしの描写がとてもよい。清潔でちょっと副菜もらったり、百円でハイボールを購入したり。人たちもよい。自分もシェアハウスに入居したかのような体験ができます。
    明るくワイワイシェアハウスではないけど、落ち着いた清々しい物語。瀬尾まいこ先生や小川糸先生を好む方に良さそうです。

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    2026年09月22日
  • 大人になったら、

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    結婚するかしないか、子供をもつかもたないか、仕事との向き合い方など30代女性が誰しもが悩み、周りとの比較し傷つきながらも自分なりの人生を模索している様子が同じ年代として身近に感じられた。大切な人が急にいなくなったことで傷付き、苦しんだ過去をもつメイと羽鳥先生が不器用ながらも少しずつ心を通わせ、また新たに人を信じ、支え合う存在になろうとしている点に温かい気持ちになった。

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    2026年09月20日
  • 星のうらの恋

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    アイドルの推し活の話、パートナーとの関係、会社でのハラスメント、海外留学など、全部含めての女性の生き方の話を、畑野さんのやわらかで流れるような筆致で描かれていました。選択肢を、曖昧なまま決断しきれないまま進んでいく、その様子がリアリティを伴って身に染みてきました。瑠璃と拓海、2人の幸せな行先を望むばかりです。

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    2026年09月19日
  • 14歳までの犯罪

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    出てくる人出てくる人嫌な子ばっかりで、主人公も嫌な子で後味悪いけど、我が子もそうなるかもと恐ろしかった。

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    2026年09月19日
  • 若葉荘の暮らし

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    女性が一人で生きるための物語とても面白く読めた、最後の方で男性の方が高齢になった時楽しく働ける場所がないと言うくだりがものすごく刺さった。ほんとにそうだと思う…

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    2026年09月18日
  • 14歳までの犯罪

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    なんか若いなと思った。14歳ってなにもかも有耶無耶だったなあと思い出した。14歳の時に読みたかったな。

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    2026年09月14日
  • 30代後半、独身、ひとり暮らし

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    漫画家の藤波夏帆は、『月収十五万円、六畳一間で夢をかなえる』でデビューして以来、節約・ライフスタイルエッセイを中心に、そこそこの人気を保ってきた。だが38歳を前に、これまでの作品で伝えてきたメッセージや世間でのイメージ、そして脚本家の彼氏との間にズレを感じ始める。自分が本当に描きたいものは、何だろう。新連載に向けて始めた取材と観察は、やがて夏帆の生活にも波を起こし始め・・・。

    最初エッセイなのか?と思いながら読むくらいにはわりとありそうな話かつ、ご都合主義がない結構苦い展開である。おいおい、この年齢の女子を捕まえておいてそれはないだろう・・・というくらい彼氏がひどい。私ならもう無理すぎて秒で別れる選択しかない。でもこういう長年阿吽の呼吸で、しかも自分からアタックしたようなパターンだと、なかなか別れる踏ん切りがつかないものだというのもよく分かる。読んでいてゔっとなる場面がいくつもあって30-40代の女にはリアルすぎる。最後はここで終わりなの?というわりとあっさりな感じだが、だらだら彼氏と続いたり編集者さんと恋愛関係に持ち込まなかったのは良かった。

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    2026年09月13日
  • 30代後半、独身、ひとり暮らし

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    現代の日本を舞台にしているからすごく身近に感じることが多くて、お金の話など自分はどうだろうと振り返るきっかけになった。

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    2026年09月13日
  • 世界のすべて

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    淡い紫のレースカーテンの向こう側を見ているように感じた。関係ないのかもしれないけど、どこかで関係あるような、形が違えど自分の中にもそのカケラがあるのではないかと考えさせられる小説だった。

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    2026年09月11日
  • 大人になったら、

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    不器用な大人の恋愛が垣間見れた感じ。
    ゆっくりお互いのペースで着実に進めていけたらいいな。
    35歳、20代と40代の間にいて、1番複雑な時期だと思った。

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    2026年09月11日
  • 消えない月

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    ストーカーをする側とされる側の視点の交互に繰り広げられる文章。
    認知の歪みって恐ろしいなと思いつつ、やはり幼少期の親からの愛情がどれだけ大切なのかを思い知らされる。

    こういう認知の歪みのある人は一定数いるからこそ、出会ってしまった時の対処法は結局どちらが死ぬまで終わらないのか。
    読んでいて最後まで不快と嫌悪でいっぱいになる。

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    2026年09月10日