畑野智美のレビュー一覧

  • 国道沿いのファミレス
    第23回小説すばる新人賞受賞作。
    ファミレスの店員の主人公が地元のファミレスに左遷され、
    親友と恋人との関係を通し、問題があった家との関係に折り合いを付けながら、
    成長して行き、最後は幸せな結末を迎える。
    主人公にハラハラしながら、読み終わると最後に心あたたまる小説。
  • タイムマシンでは、行けない明日
    タイムマシンがあったら、私はどうするんだろう。やり直したいと何度も夢に出てくる大学院2年の夏に帰るのか。そうすると今居る息子には会えなくなるな。それは、辛い。

    与えられたカードで最善を尽くして生きること。タイトルが良いなぁ。
  • シネマコンプレックス
    映画館って普段意識しないけど、こんなに部門があって忙しいんだなぁ。色んな悩みを抱えながら少しずつ前向きになっていく。徐々に静かに盛り上がって、最後の言葉が沁みる。
  • 夏のバスプール
    ずっと気になっていた作家、畑野智美さん。
    夏に文庫化されて買ったものの積読。
    夏が終わる前には……と思いつつ、もう秋になってしまった。


    第一文の赤い色が印象的。
    赤と言えば、「久野ちゃんの赤い傘が見つけられない。」も好きだ。
    見つけられなのだから視界に赤はないはずだが、赤い傘がどこかにある映像を...続きを読む
  • 海の見える街
    読むとふわっと心が穏やかになる話
    何気ない日常の中で何気ないことが重なって
    4人がそれぞれ幸せに向かって少しだけ、少しずつ前に進む感じ
    章が進むごとに4人のことをどんどん好きになるのが心地良い
    ラストは予想通りすぎるんだけどやっぱり感動する
  • 海の見える街
    本田さんみたいなタイプが元々の好みだったから春香ちゃんの気持ちには寄り添えなかったけど、これまで読んできた学生同士の恋愛小説とは違う魅力に気づく事ができた。
    松田さんのその後が気になるんですけど…
  • 海の見える街
    各章毎に登場人物の語り手が変わることでそれぞれの恋愛を徐々に感じることができる。それぞれの過去や考え方を知ることで登場人物の印象が変わっていく。何より、恐らくこの子と恋に落ちるんだろうなという女の子の最初の印象が最悪だったのだが、それが徐々に逆転していく。
    人との出会いによって考え方が変化する。特に...続きを読む
  • 南部芸能事務所 season3 春の嵐
    再読。
    新城の『プロ』、新城のお姉さんの『姉と弟』、ナカノシマ中嶋の『家族』、インターバルの榎戸君の『一人暮らし』、津田ちゃんと付き合う橋本の『東京』、テネシー師匠の『ピン芸人』、そして『春の嵐』。…

    どの話もキュンとくる切なさです。
    覚悟を決めた新城が頼もしく、でもお姉さんの前では可愛く愛おしい...続きを読む
  • 海の見える街
    片想いの人を想ってどうしようもなくドキドキする気持ち、不安になる気持ち、全部が共感できて辛いくらい感情移入してしまった。
  • 運転、見合わせ中
    朝のラッシュ時に電車が緊急停止。アクシデントに遭った六人の男女、それぞれの止まっていた心が再び動き出す物語。
    一種の『if』ものになるが、客観的に見て人生が大きく変わったわけではない。しかし、このままズルズル行っていたら悪い方向に流れていただろうという人たちが、運命のいたずらにより一瞬にして気持ちの...続きを読む
  • 国道沿いのファミレス
    おもしろかった。主人公の、女にだらしのないのはちょっとおいといて、勤務先ファミレスのバイトの子たちや親友や家族とのふれあい場面は読んでいて心地がいい。

    私の頭の中で主人公は福士蒼汰。
  • 南部芸能事務所 season4 オーディション
    南部芸能事務所シリーズ第4弾。
    いよいよTV番組のオーディションが始まる。
    今作は芸人を目指すメンバーがお互いをライバルとして視ている様子をリレー形式で表現されてます。
    それぞれが不安や相手が失敗することを期待してしまう事への嫌悪など心情が伝わってきます。
  • 南部芸能事務所 season3 春の嵐
    シリーズ第3弾。
    新番組が始まるとの話がささやかれ始めて各事務所の若手新人芸人たちの焦りが見られる。
    またそれに伴って関わる先輩、スタッフの様子もあり。
    厳しい世界でどう這い上がっていくか。
    いよいよ次作にて芸人としての実力などが表現される様子なので期待。
  • 南部芸能事務所 season2 メリーランド
    南部芸能事務所シリーズ第2弾。
    漫才師を目指す大学生2人を中心に事務所に所属する人々の目線でリレー形式に展開する短編集。
    前作から約1年後位の様子でお笑いの世界が少し見えてきている。
    リレー形式なので主人公がその都度変わるがその主人公なる人物が意外な人なのでそこがおもしろい。
  • 感情8号線
    私が読んだのはこの表紙じゃないけど。
    大好きな連作短編集。いつものように相関図を描いて楽しんだ。
    二子玉の芙美みたいな主婦はほんといそうだし、荻窪には真希みたいな劇団員の子がいるっぽい。

    他の作品も読んでみたい。
  • タイムマシンでは、行けない明日
    たぶんSF小説の分類になるんだろうけど
    どこか現実的で、私の苦手なSFとは違う。

    まぁよくある話だなと思って読んでいたら
    途中からはがっつり印象が変わった。

    自分の選んだ道が1番よかったのかなんて
    そんなの誰にもわからないけど、
    どんな場合であれ結局最終的に選んだのは自分。
    未来をどう変えるか決...続きを読む
  • 感情8号線
    環状8号線沿線に住む女性たちの六つの連作短編。連作短編は「へーそういう繋がりがあったのね〜」と1度で2度美味しい的な楽しみがあるので好き。

    どの話もハッピーエンドではなく、モヤモヤ感が残ります。

    麻夕ちゃんみたいな子は、お嬢様育ちのせいか、自分のまわりの人の事などお構いなく、さっさと一人で幸せを...続きを読む
  • 海の見える街
    全体的にゆったりとして、穏やかなストーリーで、読みおわったあとは心が温かくなった。恋愛小説はあまり読まないけど、これなら重くないので読みやすい。他の作品も読んでみたい。
  • 夏のバスプール
    等身大の高校一年生が、みごとに描かれていて、想像以上に面白かった。
    人を見下したり、いじめに加担してたり意識化に無いところで心無い行動をしてることは確かにあり、この主人公は誰にでもどこかあてはまるんじゃないかな。
    でも、最後は心を偽らない行動を涼太と久野ちゃんがとってくれたので嬉しかった。
  • タイムマシンでは、行けない明日
    初読みの作家さん。私が最も手を出さないジャンル、SF。SFというより恋愛?恋愛というより・・・?と、なんともジャンルの区別が難しい本でした。

    物語は、理系男子高校生が、初めての恋をして、その子に想いを伝える前に、その子は待ち合わせの場所で車に轢かれて亡くなってしまう。
    大学生になった理...続きを読む