畑野智美のレビュー一覧

  • 神さまを待っている
    26歳でホームレスになった貧困女子のお話。お金もそうだけれど頼れる相手がいないことも貧困から抜け出せなくなる要因の一つ。こんな世界になってから仕事柄、頼れる人がおらず心を病んでいく人たちに出会うことが増えた。いま誰かに差し伸べる手はいつかの私のためにもなる。
  • 罪のあとさき
    最後で締めくくる言葉が素敵で狡いと思った
    僕にも大切にしたいと思える命ができたり存在に気付いたりできるのだろうか
  • 神さまを待っている
    大学卒業後、派遣切りにあった貧困女性の話。
    人による貧困の価値観や世間の見る目を考えさせられる話でした。

    畑野さん作品なのでどうしても消えない月のヒロインと色々かぶりました。
  • 水槽の中
    スクールカーストではなくて、将来に不安を感じながらも、友達や恋愛などキラキラとしたものが流れていく、限られた時間を感じた。
    高校2年の一年間を切り取った作品。
    季節の移ろいや海が象徴的。
  • シネマコンプレックス
    たまにしか行かない映画館だが、シネコンってこんな感じで仕事が回ってるのね。
    島田貴美さんと岡本君、ラスト1ページがハッピーエンドでよかった。
    長年フリーターであるこの二人の他、学生バイトの加藤君や木村君、新人バイト片山さん、小学生の母である宮口さん、オフィスの千秋さん、それぞれの立場で書かれたそれぞ...続きを読む
  • 南部芸能事務所
    『平和で安心して暮らせるならば、芸人はいなくて良くなる。生活で心が満たされればそれに越したことはない。それができないから芸人がいるんだ。辛い思いをしている人がいる時こそ、芸人は必要になる』。

    人は大人になって何かしらの職業に就きます。それは、もちろん生活のためということはあると思います。もしかする...続きを読む
  • 感情8号線
    環状8号線沿いに暮らしている6人の女性たち。
    人生や恋愛に迷う彼女たちのリアルで切ない物語。

    登場人物に自己投影していた。
    読みやすく面白かった。
  • 水槽の中
    友達でいたい。好きかもしれない。つきあいたい。でも気まずくなるのが怖い。高校生活はあっという間に終わるけど、人生のなかでいちばん凝縮した日々がつまってる。もうあの頃には戻れないけれど、あの頃の色んな気持ちを懐かしく、ほろ苦く思いだした。
  • 感情8号線
    6編収録
    登場人物たちのつながりや時系列から
    連作といっていいでしょう
    環状8号線沿いの街を舞台に女性の恋愛事情なお話でした
    いろんなパターンのお話でどれも楽しめました
    それぞれのその後の話もあるといいかなと思いました
  • 神さまを待っている
    今のわたしにとって、これ以上生々しい本は、無い。

    今の日本の(女性)社会にとって、これほど生々しい物語(いや、これは体験談でもあるならば、なんというノンフィクションなのだろうか、これは。)は、無いのかもしれない。

    わたしも水越と境遇はほとんど変わらないのに、いや、変わらないわけではないけど、少な...続きを読む
  • 南部芸能事務所 season5 コンビ
    感想書き忘れてたけど
    1から5までさくっと読めた。

    コンビってすばらしい。
    もちろんピンもトリオもすばらしいけど。
    よかった。
  • 罪のあとさき
    再読。
    今回もかなり複雑な気持ちで読みました。
    卯月の犯罪は、理由が何であれ正当化されてはいけないと思います。
    殺していい命なんて絶対にないんです。
    更生した元犯罪者に対して、楓のような心境になれる自信はないです。
    裕子さんや芽衣子の気持ちは良く分かりますが、ホントはそれではいけないのかもしれないで...続きを読む
  • 南部芸能事務所 season5 コンビ
    大好きなシリーズなのに、この本が出たのを全く知らなくて、今年に入って気がついた。なかなか中古本屋にも出て来ず、ようやく入手。

    前作の、長い長いエピローグみたいなお話が7つ。
    オーディションに敗れて閉じこもったままの新城。
    売れっ子になっても寄る辺のない葵。
    レギュラー番組を持って舞い上がる中野と野...続きを読む
  • 国道沿いのファミレス
    小気味よいテンポ。
    ハードボイルドやミステリーを読む元気はないけどなんか読みたいって時にちょうどいい。
  • タイムマシンでは、行けない明日
    高校時代に事故で亡くなってしまった想い人を救うために、タイムマシンに乗って過去へ。
    ロマンチックSF好きにはたまらない設定だが、過去を変えたら当然起きるよねパラドックス。
    過去を変えようとしたせいで未来が変わってしまいどうしようもなくなってしまった男のお話。

    舞台は好みだし、登場人物が個性的で魅力...続きを読む
  • シネマコンプレックス
    学生の頃は1年に100本くらいの映画を見ていたが、その頃はシネコンは無く、大きなビルにいくつも映画館が入っているところはあったけれど、チケット売場はひとつでも、地階が「東宝シネマ」、2階が「宝塚劇場」、5階が「スカラ座」、7階が「東宝名画座」てな感じで、モギリや売店もそれぞれの階にあるという作りだっ...続きを読む
  • 運転、見合わせ中
    朝のラッシュの時間に電車が止まった。
    そこに居合わせた人たちの話
    大学生、フリーター、デザイナー、OL
    そして、引きこもり、対応している駅員
    普通の人たちの話。

    どの人もそれぞれ悩んでいる
    電車が止まった事で、答えのきっかけを掴む
    全てがいい方に解決するわけではないけれど
    よかったねと思える
  • 罪のあとさき
    少年事件を扱った内容ですが、卯月君の全く悪人ではない描写から 重いテーマでありながら、サラサラと読めます。

    人とは違う記憶力を持つ卯月君と言語能力に欠けた妹・千尋、病的な心を持つ卯月の母親と頼りない夫。
    複雑な家庭環境の中で何とか必死で生き抜いている卯月。

    そして永森君を殺害してしまった卯月君...続きを読む
  • 海の見える街
    全く違うタイプの人間と心通わせて仲良くなったり、身近にいる人を好きになっている自分に気づいたり、言えなかった気持ちを伝えたり…恋愛を含めそういう経験は成長させる。今となっては懐かしくて、なんだか羨ましいなー。
    でも誰かと一緒にいて、語り合いたいっていう大学生の頃の気持ちを思い出した。
  • 海の見える街
    恋愛物は苦手な私でもこの作品はとても楽しめた。読み終わった後にぼーっと色々想像しました。みんな愛しい。