畑野智美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
マッサージ店に勤める女性が、お客と少しの期間交際したばかりに、ストーカー被害にあっていく…。
被害女性視点とストーカー視点の2つで物語は進んでいくため、普段触れることのないストーカーする側の視点や、どういった思考回路でその結論に至るのかが描かれていて到底理解出来ないと思った。また1人の女性にそこまで執着できることを少し羨ましくも感じた。もしかすると、被害女性が好きなのではなく、そういった環境に身を置いている自分自身が好きなのかもしれない。
反対に女性視点では、どれだけ逃げ続けても、ストーカーの思い通りにならない限り、何をしてくるか分からない恐怖、履き違えた愛情をひしひしと追体験できた。
生 -
Posted by ブクログ
グロいな、と思ってしまった。
希望が見えては失われていく過程をさまざまな状況で見せつけてくる。就活生なので「私もこうなるのか…?」とヒヤヒヤしながら読んでいた。
けど、私にはいざという時に助けを求められる家族がいる。この物語は「頼れる人がいない状況が貧困だ」ということを伝えたいのだと思う。その視点で見ると、私が貧困になる確率は低いから安心してしまった。いや、安心していいのだと思うけれど。
愛が夜職を軽蔑しない考え方は私は賛成できないかな。この本が執筆された頃は死なないための手段の一つとして夜職があったのだと思う。世間も夜職への批判はありつつ「生きるためには」と思っている部分もあったと思う。 -
Posted by ブクログ
怖いけど、本を読む手も、彼の暴走も、止まらない… そして読み終わった後は題名の意味がスッと理解できるようになる。
人生において縁がないものであってほしいストーカー。彼らがどういう経緯で、心理で、そのような行動に出るのか気になって読んでみた。
ストーカー加害者、被害者の両方の視点が交互に描かれていることで、ふたりの思惑がどのタイミングですれ違うか、また加害者の狂う段階が垣間見れて興味深かった。ストーカーになる側の思考回路が支離滅裂すぎて、まるで自分が理不尽な理由でストーキングされているかのような疑似体験を通して、恐怖に怯えながら読み進めないといけない。
ストーキングに至るまでの経緯で被害者に -
Posted by ブクログ
【2024年183冊目】
独立を夢見て、マッサージ師として働くさくらは、常連客である松原の告白を受け、付き合うことに。最初は優しかった松原だったが、徐々にモラハラの片鱗を見せ始め、耐えきれなくなったさくらは、松原に別れを告げる。さくらはきっと誰かに脅されているんだ――距離を置こうとすればするほど松原はエスカレートしていき…。
読み始めてすぐに、「これ、下手なホラーよりだいぶホラーな話かもしれない」と思い「ええ、やだなぁ…」と顔をしかめながら読みました。いわゆる、ヒトコワという奴だったのかもしれません。一言で言えばストーカー話なのですが、ストーカー側の感情の描写がやけにリアルで「あれ?もしかし