畑野智美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルと表紙絵から想像したのは、なんらかの理由で眠れない女子が、様々なアドバイスをもらいつつ、睡眠と生活を立て直していく話。ざっくりとはそうなんたけど、思ったより重い感じだった。
主人公の依里は、婚約者の直樹を事故で亡くしている。出張だと言って、既婚者の女性と温泉旅館に泊まり、帰りにバス事故で2人とも亡くなったのだ。眠れなくなった依里は、たまたま訪れた寝具店でお勧めの寝具を一式買って、どうにか眠れるようになる。そして、今はその寝具店でパートとして働いている。そこへ偶然、直樹と共に亡くなった女性の夫、高橋が客として訪れ、直樹に囚われていた依里に少しずつ変化が…。
話の核として、連れ合いを不倫の果てに亡くしたかもしれない、依里と高橋の心の軌跡がある。
そこへ依里の仕事を通して、枕やマットレス、羽毛布団の知識が披露される。私は、すごく勉強になった。
もう一つ、寝具店のパワハラマネージャー、お客さんのモラハラダンナ、自分のことは後回しになりがちなお母さん、など、抑圧される女性の描写もある。そして、依里と高橋も、自覚ある無しの違いはあるものの、相手に合わせてしまう面があるという推察が語られる。相手が亡くなってるだけに、自覚のなかった依里は特に複雑だろうなあ。2人が本当に不倫関係だったかどうかは、直樹が巻き込まれた感があり、でも真相は永遠にわからない。依里も高橋も私もモヤモヤである。
依里と高橋が、2人で事故現場を訪れ、なんらかの区切りをつけられて、それぞれ自分の人生を考えられるようになったのは、後味の良いラストだった。2人は今後付き合うのかどうかは、ちょっと曖昧なままで消化不良だけど! -
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
あの人と過ごす「おやつ」の時間が、
今日を乗り切る力をくれる。
おいしいものを愛する作家陣が、
心とおなかの空腹をあたたかく満たす短編小説集。
●作品紹介
妻子ある政治家と逢瀬を重ねる画家の朱莉。
マスコミを避けるため延泊した伊豆の山奥のホテルで回想する、
これまでのこと。
――島本理生「楽園の代わりのカッサータ」
なりゆきから、派手めギャルとして高校生活を送る陽子。
クラス替えで再会した関優征は、かつて放課後をともにした相手だった。
――織守きょうや「ファースト・アンド・オンリー」
両親の交通事故がきっかけで瀬戸内海の島に住む叔父に引き取られた碧。
果樹が茂る庭の手入れをし、
その恵みをいただく中で回復していく少女の物語。
――友井羊「春とマーマレード」
アイドルグループの一員として活動している泉水。
テレビ番組のお題で、まもなく卒業するメンバーの大地と一緒に、
スイーツをプロデュースすることに。
――畑野智美「アンパッサン」
息子の大学進学にあわせて上京した尋乃。
そっけない息子の隣で思い返すのは、
幼い彼とふたりで東京に滞在したときの記憶で……。
――名取佐和子「ドーナツ息子」
休学中の高校を中退して、食の仕事に進もうかと悩む美也。
東京で郷里の友達、瀬里が暮らすシェアハウスに滞在するなかで、
食事とスイーツづくりを担当することになり――。
――伊吹有喜「ストロベリーの歌」
【個人的な感想】
どの話もほっこりするだけじゃない、深い悲しみや辛さが描かれていて読んでいて飽きなかった。 -
Posted by ブクログ
畑野智美さんの『水槽の中』を読みました。
読み終わったあと、しばらくぼんやりと自分の高校時代を思い出してしまった。
この物語に描かれているのは、同じ高校に通う遥、マーリン、バンちゃん、アルトの4人の1年間。友情、恋愛、勉強、そしてなんとなく見え隠れする将来の不安……。誰にでもある、でも二度と戻らない特別な高校2年生の日々です。
ドラマチックな大事件が起きるわけではありません。むしろ、どこにでもある「平熱の日々」。でも、だからこそ彼らの心の機微がダイナミックに伝わってきて、胸がギュッとなる。
「水槽の中」というタイトルが、まさにあの頃の、世界のすべてだった狭くて透明な空間を象徴しているようで、なんとも引き込まれました。
大人になって忘れていた、あの頃のヒリヒリした空気感に浸りたい人におすすめしたい一冊です。 -
Posted by ブクログ
30代後半って、生き方がバラバラに分かれていくタイミングなのかも。
学生時代はみんな同じような感じだったのが、結婚するしない、離婚するしない、子どもを持つ持たない、介護ありかなしか…様々な選択を経て、今の状況がある。体調不良も重なったりすると、色々不安になるのもわかるなぁと思いながら読んだ。
そして、ピタッとハマる雑誌がないというのも同感。ハイブランドがたくさん載っているものはただの憧れでしかないし、節約術ばっかりというのも面白くない。そういえば、雑誌も読まなくなったなぁと。
主人公の夏帆は漫画家として成功しているし、そんなに悲観的にならなくても…と思うけど、これは周りの男に恵まれなかったせいに違いない。
私だったら、年が離れていようとも貝塚さん一択!
夏帆が色々なものを吹っ切って、これからの暮らしを楽しんでくれますように。