畑野智美のレビュー一覧

  • アサイラム

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    性加害、いじめ、虐待、DVなどの被害者のために作られた街のお話です。
    こんな街が現実にあったら救われる人は多いんじゃないかな…というか、現実がこの街みたいに優しい世界だったらいいのになぁと思います。
    日本にはまだまだ性加害やいじめなどの完全に犯罪なのに犯罪となかなか認定されず被害者が泣き寝入りするしかない事件が山ほどあって、本当に暗澹たる気持ちになります。
    被害を受けて仕事を辞めざるを得なくなったり、転校したり、なぜいつも被害者ばかりがこんなに苦しまなければならないのか…。

    主人公のスミレは大学時代に同じサークルの男性からの性加害に遭います。数年後サークル同窓会で、同じサークル仲間が全員その

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    2025年08月16日
  • ヨルノヒカリ

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    あまり期待せず読んだのだけど、良かった。
    淡々と進む文体だけど、ひかり君の過去の話には苦しくなる。
    きゅっと抱きしめてあげたくなる。
    自分の子供が同じ思いをすることのないように。
    子どもたちが自分の気持ちにふたをしてしまうことがなるべくないように。
    と何度も思った。

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    2025年08月11日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    丹羽光二(にわこうじ)は両親、友人、思い寄せる女性らに囲まれて南の島で高校生活を送っていましたが、ある事件をきっかけに島を離れて東北地方の大学に入学。ひょんなことからタイムマシンに出会い、高校時代の事件を解決したいと思うようになっていきます。いわゆるタイムリープものということになりますが、そちらの側面よりも登場人物の心情描写、諦観や人への想いが丁寧に語られていて、大変好印象でした。星4つ評価としました。

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    2025年08月11日
  • アサイラム

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    こんな町が現実にあればいいのに。批判はあっても行政の支援は必要だと思う。自分が家族や友人だったら何ができただろうか。

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    2025年08月10日
  • ヨルノヒカリ

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    手芸店の店主木綿子は35年男性と付き合ったことがない。住み込み店員として同居することになった光は、今は亡き母を待ち続けながら大人になった。…
    前回読んだ「世界のすべて」にもアロマンテイックの人が登場していた。多分木綿子はそれではない。とは言え恋愛に臆病になっているから自分の感情に素直になれていない、ひかりくんへの想いは恋以外のなにものでもない、なんて決めつけはいけないのだろう。
    関係性に名前をつけてしまいがちだけど、人それぞれでいい。お互いが自分らしくいられたらそれでいい。
    素敵な人がたくさん登場した作品だった

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    2025年08月01日
  • 世界のすべて

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    凪の海のような、音もなく降る霧雨のような、静かでただじっと見ていたくなる風景みたいな物語だった。現実はこんなに優しくはないし、もっと痛いこと苦しいことを味わう人が多いと思う。日が暮れて夜になっていく空の色、と主人公が言ったソーダを飲んでみたい。

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    2025年07月18日
  • 世界のすべて

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    ネタバレ

    主人公の性質に共感する部分があったので、帯に惹かれて購入

    もしかしてマイノリティ?って思った時の不安と、特徴で分類されて名前がついてることの安心感、ずっと拭えない「いつかは、」の期待
    全てに身に覚えがありすぎたなぁと

    主人公もそうなんだけど、ある程度したらだいたいの人は向き合えてくると思う。
    ただ、子供が好き・欲しいと思ってる人にとっては、多くのセクシャルマイノリティって受け入れるだけじゃ解決にはならなくて
    向き合って割り切って生きてくしかないんだよねーと改めて思った。

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    2025年07月03日
  • 世界のすべて

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    喫茶店を舞台にしたセクシュアリティの多様性がテーマの繊細なお話だった。
    他の人と違う自分に悩んでる人に読んでほしい、ほっとするような温かさがあった。ラストもとても良かった。装丁の紫が綺麗。

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    2025年07月03日
  • 海の見える街

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    私はバッドエンドが苦手なので、いつもご法度であるけれど、最後を確認してから本を読み始める。
    今回もそうしたのだが、すると誰と誰がくっつくのかがわかってしまった!
    恋愛小説なんて、カップルがわかってしまえばあとは読まなくてもいいかな、とも思ってしまっていたけど、読んでみたら良い小説だった。
    何が良いのか、というと、じんわりとした人としての温かさを感じる小説だったところ。
    恋愛の行方だけじゃなく、文として良かったと思う。
    たまにくすりと笑える表現もあって、今回初めて畑野智美さんを読んだのだが、また読んでみたいと思った。

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    2025年06月22日
  • 若葉荘の暮らし

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    ネタバレ

    お互いに配慮しつつも共同生活で交流がある。今の私にはいいなと感じた。もちろん一人暮らしには一人暮らしの良さがあるけど、ふっと寂しさを感じる時もある。だから、家族ではないけど家族のように少しお互いを気にかけつつ個を大切に一緒に暮らせたら、日常の癒しになる時もあるんじゃないかと。まぁ、現実世界においては多々トラブルもあると思うけど。こんな所があれば、一度住んでみたいと思った。

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    2025年06月21日
  • 世界のすべて

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    水色でもピンクでもない、薄紫ベースのグラデーション表紙で色がまず綺麗だなと、惹かれて手に取りました。話の中で紫色について書かれているところがあったので、今作で大事なカラーなんだと思う。
    多様性について・ジェンダーについて、上澄みだけ掬ったに過ぎないが、改めて知る機会がなかったので読んで良かった。読めてなかったら、「そういう性格の人」で片付けて、嫌な固定概念を押しつけてしまったかもしれない( ;∀;)。気をつけよう。

    『とにかく僕は「普通の子」に見られたいのだ。自分の性や恋愛について、誰にも言わないのは自分自身が偏見の強い人間である証拠だ。そのくせ、誰かに「普通の子」と言われるとは引っかかって

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    2025年06月21日
  • 神さまを待っている

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    ネタバレ

    派遣切りにあった愛がホームレスに至るまで。ひとつひとつが不幸な出来事ではあるが愛の選択の積み重ね、全てそっちじゃない方を選んでいる。今の世の中は確かにこうなってる。でも愛には雨宮がいた。こんなに親身になってくれる人が、そうそういる訳はないのに、助けても言えない。でも貧困って思考もおかしくなってしまうほど、正常ではないんだろうな。通常でも小難しく書かれた役所の書類はわからないのに…
    愛には神様がいたけど、大多数の人には現れない。この本は2019年の本だけど今ならもっと神様はいないかも。手を差し伸べる余裕がなくなってる。厳しい現実。

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    2025年06月18日
  • アサイラム

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    ネタバレ

    2025/05/03予約 24
    アサイラムとは避難所、保護、亡命などの意味。
    心に傷を負った被害者が安心して暮らせる街を
    税金で賄っている。税金の使い道として理解してもらいにくいとは思うが刑務所は莫大な税金で運営されている。そう思えば被害者は自力で立ち直れというのは公平ではない。考え方のひとつとして、なるほどと思った。ただ体の傷を負った人、病を得た人の事も考えたいと思う。働きたいけど働けない、そして福祉からもこぼれ落ちる人は必ずいる。全ての人に同じように、と思うが言うは易しなんだろう。理想郷ではある、そんな国になればいいな。

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    2025年06月15日
  • ヨルノヒカリ

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    こんな感情は私には分からない…
    でも、ぐいぐいと引き込まれて読破。
    自分たちの形を大事にして、生きていってほしいと思いました。

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    2025年06月02日
  • アサイラム

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    いじめや何らかの犯罪被害者が避難して庇護下で生活できるという架空の街。本人だけではなく家族で住むことができる。
    被害者ではなく「加害行為に遭った」という表現に違和感があったが読み進めるとなるほどと思えた。
    加害者は刑務所や更生施設で税金によって暮らしているのに被害者にはそのような制度がないのは確かに矛盾している。
    犯罪被害者でなくても心を壊してしまう人が増えている昨今このようなコミュニティが必要だと感じた。

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    2025年06月01日
  • 消えない月

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    ネタバレ

    闇、病み‥
    最後の結末をどのように受け止めれば良いのか。
    松原氏は更生できるんだろうか‥と思う。
    生涯罪と向き合うことで、彼は変われるのだろうか‥。彼は加害者でもあるけど、家庭環境や学生時代を考えるとある意味被害者的な側面もあったんだろうなと思った。

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    2025年05月28日
  • 若葉荘の暮らし

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    全体として穏やかな作品でありながら、女性の貧困、感染症による飲食店の困窮など、私たちが抱えてきた問題が赤裸々に描かれている一冊だ。主人公のミチルさんは40代・アルバイト・独身・子なしと人によっては哀れむような境遇かもしれないが、けっして人生に対して真摯じゃなかったわけじゃない。むしろ荒れ狂う世の中を頑張って生き延びてきた人物だ。そんな彼女が若葉荘と出会って、より積極的に人生を変えていこうと踏み出すその変化がステキだなと思う。私も人生を諦めたくない、そう思わせてくれる一冊だった。

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    2025年05月22日
  • アサイラム

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    ちょっとSFっていうか不思議な話だった。
    なんか心がゾワゾワする。ずっと闇って感じだった。
    留美ちゃんみたいな結末の子がこの作者さんの本にでてくることに驚いた

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    2025年05月15日
  • 世界のすべて

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    マイノリティ、LGBTQの他にもあるらしい。個人的には偏見は持ってないつもり。でも、ちゃんと理解してるかと言われると違う気がする。ちょっと考えさせられる内容だった。

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    2025年05月13日
  • 感情8号線

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    予想以上に面白かった!
    環状8号線沿いの駅に住む女の人たちの恋愛やら悩みやらをクローズアップするオムニバス。
    馴染みのある駅もあり楽しかった。
    女の人たちの恋愛のドロドロさや、自分にも当てはまるような性格の黒さがものすごくリアルに描かれている。
    最後のページあたりで都度落とされる感じもなんとも…。
    出てくる男でまともなのは結城くんと貫ちゃんくらいかな。里奈のその後がとても気になる。

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    2025年05月10日