あらすじ
40歳以上独身女性限定の若葉荘へようこそ!
「ここ数年で私たちの誰もが味わった痛みを、癒しのシェアハウスが包み込んでくれる……
こんな場所に住みたい、いや、こんな場所で死にたいと思った」
原田ひ香さん、絶賛!
そこは、「ひとり」で生きることを支えてくれる
40歳以上独身女性限定のシェアハウス。
40歳を迎えたミチルは、小さな洋食屋「アネモネ」でアルバイト店員をしている。仕事は気に入っているものの、世界に蔓延する感染症の影響で収入が激減。いつか元通りになると信じ貯金を取り崩しながら生活していたが、いよいよ転居を余儀なくされてしまう……。
そんなミチルを温かく迎えてくれたのは、40歳以上独身女性限定のシェアハウス「若葉荘」だった。それぞれ事情を抱える女性たちが、迷いながらもたくましく生きる様を見て、ミチルは自分の幸せを、他の誰でもない自分で叶える術を身につけていく。
「明日」が不安なあなたへ。寄り添い、勇気をくれる物語。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『若葉荘の暮らし』 の文庫版となります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
コロナ禍の人も経済も止めたアホな非常事態宣言 1番感染する場所がトイレという情報も出さないし日本人だから出来た感染対策のマスクもどれだけ効果あったのか資料作って出しなさいよ、いったい何億円分廃棄したのか税金だぞ。ほんとワクチンの副反応で亡くなった人が浮かばれない。畑野智美さんは会話から始まり背景の説明と心理面と事細かに書いている一つの出来事の完結まで長い、それが実は好きなんだってこと。ユキちゃんのミチルさんにはなりたくないの言葉の裏側とか勉強になる、自分もミチルのような会話していく感じで弱みも晒すし、話うちに考えがまとまる。
Posted by ブクログ
「40歳以上独身女性限定のシェアハウス」
コロナ禍、一人暮らしの40歳を迎えたミチルは「アネモネ」という飲食店でアルバイトしている。
コロナの影響で収入も減っていき、生きていけないと思い、【若葉荘】に住むことになる。
シェアハウスでの暮らしは適度な距離感があって心地良い。
【若葉荘】での出会いと別れ。
40代からの心身の揺らぎや孤独、将来への不安を抱える女性たちの姿。
「おばさん」と認めてしまうと、できないことが急激に増えていく気がする。トキ子さん、真弓さん、美佐子さんも自分のことを「おばさん」といって甘えたりしないし若者ぶって無理することもない…
そのミチルの気持ちが凄く共感できる。
私も歳の流れにゆったり乗っていきたい。
心はいつでも若々しくいたい。
いつかみんなが通る年齢でもある。
良い歳の重ね方をしたい。
ひとり、ふたり、若葉荘から居なくなり
そしてまた、新たな住人がやってくる。
リアルな現状と心情を描いた物語だが
文体が柔らかくとても穏やかに読めた。
Posted by ブクログ
現代の女性たち誰しもが一度は脳裏を過ぎったことがある将来への不安が物語を通して描かれていて、ドラマを見ているようだった。(ドラマ化してほしい)
Posted by ブクログ
コロナの影響を受け、収入が減ってしまったミチルは家賃の安い家に移ることに。そこは40歳以上独身女性限定のシェアハウス。
孤独死はしたくないとか、自立しつつも誰か寄り添い暮らす、とかで実際需要ある気がするが、世の中色々な人もいるからなぁ。
Posted by ブクログ
時々現れる黒い影が気になった…
主人公以外も見てるんだよね。先の見えない不安とか、この後訪れる不幸みたいなものの暗示かな。
キャラがたっていて面白かったけど、主人公がなんか好きになれない。ぶっきらぼうな感じが最後まで苦手だった。ストーリーや設定は好きだし、ドラマ化したら絶対見るやつ。
Posted by ブクログ
40歳以上、女性限定のシェアハウスでの暮らしを丁寧なタッチで気持ち良く読み進める事ができました
これが40歳以上男性限定のシェアハウスならどんなストーリーとなるのかなと勝手に思をはせてしまい苦笑い
Posted by ブクログ
今から数年前、コロナ全盛期だったころの話。飲食店でアルバイトをしている主人公は、経済的に余裕が無くなってきたという理由で、女性限定のシェアハウスに移り住むことになる。そこに住む個性的な人々との関わり合いの中で、主人公の気持ちも少しずつ変化していくといった内容です。
読んで率直に感じたことは、コロナ全盛期は大変だったなということです。正しいかどうか分からない情報に惑わされて、心身ともに意味もなく疲れていたと思います。自粛ムードもすごく、コロナを出した店がすごく叩かれていたことも思い出します。
世の中が不透明で、先がどうなるか分からないというのは、コロナが流行る前も後も同じことではありますが、よりそれを感じさせる出来事であったというのは間違いありません。しかし、先がどうなるか分からないからこそ、自分のやりたいことをやることであったり、他の物事に振り回されない「信頼できる自分」を持つことが重要なんだと思います。
Posted by ブクログ
初読み作家の畑野智美さん✨
主人公は40歳未婚で、飲食店でアルバイトをしているミチル。
コロナ禍をきっかけに生活や将来への不安を感じて、
女性専用のシェアハウス「若葉荘」に住むことに。
そんな中考え方が変化していく。
これからの暮らしにおいて、
シェアハウスも1つの選択肢として良いのかなと思った。
自分の40代はどうなるのかなと思いながら、読んだお話でした
Posted by ブクログ
お互いに配慮しつつも共同生活で交流がある。今の私にはいいなと感じた。もちろん一人暮らしには一人暮らしの良さがあるけど、ふっと寂しさを感じる時もある。だから、家族ではないけど家族のように少しお互いを気にかけつつ個を大切に一緒に暮らせたら、日常の癒しになる時もあるんじゃないかと。まぁ、現実世界においては多々トラブルもあると思うけど。こんな所があれば、一度住んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
全体として穏やかな作品でありながら、女性の貧困、感染症による飲食店の困窮など、私たちが抱えてきた問題が赤裸々に描かれている一冊だ。主人公のミチルさんは40代・アルバイト・独身・子なしと人によっては哀れむような境遇かもしれないが、けっして人生に対して真摯じゃなかったわけじゃない。むしろ荒れ狂う世の中を頑張って生き延びてきた人物だ。そんな彼女が若葉荘と出会って、より積極的に人生を変えていこうと踏み出すその変化がステキだなと思う。私も人生を諦めたくない、そう思わせてくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
小さな洋食屋でアルバイト店員をしていたミチル(40代を迎えたばかり)がコロナ禍で家賃の安い家に移ることを余儀なくされ、40歳以上の独身女性専用のシェアハウス「若葉荘」に住むことになったところから始まるお話。
コロナ禍の世の中で、そうした年齢のそうした境遇の女性の心理が細やかに描かれているように思えるが、時々晴れ間はさすものの、基本的にはドンヨリとした話が続く。『悩んでいても、悩んでいなくても、語る』ミチルさんの理屈っぽさにもやや閉口で、いい話だと思うのだが今ひとつお話に乗り切れず。
若葉荘での人間関係にはホッとするところがあるが、ああしたシステムの中で人間関係に軋轢なく暮らしていける展開はいささか楽観的にも感じるところはあり。まあ、作家さんがコロナ禍を不安に生きていた時に『「こういうアパートがあればいい」と、想像を膨らませた』ということなので、そういうことなのだろうが。
女性の貧困の理由が選択肢の多さにあって、男性の貧困の原因は選択肢の少なさ、という見方は面白く。『本来は、政治がどうにかしていくべきことなのだろう。けれど、それを期待できるような国ではないことも、分かっている』というのがなんとも…。