畑野智美のレビュー一覧
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ネタバレ婚約者が事故で亡くなった。それも、他の既婚女性と一緒に…
婚約者が亡くなった事でストレスを感じ眠れなくなった依里は親身になってくれたデパートの寝具売り場の店員に救われた。それが縁で寝具売り場で働く事に。
婚約者の直樹はなぜ既婚者と出張と偽り東北の温泉へ行ったのか。ただの婚約者故の身内に入れず法事にも参列できないなど、モヤモヤはありましたが、既婚女性の主人・高橋と出会い、少しずつ前を向き始めた依里。そのまま付き合うかと思いましたが、誰かに頼る人生よりも自分の足で進もうとする依里は強くなったと思います。個人的には付き合って欲しかったなぁ。
寝具売り場で自分のやりたい事を見つけ、それに一生懸命 -
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ネタバレとても良かった。やっぱり自分は畑野智美さんの小説が大好きです。
頃畑野智美さんがパートタイマーをされていたのはXで見聞きしていたけれども寝具店だったのですね。テーマも面白いし、お客様としてやってくる人たちの心の内や優しさに溢れていて、依里と高橋さんの変化にも心を奪われました。
高橋さんから妻についての話を聞いた後の依里の怒りがすごくリアルで、二人の関係がどうなってしまうのかドキドキしながら読んでいたのでとても素敵な終わり方で読後感も良かったです。オススメです。
各章の始めに直樹のぬいぐるみのイラストが載っていたのが最終章に変わっていたのもよかったな。
寝具に関する耳寄りな話も満載。近く -
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「40歳以上独身女性限定のシェアハウス」
コロナ禍、一人暮らしの40歳を迎えたミチルは「アネモネ」という飲食店でアルバイトしている。
コロナの影響で収入も減っていき、生きていけないと思い、【若葉荘】に住むことになる。
シェアハウスでの暮らしは適度な距離感があって心地良い。
【若葉荘】での出会いと別れ。
40代からの心身の揺らぎや孤独、将来への不安を抱える女性たちの姿。
「おばさん」と認めてしまうと、できないことが急激に増えていく気がする。トキ子さん、真弓さん、美佐子さんも自分のことを「おばさん」といって甘えたりしないし若者ぶって無理することもない…
そのミチルの気持ちが凄く共感できる。
私 -
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ネタバレ続編が待ち遠しい。
寺地はるなさんの書評に惹かれて購入しました。
畑野さんは初読み作家さんでしたが、滑らかな文体ですらすら読むことができました。
『宇宙の片すみ』という表現に、広大な情景と小さくて狭い場所にいる自分という対比を感じ、どんな物語なのだろうと思い読み進めました。宇宙のスケールに重ね合わせるほど不眠の原因が深いものなのだろうと予測はしていましたが、やはり大きな理由でした。
全体として、こうなってくれたらいいなという期待とほんの少しズレたところにこの物語の着地点があり、限定特典のフリーペーパーで、さらに続きを読みたくなるような展開でした。
寝具の知識も学べました。枕、購入してみ -
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ネタバレ【宇宙の片すみで眠る方法】
眠れない人、体に合わない寝具を使い続けている人、体が痛む人。 様々な悩みに対して、自分に合った寝具を選ぶことで眠りが心と体に寄り添ってくれるという。
寝具店店員という経歴を持つ著者ならではの専門的な知識が作中に盛り込んであり、ひとつの物語を読んでいる傍ら、自分の眠りにも活用できることがたくさんあることに気付く。
主人公が真面目でまっすぐな心ゆえ、ラストは少し切なさが残ってしまう。 全てがうまくいくように人生はできていないが、タイミングが違えばふたりが一緒になる未来もあったかもしれない。
ふたりがそれぞれ生き続け、また深い眠りにつくことができる未来がそう遠くあり -
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なんか好きだ〜この作品
初めての作家さんだけど静かで優しい文章
手芸好きのわたしが表紙の可愛さに借りた作品
恋愛感情がわからない木綿子は誰にも知られないように生きてきた。おばあちゃんの後を継いだ手芸店で好きな物だけに囲まれた日常は平和だけど寂しさに耐えられないとも感じている。
そんな時求人募集の張り紙を見てやって来た夜野光は住み込みで働くことになるのですが、それは周りの人達には理解できない2人の関係で…
光の育ってきた環境が悲しいの。゚(゚´Д`゚)゚。
光も自分の感情を出さずに生きてきたから
木綿子と光の関係はゆっくりゆっくり進むし悲しい程焦ったい。
でも内容が暗くならないのは文章が優 -
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以前に読んだ「世界のすべて」にも、通じているような多様性を意識させられる。タイトルから想像つかなかったけれど、日常のごはん描写がたびたびあるので、おなかが空いた…オムライスもクレープも食べたいです(*´﹃`*)
『人と違うから、社会の隅で生きていこうとかも、思わなくていい。…うんざりするようなことを言ってくる人もいるかもしれない。でも、胸を張っていれば、何も気にせずに付き合ってくれる人が周りに増えていく。そのうち、自分のいるところが真ん中になる。』
人と同じじゃないことで、悲しくなったり、苦しくなったりしてしまう。同じである必要はないはずなのに、隣の芝が羨ましくなる。あんなふうに生きたかっ -
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心に傷を負った人たちの街。優しくて穏やかで、でも少しだけ息苦しさもあって。
面談で、加害者側の視点で事件を語った被害者に対して担当者がかけた言葉「あなたはあなたが見たことを信じればいい。そしてそれを話せるようになってください」に、ハッとした。自分視点で物事を語るのは、主観的であまり良くないことのように思えてしまうけど、そんなことはないのかもしれない。
すごくがんばっていて、がんばりすぎて周囲から心配されていて、その心配の通りくじけてしまった留美ちゃんを見ていて寄り添うことの難しさを痛感した。留美ちゃんが街を出た後どうなったのかわからないままなのが気がかりだけど、人生ってそういうものだから。畑