畑野智美のレビュー一覧
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満足感の高い素敵なアンソロジーでした。
*島本理生さん
良いなぁ。最初は朧げな印象の主人公が、いつの間にかしっかり地に足をつけて、「凛」とした雰囲気をまとうように。
『楽園には住めなくても、楽園のようなものはいつか見つけられるはずだ。私の中に』
の言葉が心に残りました。
*織守きょうやさん
あらあら、どうしましょ。こういうの好きなんです。織守さんは短編集しか読んだことがないので、長編も読んでみたい。
*友井羊さん
両親を亡くし、島に住む叔父さんの元へ引き取られた中学生の蒼。そこでの日々は穏やかで人の温もりがあって、シーンのひとつひとつが心地よくて味わい深い。こういう作品好きです!
*畑野智美さん
アイドルの密着取材ドキュメンタリーを見ているようでした。ちょっとやるせなくも爽やかな読後感。
読みながら、佐原ひかりさん「スターゲイザー」を思い出しました。
*名取佐和子さん
上京する息子とその母親。離れて暮らすことになる息子との思い出に、色々な感情が湧き上がってきて思わず涙。
『子育ての道は、こんな夢のような奇跡を拾い集めて歩けるよう広く長くなっているのだろう。』
何だか感慨深い。
*伊吹有喜さん
まさかの「なでし子物語シリーズ」!!
舞台は東京、不登校の美也が主人公です。懐かしい面々にまた会えました。彼女たちのティータイムは、まるで異国にいるみたい。爽やかで洗練された雰囲気。シリーズをまた読み返したくなりました。
短編集でこの満足感はすごいと思う。
ご褒美シリーズは好きなので、次作も読みたいなー。発売したら絶対読む!
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Posted by ブクログ
ネタバレおやつをテーマにした短編集。
6名の作家さんが1つずつお話を書いてくれていて、こういうのをアンソロジーというらしい。
タイトルに「やるせない」とついてるだけあって、どのお話にも切なさが漂うけれど、甘いおやつがそれを癒してくれたり、前を向くきっかけになったりして、読後は優しい感動に包まれる。
「楽園の代わりのカッサータ」は、映画みたいなおしゃれな雰囲気。
不倫はダメだけど、誰かや何かにすがったり、現状を変えてほしいっていう思いには共感した。
しかしこの相手の政治家はひどい男だ。
ピュアなんだけど、結局自分のことしか考えてないんだよね…。
「ファースト・アンド・オンリー」はキュンすぎてまるで少女漫画。
ラストのところ、素敵すぎて読み返しちゃった。
お弁当を差し入れるのも、ピンチを助けるのも、勇気いるのにすごいな。
結局、行動した者が人生を変えるのだ。
「春とマーマレード」のジャムを作るシーンや「ストロベリーの歌」の苺ピクニックのシーンが素敵で憧れる。
どのお話も、登場人物達のその後が気になるな〜。
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Posted by ブクログ
主人公は洋食屋でのアルバイトで生計を立てている40歳の女性:ミチルだ。彼女はコロナで収入が減り、一人暮らしの部屋を引っ越すことになる。そして風呂、トイレ、台所共用、光熱費、通信費込みで5万円という安い家賃、「40歳以上の独身女性限定」という条件付きの「若葉荘」に転居。大家のトキ子ばあちゃんが常駐するいわゆるシェアハウスで、それぞれの部屋には鍵が無い。
元人気作家もいれば、有名大学出身で大手企業の女性もいる。それぞれの事情を抱える女性たちが迷いながらも たくましく若葉荘で生きる様子が描かれているのがリアル。
将来の不安やコロナ禍の閉塞感がリアルに描かれていて、人と人との繋がりをもう一度見直し、自分の人生をどう豊かにすればいいのか主人公のミチルがだんだん学び、歩き出してゆくのがいい。
物語の後半で大家のトキ子おばあちゃんが亡くなってしまい、若葉荘は存続が危ぶまれることになるが…細かくは書かないがハッピーエンドなのがよかった。
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Posted by ブクログ
うう、妹がイヤな奴だなぁ〜…夏帆ちゃんの事なかれ主義も相まって、その大人な寛容さに付け込んでくるモンスターに見えた!
しかしねえ本当に30代後半は大変ですよ色々と。
おそらくこの時期は、人生の答え合わせなんですよ。
20代までは正しいことなんてみんな何も知らないわけで、目の前のことを懸命にこなして、若い価値観を持っているだけでいいのだから。
30後半にもなると大きな変化がそれぞれにあり、岐路がハッキリしてくる。
比較して幸か不幸か正解か不正解か、無理して考える。嫌な時期ですとも。
夏帆ちゃんは常に孤軍奮闘なんですよね。自分は物心ついたときからひとりで生きていくつもりだった、っていう言葉もね、よく聞きますよ。わるいけどあんまりそれ言うと体のイイ言い訳にしか聞こえないんだ。
本来ならば、そんなの言わなくてもいいんだよ。
でも言わないとやってられないことが多すぎる。
周りが許さない。そもそもなぜ許可が必要なんだよってね。
ヨシくんの最後の発言に読者はみんな「ガァーーーん!!」とショックを受けたことだろう。
言わずもがな、夏帆ちゃんはめちゃくちゃしっかりした女性です。同い年だからわかりますけどねえ、こんな人滅多にいないことは確かですよ!
人生の豊かさとは何か。
生き甲斐とは何か。
同世代が読むとアレコレ議論したくなるような、イイ本でした!
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Posted by ブクログ
1日で読み切った。それくらい続きが気になって読み続けてしまった。
松原の育ってきた環境と、性格と、友人関係と、仕事環境と。色々な角度からストーカー加害者の心情や背景が描かれていて、松原がどういう人間なのか。どういう考え方をするのか。というのが、すごく伝わってきて、気持ち悪かった。たぶん読みながらしかめっ面になってたと思う。
さくらちゃんが家族とか大事な人に迷惑がかかるから、悪い影響が出てしまうのではと、1人で抱え込んでしまう気持ちはとても分かる。じゃあどうすればよかったんだろうとモヤモヤする。
私だったら、と考えてはみるものの、そもそもさくらちゃんと考え方も性格も異なるので、なんの解決策にもならない。
ぐるぐる考えながらこの読後感を味わうことにします。 -
Posted by ブクログ
ストーカーという存在を、とても真っ直ぐに描いた作品だった。
読んでいて何度も「どうしてこんな結末になってしまったんだ」と考えさせられる。被害者だけでなく、加害者側の歪んだ思考も描かれることで、その異常さや恐ろしさがより伝わってきた。
特に印象に残ったのは、「ストーカーは風化しない。誰よりも何よりも努力して、運も味方につける」という言葉。その執着の恐ろしさに納得すると同時に、ぞっとした。
一方で、その執着の果てに、唯一の理解者ともいえる住吉との繋がりさえ失い、松原は本当の意味で独りになってしまう。その結末には何とも言えない虚しさが残る。
終盤の展開は衝撃的だっただけに、その後の松原の独白はあまり頭に入ってこなかった。そこだけが少し惜しかったが、ストーカーという存在の怖さを真正面から描いた作品として印象に残った。