畑野智美のレビュー一覧

  • やるせない昼下がりのご褒美

    Posted by ブクログ

    満足感の高い素敵なアンソロジーでした。

    *島本理生さん
    良いなぁ。最初は朧げな印象の主人公が、いつの間にかしっかり地に足をつけて、「凛」とした雰囲気をまとうように。
    『楽園には住めなくても、楽園のようなものはいつか見つけられるはずだ。私の中に』
    の言葉が心に残りました。

    *織守きょうやさん
    あらあら、どうしましょ。こういうの好きなんです。織守さんは短編集しか読んだことがないので、長編も読んでみたい。

    *友井羊さん
    両親を亡くし、島に住む叔父さんの元へ引き取られた中学生の蒼。そこでの日々は穏やかで人の温もりがあって、シーンのひとつひとつが心地よくて味わい深い。こういう作品好きです!

    *畑野智美さん
    アイドルの密着取材ドキュメンタリーを見ているようでした。ちょっとやるせなくも爽やかな読後感。
    読みながら、佐原ひかりさん「スターゲイザー」を思い出しました。

    *名取佐和子さん
    上京する息子とその母親。離れて暮らすことになる息子との思い出に、色々な感情が湧き上がってきて思わず涙。
    『子育ての道は、こんな夢のような奇跡を拾い集めて歩けるよう広く長くなっているのだろう。』
    何だか感慨深い。

    *伊吹有喜さん
    まさかの「なでし子物語シリーズ」!!
    舞台は東京、不登校の美也が主人公です。懐かしい面々にまた会えました。彼女たちのティータイムは、まるで異国にいるみたい。爽やかで洗練された雰囲気。シリーズをまた読み返したくなりました。

    短編集でこの満足感はすごいと思う。
    ご褒美シリーズは好きなので、次作も読みたいなー。発売したら絶対読む!

    0
    2026年08月07日
  • 大人になったら、

    Posted by ブクログ

    久しぶりの恋愛小説。主人公は30代の女性であり、結婚や出産など、様々なことを考えながら恋愛をする主人公の苦労が書かれていた。

    大人の恋愛というのはどうも身体の関係をイメージするが、今作は恋愛をしたいというピュアな欲求が動機となって恋愛が進行していく。

    0
    2026年08月07日
  • やるせない昼下がりのご褒美

    Posted by ブクログ

    私はこういう不意な胸キュンに弱いのかもしれない。堂々たる愛を語るみたいな恋愛ではなくて、小学生の恋愛のような知らず知らずの間に一緒にいる、一緒に何かを食べる、一緒に帰るとか、そういうちょっとした当たり前を共有しているという好きを大事にしたいなと改めて思った。駆け引きなんてない小学生の頃の純粋な恋愛に少しだけ懐かしく少しだけ羨ましく感じた。

    0
    2026年08月02日
  • 30代後半、独身、ひとり暮らし

    Posted by ブクログ

    人生は取捨選択の連続だなと思った。
    畑野さんの物語はとにかく怖いくらいにリアル。変化を求める癖に現状維持が1番楽だし安心するのは皆同じ。

    0
    2026年08月02日
  • 宇宙の片すみで眠る方法

    Posted by ブクログ

    婚約者がバス事故で亡くなった。知らない女性と一緒に旅先からの帰り道で。
    それから眠れなくなり、デパートの寝具売り場を訪れた。
    そこで働くようになった依里は、寝具を求めにやってくるお客様に寄り添いながら日々を過ごしていた。そこへ女性の夫が現れて……。

    眠ることは食べることを同じくらい重要。
    頑張って生きるひとにより良い眠りを。

    寝具についてのノウハウも参考に。

    0
    2026年08月02日
  • 30代後半、独身、ひとり暮らし

    Posted by ブクログ

    無理やり生き方を変えるのではなく自然な成り行きで出会った心地よさを頼りにゆったりと変わっていくような生き方が素敵だ。
    人生は繋がっていて全部自分のものだから。
    いるものもいらないものも引っくるめて広く構えていたい。
    35歳を目の前にしてビビり散らしていたけれど、1人だろうが、結婚していようが、子供がいようが、どうなっていたって自分の人生が楽しみだなと思えた。

    0
    2026年07月31日
  • 消えない月

    Posted by ブクログ

    2人の視点から読んでみて、ずっとそこにいる月のように見られている感覚と、真っ暗闇の中にいる一筋の光としての月
    お互いに付き纏う・見失うことない「消えない月」

    どの範囲からストーカーなのか
    被害者目線、自覚なしの加害者目線それぞれの視点から描かれていて読みやすい

    松原さんはストレスフルな子供時代を過ごし、劣等感に溢れ歪んだ愛を創造してしまったのだと思う
    愛の形はそれぞれ、けれども受け取り側によってそれは歪んだものとして形になる

    0
    2026年07月31日
  • やるせない昼下がりのご褒美

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    おやつをテーマにした短編集。
    6名の作家さんが1つずつお話を書いてくれていて、こういうのをアンソロジーというらしい。

    タイトルに「やるせない」とついてるだけあって、どのお話にも切なさが漂うけれど、甘いおやつがそれを癒してくれたり、前を向くきっかけになったりして、読後は優しい感動に包まれる。

    「楽園の代わりのカッサータ」は、映画みたいなおしゃれな雰囲気。
    不倫はダメだけど、誰かや何かにすがったり、現状を変えてほしいっていう思いには共感した。
    しかしこの相手の政治家はひどい男だ。
    ピュアなんだけど、結局自分のことしか考えてないんだよね…。

    「ファースト・アンド・オンリー」はキュンすぎてまるで少女漫画。
    ラストのところ、素敵すぎて読み返しちゃった。
    お弁当を差し入れるのも、ピンチを助けるのも、勇気いるのにすごいな。
    結局、行動した者が人生を変えるのだ。

    「春とマーマレード」のジャムを作るシーンや「ストロベリーの歌」の苺ピクニックのシーンが素敵で憧れる。

    どのお話も、登場人物達のその後が気になるな〜。

    0
    2026年07月27日
  • 若葉荘の暮らし

    Posted by ブクログ

    主人公は洋食屋でのアルバイトで生計を立てている40歳の女性:ミチルだ。彼女はコロナで収入が減り、一人暮らしの部屋を引っ越すことになる。そして風呂、トイレ、台所共用、光熱費、通信費込みで5万円という安い家賃、「40歳以上の独身女性限定」という条件付きの「若葉荘」に転居。大家のトキ子ばあちゃんが常駐するいわゆるシェアハウスで、それぞれの部屋には鍵が無い。

    元人気作家もいれば、有名大学出身で大手企業の女性もいる。それぞれの事情を抱える女性たちが迷いながらも たくましく若葉荘で生きる様子が描かれているのがリアル。

    将来の不安やコロナ禍の閉塞感がリアルに描かれていて、人と人との繋がりをもう一度見直し、自分の人生をどう豊かにすればいいのか主人公のミチルがだんだん学び、歩き出してゆくのがいい。

    物語の後半で大家のトキ子おばあちゃんが亡くなってしまい、若葉荘は存続が危ぶまれることになるが…細かくは書かないがハッピーエンドなのがよかった。

    0
    2026年07月24日
  • やるせない昼下がりのご褒美

    Posted by ブクログ

    大好きなアンソロジーシリーズ。
    今回は、初読の作家さんも多かったけど
    タイトル通りやるせないんだけど
    暗さはなくて、読後感がすっきり。

    0
    2026年07月23日
  • 30代後半、独身、ひとり暮らし

    Posted by ブクログ

    二十代半ばぐらいで、自分を「おばさん」と言うようになり、彼氏がいないことや結婚していないことを自虐して書いている人がとても多い。平成も昭和も遠くなっていくのに、今でも「結婚していないことは、恥ずかしい」という価値観で生きている人はたくさんいる。

    ↑の文章のようになんとなく分かる、と思える文がたくさん出てきて共感できる本でした。もういろんな生き方あっていいじゃん、独身とか離婚とか子無しとか無職とかパートとか専業主婦とか、いろいろあっていいじゃん。いつの時代だよ、と私は思う。

    0
    2026年07月23日
  • 30代後半、独身、ひとり暮らし

    Posted by ブクログ

    うう、妹がイヤな奴だなぁ〜…夏帆ちゃんの事なかれ主義も相まって、その大人な寛容さに付け込んでくるモンスターに見えた!
    しかしねえ本当に30代後半は大変ですよ色々と。
    おそらくこの時期は、人生の答え合わせなんですよ。
    20代までは正しいことなんてみんな何も知らないわけで、目の前のことを懸命にこなして、若い価値観を持っているだけでいいのだから。
    30後半にもなると大きな変化がそれぞれにあり、岐路がハッキリしてくる。
    比較して幸か不幸か正解か不正解か、無理して考える。嫌な時期ですとも。
    夏帆ちゃんは常に孤軍奮闘なんですよね。自分は物心ついたときからひとりで生きていくつもりだった、っていう言葉もね、よく聞きますよ。わるいけどあんまりそれ言うと体のイイ言い訳にしか聞こえないんだ。
    本来ならば、そんなの言わなくてもいいんだよ。
    でも言わないとやってられないことが多すぎる。
    周りが許さない。そもそもなぜ許可が必要なんだよってね。
    ヨシくんの最後の発言に読者はみんな「ガァーーーん!!」とショックを受けたことだろう。
    言わずもがな、夏帆ちゃんはめちゃくちゃしっかりした女性です。同い年だからわかりますけどねえ、こんな人滅多にいないことは確かですよ!
    人生の豊かさとは何か。
    生き甲斐とは何か。
    同世代が読むとアレコレ議論したくなるような、イイ本でした!

    0
    2026年07月22日
  • 消えない月

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    努力するものには、平等に運は味方する。そして、ストーカーは努力する。
    どんな者にでも運は平等に味方してしまう、その通りなんだけど、酷い話。でも、その通り。
    鍵変えないのか!と思ったりしたけど、それももう彼女の認識の甘さと、相手の掴み取った運の結果なんだな。
    酷い。つらい。

    被害者と犯人の2つの視点で書かれているのも良かった。

    0
    2026年07月19日
  • 30代後半、独身、ひとり暮らし

    Posted by ブクログ

    お金や生活、人間関係の悲喜こもごも。30代は悩み考えることが多い。どうしたいか、どうありたいか、先のこともしっかり考えたうえで自分の意思で選択していく生き方をしようと思った。

    0
    2026年07月17日
  • やるせない昼下がりのご褒美

    Posted by ブクログ

    どのお話も読み終わった時には少し元気が出てくるような、まさにご褒美のお菓子と似た味わいでした。「ファースト・アンド・オンリー」がお気に入りです。

    0
    2026年07月17日
  • 宇宙の片すみで眠る方法

    Posted by ブクログ

    寝具店でパートをする主人公は婚約者をバス事故で失っていた。大阪に出張した筈の彼は年上の既婚女性と東北の温泉宿に宿泊していたのだ。
    寝具店で接客する内に自分の為に生きていくことの大切さを知る。良き眠りが良く生きる事を表していて読んでいて心地よくなる作品だった。偶然だが、丁度今観ているTVのミステリードラマでバスの転落事故で配偶者の不倫を知るというのと被ってて、ゾワッとした。

    0
    2026年07月14日
  • 消えない月

    Posted by ブクログ

    1日で読み切った。それくらい続きが気になって読み続けてしまった。
    松原の育ってきた環境と、性格と、友人関係と、仕事環境と。色々な角度からストーカー加害者の心情や背景が描かれていて、松原がどういう人間なのか。どういう考え方をするのか。というのが、すごく伝わってきて、気持ち悪かった。たぶん読みながらしかめっ面になってたと思う。

    さくらちゃんが家族とか大事な人に迷惑がかかるから、悪い影響が出てしまうのではと、1人で抱え込んでしまう気持ちはとても分かる。じゃあどうすればよかったんだろうとモヤモヤする。

    私だったら、と考えてはみるものの、そもそもさくらちゃんと考え方も性格も異なるので、なんの解決策にもならない。
    ぐるぐる考えながらこの読後感を味わうことにします。

    0
    2026年07月11日
  • やるせない昼下がりのご褒美

    Posted by ブクログ

    どのお話もとても素敵でした。
    それぞれの登場人物が抱えている陰を、おやつたちが彩り、背中を押してくれる。
    ほっこりするし、こんなおやつが食べたいなと思える作品でした。

    0
    2026年07月08日
  • 感情8号線

    Posted by ブクログ

    女性6人の群像劇。一番共感できないなと思っていたお嬢様が、最終章に出てきたとき結構良かった。あと、いくつかの章に出てくる不倫相手や浮気相手の女性も嫌だと思っていたが、その人が主人公として出てくる章ではこれも結構良かった。

    0
    2026年06月30日
  • 消えない月

    Posted by ブクログ

    ストーカーという存在を、とても真っ直ぐに描いた作品だった。

    読んでいて何度も「どうしてこんな結末になってしまったんだ」と考えさせられる。被害者だけでなく、加害者側の歪んだ思考も描かれることで、その異常さや恐ろしさがより伝わってきた。

    特に印象に残ったのは、「ストーカーは風化しない。誰よりも何よりも努力して、運も味方につける」という言葉。その執着の恐ろしさに納得すると同時に、ぞっとした。

    一方で、その執着の果てに、唯一の理解者ともいえる住吉との繋がりさえ失い、松原は本当の意味で独りになってしまう。その結末には何とも言えない虚しさが残る。

    終盤の展開は衝撃的だっただけに、その後の松原の独白はあまり頭に入ってこなかった。そこだけが少し惜しかったが、ストーカーという存在の怖さを真正面から描いた作品として印象に残った。

    0
    2026年06月29日