畑野智美のレビュー一覧
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仕事を失ってから、あっという間に世の闇に接することになる主人公のじわじわとした転落の姿がリアルすぎる。普通に暮らしていたはずなのに、少し外れたところ(それでも日常に背中合わせなくらい近い距離)には闇がぱっくり口を開けて主人公を待っている。
読み始めた時にはポジティブな印象を持っていたタイトルも、意味がわかった時にはあっと驚くとともにヒリヒリした気持ちになってしまった。でも、これ以上にこの作品を代表するタイトルもないと思う。
フィクションでありながら貫かれるリアリティこそが、このお話を圧倒的に刺さるものにしている。
読んでみて辛い気持ちになったけれど、読めてよかった一冊。強烈で痛切な読後感を -
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ネタバレ話が進むにつれ、ゆるやかに変化していく登場人物たちの心情が、軽やかなテンポ感と穏やかでやさしい風景描写と共に描かれているのが印象的だった。
本田、日野さん、松田、この3人の変化のきっかけとなった春香自身が一番、この街に来て変わったのだと感じた。
私たち読者の目に最初に映った春香は、こんなにも愛らしい女の子だっただろうか。
『みんなに優しくていいから、ほんの少しだけわたしを特別にしてほしい。』
海が見えるこの街で 4人が迎える明日が、少しでもあたたかいものであればいいなと思う。
(『金魚すくい』で発熱した本田がかなりツボで好き) -
Posted by ブクログ
ネタバレ同じ作者の「ふたつの星とタイムマシン」と併せて読むと面白い、みたいなことが書いてあったのだが、そちらは7年前に読んでいて、内容については全く印象に残っておらず。
その時のレビューを見ても『口当たりはいいけど何となく物足らず』と書いてあったが、まあ、これはこれとして読んでみよう。
2016年から偽札を持ってタイムマシンで1962年に行き三島由紀夫の新刊を買う仙台の大学教授・平沼が描かれた後、ロケットの打ち上げが行われる島に住む高校生・丹羽光二と、彼の気になる同級生・長谷川葵の2003年秋の日常が描かれていく。
光二と葵の初めてのデートの日、葵が交通事故に遭い帰らぬ人になるが、光二は大学生になり -
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SFの形をした恋愛小説であり青春小説。以前から読みたかった本なのだが、7年を経て文庫化されたので、早速購入して読んでみた。もう一冊関連する短篇集も購入したのだが、そちらのレビューは後で。
タイトルからもわかるように、タイムトラベル物。タイムトラベル物は、現在と過去の行き来が描かれ、そこがこんがらがるので苦手という方も多い。しかし、切ない系のストーリーが好きな方にはおすすめだ。「夏への扉(R・A・ハインライン)」、「美亜に贈る真珠(梶尾真治)」等の名作が多々ある。
事故で亡くなった女の子を救うため、過去へ向かう男(元少年)というありがちな展開ではある。そこからが… なのだ。時空を超え