畑野智美のレビュー一覧

  • 運転、見合わせ中

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    朝のラッシュの時間に電車が止まった。
    そこに居合わせた人たちの話
    大学生、フリーター、デザイナー、OL
    そして、引きこもり、対応している駅員
    普通の人たちの話。

    どの人もそれぞれ悩んでいる
    電車が止まった事で、答えのきっかけを掴む
    全てがいい方に解決するわけではないけれど
    よかったねと思える

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    2021年06月11日
  • 罪のあとさき

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    少年事件を扱った内容ですが、卯月君の全く悪人ではない描写から 重いテーマでありながら、サラサラと読めます。

    人とは違う記憶力を持つ卯月君と言語能力に欠けた妹・千尋、病的な心を持つ卯月の母親と頼りない夫。
    複雑な家庭環境の中で何とか必死で生き抜いている卯月。

    そして永森君を殺害してしまった卯月君の気持ちに寄り添った時、何とも言えない切なさが残りました。

    全体に靄が掛かっている様なイメージのストーリーでしたが 理屈では説明出来ない、人生の妙が表現されていました。

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    2021年03月15日
  • 海の見える街

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    全く違うタイプの人間と心通わせて仲良くなったり、身近にいる人を好きになっている自分に気づいたり、言えなかった気持ちを伝えたり…恋愛を含めそういう経験は成長させる。今となっては懐かしくて、なんだか羨ましいなー。
    でも誰かと一緒にいて、語り合いたいっていう大学生の頃の気持ちを思い出した。

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    2021年02月27日
  • 海の見える街

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    恋愛物は苦手な私でもこの作品はとても楽しめた。読み終わった後にぼーっと色々想像しました。みんな愛しい。

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    2021年02月04日
  • 国道沿いのファミレス

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    第23回小説すばる新人賞受賞作。
    ファミレスの店員の主人公が地元のファミレスに左遷され、
    親友と恋人との関係を通し、問題があった家との関係に折り合いを付けながら、
    成長して行き、最後は幸せな結末を迎える。
    主人公にハラハラしながら、読み終わると最後に心あたたまる小説。

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    2021年01月01日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    タイムマシンがあったら、私はどうするんだろう。やり直したいと何度も夢に出てくる大学院2年の夏に帰るのか。そうすると今居る息子には会えなくなるな。それは、辛い。

    与えられたカードで最善を尽くして生きること。タイトルが良いなぁ。

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    2020年11月26日
  • シネマコンプレックス

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    ネタバレ

    映画館って普段意識しないけど、こんなに部門があって忙しいんだなぁ。色んな悩みを抱えながら少しずつ前向きになっていく。徐々に静かに盛り上がって、最後の言葉が沁みる。

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    2020年10月31日
  • 夏のバスプール

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    ずっと気になっていた作家、畑野智美さん。
    夏に文庫化されて買ったものの積読。
    夏が終わる前には……と思いつつ、もう秋になってしまった。


    第一文の赤い色が印象的。
    赤と言えば、「久野ちゃんの赤い傘が見つけられない。」も好きだ。
    見つけられなのだから視界に赤はないはずだが、赤い傘がどこかにある映像を想像してしまう。
    読みやすく、イメージの湧きやすい文章だ。

    とはいえ、裏表紙の内容紹介からわかる通り、人間関係はとても複雑な話だ。
    現実でここまでごちゃごちゃすることはそうないと思うが、その複雑さの中で主人公・涼太の姿はどこかリアルに映る。

    どんな人間にだって仲のいい人・悪い人、好きな人・嫌いな

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    2020年10月07日
  • 海の見える街

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    読むとふわっと心が穏やかになる話
    何気ない日常の中で何気ないことが重なって
    4人がそれぞれ幸せに向かって少しだけ、少しずつ前に進む感じ
    章が進むごとに4人のことをどんどん好きになるのが心地良い
    ラストは予想通りすぎるんだけどやっぱり感動する

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    2020年05月20日
  • 海の見える街

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    本田さんみたいなタイプが元々の好みだったから春香ちゃんの気持ちには寄り添えなかったけど、これまで読んできた学生同士の恋愛小説とは違う魅力に気づく事ができた。
    松田さんのその後が気になるんですけど…

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    2020年05月15日
  • 海の見える街

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    ネタバレ

    各章毎に登場人物の語り手が変わることでそれぞれの恋愛を徐々に感じることができる。それぞれの過去や考え方を知ることで登場人物の印象が変わっていく。何より、恐らくこの子と恋に落ちるんだろうなという女の子の最初の印象が最悪だったのだが、それが徐々に逆転していく。
    人との出会いによって考え方が変化する。特にそこに恋があるならなおさらだ。ほのぼのとした街で優しく癒えていく恋愛小説。

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    2020年03月10日
  • 南部芸能事務所 season3 春の嵐

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    再読。
    新城の『プロ』、新城のお姉さんの『姉と弟』、ナカノシマ中嶋の『家族』、インターバルの榎戸君の『一人暮らし』、津田ちゃんと付き合う橋本の『東京』、テネシー師匠の『ピン芸人』、そして『春の嵐』。…

    どの話もキュンとくる切なさです。
    覚悟を決めた新城が頼もしく、でもお姉さんの前では可愛く愛おしい。
    中嶋も頑張って欲しいな。おめでとう!
    榎戸君の話からは、逆に子離れについて考えさせられました。

    いきなり吹いた春の風。
    以前読んでいるにも関わらず、先に進みたくてうずうずしています。続きが楽しみ!

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    2020年01月04日
  • 海の見える街

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    片想いの人を想ってどうしようもなくドキドキする気持ち、不安になる気持ち、全部が共感できて辛いくらい感情移入してしまった。

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    2019年07月20日
  • 運転、見合わせ中

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    朝のラッシュ時に電車が緊急停止。アクシデントに遭った六人の男女、それぞれの止まっていた心が再び動き出す物語。
    一種の『if』ものになるが、客観的に見て人生が大きく変わったわけではない。しかし、このままズルズル行っていたら悪い方向に流れていただろうという人たちが、運命のいたずらにより一瞬にして気持ちの変化が起こる。その瞬間のさりげなさが作者の巧いところ。

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    2019年04月13日
  • 国道沿いのファミレス

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    おもしろかった。主人公の、女にだらしのないのはちょっとおいといて、勤務先ファミレスのバイトの子たちや親友や家族とのふれあい場面は読んでいて心地がいい。

    私の頭の中で主人公は福士蒼汰。

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    2018年10月07日
  • 南部芸能事務所 season4 オーディション

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    南部芸能事務所シリーズ第4弾。
    いよいよTV番組のオーディションが始まる。
    今作は芸人を目指すメンバーがお互いをライバルとして視ている様子をリレー形式で表現されてます。
    それぞれが不安や相手が失敗することを期待してしまう事への嫌悪など心情が伝わってきます。

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    2018年09月16日
  • 南部芸能事務所 season3 春の嵐

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    シリーズ第3弾。
    新番組が始まるとの話がささやかれ始めて各事務所の若手新人芸人たちの焦りが見られる。
    またそれに伴って関わる先輩、スタッフの様子もあり。
    厳しい世界でどう這い上がっていくか。
    いよいよ次作にて芸人としての実力などが表現される様子なので期待。

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    2018年09月04日
  • 南部芸能事務所 season2 メリーランド

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    南部芸能事務所シリーズ第2弾。
    漫才師を目指す大学生2人を中心に事務所に所属する人々の目線でリレー形式に展開する短編集。
    前作から約1年後位の様子でお笑いの世界が少し見えてきている。
    リレー形式なので主人公がその都度変わるがその主人公なる人物が意外な人なのでそこがおもしろい。

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    2018年08月25日
  • 感情8号線

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    私が読んだのはこの表紙じゃないけど。
    大好きな連作短編集。いつものように相関図を描いて楽しんだ。
    二子玉の芙美みたいな主婦はほんといそうだし、荻窪には真希みたいな劇団員の子がいるっぽい。

    他の作品も読んでみたい。

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    2019年08月20日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    たぶんSF小説の分類になるんだろうけど
    どこか現実的で、私の苦手なSFとは違う。

    まぁよくある話だなと思って読んでいたら
    途中からはがっつり印象が変わった。

    自分の選んだ道が1番よかったのかなんて
    そんなの誰にもわからないけど、
    どんな場合であれ結局最終的に選んだのは自分。
    未来をどう変えるか決めるのも自分。

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    2018年07月06日