畑野智美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ以前、歌手の方が「地方の人間にとって国道は大切」と仰っていた。生活の要なのだろう。その国道にあるファミレス。近くに大きなショッピングモールが出来て、今後の見通しは不明。主人公の境遇と良く似ている。2つの景色が合わさる中、主人公は「ちゃんとした社会人になる」事を目標に淡々と生きる。
仕事して、彼女もいて、ある意味幸せそうな彼が1番好きになった女の子の1番好きになった男が自分の父親で、家族に暴力を振るわなくなった代わりに愛人に暴力をふるっていたという状況はかなり衝撃的だと思うが、それすらすんなり受け入れる主人公の度量の大きさにびっくり(笑)その後の彼女の言動にもびっくり。
シンゴとみちるの結婚の為に、みちるのお父さんを説得するシーンが好き。何だかんだ言って、2人は深い絆を持った友達なのだ。常に塩対応なのだが、人一倍愛嬌のあるシンゴが相手だから、これからも彼らの幸せな友情は続いて行くんだろうな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイムトラベル作品のなかでは珍しい展開。
大体こういうのは、何度もタイムトラベルを繰り返して長谷川さんを救ってハッピーエンドか、タイムトラベルをしたあとに魚住さんへの気持ちに気づいて戻ろうとするかの2択だと思ってたけど、一度だけタイムトラベルしてそのまま10年以上その時代で生き続けるのは驚いた。
タイムトラベルものだと、過去の自分が死ぬと未来の自分もいなくなるのがセオリーだが、この本の仕組みはパラレルワールドだから他の世界線の自分が死んでも生き続けるという設定も珍しく面白かった。
設定が思ったよりしっかりしてて私は好きだったー
-
Posted by ブクログ
ネタバレたまにしか行かない映画館だが、シネコンってこんな感じで仕事が回ってるのね。
島田貴美さんと岡本君、ラスト1ページがハッピーエンドでよかった。
長年フリーターであるこの二人の他、学生バイトの加藤君や木村君、新人バイト片山さん、小学生の母である宮口さん、オフィスの千秋さん、それぞれの立場で書かれたそれぞれのポジションでの仕事内容、そして各々の感じ方の違い、みんなから嫌われている「トーキョウ」とあだ名される副支配人の思いなど、角度さまざまで興味深かった。
ますます機械化が進む映画界、次に見に行くときは、これまでと違う視点でスタッフを見てしまいそう。 -
Posted by ブクログ
大好きなシリーズなのに、この本が出たのを全く知らなくて、今年に入って気がついた。なかなか中古本屋にも出て来ず、ようやく入手。
前作の、長い長いエピローグみたいなお話が7つ。
オーディションに敗れて閉じこもったままの新城。
売れっ子になっても寄る辺のない葵。
レギュラー番組を持って舞い上がる中野と野島。
榎戸に対する自分の気持ちを持て余す鹿島。
引っ込んだ山梨の実家で立ち上がる途上の長沼。
綿々と亡き溝口の父に対する思いを吐露する南部社長。
自分でも言い様のない心のモヤモヤを抱えた溝口。
なんとなくしょっぱい話が続き、これまでのテイストとちょっと違うなぁと読んでいくが、各話の終わりには薄明かりが見え、続く他の人の話の中でまずまず立ち直っていっている様子が伺えて、陰鬱な状況であってもなんとか前を向いて進んでいく感じは失われてはいなかった。
『好きでいつづけることは、諦めることよりもずっと楽だ。現実に向き合えず、逃げているだけだ』と思いながらも『夢を見る気持ちは、醜さを消せるほど、美しいと思う』と南部社長に語らせる話にはロマンティシズムが溢れる。
一方、最終話では、溝口に『大人になるというのは、夢があっても夢がなくても、楽ではないんだ』と語らせ、現実もしっかり見据えた話を置くところが良い。
『なんのためっていうのは、そうやって進んでいった先で見えることなんじゃないかって思う。というか、なんのためという地点を通り過ぎたところで、これのためだったんだって気づくんじゃないか』という、落ち込みから立ち直った新城の言葉がこのシリーズの締めに相応しかった。 -
Posted by ブクログ
高校時代に事故で亡くなってしまった想い人を救うために、タイムマシンに乗って過去へ。
ロマンチックSF好きにはたまらない設定だが、過去を変えたら当然起きるよねパラドックス。
過去を変えようとしたせいで未来が変わってしまいどうしようもなくなってしまった男のお話。
舞台は好みだし、登場人物が個性的で魅力にあふれていておもしろかったのだが、主人公の物語としてはラストのラストで最重要人物が出てきたのが少し物足りなさを感じた。
彼らがどう関係を紡いでいくのかを見たかった。
もしくは、主人公が運命や過去に縛られずに自ら分かれ道を選択するところを見たかった。