あらすじ
荻窪で暮らす劇団員の真希はバイト仲間に片想い中。彼には彼女がいるのに想いを断ち切れない。八幡山で同棲中の絵梨は彼に暴力を振るわれているが、今の生活を手放せない。二子玉川の高級マンションに住む専業主婦の芙美は夫の不倫に苦しんでいる。同じ道沿いに暮らしているのに、恋愛も悩みも人生もみんな違っていて…。幸せへ遠回りしてしまう女性たちの六つの物語。
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Posted by ブクログ
環状八号線沿いの荻窪、八幡山、千歳船橋、二子玉川、上野毛、田園調布を舞台にした連作。たまたますべての土地が土地勘があり、分かるので楽しめた。八号線は北から南に行くにつれランクが上がる、なるほどね。
対照的にでてくる女性はみんなヘビーな恋愛。読むだけでDVは辛い、愛じゃない逃げてほしい。ニコタママダム、これは悲しい。それぞれの土地のイメージと女性がうまくリンクして、面白く読めた。改めて次はどこに引越そうか、と考えた。
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予想以上に面白かった!
環状8号線沿いの駅に住む女の人たちの恋愛やら悩みやらをクローズアップするオムニバス。
馴染みのある駅もあり楽しかった。
女の人たちの恋愛のドロドロさや、自分にも当てはまるような性格の黒さがものすごくリアルに描かれている。
最後のページあたりで都度落とされる感じもなんとも…。
出てくる男でまともなのは結城くんと貫ちゃんくらいかな。里奈のその後がとても気になる。
Posted by ブクログ
環状8号線沿いに暮らしている6人の女性たち。
人生や恋愛に迷う彼女たちのリアルで切ない物語。
登場人物に自己投影していた。
読みやすく面白かった。
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6編収録
登場人物たちのつながりや時系列から
連作といっていいでしょう
環状8号線沿いの街を舞台に女性の恋愛事情なお話でした
いろんなパターンのお話でどれも楽しめました
それぞれのその後の話もあるといいかなと思いました
Posted by ブクログ
私が読んだのはこの表紙じゃないけど。
大好きな連作短編集。いつものように相関図を描いて楽しんだ。
二子玉の芙美みたいな主婦はほんといそうだし、荻窪には真希みたいな劇団員の子がいるっぽい。
他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
環状8号線沿線に住む女性たちの六つの連作短編。連作短編は「へーそういう繋がりがあったのね〜」と1度で2度美味しい的な楽しみがあるので好き。
どの話もハッピーエンドではなく、モヤモヤ感が残ります。
麻夕ちゃんみたいな子は、お嬢様育ちのせいか、自分のまわりの人の事などお構いなく、さっさと一人で幸せをつかむタイプのような気がする。苦手なタイプだな。
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2017.2.17〜2017.3.7
軽い気持ちで本を読みたいと手に取った作品。
本自体は薄かったが、ただの恋愛小説ではなくとてもメッセージ性がある本であった。
感情8号線。環状8号線。
荻窪、八幡山、千歳船橋、二子玉川、上野毛、田園調布
距離は近いのに、遠い。
東京ってそういうところ。近くにあるのに手に入らなくて、幸せとは遠い街。
すぐそこにある幸せを掴めず、遠回りしながら恋をしたり仕事をしたりして生きている。
そんな女性にとても共感した話でした。
性格も容姿も全て合わないけど、それでも
共感したのは、幸せになるための選択を私たちはしているからだと思う。
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誰も真っ向から好きになれなくて、でもこれが女だよなって思えて面白かった。月並みだけど、隣の芝生は青く見えたって、実際どうかなんて本人しかわからない。
Posted by ブクログ
みんな他人が幸せに見えて、自分は不幸だと思ってる。改めて、他人から見て幸せかどうかではなく、自分が幸せかどうかを考えて生きていくことが大事だと思った。
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真希
二年前からほぼ毎日餃子を包んでいる。荻窪の餃子屋のアルバイト。三年前の三月から働き始めた。二十三歳。中央線沿いの西荻窪のワンルームアパートに住んでいる。最初に会った時からずっと、貫ちゃんがすき。静岡の短大を卒業して、三年前に役者になるため東京に出てきた。公太と付き合っている。
麻夕
餃子屋のアルバイト。二十三歳。去年の春に大学を卒業して、先週までの約一年間は家事手伝いという名目の無職だった。田園調布の実家に住んでいる。貫ちゃんの舞台を見て、貫ちゃんが働いている餃子屋でアルバイトを始めた。
貫ちゃん
餃子屋のアルバイト。二十三歳。風呂なしトイレ共同の西荻窪のアパートに住んでいる。高校を卒業してすぐ、真希より二年前に山形から上京して役者を目指している。劇団を主宰している恋人のミクがいる。が、別れた、劇団員。
坂本芙美
真希の十歳上のいとこ。結婚してから二子玉川の高級なマンションに住んでいる。専業主婦で子どもが二人いる。夫が里奈と不倫関係であることに気付いている。
ミク
貫ちゃんの元彼女。二年前から付き合っている。劇団を主宰していて、真希より三歳上。新宿のデパートの中にあるインテリアショップでアルバイトしている。阿佐ヶ谷に住んでいる。
公太
二十歳。真希と付き合っている。貫ちゃんが所属する劇団の後輩。大学生。
翔太
芙美の長男。もうすぐ小学二年生。
ヒナ
芙美の娘。翔太の妹。
小山貴志
絵梨の恋人。不動産会社社員。
絵梨
大学を卒業してからずっと同じインテリアショップでバイトしている。ミク、亜実と同い年。貴志と付き合い始めてもうすぐ二年が経つ。貴志が住んである八幡山のマンションに一緒に住むようになった。貴志からDVを受けている。
木村亜実
インテリアショップで働いている。結婚が決まっている彼氏がいるから社員になる気はないと言っていたが、いつの間にか登用試験を受けて、四月から社員になる。大学を卒業してフリーターになったばかりの頃、高層マンションのモデルルームの受付をやっていた時に和也と知り合い、結婚する。
結城和也
不動産会社勤務。貴志と同じ会社で働いている。幹部候補。亜実と結婚した。
川島佑樹
亜美の高校の同級生。高校二年生になる前の春休みから一ヶ月半だけ付き合っていた。
坂本
和也の上司。二子玉川に住んでいる。芙美の夫。里奈と不倫関係。
中西里奈
坂本の部下。三十歳。上野毛の1LDKに住んでいる。和也とは同期入社で同じ部署で働いている。坂本と不倫をしていた。麻夕は学生の時に仲が良かった友達の妹。
Posted by ブクログ
周りからは幸せそうに、充実している人生を送っているようにみえても色んな悩みを抱えている。そんな女性たちの物語。
考えていることや、悩んでいることは周りに話さないとわからないですよね。
環状8号線。なんでこのタイトル?文中にもありますけど、遠くて近いってことでしょうか。