畑野智美のレビュー一覧
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ネタバレ以前、歌手の方が「地方の人間にとって国道は大切」と仰っていた。生活の要なのだろう。その国道にあるファミレス。近くに大きなショッピングモールが出来て、今後の見通しは不明。主人公の境遇と良く似ている。2つの景色が合わさる中、主人公は「ちゃんとした社会人になる」事を目標に淡々と生きる。
仕事して、彼女もいて、ある意味幸せそうな彼が1番好きになった女の子の1番好きになった男が自分の父親で、家族に暴力を振るわなくなった代わりに愛人に暴力をふるっていたという状況はかなり衝撃的だと思うが、それすらすんなり受け入れる主人公の度量の大きさにびっくり(笑)その後の彼女の言動にもびっくり。
シンゴとみちるの結婚 -
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ネタバレタイムトラベル作品のなかでは珍しい展開。
大体こういうのは、何度もタイムトラベルを繰り返して長谷川さんを救ってハッピーエンドか、タイムトラベルをしたあとに魚住さんへの気持ちに気づいて戻ろうとするかの2択だと思ってたけど、一度だけタイムトラベルしてそのまま10年以上その時代で生き続けるのは驚いた。
タイムトラベルものだと、過去の自分が死ぬと未来の自分もいなくなるのがセオリーだが、この本の仕組みはパラレルワールドだから他の世界線の自分が死んでも生き続けるという設定も珍しく面白かった。
設定が思ったよりしっかりしてて私は好きだったー
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派遣切りをきっかけに、住む家を失い、出会い喫茶で男性を待つようになった26才の愛。ワリキリ=売春には抵抗がある。なぜなら、PCが使えて事務仕事ができる自分は、そっちにいかなくてもやっていけるから──
私の家族は仲良しではないにしても、これまでの人生を支え、認めてくれる、ありがたい存在です。親無しに生まれてくる子などいないのに、すべての子どもが親に護られるわけではないという、普段は意識しないことを改めて思い知りました。政治や行政は護られていない子どもや、かつて護られていない子どもだった人を護るために、知恵を絞り、お金を使って欲しいです。
愛やナギのその後の物語を心に思い描いていますが、想像力が足 -
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ネタバレたまにしか行かない映画館だが、シネコンってこんな感じで仕事が回ってるのね。
島田貴美さんと岡本君、ラスト1ページがハッピーエンドでよかった。
長年フリーターであるこの二人の他、学生バイトの加藤君や木村君、新人バイト片山さん、小学生の母である宮口さん、オフィスの千秋さん、それぞれの立場で書かれたそれぞれのポジションでの仕事内容、そして各々の感じ方の違い、みんなから嫌われている「トーキョウ」とあだ名される副支配人の思いなど、角度さまざまで興味深かった。
ますます機械化が進む映画界、次に見に行くときは、これまでと違う視点でスタッフを見てしまいそう。 -
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『平和で安心して暮らせるならば、芸人はいなくて良くなる。生活で心が満たされればそれに越したことはない。それができないから芸人がいるんだ。辛い思いをしている人がいる時こそ、芸人は必要になる』。
人は大人になって何かしらの職業に就きます。それは、もちろん生活のためということはあると思います。もしかすると、強く意識することなく周りの友達の就職活動に合わせてなんとなく今の職業に就いたという方もいらっしゃるかもしれません。一方で、幼い頃から”将来の夢”として描いた職業に就くことができた、という方もいらっしゃるかもしれません。憲法第22条に規定された職業選択の自由の中で私たちはそんな職業を自由に選ぶこと -
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大好きなシリーズなのに、この本が出たのを全く知らなくて、今年に入って気がついた。なかなか中古本屋にも出て来ず、ようやく入手。
前作の、長い長いエピローグみたいなお話が7つ。
オーディションに敗れて閉じこもったままの新城。
売れっ子になっても寄る辺のない葵。
レギュラー番組を持って舞い上がる中野と野島。
榎戸に対する自分の気持ちを持て余す鹿島。
引っ込んだ山梨の実家で立ち上がる途上の長沼。
綿々と亡き溝口の父に対する思いを吐露する南部社長。
自分でも言い様のない心のモヤモヤを抱えた溝口。
なんとなくしょっぱい話が続き、これまでのテイストとちょっと違うなぁと読んでいくが、各話の終わりには薄明か -
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高校時代に事故で亡くなってしまった想い人を救うために、タイムマシンに乗って過去へ。
ロマンチックSF好きにはたまらない設定だが、過去を変えたら当然起きるよねパラドックス。
過去を変えようとしたせいで未来が変わってしまいどうしようもなくなってしまった男のお話。
舞台は好みだし、登場人物が個性的で魅力にあふれていておもしろかったのだが、主人公の物語としてはラストのラストで最重要人物が出てきたのが少し物足りなさを感じた。
彼らがどう関係を紡いでいくのかを見たかった。
もしくは、主人公が運命や過去に縛られずに自ら分かれ道を選択するところを見たかった。 -
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学生の頃は1年に100本くらいの映画を見ていたが、その頃はシネコンは無く、大きなビルにいくつも映画館が入っているところはあったけれど、チケット売場はひとつでも、地階が「東宝シネマ」、2階が「宝塚劇場」、5階が「スカラ座」、7階が「東宝名画座」てな感じで、モギリや売店もそれぞれの階にあるという作りだった。
あれから何十年、仕事が忙しくて映画どころじゃなくなってしまい、子どもが大きくなればドラえもんやコナンにも行かなくなったので、シネコンに足を運ぶこともなくなってしまったなぁ。
それにしても映画館には色んな役割があるものだ。ボックス(チケット売り場)、フロア(もぎり・清掃)、コンセッション(飲食