畑野智美のレビュー一覧
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令和版LGBTQの教科書
面白い・面白くない ではなくて
今の時代の風潮がよくわかるから
全世代に“体感”の意味で読んでほしいと思った。
(以下本のレビューではなく体験談と感想)
自分のセクシュアルについて考える
私はもしかしたら、恋愛というものを勘違いしていたかもしれない。
「あいつ、お前のこと好きらしいよ」と聞くと、
なんとも言えない気まずさに苛まれ、苦い気持ちになったのを覚えている。
私のことが好きなのか、そう思った瞬間、接待しなくちゃいけない気持ちになるからだ。
優しくされたから好きになるという経験がなくて、
なんなら少し意地悪な男の子の方が好きで、
恋を錯覚していたように -
Posted by ブクログ
小さな洋食屋でアルバイト店員をしていたミチル(40代を迎えたばかり)がコロナ禍で家賃の安い家に移ることを余儀なくされ、40歳以上の独身女性専用のシェアハウス「若葉荘」に住むことになったところから始まるお話。
コロナ禍の世の中で、そうした年齢のそうした境遇の女性の心理が細やかに描かれているように思えるが、時々晴れ間はさすものの、基本的にはドンヨリとした話が続く。『悩んでいても、悩んでいなくても、語る』ミチルさんの理屈っぽさにもやや閉口で、いい話だと思うのだが今ひとつお話に乗り切れず。
若葉荘での人間関係にはホッとするところがあるが、ああしたシステムの中で人間関係に軋轢なく暮らしていける展開はいさ -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回も多様性の話。ポリアモリー、見た目の性と心の性が違うこと、恋愛感情を持つということ、遠い存在に持つ感情。誰にでも話せる話じゃないし、全員が理解してくれるわけじゃない。私も私で自分自身を理解していないのかもしれないなぁと思った。
気になった言葉。
差別されたくないし、自分も差別しないように心掛けていても、全てを平等に見ることは難しい。
苦手だからと何かを排除することは、自分が受けてきた差別と同じだとも感じた。
知識を得て、言葉を知り、客観的に自分を考え、少しでも楽に生きていける道を探している。
最後の一文が、私が読書をしたい理由なのかもしれないと思った。 -
Posted by ブクログ
婚約者で同棲していた彼が他の女性と旅先で事故に遭い突然亡くなったら。当然受け入れられないし、どれだけ心に傷を負うだろう。依里の気持ちを想像するとたまらない。遺された物や思い出に潰されてしまいそう。それでも少しずつ回復する中で寝具店で働きお客様の睡眠のために勤しむ依里は決して弱くはない。女性の夫との関係は2人にとって大事なものだった気もするし絶対ダメとか不謹慎とは思えなかった。人には説明できない気持ちや理解できない関係ってあると思うから。読んでると寝具や睡眠の大切さがわかり勉強になる。淡々としているけど深い。いい寝具のお値段には驚くけど自分に合った物をお薦めしてもらいたいし使ってみたくなった。と
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Posted by ブクログ
アサイラム=避難所という意味らしい。アラブの国のご挨拶かと勘違いしていた。
街全体が避難所になっているこの場所では、性加害や虐待に遭った人々が暮らす。
過去に何があったか、お互いに話す必要はない。仕事も体調をみながら自由に休める。金銭的な公的サポートもある。理想的な場所にみえるけど、どこか宗教的な雰囲気もあって…できることならお世話になりたくないなと思った。
なるほどと思った表現は、性被害≒性加害。
加害者がいることで被害者が生まれるというのはその通り。だから、「性加害に遭った」という表現なのだと。日本では加害者がばかりが優遇されていると感じてるので、アサイラムほどまでいかないまでも、もう少し