畑野智美のレビュー一覧

  • ヨルノヒカリ

    Posted by ブクログ

    手芸の魅力が読者の目に、細胞に、染み渡っていくような作品だった。
    手芸だけではなく、料理がでてくるシーンではどんな料理でどんな味のものなのか実際にイメージができるような描写で、猛烈にオムライスを食べたくなって夜ごはんに食べたくらいだった。
    名前のない関係性は、世間の目を気にすると居心地が悪く感じるかもしれないけれど、当人同士にとって心地よいものなのであればそれは本当に貴重で素敵な関係なのだと思えた。
    手芸が、性別やバックグラウンドが違う人同士をも繋いでいく。人との出会いは色んな形があって、わたしもそんな経験をしてみたいと思った。

    0
    2025年07月04日
  • 若葉荘の暮らし

    Posted by ブクログ

    現代の女性たち誰しもが一度は脳裏を過ぎったことがある将来への不安が物語を通して描かれていて、ドラマを見ているようだった。(ドラマ化してほしい)

    0
    2025年06月29日
  • 感情8号線

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    環状八号線沿いの荻窪、八幡山、千歳船橋、二子玉川、上野毛、田園調布を舞台にした連作。たまたますべての土地が土地勘があり、分かるので楽しめた。八号線は北から南に行くにつれランクが上がる、なるほどね。
    対照的にでてくる女性はみんなヘビーな恋愛。読むだけでDVは辛い、愛じゃない逃げてほしい。ニコタママダム、これは悲しい。それぞれの土地のイメージと女性がうまくリンクして、面白く読めた。改めて次はどこに引越そうか、と考えた。

    0
    2025年06月19日
  • アサイラム

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アサイラム(asylum)とは、英語で「避難所」や「保護施設」といった意味を持つ言葉である。

    様々な加害行為を受けた心に傷を負った被害者が安心して暮らせる街を税金で賄っている。この世界は、彼女たちの理想郷だなと感じた。

    様々な問題から、現状だと実現は難しいと思う。
    しかし、私も、アサイラムのような避難所のような居場所を見つけたいなと思った。

    0
    2025年06月18日
  • アサイラム

    Posted by ブクログ

    こんな街が現実にもあったらいいのに。
    「そんなこと」と言われても、それを嫌だと感じたなら、それは「被害」でいい。

    社会的には相手を慮るのも大事かもしれないけど
    自分を一番大切にできる生き方をしたい。

    もっとキツイかなと思ったけど
    比較的マイルドな濃度で読みやすかった。

    0
    2025年06月15日
  • ヨルノヒカリ

    Posted by ブクログ

    心がささくれ立っている時に読んだので、この優しい空気が心に沁みた。

    子供の時から大変な人生を過ごし、安心できる家族を持てなかったひかり。そして、恋愛に興味の持てず性的なものにも拒否感があり悩む思いのあった木綿子。悩みながらも頑張ってきた二人がお互いの癒しとなるような、温かい居場所ができたこと、本当に嬉しく思った。お互いがお互いのまさに「ひかり」なんだと思った。

    司さん、その司さんを理解する家族、ひかりを家族あげて大事にしてきた成瀬家、その成瀬がひかりのことをとても好きであること。心がジーンとした。こういう心が温かくなる小説を読むと本当に幸せだなと思う。

    0
    2025年05月10日
  • アサイラム

    Posted by ブクログ

    「優しさ」の基準や価値観が同じだったので、安心して読むことができた。

    情景の描写が綺麗で、見たことない街並みが頭の中に浮かび上がってくるようだった。

    本当にアサイラムが存在していたら良いのになと思う。

    0
    2025年04月25日
  • タイムマシンでは、行けない明日

    Posted by ブクログ

    ラストは鳥肌が立った! そうきたか!

    こちらは長編小説。
    短篇集の「ふたつの星…」のバラバラのピースが、本書でひとつにまとまり世界が繋がった観覚に浸れた。

    時空は一本の線ではなく、何通りも並行している…パラレルワールドの話は他小説やドラマでも題材になっているが、とても良く構成されている。

    親の気持ちを思うと苦しくて堪らなくなった。

    どんな世界でも、出会うべき人、影響を受ける人とは巡り会う♡ どの世界でもみんな幸せを感じてほしい

    0
    2025年04月24日
  • ヨルノヒカリ

    Posted by ブクログ

    前情報なしで読み始めた。畑野智美さんの本は「大人になったら、」に続いてこれが2冊目。

    タイトルの「ヨルノヒカリ」。序盤で2つの意味を知る。でもそこからこの物語がどこに向かうのかわかりそうでわからなくて、先が気になって読むのを止められず一気に読み終えた。

    呼んでいる途中、朝井リョウさんの『正欲』を思い出した。

    多様性って何なのか。普通って何なのか。
    わかるような、わかってるような、よくわからない。
    日常でも、その感情はたしかに生まれているけど、うまく言葉にできない感覚っていっぱいある。
    そんな感覚や、「普通」って感じるものと勝手に比べて感じるもどかしさや不自由さに寄り添ってくれるような物語

    0
    2025年04月23日
  • ヨルノヒカリ

    Posted by ブクログ

    作中の「人と人の関係性を表す言葉は、とても少ない。そのどれに当てはまらなくてもいい」という言葉が深く刺さった。
    価値観に正解はないこと、「普通」は「普遍」じゃないこと、自分の「好き」を曲げないことの難しさとかを説教臭くも湿っぽくもない温度感で描いていて素晴らしい。
    あと登場人物も基本的善人だけれど無闇矢鱈に良い人というわけではない実在感をもてるバランスで描かれていて、自分の周りにいる人を思い浮かべてみて「自分も周りの人に恵まれているな」とあらためて思えた。

    0
    2025年03月24日
  • 神さまを待っている

    Posted by ブクログ

    派遣切りに遭い、職と家を失った愛が行き着く先は__圧倒的リアリティで描かれる貧困女子の現実。何をしようにもお金が足りない。取り上げられるように希望や気力を失い、次第に揺らいでゆく価値観。私ならと考えずにはいられない...神さまはいるのだろうか。

    0
    2025年02月19日
  • タイムマシンでは、行けない明日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最初はなかなか進まなかったけど、途中からとてもおもしろくなりました。
    私も過去に彼を亡くした事があるので、重なることもありとても切なかったです。タイムマシンで、彼が生きてた頃にいきたいと当時も思っていました。
    お父さんとの再会の時、息子は顔が多少変わっても分かりますよね。2人の会話が切なかったです。お母さんの草餅のところも涙が出そうになりました。

    彼を亡くして数年後私が結婚の挨拶に行った時、彼の両親は泣いて喜んでくれました。その時は申し訳ない気持ちも大きかったのですが、母になった今は長谷川さんに幸せになって欲しいと思う気持ちが分かりました。

    0
    2025年01月31日
  • 世界のすべて

    Posted by ブクログ

     ひとりの青年の葛藤と成長を通して、性的マイノリティとして生きることの苦悩を描くヒューマンドラマ。
              ◇
     脚付きのグラスに紫色のシロップを注ぎ、氷を多めに入れてからソーダ水を加えて軽くかき混ぜる。そして丸くすくったバニラアイスを載せさくらんぼを飾る。喫茶ブルーのクリームソーダの完成だ。

     ストローを添えてトレイに載せ、女子高生2人が向かい合って座る壁際の席に運ぶ。歓声を上げさっそくスマホでクリームソーダを撮り始める彼女たちに「ごゆっくりどうぞ」と声をかけ、カウンターに戻った。

     ランチタイムが終わっても店内には結構たくさんの客がいてめいめい寛いでいる。
     ブルーは40

    0
    2025年01月19日
  • 消えない月

    Posted by ブクログ

    2024/11/27
    以前から買ってずっと保管してたこの本にようやく行き着くことができました。
    あんまり明るくない話なのかなと思いなが読み進めました。
    マッサージ店でマッサージ士として働くさくらと、その店に客としてきていた松原さんという男性とこの2人は恋人関係になるのですが、だんだんと松原さんの本性が現れてきてさくらさんや弟の和樹、元同じ職場の池田さんなどなど周りの人たちは四苦八苦することになります。
    さくらと松原の視点が交互に描かれて話が進んでいくのですが、人の気持ちはこうもすれ違い、特に男の側がストーカーへと変貌していく思考の過程にはこういう事があるのかと読んでいてとても危機感を持たされま

    0
    2024年11月27日
  • 神さまを待っている

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    話が進むにつれ内容が重くて辛すぎて途中で読むのを辞めようか正直考えた。
    しかし最後まで読んで大正解だった。

    愛のホームレスになってからの苦悩や、「貧困というのは、お金がないことではない。頼れる人がいないことだ」という本書の肝となるフレーズから、自分には頼れる存在がいることのありがたみを感じた。

    また、愛が途中相手のことを信じられなくなってしまう場面では、過去の自分と重なって少し辛くなった瞬間があった。しかし、相手を信頼することも大事で、相手に信頼される人に自分はなりたいと思えるきっかけになった。

    0
    2024年11月13日
  • 神さまを待っている

    Posted by ブクログ

    仕事を失ってから、あっという間に世の闇に接することになる主人公のじわじわとした転落の姿がリアルすぎる。普通に暮らしていたはずなのに、少し外れたところ(それでも日常に背中合わせなくらい近い距離)には闇がぱっくり口を開けて主人公を待っている。

    読み始めた時にはポジティブな印象を持っていたタイトルも、意味がわかった時にはあっと驚くとともにヒリヒリした気持ちになってしまった。でも、これ以上にこの作品を代表するタイトルもないと思う。

    フィクションでありながら貫かれるリアリティこそが、このお話を圧倒的に刺さるものにしている。
    読んでみて辛い気持ちになったけれど、読めてよかった一冊。強烈で痛切な読後感を

    0
    2024年08月30日
  • 消えない月

    Posted by ブクログ

    内容は重いし、辛い気持ちになるし、読書としてのリフレッシュにはなりません。なので、ただ面白い本を読みたいという人にはおすすめしません。私がこの本を読んで感じたことは人間の思考が少しずつ歪んでいく怖さです。私は仕事をしている自分と重なり、状況は全く違いますが、共感をしてこの本を読んで良かったと思いました。仕事を辞めたいと思っている人に読んで欲しいです。内容は疲れるけど、人生について考えさせてくれる本です。

    0
    2024年08月23日
  • 国道沿いのファミレス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ファミレス社員の佐藤はネット批判され、故郷のファミレスに飛ばされた。錆びれている街には活気や賑わいは一切ない。本社に戻るまでの辛抱と考える佐藤だが、いつの間にか店員・地元の人間関係に巻き込まる。地元には親友のシンゴがいてそれなりに楽しいが、シンゴの過去や結婚問題、佐藤の新しい恋人・綾の過去、バイトのストーカ行為など勃発。何故かそこにヤバイ自分の父親が!畑野作品の魅力は過去の自分とのリンクもあり、大いに共感したりする。また登場人物が多様でヤバイ奴やイイ奴も出てくる。そこが畑野作品の重厚さと醍醐味だろう。⑤

    0
    2024年08月15日
  • 神さまを待っている

    Posted by ブクログ

    早く雨宮くんに頼るてか電話取って相談したら良いのにー、、、

    主人公の子はお母さん早く亡くなって可哀想ではあるけど、ちょっと無知?てか頑張る方向間違ってる、、、

    0
    2024年06月20日
  • 運転、見合わせ中

    Posted by ブクログ

    2024/06/12
    畑野さんの本が好きで、色々な作品を遡って読んでます。
    タイトルの通り、見合わせになった一本の電車を通してそこに関係していた人々のそれぞれの恋愛関係や人間関係の変化について短編という形で描かれています。
    どの話も描いているのは日常であるはずなのに何故か続きが気になって読み進めてしまいました。
    描かれている内容も突飛な訳でもなく、かと言って単調という訳でもなく絶妙な感じがします。
    何か、心に平凡を求めたいときに気軽に読み進められるのでオススメです。

    0
    2024年06月13日