畑野智美のレビュー一覧
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年齢とともにあがる恋愛の難しさ、周りの恋愛・結婚・出産への焦燥や、「誘いにくくなってしまった」という寂しさ、人を好きだと感じる喜び…様々な感情の描写がリアルで、苦しいほどに共感した。いつの間にか恋愛をしていること、既婚、子持ちが社会的ステータスのようになって、それらがないだけで「恋人は作らないの?」「いつ結婚するの?」「子どもが欲しいとは思わないの?」と周りは身勝手に詮索してくる。恋愛をしていないからこそ得られる幸せもあるし、自分にしか分からない恋愛への不安や恐怖だってあるというのに、恋愛で苦しむ彼らは恋愛至上風情だ。なにより、出産にはタイムリミットがあること、年を重ねるほど相手が見つかりにく
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ネタバレ35歳になったメイ。周りは子持ちで、親友のみっちゃんも婚活ばかり。当分は結婚しないと思ってた大ちゃんも若い奥さんと突然結婚。でも当のメイは十年前に別れたふうちゃんのことが忘れられず彼氏もできない。そこで羽鳥さんにあったことをきっかけに、店長試験を受け前に進む。
店長試験という非日常な成功に輝くメイを見て大人になっても前に進むことの大切さと、中学生の恋をしているメイを見て20代のうちにしっかり恋愛しなきゃとおもった。でも、マイペースに生きているメイを見て結婚するのは、特に男の場合はまだまだ焦らなくていいんじゃないかなとも思った。博士進んだら卒業する頃には28で遅いなって思ったけど、よみおわった -
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ネタバレ話が進むにつれ、ゆるやかに変化していく登場人物たちの心情が、軽やかなテンポ感と穏やかでやさしい風景描写と共に描かれているのが印象的だった。
本田、日野さん、松田、この3人の変化のきっかけとなった春香自身が一番、この街に来て変わったのだと感じた。
私たち読者の目に最初に映った春香は、こんなにも愛らしい女の子だっただろうか。
『みんなに優しくていいから、ほんの少しだけわたしを特別にしてほしい。』
海が見えるこの街で 4人が迎える明日が、少しでもあたたかいものであればいいなと思う。
(『金魚すくい』で発熱した本田がかなりツボで好き) -
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光は家族というものがわからない。
木綿子は恋というものがわからない。
自分が「普通」とは違うということに悩む2人が、小さな一歩を踏み出すまでの9か月間を描くヒューマンドラマ。
物語は主人公の2人、光と木綿子の視点で交互に描かれていく。
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大型台風が町を襲ったその日、強風で飛ばされた物干し竿がアパートの部屋の窓ガラスに突き刺さった。たちまち吹き込む雨風。
6畳ひと間の部屋が居場所もないほど水びたしになっていくのを見て、光は隣の駅近くにある健康ランドへの避難を決めた。
駅に向かいながら、光はこれからの身の振り方を考える。
働いていたレストランの閉店まで1か -
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ネタバレ同じ作者の「ふたつの星とタイムマシン」と併せて読むと面白い、みたいなことが書いてあったのだが、そちらは7年前に読んでいて、内容については全く印象に残っておらず。
その時のレビューを見ても『口当たりはいいけど何となく物足らず』と書いてあったが、まあ、これはこれとして読んでみよう。
2016年から偽札を持ってタイムマシンで1962年に行き三島由紀夫の新刊を買う仙台の大学教授・平沼が描かれた後、ロケットの打ち上げが行われる島に住む高校生・丹羽光二と、彼の気になる同級生・長谷川葵の2003年秋の日常が描かれていく。
光二と葵の初めてのデートの日、葵が交通事故に遭い帰らぬ人になるが、光二は大学生になり -
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あなたは、あの時あんなことをしなければ良かった…というような後悔の感情に苛まれることはないでしょうか?
朝起きて、夜にベッドに入るまで人間の一日の中にはさまざまなことが起こります。もちろん、その日のおおまかな予定というものは朝起きた時点で決まっていたと思います。しかし、そんな朝の時点では全く予想もしなかった一日が待っていたというようなこともあると思います。
それはあなたの選択の結果が招いた結果であるとも言えます。私たちは朝起きた時から知らず知らずのうちに選択を繰り返します。目覚ましが鳴った瞬間に起きて、顔を洗って、朝ごはんを食べて、着替えて時間通りに出かけるという一日があったとします。一方