畑野智美のレビュー一覧

  • 夏のバスプール

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    2021/01/31
    高校生の青春話というと簡単すぎるかもしれないけど、だいたいそんな感じ。読んでいて気分が丸くなるようなそんな感じ。
    中高一貫で内部進学により高校に進学した涼ちゃんと、クラブの野球チームで小さい時から何かと因縁のある西沢、いきなりトマトを投げつけてきた久野さんとか、幼なじみの望月、普段からつるむ仲間の青野…。それぞれの出会い方はなんじゃこりゃ…って感じだけど、それぞれがそれぞれのペースで親密になっていく様子が読んでてとっても面白かったです。
    シリアスな場面でもすごいシリアスにしないかのように終わりの場面でひとボケ入れてくるあたりが話にオチがあるって感覚で楽しく読めました。

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    2021年02月01日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    途中までは、うーん、良くわからないなぁ(読みづらいなぁ)と思っていたが、途中から、がらっと世界が変わる。タイムマシンは万能じゃなくて、今という時間がとても儚いバランスでなりたっているんだと、柔らかく教えてくれる作品。前向きでも後ろ向きでもない、絶妙な結び方だと思う。

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    2021年01月03日
  • 運転、見合わせ中

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    好きよ、こういうの。
    なんかうまくいかないし、何かあるのかなー?と思ったら何もないよ!みたいな残念感だったり、モヤモヤする展開ばっかりだけど、そのモヤモヤが明日へのエネルギーなのさ。
    まぁでもきっと現実もそうだよね、分かる分かる、ってなるかっていうと、まぁそういうわけでもないんだけど、まぁ要するに好きなんだろうね。しょうがない。
    と言うわけで、こういうのばっかりやっていると悶々として鬱屈しそうだけど、スパーンと解決してばっかでも飽きるし、たまにはこういうのも良いわ、てことかな。

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    2020年12月23日
  • 家と庭

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    すべての登場人物が印象深い作品。みんな幸せになってほしいと願ってやまない素敵な話でした。小説って素晴らしい。

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    2020年04月18日
  • 海の見える街

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    拗らせてしまった身としては眩しいぐらいの恋愛ドラマでした。連ドラや映画にできそうなぐらいきっちりした構成なので読書離れしている人にもお薦めです。

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    2020年03月15日
  • 南部芸能事務所 season5 コンビ

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    夢を簡単に諦めることはできない。もがき続ける新城と溝口に進むべき道は見えるのか。弱小お笑い事務所を舞台に、夢を追う者たちの挫折と成長を描いた7つの人間ドラマ。
    近年、最も楽しみにしていたシリーズが本作品をもって完結となった。まだ何者でもなかった『メリーランド』の二人が、しっかりと将来を見据えて日々舞台に立つ姿は芸人の顔になっていると思う。数年後の彼らの姿を描いた続編を是非読んでみたい。

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    2020年03月08日
  • 南部芸能事務所 season4 オーディション

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    再読。

    1年を通して行われるオーディション番組がスタートした。
    勝者には、レギュラー番組が決まる。
    高みをめざし進む若手芸人達。
    彼らの心には、孤独や嫉妬の感情が渦巻いていた。

    今回は全7話。
    全てオーディションに参加するメリーランドとナカノシマ、インターバルのメンバーの話。

    悶え苦しむ彼らには多くの支えてくれる力がありました。
    家族や友人、互いのメンバーや相方、どのエピソードもグッと来ます。

    今回も、中嶋くんの赤ちゃんの誕生シーンに泣かされました。

    さあ、また来た最後。
    終わるのが惜しいですが、読みますよ!

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    2020年01月22日
  • 南部芸能事務所 season2 メリーランド

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    再読。

    さらにみんなが一歩進んだ2作目。
    明るい未来が見える展開あり、悲しい決断ありの各章でしたが、各章の最後のページで、ゾワゾワと来て、必ず泣きそうになりました。

    女子の活躍が目覚しく、みんな強いなと感心しました。
    新城の彼女の美沙ちゃんには、ずっと新城を支えていて欲しいと願います。
    ちんちくりん鹿島ちゃんがいい。幸せになって欲しいです。


    長沼さんからの溝口への言葉に涙腺崩壊。
    仕方ないとはいえ、スパイラルの結末は悲しい。

    新城溝口の名前も決まり、さらなる活躍に期待します。

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    2019年12月27日
  • 南部芸能事務所

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    再読。

    芸人ライブを見て、自分も芸人になると決めた大学生の新城。
    元人気芸人との付き合いに悩む女ものまね芸人津田ちゃん。
    中学の同級生3人で組むナカノシマの一人中野。
    元人気芸人のおっかけをする高校生ナルちゃん。
    目の不調、相方との関係性に悩むスパイラルの長沼。
    20歳下の夫に支えられる齢90の大御所芸人保子師匠。
    売れない芸人だった父を持ち、新城と漫才コンビを組むことになった溝口。

    このシリーズ大好きです。
    それぞれが葛藤する姿がとても切ない。だからこそ、みんなが魅力的で応援したくなります。
    ラストシーンのジワジワ来る盛り上がりに、心臓がドキドキしました。
    続きに進みます。

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    2019年12月27日
  • 南部芸能事務所 season5 コンビ

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    これが完結巻なのかー!もっともっと先を見たい、未来を見せて欲しい、そう思えるシリーズだった。けど、だからこそ、ここで完結するのが良いのかもしれない。でも先が読みたい!

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    2019年11月08日
  • 南部芸能事務所 season4 オーディション

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    深夜のオーディション番組に挑戦する三組の芸人。売れるためのチャンスでもあり、彼らの運命も左右する。熾烈な勝ち抜き戦が幕を開ける。芸に生きる人々の心情を描く、好評シリーズ第4弾。
    実力だけで売れる世界じゃないのが芸能界。事務所の力や時代のニーズ、そしてよく言われるのが、ちょうど今その枠が空いているのか。限られた椅子を巡る、男たちの熱い戦いが遂に佳境に入る。

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    2019年11月07日
  • 国道沿いのファミレス

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    もう何冊も畑野作品を読んでいて、やっとこのデビュー作を読み終えました。解説の北上次郎さんが書いていた通りの感想です。一人を除いて全ての登場人物に幸せになってほしいと願ってやまない。そして登場人物を甘やかさないのはデビュー作からずっとなのですね。

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    2019年07月09日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    この本はタイムマシンの存在を知り、今は亡き大切な人のために、タイムトラベルを
    してしまった、青年の話です。
    SF小説の中でも、もしかしたら今、世界のどこかで起こっているかもしれないと
    思うとゾクゾクしてとてもとても面白かったです。
    面白い中にどこか現実味を感じられました。

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    2019年02月03日
  • 国道沿いのファミレス

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    再読。

    著者の近年の作品に引き継がれたものをいくつも垣間見ました。
    デビュー作だと思うと、ファンとしては感慨深いです。

    大まかなあらすじは覚えていたつもりでしたが、後半に繰り返されるトラップを忘れていて、その都度驚かされ、新鮮な気持ちで読みました。

    ユキのような男性は自分や自分の身内には近づいて欲しくないタイプかも。
    でも、最後の彼女との暮らしで変わって欲しいなと思います。

    シンゴが愛おしい。
    出自を本人が知る日が来るかもしれないと思うと胸が苦しくなりますが、ユキやその他周囲の人たちに守られ、ずっと幸せでいて欲しいです。

    とても好みの作品。
    また手に取ると思います。

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    2019年01月27日
  • 南部芸能事務所 season3 春の嵐

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    弱小芸能プロダクション・南部芸能事務所を舞台に、お笑いに魅せられたひたむきな人々を描くシリーズ第3弾。
    熱くお笑いを語り合うわけでもなく、芸に精進している姿をみせるわけでもない。何故彼らはお笑い芸人の道を歩んでいるのか。三作目となる本作品でもその答えはない。登場する若手芸人たちの描かれる気質は、そのまま現代の若者の姿に見えるし、年配者にとっては「ピン芸人」のテネシー師匠のエピソードは感涙ものである。

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    2018年10月04日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    ふたつ星〜読んでから、すぐに読み始めた。 色んなところで繋がってくるから 頭の中で整理しながら読んでった。 色々複雑な所もあるけど、こういう話は個人的に好き。

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    2018年06月10日
  • 南部芸能事務所 season4 オーディション

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    南部芸能事務所シリーズの4作目。
    TVのオーディション番組が始まったはずだが、その様子は殆ど描かれず、それに臨む、最初に新城、それから先輩ナカノシマの3人とライバルであるインターバルの2人の話が交互に挟まり、最後に溝口と、それぞれの日常と心情が語られる。
    このシリーズ、いつも思うのだが、自分とは全く異なる世界や世代が舞台ながら、身につまされるような話が多い。
     
    離れた場所にいても、家族三人で、一緒に頑張るんだ(by中嶋)。息子が生まれ名前を考えた時のことを思い出す。
    約束を守れずに逃げ回っていた後ろめたさがあり、それを咎められそうで、僕は敬語でしか話せなくなったのだと思う(by中野)。うちの

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    2018年06月02日
  • 南部芸能事務所 season2 メリーランド

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    南部芸能事務所に所属する芸人たちと周囲の人びとの人間模様を、瑞々しいタッチで描く連作短編集第2弾。
    これから売れるのか、それとも燻り続けるのか。確固たる未来像を描くことができない芸人たち。不安な心うちが実に冷静にかつ温かみをもって表現されている。物語の中心はデビュー間もない新城溝口だが、個人的に気になるのは中堅トリオ芸人のナカノシマ。他にはない空気感があるんだけどなあ。

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    2017年10月31日
  • 南部芸能事務所 season2 メリーランド

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    3月に読んだ「南部芸能事務所」の続編。単行本は1年の間があったようだけど、来月にはシリーズ4作目が単行本で出ているからだろう、2ヶ月続けての登場。
    前作で“溝口新城”が初舞台を踏んだところからの続き。
    新城が初めて貰ったギャラの500円玉を見つめてあれこれ考えたり、溝口のことを好きな鹿島さんがカフェを辞めて事務所のバイトになったり、そんな話を読んでいると、何だかありきたりの話になっちゃたなぁという感じだったのだけど、野島が再び原点を見つける話や、中野がバイトする映画館に勤める古淵さんの話や、長沼に去られて目が覚めた川崎の話には、自分の好きなことをしながら生きたい働きたいという理想と世の中そんな

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    2016年04月24日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    ネタバレ

    前回の話をすっかり忘れてしまって読んだのでつながりは覚えていませんでしたが、単独で読んでも面白かったです。
    最後は誰だっけですが、どの世界でも形は違っても出会うことが決まっているところはすごく素敵です。

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    2025年12月20日