畑野智美のレビュー一覧

  • タイムマシンでは、行けない明日
    畑野智美は、構成を凝らして現代のふわふわした男女を描く作家と思っていたが、本書は全然違うタイプの作品だった。SFファンタジーの外観だが、大切な人の喪失という重くて骨太なテーマで、落ち着いた静穏なタッチでありながら感情を強く揺さぶられる。途中からは夢中で読んだ。
    ラストが若干よく分からなくてあせったの...続きを読む
  • タイムマシンでは、行けない明日
    いい話だった。と、本を閉じてしばらく表紙を見つめていた。
    本当に失われてしまったものは取り戻せず、どう足掻いてもどうしようもないのだけど。
    心にできてしまった大きな穴は決して埋められることはなく、ただそこを通り過ぎてゆくことしかできないのだけれど。
    それでも明日は来る。
  • 南部芸能事務所 season2 メリーランド
    3月に読んだ「南部芸能事務所」の続編。単行本は1年の間があったようだけど、来月にはシリーズ4作目が単行本で出ているからだろう、2ヶ月続けての登場。
    前作で“溝口新城”が初舞台を踏んだところからの続き。
    新城が初めて貰ったギャラの500円玉を見つめてあれこれ考えたり、溝口のことを好きな鹿島さんがカフェ...続きを読む
  • 国道沿いのファミレス
    ありきたりな話かと思いきや、登場人物それぞれの心の動きが鮮やかに描かれていました。
    でも自分の恋人が父親の愛人だったって、ショックだよなぁ。
  • 水槽の中
    井上遥
    二年三組。谷田部先輩萌え。

    マーリン
    綿貫茉莉。自分で作った食品サンプルのキーホルダーを通学カバンにぶら下げている。二年三組。図書委員。

    谷田部
    三年一組。テニス部。

    バンちゃん
    学年に二人しかいない考古学部員。竹井。

    ミツイアルト
    満井有音。二年三組。知的男子。考古学部。五歳から小...続きを読む
  • ヨルノヒカリ
    静かでささやかで、サッと心が温まる話だった。
    表紙も題も素敵で物語の世界観に引き込まれた。

    母親が家を出て、幼い頃から普通の生活をしてこなかったひかりと恋愛感情がわからない木綿子。

    境遇は違うけれども、お互い心に潜めてる悩みがあるからこそ、互いを思いやり、他の誰にも抱かない特別で大事に思う関係性...続きを読む
  • ヨルノヒカリ
    ひかりが戻ってきてからの二人の会話が可愛くて愛おしくて、何度も読み返してしまう。
    成瀬がひかりのことが好きなのはかわいいからと言い切るところの会話も好き。

    ひかりが義務教育を終了して、母親は帰らなければいけないきっかけがなくなってしまったのかな。
  • ヨルノヒカリ
    たとえ恋人でなかったとしても、お互いが大切にしたい人である事は変わらない。こんな関係もあるんだなぁ。ヒカリ君と木綿子さんが今後どうなっていくのか楽しみ。成瀬くんの周りに合わせたりせずに、自分の意思をしっかり持ってる所、好きだな。これからもヒカリ君の側にいてほしい。
  • ヨルノヒカリ
    一気見してしまった!
    読み終わったらホッコリするような物語。
    登場人物はみんな素敵な人でした。
    みんなに好かれる必要はなくて、本当にそばにいたい人ややりたい事に時間を過ごせるようにしたい。関係性はなんでもよくて、自分が居心地が良い人を年齢を重ねても大切にしていきたいと思った。
  • 大人になったら、
    大人になったからって、
    大人でいる必要なんてない。

    『子供のような自分を見せれる相手を好きになる』と
    ストロボのマスターが言ってた言葉が沁みます。


  • 消えない月
    超モヤモヤのイヤミスですが、読む手が止まらず寝不足気味。

    本作はストーカー被害をリアルに描いているし、主人公の松原は極端な部分もあるけど、誰しも自分がただしいと思ってるところはあるんだろうなぁと…

    あらためて自分の考えが相手にとっては正しい訳ではなく、多面的に考えようと思った作品です。
  • ヨルノヒカリ
    大事な人を優先して自分の心を犠牲にする、、、みたいな話がよくあるけど、ひかるくんと木綿子さんが自分たちなりの幸せ見つけてくれてほっとした
  • 大人になったら、
    終盤の展開はときめいた〜〜
    すごく丁寧にメイの心理描写がしてあって、感情移入しまくり。
    向上心って言われても、だよね。わかるわかる。
    考えさせられるという感じではなく、サラッと読めるドラマみたいだった。
  • 大人になったら、
    読みやすくてするする進めました。
    穏やかに起伏激しくなく、やんわり終わっていくだろうと思っていましたが、最後の数行がグッと食い込みました。

    最高の締め。
    出会えてよかったと思えた本でした。
  • 大人になったら、
    とにかく結末が最高だった。
    杉本くんかわいすぎ、羽鳥先生胸きゅん。
    読み終わったあとに続きが気になる話だった。この先めいちゃんが幸せになれますように。

    人生に悩む35歳独身女性の話。
    カフェが舞台ってのもあって読んでてワクワクしかなかった。
    今しんどいけど結婚して子供に恵まれた自分は、めちゃくちゃ...続きを読む
  • 大人になったら、
    主人公のメイと年齢が近いので、友人達が次々結婚したり、子どもがいたり、結婚しないだろうと思っていた人からの結婚の報告などあるある〜と思いながら読ませてもらいました。
    自分も大人なり、好きってなんだろうと考えていた時期があります。なのでP127からのストロボのマスターとの会話がとても印象に残りました。...続きを読む
  • ヨルノヒカリ
    恋愛小説とはまた違ったものがたり。光くん側の気持ちと木綿子さん側の気持ちが交互に書かれてて、サクサク読めた。多様性の時代。どんな考え方を持ってても、どんな関係でも二人が良いって思えるならそれでいい。自分の考えや思いが普通じゃなくたって、分かってくれる大事な人が1人側にいるだけで心強い。司さん家族の関...続きを読む
  • ヨルノヒカリ
    やわらかな手触りの物語。

    二人の間に流れるやさしい空気が、相手への思いやりに満ちていて、とても心地よく感じられた。

    それにしても、犬ころ男子は可愛いなあ。
    周りの人達がそれを愛でてる図も、また微笑ましい。

    無理に恋愛という枠に、当てはめなくたって良いんだ。
    その人の涙を見るのが辛いこと、その人...続きを読む
  • ヨルノヒカリ
    畑野智美さん大好き!
    畑野智美さん作品はたまに読むと私の中の共感がすごい!そうそうそれでいいよね?って思いながら読める
    主人公ひかりくんも木綿子ちゃんもそれでいいんだよって言いたくなる。
    このモヤモヤすることの多いご時世に心が洗われる最高の作品
  • 若葉荘の暮らし
    帯の”40歳以上のシェアハウス”に惹かれて借りた。
    世の40歳以上の女性の、ここ数年の不安、痛みを主人公を通して語っている感じ。バブル、就職氷河期、”当たり前”の変化。身につまされる。

    トキ子さんのように準備しておきたい。