あらすじ
彼らは出会って恋人になり、やがて別れた。ありふれた恋のはずだった、彼が”ストーカー”になるまでは。――被害者の恐怖と、加害者の執着。ストーカーの闇を両側の視点から抉る畑野智美流傑作イヤミス!
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Posted by ブクログ
普通の恋愛、誰もが経験するような出会い。と思いきや、どんどん展開していく。静かに、不気味に。いつのまにこうなった?と叫びたくなるほど、気づいたらとても怖いことに。これは誰もがありうることでは?この作家さんの心理描写がわかりやすくて読みやすくてよかった。この本で初めて知った作家さんだけど別の作品も読みたい。
Posted by ブクログ
2024/11/27
以前から買ってずっと保管してたこの本にようやく行き着くことができました。
あんまり明るくない話なのかなと思いなが読み進めました。
マッサージ店でマッサージ士として働くさくらと、その店に客としてきていた松原さんという男性とこの2人は恋人関係になるのですが、だんだんと松原さんの本性が現れてきてさくらさんや弟の和樹、元同じ職場の池田さんなどなど周りの人たちは四苦八苦することになります。
さくらと松原の視点が交互に描かれて話が進んでいくのですが、人の気持ちはこうもすれ違い、特に男の側がストーカーへと変貌していく思考の過程にはこういう事があるのかと読んでいてとても危機感を持たされました。
極端に描かれている部分もあるのかとは思いますが、それでも自分に都合のいいことしか考えないストーカーが出来上がるまでの考えの変遷がとてもスムーズだし、実際に多くの事件が起きているこの時代に読むべき小説なのではないかと思います。
この本を読んで何かを感じる人はストーカーにはならないと思いますが、人間の本性をどうやって見極めるかって大切なんだなーって思いました。
Posted by ブクログ
内容は重いし、辛い気持ちになるし、読書としてのリフレッシュにはなりません。なので、ただ面白い本を読みたいという人にはおすすめしません。私がこの本を読んで感じたことは人間の思考が少しずつ歪んでいく怖さです。私は仕事をしている自分と重なり、状況は全く違いますが、共感をしてこの本を読んで良かったと思いました。仕事を辞めたいと思っている人に読んで欲しいです。内容は疲れるけど、人生について考えさせてくれる本です。
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ストーカーに変貌した松原と被害者のさくらの視点で交互に話は進んでいく。
松原の思考回路がやばすぎて、怯えながら読んだ。
怖いけど、結末がどうなるのか気になって、一気読み。
Posted by ブクログ
闇、病み‥
最後の結末をどのように受け止めれば良いのか。
松原氏は更生できるんだろうか‥と思う。
生涯罪と向き合うことで、彼は変われるのだろうか‥。彼は加害者でもあるけど、家庭環境や学生時代を考えるとある意味被害者的な側面もあったんだろうなと思った。
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こんな急展開ってなに
1番びっくりの結末を
こんなサラッと書いて終わる作風が逆によかった
ストーカーのやることはいかんよと思いながらも
彼についてはちょっと同情もあったな…
被害者視点とストーカー視点が
交互にあるので同じシーンを往復するものの
わかりやすく面白かったです
Posted by ブクログ
ストーカーする側の視点で客観的に物事を見る機会はないので、新たな視点で物事を捉えることができた。ストーカー事件のニュースを聞くたびになぜこんな事件が起こるのだろうと思わずにはいられないけれど、彼らにとっての正解が行きすぎて、事件を起こしてしまうことを知った。だからといって正当化できるものではないので、どうしたらこのような事件が無くなるのだろうと考えずにはいられない。この小説の後味の悪さは、読者に問いを与えてる証なのかもしれない。
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マッサージ師のさくらは過去のトラウマを抱えつつ優しいお客の松原と交際をスタートした。しかし、次第に『愛』を盾に松原の狂気的な言動がエスカレートし、さくらの希望の光は一撃で闇に飲み込まれてしまう。一瞬で暗闇に侵食され、ただ茫然としてしまった。彼女の幸せを祈る思いと隣り合わせで恐怖も側にいる。
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マッサージ店に勤める女性が、お客と少しの期間交際したばかりに、ストーカー被害にあっていく…。
被害女性視点とストーカー視点の2つで物語は進んでいくため、普段触れることのないストーカーする側の視点や、どういった思考回路でその結論に至るのかが描かれていて到底理解出来ないと思った。また1人の女性にそこまで執着できることを少し羨ましくも感じた。もしかすると、被害女性が好きなのではなく、そういった環境に身を置いている自分自身が好きなのかもしれない。
反対に女性視点では、どれだけ逃げ続けても、ストーカーの思い通りにならない限り、何をしてくるか分からない恐怖、履き違えた愛情をひしひしと追体験できた。
生い立ちがどうであれ、自分の価値観を押し付けることは滑稽で、そういった人間にはなりたくないと分かっている。ただ時に理性より感情が先行してしまう事象があるのかもしれない。
弱いものが相手を想い、強くなるのが愛であり
怒りのままに相手を想いコントロールするのは弱さの裏返しでしかない。
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ストーカーに追われる女の子「さくら」。
怖いのにページをめくる手が止まらなかった。
読書中に心の中で色んな感情が湧き出てきて、
辛いし怖いし、何より悲しい展開。
Posted by ブクログ
怖いけど、本を読む手も、彼の暴走も、止まらない… そして読み終わった後は題名の意味がスッと理解できるようになる。
人生において縁がないものであってほしいストーカー。彼らがどういう経緯で、心理で、そのような行動に出るのか気になって読んでみた。
ストーカー加害者、被害者の両方の視点が交互に描かれていることで、ふたりの思惑がどのタイミングですれ違うか、また加害者の狂う段階が垣間見れて興味深かった。ストーカーになる側の思考回路が支離滅裂すぎて、まるで自分が理不尽な理由でストーキングされているかのような疑似体験を通して、恐怖に怯えながら読み進めないといけない。
ストーキングに至るまでの経緯で被害者には非はないのだけれど、その後の対応はもっとできることがあるのではないか、とつい考えてしまう。でも逆に、もし自分が同じ立場だったら、彼から逃げ切れるのか?
「彼らは運を味方につけている」という事実が、この本の中で一番怖い部分だと感じた。
Posted by ブクログ
【2024年183冊目】
独立を夢見て、マッサージ師として働くさくらは、常連客である松原の告白を受け、付き合うことに。最初は優しかった松原だったが、徐々にモラハラの片鱗を見せ始め、耐えきれなくなったさくらは、松原に別れを告げる。さくらはきっと誰かに脅されているんだ――距離を置こうとすればするほど松原はエスカレートしていき…。
読み始めてすぐに、「これ、下手なホラーよりだいぶホラーな話かもしれない」と思い「ええ、やだなぁ…」と顔をしかめながら読みました。いわゆる、ヒトコワという奴だったのかもしれません。一言で言えばストーカー話なのですが、ストーカー側の感情の描写がやけにリアルで「あれ?もしかしてこれノンフィクションだったりします?」と思うなど。
被害者側って、やっぱり圧倒的に弱くて「自分さえ我慢すればいい」って思っちゃうんですけど、その時点でもう事態に負けてるんですよね。物語の終着はどこに行き着くのかしらと見守ってたら、ヒッて声が出ました。やっぱりヒトコワじゃないですか!
加害者側の心理がこれでもかと鮮やかに描写されていて、シンプルに逃げ出したかったです。怖い。
Posted by ブクログ
どこにでもあるような男女の出会いが華々しく始まり、やがて恋へと変わり付き合い始める。しかし彼氏からの束縛や乱暴な態度に「別れたい」と彼女が言う。ここから話しが一転し悪夢へと変わる。男性の認知の歪みが強烈過ぎて終始ゾッとして読んでいました。怒りや執念によるストーカーの実態を生々しく描いていて心が震えました。
Posted by ブクログ
ここまで、ストーカーの心理を表した小説にはなかなか出会えないと思う。
空っぽで冷え切った自分の心に、唯一自分を満たしてくれた温かい存在。
この世界で、誰もがストーカーになる可能性を孕んでいるんだな。
Posted by ブクログ
ストーカーの話で、主人公とストーカーの心情が交代で語られる。
ストーカーの気持ちには、共感出来ない部分が続くが、主人公の煮え切らないところもちょっとイライラした。
ラストに、ストーカーの幼い頃からの背景が語られる。共感は出来ないが、その境遇には同情するし、題名の消えない月に繋がるところは切なかった。
匿名
タイトル
消えない月って何だろうと思いながら読み進めました。最後にそういうことかと納得いきました。
ストーカー松原は、自分の行動が事態を悪化させ、さくらとの復縁も叶わないというのに、ある意味ポジティブで、なるほど、ストーカーとはこうして誕生するのかと思いました。
また、さくらと池田はこれから明るい未来を迎える・・・と思いきや、さくらの死亡は、とても素敵な結末でした。
ハッピーエンドだと嫌だなと思っていたので、全てが打ち砕かれた感じと、捕まってもなおさくらを思う松原の気もちが心地良かったです。
Posted by ブクログ
ストーカー側の心理を覗き見れる読んだことない感じの本でした。自己肯定感という言葉がありますが、自分に自信を持ちすぎて客観視できなくなるのはまずいと思います。
Posted by ブクログ
モラハラ男の思考回路、ストーカーの執着心を学べました。
さくらがあまりにも可哀想なのに、自分を責めてばかりで周りに迷惑がどうとか言って…こういう子がモラハラに捕まるのかなと思いました。
さくらが松原さんに勝つところが見たかったです。
Posted by ブクログ
畑野さんの作品はこれまでにも何冊か読んでいたんだけど、これは…すごかった笑
視点が変わってからの怒涛、こんな男嫌すぎるし、そして女も嫌すぎる…!
弟と先輩とその友だちしかまともな人がいないようは気がしてしまう…。ストーリーになる男はイライラするし、でも世の中こんな人も絶対いるんだろうなあ。
ストーカー作品だし、スッキリする話では無いし胸糞も悪いけれど、読む手が止まらずこんな時間笑
Posted by ブクログ
ストーカー被害者・加害者、両方の視点で交互にストーリーが進むので、両者の心情が見える。
ストーカーの考え方が想像を超えていた。自分は当然のことをしていると思っていて、ストーカーしている自覚がない。だからストーカーなんだろうけど…
主人公(被害者)は自分にも非がある、周りの大切な人に迷惑掛けるくらいなら自分が我慢すればいいと自罰的な考えに傾倒してて、読んでてイライラしてしまった部分がある。
だけど、自分がストーカーされたら、そういう考えに囚われてしまうのかな…
それにしたって、主人公は周りからの扱われ方?に対して鈍感すぎないか?
タイトルもストーカーのことを端的に表していて秀逸。
Posted by ブクログ
救いない現実を突きつけられるラストのため、⭐︎3。筆者の見事な文才やストーカーへの見聞が広がる点はもっと⭐︎を、と思うが、気持ちが悪くて2度は読めない。
筆者の描きだす、基準となる価値観が異なれば、人によって真実や正義はこうも違うのか、と唸る巧妙な見事な書き振りは見どころだとおもう。
松原ストーカーは、サクラが女が、自分に逆らってはいけない、それが立派な女になる事などという戯言が、世界の基準。絶対お断りしたいが、離れる事は悪事だと断罪してくる。周囲にこういうモラハラ気質が居て、恥ずかしくないのか?と思うが、全く悪いなど思っちゃいないんだろう、と確信した一冊であった。
Posted by ブクログ
後味の悪さが印象に残った。
「ヨルノヒカリ」がとてもよかったので
畑野智美さん2冊目にこの作品を読んだのだが…
序盤から早くもストーカーの話になって
読んでる途中から嫌な気持ちになったけど
読みやすく そしてどう解決してくれるかって思ってどんどん読めた。
終盤では
「絶対に来るでしょ 松原…」
とヒヤヒヤしつつ
「なんて隙を与えるさくら!」と歯痒い気持ちだった。
スカッと終わってくれたら救われた…
さくらの中途半端さにもモヤモヤして
応援する気持ちより、何で?と思う点が多い。
主人公への若干の 共感のなさが後味の悪さに繋がるし
被害者の甘さと加害者の歪んだ正義感が際立ち、
そういう意味では うまい設定なのかもと感じた。
ストーカーの心理や
対処法の知識が得られたことは 読んだ甲斐があった。
Posted by ブクログ
被害者の恐怖と加害者の執着
ストーカー被害の闇を両側の視点から抉る傑作イヤミス!
と紹介されているけれど、ミステリーなのかな?
嫌な気分で終わるけど それにしてはラスト加害者側の心情や家庭に寄り添いすぎたのではと思います
ストーカー小説としては なかなかの鳥肌モノ
ストーカー化する元交際相手の成立しない会話、
自分本位の思考
ただ、好きなのだ、束縛したいという感情と表裏一体でもしかしたら誰しも落ちいる精神状態なのかもとも思う
この小説のストーカーは、異常ですけど
語り部を被害者加害者両側から
感情のすれ違いを興味深く恐ろしく読みました
Posted by ブクログ
ストーカーの心理とストーカー被害に遭ってしまう側の心理が何とも言えず納得。
どちらも誰もがなり得るような、絶対にそうはならないだろうと思える人もたくさんいるような。
どちらにしても、松原はストーカーになりそうな要素がたくさんあり、さくらは被害に遭ってしまいやすそうな要素がたくさんあるように感じた。
スッキリしない終わりだったけどそれがまた現実味があって良かったかな。
Posted by ブクログ
ストーカーする側とされる側の両方の視点が入れ替わりながら話が進んでいく。
ストーカー化がかなり序盤で、徐々に追い詰められる感は少なく、淡々と進むイメージ。
主人公(どっち?)は、性格的に甘いところもあって対応に落ち度があるよなぁ。
と思わせると言うことは、ストーカーのみならず、被害に遭いやすい人の思考と言動がよく描かれている。
Posted by ブクログ
表紙が綺麗な月の装丁で素敵!と思い購入。
全く先入観無しで読みました。
怖かったです。
ストーカーの勝手な妄想の世界観が、ひたすらに
自分中心で全く理解出来なかったけど
こんな人いてそう、とは思いました。
Posted by ブクログ
怖いよ
レビューも見たし、なんならこの本貸してくれた人もそう言っていた
そしてイヤミスって書いてあったから実はなんとなく結末も想像がついていた
心情が、全く理解できない怖さ
心情が理解できないということは、私はストーカーにはならないということだよね
と一人自分に言い聞かせながら読み終わりました
今までに読んだ怖い話とはちょっと違った怖い話