畑野智美のレビュー一覧
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寝具店でパートをする女性、依里。
彼女は恋人を数年前にバスの事故で失い。
さらに恋人が浮気をしていた…⁉︎
とかなり辛い経験をしている。
そんな彼女をある日恋人の浮気相手の女性の夫が
お店に尋ねてきて…
寝具店の知識の豊富さは実際に作者が
寝具店で働いた経験が元になっているので
ちょっとした枕や毛布の知識も知れて
お得でした♪
(まさか枕の寿命が3年とか衝撃∑(゚Д゚))
依里は喪失感を抱えながらも
少しずつ自分と向き合い、他人じゃなくて
自分のため生きていく姿が良かったです。
ただ、自分は依里のように誰かのために
やりたかったことを諦めたりという経験は
ないので、それだけ好きな人や愛している人が
いれば、自分のより相手を優先しちゃうのかなと
考えてしまいました。
私たちは無意識にも誰かや他人に合わせてしまい
本当にしたいことや本音を隠してしまいます。
誰かのことを思って合わせるのも大切だけど
「私」自身の思いや考えも大切にしていきたいなと
思いました。
畑野さんの作品に登場する人たちは
さまざまな生き方や価値観を持つ人が出てくるのが魅力だなぁと思います。
傷ついたり、辛い思いをした人が少しずつ
前を向いて進む描写がどの作品も
丁寧に描かれていると改めて感じました! -
Posted by ブクログ
主人公の鳴海くんみたいに『好き』や『したい』が欠落してるんじゃなくて、単にその回路を持ってないだけなのに、周りが勝手に『可哀想』とか『いつか出会えるよ』とか、頼んでもない外野のノイズをぶつけてくる。
あれ、最高に余計なお世話ですよね。
結局、マジョリティが作った『普通』っていう物差しで測ろうとするから歪むわけで。喫茶店『ブルー』みたいな場所が必要なのは、そこが特別な場所だからじゃなくて、外の世界がそれだけ『正解』を押し付けすぎてるからじゃないですかね。
『みんな違って、みんなめんどくさい』。
それでいいじゃん、って改めて突き放してくれる感じ。心地いいですよね -
Posted by ブクログ
婚約者が女性と一緒に温泉宿の帰りに事故死。あまりのショックで眠れなくなってしまった主人公の女性はデパートの寝具売り場で、寝具一式を買い替えた事をきっかけに自身もパートスタッフとしてその寝具売り場で働くことに…。
婚約者が一緒にいた女性との関係も気になり読み進めるが、寝具て自分の身体や睡眠を考えたら、もっとこだわるべき物なんだな…と少々反省。
幸いベッドに入り、読みかけの小説を読み始めるとコテッと寝てしまう私にとって、眠れない…なんて日はそんなに多くないので自分の使っている寝具に関して合っているかどうかを考えてみたこともなかった。寝てても肩がこる、腰が痛いなんて事があったら寝具の交換を考えてみようかな。
とても詳しいな…と思ったら作家さんは寝具店勤務経験者とのこと。なるほど納得。紹介されていた高級なムートンシーツの寝心地は試してみたいな〜。買えないけど…。 -
Posted by ブクログ
202511/面白かったけど、表紙絵からうける印象よりは淡々としてるかんじ。舞台がコロナ渦ということで全体的にうっすらどんより重苦しさがあり、主人公が明るく元気な "いかにもTHEヒロイン" なタイプではないので、好みがわかれそうな作品。勇気もらえる人もいると思うけど、都合いいシェアハウスも同居人も勤め先も現実にはないし…と不安増す読後感も否めない。まーそれでも踏ん張って進むしかないんだけどね!
印象的だった文章↓
P240:年収200万円でも幸せに暮らせるみたいな本や雑誌の特集はたくさんある。 ささいな喜びを重ねていければ 十分だと考え 多くの女性が諦めてしまっていた けれど その生活は簡単に破綻してしまう。 -
Posted by ブクログ
令和版LGBTQの教科書
面白い・面白くない ではなくて
今の時代の風潮がよくわかるから
全世代に“体感”の意味で読んでほしいと思った。
(以下本のレビューではなく体験談と感想)
自分のセクシュアルについて考える
私はもしかしたら、恋愛というものを勘違いしていたかもしれない。
「あいつ、お前のこと好きらしいよ」と聞くと、
なんとも言えない気まずさに苛まれ、苦い気持ちになったのを覚えている。
私のことが好きなのか、そう思った瞬間、接待しなくちゃいけない気持ちになるからだ。
優しくされたから好きになるという経験がなくて、
なんなら少し意地悪な男の子の方が好きで、
恋を錯覚していたようにも思える。
だけど、その人のことで頭がいっぱいになったり、
目で追ったり、集団の中ですぐに見つけられてしまうという点では正常に脳がバグっていたと思うので
恋という感情については
わかっているようでわからないとい結論がでた。
恋人や好きな人ができても
大好きにはなるけど嫉妬や独占欲って感情があまりわからない。デミロマンティックという言葉には親近感を持ったけれど、価値観なのかセクシュアルなのか。その違いってなんなのか。まだまだわからないことだらけ。
時代的にもセクシュアルな話は相手が話すまで無理には聞かないのが安全策。
でも聞いてくれたから言えたって場合もある。
踏み込まない行為って賞賛されるけど、逆説的に踏み込むことが求められている世の中でもあると思う。私たちは孤独すぎるから。 -
Posted by ブクログ
小さな洋食屋でアルバイト店員をしていたミチル(40代を迎えたばかり)がコロナ禍で家賃の安い家に移ることを余儀なくされ、40歳以上の独身女性専用のシェアハウス「若葉荘」に住むことになったところから始まるお話。
コロナ禍の世の中で、そうした年齢のそうした境遇の女性の心理が細やかに描かれているように思えるが、時々晴れ間はさすものの、基本的にはドンヨリとした話が続く。『悩んでいても、悩んでいなくても、語る』ミチルさんの理屈っぽさにもやや閉口で、いい話だと思うのだが今ひとつお話に乗り切れず。
若葉荘での人間関係にはホッとするところがあるが、ああしたシステムの中で人間関係に軋轢なく暮らしていける展開はいささか楽観的にも感じるところはあり。まあ、作家さんがコロナ禍を不安に生きていた時に『「こういうアパートがあればいい」と、想像を膨らませた』ということなので、そういうことなのだろうが。
女性の貧困の理由が選択肢の多さにあって、男性の貧困の原因は選択肢の少なさ、という見方は面白く。『本来は、政治がどうにかしていくべきことなのだろう。けれど、それを期待できるような国ではないことも、分かっている』というのがなんとも…。 -
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ネタバレ今回も多様性の話。ポリアモリー、見た目の性と心の性が違うこと、恋愛感情を持つということ、遠い存在に持つ感情。誰にでも話せる話じゃないし、全員が理解してくれるわけじゃない。私も私で自分自身を理解していないのかもしれないなぁと思った。
気になった言葉。
差別されたくないし、自分も差別しないように心掛けていても、全てを平等に見ることは難しい。
苦手だからと何かを排除することは、自分が受けてきた差別と同じだとも感じた。
知識を得て、言葉を知り、客観的に自分を考え、少しでも楽に生きていける道を探している。
最後の一文が、私が読書をしたい理由なのかもしれないと思った。