野口健のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
〈本から〉
頂上は、はるかに遠く、雲の上にそびえている。本当に登れるんだろうか? 見ているとそう思う。信じられない気持ちで歩き始める。
右一歩、左一歩、右一歩、左一歩。このくりかえしで、確実に頂上は近づく。やればやっただけのことはある。そんな気持ちで歩く。(略)。
現場に行く。現場で自分の目で見る。そのとき「ぼくになにかできることはないか」と発想する。現場に行く前は、そこがどんなところで、なにが起こってるのか調べる。でも実際に現場で見るものは、調べた知識とは少し違う。調べた知識は「平ら」。でも現場で見るものは「立体」だ。現場に行くと、平らな知識がモコモコふくらんでくる感じがする。においもするし、生なましい。
(略)
行動にうつすとき、僕は「やる」と宣言する。自分にできることだと思っても、やる前にやり方を考えたり調べたりしているとだんだんできないのではないかと思えてしまう。そうなる前に「やる」という。やるといったのにやらないと、人に信用されなくなる。だから、やる。自分で自分のにげ道をなくすのだ。
ぼくはいままで、自分が正しいと思うことは、みんなも正しいと思う、そう考えていた。でもその考えはまちがっていたのかもしれない。富士山にかかわる人は・・・(略)。
人は、立場が変われば、ものごとのとらえ方もかわる。正義とは、人それぞれなのかもしれない。そんなふうに考えることができた。これらからもぼくが、自分にできることをしようとしたとき、きっと批判する人がいるだろう。でも、それは当たり前のことでもあるのだ。
ぼくは山から離れたことで、山から離れるべきでない自分に気づけた。つまり自分を大切にする方法に気づけた。自分を大切にできなければ、まわりの人も大切にできない。社会や環境のことも大切にできるわけがないと思う。自分をよい状態にしておくこと、自分自身がまず生き生きする。それが大事なんだ。 -
Posted by ブクログ
『世の中には日なたと日かげがある、世界を見るなら日かげに注目するべき、真実は日かげにある』という話がとても印象に残った。とても立派なお父様だったのだなと思った。
そして『していい無理と、してはいけない無理』があることも、体感してきた野口さんの言葉だからこそ、とても説得力があり、響いた。
お話の本筋ではないけれど、エピソードとしてあった富士山清掃の部分で、これを読むことが出来た子ならば、SNSでの批判意見を書き込んだり相手を傷付けるような無責任なコメントをするような人には育たないだろうなとも思えた。
高学年に読んでいて欲しい1冊。読書感想文にも、是非。 -
Posted by ブクログ
人生を生きる上で大切なことがシンプルに書かれている
文章は愚直だけど、その内容は瑞々しい
小学校高学年向けだと思うが、大人にも十分おすすめ
▶︎一番大事なことは、自分がしたいことをして満足できるかどうか。人が進む道と同じ道を進むことが大事なのではない。自分の道を見つけて自分の満足できる道を自分の力で進むことが大事。そうすれば、たとえ失敗しても、自分は自分なりにやった、しょうがないと満足して思える。
▶︎ぼくは点にすぎない。ぼくは青い空を見上げて、しみじみと透き通った世界を感じていた。美しくて透明な気持ちにおそわれていた。その時ぼくは何か大事なことを発見したような気がして感動していた。日頃の悩みや、いろいろなつらさ、さまざまなコンプレックス、そんなものはじつにちっぽけなことにすぎないことがわかった。すべては点だ。点にすぎないのだ。点にすぎないことが社会の中にいるとわからなくなってくるが、ここにくればわかる。
▶︎間違いや失敗はある。間違っていることを見つけたら、それを訂正して、勇気を持って新しい行動を始めることが大事。悪いのは、間違ったこと、ではなく、間違いを直さないこと。
▶︎いろいろな考え方をする人がいるから、自分の考えが正しいからといって、社会ではそう簡単にはうまくはいかない。いろんな立場がある。でも、だからといって悲観することはない。世の中はそんなもの。とにかく元気に前に進むことが一番。 -
Posted by ブクログ
想像をはるかに超えて面白かったし、ためになりました。これはお勧めです。メッセージも良かったし、優れたノンフィクションは面白いものだということも教えてくれました。「落ちこぼれ」の学生だった野口健さんがいかにして冒険家への道を踏み出し、世界七大陸最高峰最年少登頂を成し遂げ、さらに清掃登山の活動を始めてたくさんの人たちへ広げていったかを子供にもとても伝わりやすいように書いてあります。生死をかけた登山の様子は普段想像もつかないような極限状態の冒険の話で驚かされたし、自称「落ちこぼれ」の状況からそのような影響力を持つように至った流れにも非常に納得がいきました。こういう風に人生を切り開いていくというか好転していくというか、そういうこともあるんだというケーススタディを納得のいく形で頭にしみこませておくことは、とても価値があることだと思います。小4と小2の子供たちも「この本面白いね」と素直に楽しんでいました。小2男児は「僕も環境学校に参加したい」とやる気を出していました。小4女児は「(野口健さんの)お父さんがいろいろいいこと言うじゃん。それが論語みたいで良かった」といっぱしなことを言っていました。(ただし、これは以前に「こども論語塾」を読み聞かせして、今回も途中で僕が論語の「過ちを改めざる、これを過ちと言う」みたいだね、と言ったからです)。実際、野口健さんのお父さんはすごく素敵なことを言うお父さんでした。良かったです。
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Posted by ブクログ
恥ずかしながら「知らなかった…」ということの連続でした。もともと「富士山を世界遺産に」と呼びかけていらしたアルピニスト野口健さんの現在の胸の内。彼がこんなことを考えていると知り、なおのこと重い。
富士山が登録された世界遺産って、当初の「世界自然遺産」から「世界文化遺産」に変えて登録が叶ったという経緯をご存知でしたでしょうか?(私は恥ずかしながら迂闊にもきちんと理解していなかった次第です)
では、富士山のどういった「文化」が評価・登録の対象となったのかご存知でしょうか?
登録叶ったとはいえ、かなり「条件付き」の登録であり、「改善命令」が付されていること、また指定の期間までにその改善がなされないと登録が抹消される可能性も大きいことをご存知でしょうか?
もし、全部「YES」であればこの本を読む必要はないかもしれません。
でも、1つでも「NO」であれば、この本に書かれている世界遺産登録を巡る裏の事実、そして野口健さんの主張を知っておいた方が良いと思わざるを得ませんでした。日本人ならば。
やはり富士山は「日本の象徴」ですからね…
その富士山がどういうことになっているか?日本人全員が関心を持つべき課題と言えます。