読みながら、やはり恵まれた人なんだなと思った。
勉強ができなくても感受性が豊かだたら、彼のようには生きられなかっただろうということ。劣等感はあっても、明るさと単純さが、いい方向に彼を導いたように思う。
もう一つは、家庭。彼が勉強できなくても、両親が離婚しても、のびのびと生きてこられたのは、父が外交官
...続きを読むで、知性があり、金銭的に不自由がなかったことがものすごく大きいと思う。
勉強できなくて、片親で、貧しくて、親が無教養だったら、かなり悲惨だ。
大学生になってからはスポンサーを自力で見つけて費用を賄った(そのこと自体は素晴らしいと思う)が、高校まではモンブランもキリマンジャロも、かかったお金は父が出してくれたのだろう。
子どもが学校からドロップアウトして、登山がしたいといっても、簡単に海外に行かせられる余裕のある親は一般家庭ではなかなかいない。
そういう意味で、やはり運ってあるんだなと、思う。
この本を読んで、子どもには「勉強できなくても、立派に社会で活躍できる人になれる」ととりあえずポジティブに感動してほしい気もするが、まあ、私が子どもだったら、そういう風には感じないだろうね、残念ながら。
ベントレーみたいな人の伝記の方が心に沁みる。