【感想・ネタバレ】世界遺産にされて富士山は泣いているのレビュー

あらすじ

阿川佐和子さん推薦! 「名誉欲はないけれど好奇心が人一倍。善人にみえるが案外のB面好き。そんな野口健だから、その言葉には真実がある」美しい「日本の象徴」でいま起こっていることは、日本社会が抱える問題そのものだ! 2013年6月、富士山は世界文化遺産に登録され、日本中が沸き立った。しかしその清掃登山に尽力し、「富士山が世界遺産になったらいいね」といいつづけてきた野口氏は第一報を聞いたとき、悔みに悔みきれなかったという。「清掃登山に全力を注ぐなかで、環境問題を超える富士山のほんとうの問題に気づいてしまった」。そう野口氏は語る。そこで彼がみたのは「日本の象徴」の背後で既得権にしがみつき、縄張り争いに奔走する「人間」の姿だった。そうしたなかでひたすら「世界遺産登録」だけを目的に準備が進められてきたことを、綿密な取材を重ねながら本書は描き出していく。そして、じつは今回の世界遺産登録にはユネスコからの「条件」がついていることを、どれだけの日本人が知っているだろうか。その「条件」をクリアできなかった場合、富士山は「危機遺産」入りもしくは世界遺産登録取り消しすらあり得るのだ! ならば、もつれた人間関係の糸をどう解きほぐし、日本の宝を「守る」ためにいま何をすべきなのか。そこで野口氏は「富士登山鉄道」など目から鱗のビジョンを次々に打ち出していく。そもそも江戸時代の富士山登山は「弾丸登山」どころか「スローな旅」だった。そうした「ほんとうの観光」のあり方をも描きながら、日本を代表するアルピニストが著した衝撃の一作。

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Posted by ブクログ

伊勢神宮が世界遺産に登録しない理由がわかる。
世界遺産は世俗のことなんだと教えられる。
物事の本質を知るべきことを思い知らされる本質。

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2020年03月29日

Posted by ブクログ

野口健がこのように考えているとは。。。

世の中の大半の人が彼の思いを勘違いしていると思うし(自分もその中の一人だった)、もっとこの富士山の世界遺産登録に関しては論じられてもいいと思う。

結局、利権がらみなのね。。。
と悲しくなるなぁ。

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2014年10月12日

Posted by ブクログ

世界遺産について考えた事あるかな?旅行に行く時の目的地じゃない?観光地じゃない?と自問自答する。
私は山登りが好きだが、山岳信仰のイメージにウンザリする事もある。知識の深い外国人の友人(欧米)が嫌がるのもわかる。自然が守られていない、設備が整ってないと不満なのもわかる。そこを訪れる利用者のモラルに不満な点は、少なくとも私達が始められる一歩ではなかろうか。世界遺産であろうとなかろうと、日本人の「民度」は上げていかないといけないよね。

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2024年10月13日

Posted by ブクログ

実際の目で見て聞いたことが書いてあったので非常に勉強になった。富士山頂が私有地なのも面白い。自分も人間だが、やはり人間は仕方がないって思う。ただ、ゴミ拾いはしようかな。

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2015年11月30日

Posted by ブクログ

 新聞の書評欄で紹介されていたので読んでみた本です。
 著者の野口健氏は、日本の代表的なアルピニスト。最近は、エベレストや富士山の清掃登山等、環境問題への取り組みでも注目されています。
 本書は、その野口氏が、富士山の世界文化遺産登録をひとつのシンボリックな材料として、日本の環境保護問題の課題を浮き彫りにしたものです。そして、本書において著者が求めているのは、「富士山を世界文化遺産」として維持し続けるという点ではありません。それは、むしろ手段であり、究極の目的は「環境保護」にあるのです。

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2014年09月13日

Posted by ブクログ

恥ずかしながら「知らなかった…」ということの連続でした。もともと「富士山を世界遺産に」と呼びかけていらしたアルピニスト野口健さんの現在の胸の内。彼がこんなことを考えていると知り、なおのこと重い。

富士山が登録された世界遺産って、当初の「世界自然遺産」から「世界文化遺産」に変えて登録が叶ったという経緯をご存知でしたでしょうか?(私は恥ずかしながら迂闊にもきちんと理解していなかった次第です)

では、富士山のどういった「文化」が評価・登録の対象となったのかご存知でしょうか?

登録叶ったとはいえ、かなり「条件付き」の登録であり、「改善命令」が付されていること、また指定の期間までにその改善がなされないと登録が抹消される可能性も大きいことをご存知でしょうか?

もし、全部「YES」であればこの本を読む必要はないかもしれません。
でも、1つでも「NO」であれば、この本に書かれている世界遺産登録を巡る裏の事実、そして野口健さんの主張を知っておいた方が良いと思わざるを得ませんでした。日本人ならば。

やはり富士山は「日本の象徴」ですからね…
その富士山がどういうことになっているか?日本人全員が関心を持つべき課題と言えます。

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2014年09月02日

Posted by ブクログ

登山家野口健が語る富士山の現状。世界遺産登録にこぎつけた背景と、そうはいっても仮免状況で大きな課題が課せられていることなど知らないことばかり。自分も登山者としてもランナーとしてもいろいろ考えさせられるばかり。

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2014年08月22日

Posted by ブクログ

富士山は世界遺産の価値があるのか?
世界遺産になるとはどういうことか?

まったくわからずに
観光客が集まるだろうと思って
登録(本当はまだ仮登録状態)をしてみたけれど、
たくさんの注文がついて
あわくってる状態。

とてもわかりやすく、
そして富士山のためにかかれてます。

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2014年08月10日

Posted by ブクログ

富士山清掃活動を長年リードしてきた野口健の新書。
世界遺産になって喜んでいると思いきや、現実の富士山の状況、取り巻く環境や関係者の話が赤裸々に語られており、素直に喜べないどころかこれからの富士山にふりかかるであろう苦難について書かれています。
登山、自然愛好の方は一度読んだ方がいいと思われる。
夜通しヘッドランプで行列作って富士山登るなんて、やっぱりどおかしてるぜ!

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2014年08月09日

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