野崎歓のレビュー一覧

  • 赤と黒(下)

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    心理描写があまりに素晴らしく、魅了され、ぐいぐいと引き込まれる様に読んでしまった。「性にまつわる描写が1行もないのに、なんというエロチズムの香りか・・・」と亀山郁夫さんが書いていたけれど、正にその通りだった。自分の頭で描いたジュリアンとレナール夫人を、現実の画像―映画の二人と比べてみたくて、写真を探した。1枚だけ、私の描く繊細なジュリアンに近いのを見付けた。赤は軍人、黒は聖職者を指しているのではないか、と言われているが、その時代背景と共に生きることの難しさ、それはいつの時代でも共通するものだと思った。淡く、甘く、優しく、悲しかった。

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    2009年10月04日
  • 素粒子

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    邦題「素粒子」。フランスで最も物議を醸す作家、ミシェル・ウェルベック。初めて読んだ。入り込むまでに時間がかかるのは、その作家の世界観を知らないせい。入り込んでからはのめり込むように読み耽った。これほど悲しい物語を読んだのは久しぶりかもしれない。ガツンとくる物言いと悲しきストーリー展開。読んでいて、こんなに悲しい最後が待ち受けているとは思わなかった。最後だけが悲しいわけではない。後半は常に悲しい。怠惰。頽廃。擦り減っていく感触。現代性をここまで確実に捉えている作品て、そうないと思う。この人はすごい。。。なんといってもアナベルに心捉えられてしょうがなかった。(07/8/20)

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    2009年10月04日
  • 素粒子

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    ネタバレ

    イフ兄弟のミシェルとブリュノ

    ブリュノは寮で同級生に虐められ冴えない学生生活を送る
    祖母だけはブリュノに優しく、大学を卒業する迄は昔したように唯一の友人のように架空の祖母にその日の話をした
    昔デブで性的魅力がなかったブリュノは弾けて万年セックスのことを考え続ける
    学生時代にも同じく冴えない女性とセックスし、後年再会したが、その女性は死んだ
    もう若くないブリュノはそうした日常の絶望に接しながら徐々に衰弱していく
    そんな中自由主義者のヒッピー集う裸村でセックス中毒の教職者と出会った
    初めて愛情を育み互いを思い合い、2人でいろんな種類のセックスをするも、突然彼女は病気になってしまった
    車椅子生活になった彼女はブリュノに遠慮して、シングルマザーをしていた家庭に赴く
    そして息子に惨殺された
    ブリュノは精神病院に入ったり出たりしながらたまにミシェルと会い、母親の臨終に立ち会った
    そして二度とミシェルと出会うことはなかった

    ミシェルは科学に人生をささげて俗世をただ目の前で通り過ぎていた
    祖母が死んだ時には涙を流した
    幼少期からブリュノと共に仲の良かった美少女の幼馴染が死んだ時にも涙を流した
    幼馴染との再会後愛を知ったミシェルは遺伝子科学を発展させて人類を万年発情期にしたり改造した新人類を生み出すことになった、おしまい

    ストーリーは薄いが、村上春樹やユイスマンスの様に文章そのものが味わい深いので一度ハマると定期的に読みたくなってしまう
    絶望的な気持ちになってる時には同じニヒリズムに寄り添ってくれる

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    2026年10月03日
  • 地図と領土

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    事実、現実をただ見つめ、そこにある無機物を装飾したり解釈したりすることなく表すのが好みなのか
    エピソードやテーマが伝わるような形でストーリー性を帯びさせたいのか、両方を目指してるのか、アーティストとしての視点はよくわからなかったけど、商業や生産で価値を規定されるのではなく真実性に触れたかったジェドの熱さは一貫するものとしてあった
    対極的に対外的には謙虚な無頓着さを保っているところ、社会との接点が薄く変化や出来事に過度に意味を持たせないながらも父やオルガ、ウェルベクといった限られた人にはそれなりに執着や情をもち諦観と現実味のバランスがとれているところも好きだった
    人間の作り出したものや人物が時間と共に崩壊していく
    産業の流れも変化を帯び、支持されるものがかわっていく
    どんどんと繁茂していく自然により視覚的に表される時間経過の中で、移り変わりゆくものの流れを愛惜と憂愁を感じさせながらも真実としてとらえた最後のビデオ作品が1番好きだなあと思った

    すごく面白いわけではないかなあ

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    2026年08月23日
  • 地図と領土

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    素粒子が面白かったので読んで見ました。
    生涯をかけた芸術の探求ってとこでしょうか。
    嫌いじゃないけど、まぁまぁのグダグダ感。
    ウェルベックはしばらくいいかな。

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    2026年06月21日
  • うたかたの日々

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    失うことの切なさを描いた青春小説の隠れた名作。虚構まじりの不思議な世界に浸る楽しさ。映画もお勧めです。

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    2026年04月10日
  • 赤と黒(下)

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    世の中の熱心さを皮肉り、自分の傷には敏感だが他者の気持ちには鈍感、自分は賢い⇄他者は皆愚かと思っていることが端々にみてとれる(※個人の感想)主人公がめっちゃくちゃ嫌い(※個人の感想)で、ちょっと痛い目見やがれ(※個人のk)と思ってたけど、怒涛の後半…。
    この時代だからこそ読む価値があると思う。

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    2026年02月01日
  • 赤と黒(下)

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    ネタバレ

    貴族令嬢マチルダが、ジュリヤンに夢中になって「あなたはわたしのご主人様」とか言って髪を切ったかと思えば、翌日には軽蔑しきったり、またすぐ夢中になって私を罰してほしいとか、とにかく気が変わりすぎる!
    フランス人でこうなの??

    ジュリヤンも、階級闘争の一環で貴族令嬢をイケメンな裕福貴族から奪ってやれ的動機でマチルダの気をひいたかと思うと、いつの間にか彼女無しでは死んだ方がましくらいに夢中になったり冷たくされて何も手につかなくなるほど落ち込んだり。
    ツンデレシーソーゲームが長すぎる。
    フランス人て………。

    後半、レナール夫人をいくら何でも銃撃するのは
    損得勘定で生きてるジュリヤンにしては突飛な行動。

    そこから投獄されて
    出世欲が枯れてなぜかレナール夫人我が愛みたいになる展開が、正直理解できなかった。

    マチルダは英雄的物語とドラマチックなヒロインとなる自分に恋していただけで、
    本当にジュリヤンを愛していたわけではないなと。

    デキ婚してもお父さんにたっぷり年金ねだるあたり、しっかりものなんだろうな。

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    2025年12月30日
  • 素粒子

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    結構頑張って読み切った。
    理解できなかったのでいつか読み返したい。

    病的に異性を追い求めるブリュノと性的なことに関心が無いミシェル。
    正反対な2人。

    セックスに関する描写は多いが、いつどこでセックスをした。という事実しか読み取れず、セックスに伴う感情の変化や快楽などは読み取れなかった、温度の無い愛。
    セックスを求めるブリュノとそれを求めないミシェルどちらの人生の描写も淡々としたもので、だからこそ行為の意味や愛の意味、異性を追い求めるということ自体について考えさせられた。
    もう少しヒッピー文化などに関係する知識があったら楽しめたのかな〜

    最後SFっぽくなる??
    すごい作品なんだろうなとは思うけど今の私には手が余る作品だった、残念。

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    2025年11月11日
  • 夜間飛行・人間の大地

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    自家用飛行機を手に入れ、飛行し不時着した実体験を織り交ぜ、構成された小説。哲学的な語り口調、人生訓のようなものが小説の中に散りばめられている。人がまだ降り立ったことのない場所、そこは白い砂の真っさらな風景の描写が詩的でノスタルジーを彷彿とさせている。
    作中より…
    「戦争を否定しない者に戦争のおぞましさを納得させたいのであれば相手を野蛮人呼ばわりしない事だ。判断する前に理解しようと努めたまえ」

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    2025年11月05日
  • 赤と黒(上)

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    初めの情景描写が長くゴリオ爺さんを思い出した。
    野心に満ちた青年ジュリアンが、恋と社会の矛盾に揺れながら、自分らしさを模索していく姿が印象的。理想と現実のギャップに苦しみながらも、少しずつ内面が深まっていく過程が心に残る。

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    2025年10月25日
  • 赤と黒(下)

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    ネタバレ


    ジュリヤン・ソレルの野心と恋が、ついに破滅へと向かう下巻。
    貴族令嬢マチルドとの駆け引き、そしてレナール夫人との再会が、彼の運命を大きく揺るがします。
    激情と冷静さが交錯する展開に、最後まで目が離せませんでした。
    「赤=栄光」「黒=破滅」とも読めるタイトルの意味を、読後に深く考えさせられる一冊です。
    結末は、サロメを連想しました。

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    2025年10月25日
  • うたかたの日々

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    奇天烈。奇想天外。
    そして やり切れない感情

    イメージしながら読むも
    イメージが追いつかない 笑
    ハチャメチャな中にも 秩序らしきものはあって
    生き物の生死に重きを置いていない世界にあって
    愛は確かにあって。。。
    何とも不思議な読みものだった

    少々 読書欲が減退しつつも
    後半は 彼らの行く末を苦しく思いつつ
    一気に読み切った
    ラストの猫とハツカネズミのやり取りは
    胸につまる思い

    リアルな あるべき現状を とっぱらって
    素直に読むべき本
    私は この世界の住人にはなりたくない
    あまりにも…あんまりだ…

    思っていたイメージと違った語りだったけど
    何度か読むと 染みるのかもしれない
    そういう気持ちに 2冊続けて
    なってしまった 笑

    この次は 少しハッピーなものを読みたい。。。

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    2025年10月12日
  • 翻訳はおわらない

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    エッセイの形で翻訳家としての想いが語られる本。
    原作から日本語に訳すことにそんな工夫があるのかなど知ることができた。

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    2025年09月27日
  • 地図と領土

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    作者が作中に登場するにしては「重要とはいえ脇役」って珍しいような、コレやったら本人役やなくても良くね?とも思ったり。あと、何となく雰囲気が春樹っぽいような、春樹のそういうとこあまり好きやないような。いや、最近の春樹読んでへんけども。

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    2025年08月04日
  • マノン・レスコー

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    ネタバレ

    フランス人、すごい。ディベルジュ!何回助けたんだろう?でも結局そうなるのかなんてこった。放蕩な女は、死に放蕩な男は助かる。男の描いた物語だな。

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    2025年05月09日
  • 赤と黒(上)

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    罪と愛との間の葛藤に揺れるレナール夫人と幼稚な出世欲に取り憑かれたジュリヤンの、絶妙に噛み合わない心情の描き方がとてつもなく緻密でした。そうした表現が物語前半に疾走感を生み出していたように感じます。

    後半の神学校のパートは失速感があり読み進めるのがやや大変でしたが、ラストは2人の心が揺れ動く再会シーンが描かれ、下巻に向けて期待の高まるクライマックスでした。

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    2025年01月21日
  • 地図と領土

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    ネタバレ

    部分的には面白いのだが、総合的には正直面白くない
    たぶん大衆的な面白さを獲得するのをわざと拒んでいることが原因なのだろう
    展覧会に関わるキャッチーな運営メンバー、アクの強いキャラクター、急に始まるサスペンスパートなど
    高水準なエンタメの片鱗を一瞬覗かせるが、すべてあっけなく収束してしまう
    なんといっても一番の見所は、著者自身の分身キャラのウェルベックである
    自分を批評し俯瞰からキャラクター化していながら、更にそれに憑依し内から外からと相当に難易度が高いことをしているように思われる
    この珍妙な人物像が物凄くいい味を出している
    自身を演出してこれほど面白く仕上げられる作家は希少な才能で、大衆ウケを狙ってできる実力があることは間違いない

    漂白された肖像画家、ロシア人美女、細かいディテール、これは村上春樹じゃないのかと一瞬思ったが違う
    もっと直截的で社会への批評、総括、予測を含んでいる
    数々の細かいネタは自分がフランス人だったら、フランスに精通していたら傑作だったかもしれないが
    地理も物も知らないので、ちょっと感覚がわからない
    フランスの文化的な風潮を皮肉った、笑えない微妙なさじ加減のユーモアセンスは好きな方だが、そもそもネタ自体について行けなかった
    その文化とは世論形成を生業としている業界的なある種の見せかけの文化ではなく、もっと本質的な実態を伴う文化なので共有できる部分もあるにはある
    いやこれは皮肉ではなく実際の投影なのではないか
    例えばパリ五輪の開会式が酷いなどと一部で騒々しかったが、この本を読んでいれば普通のことだと感じるだろう
    本を読む意義はこういう部分にあると思う

    タイトルから感じた先入観は精神的縄張り意識であったが、その逆で縄張り意識にあまり興味のない男の話であった
    地図は社会、領土は個人なのだろうか
    そう捉えた場合の勝手な解釈による概要は次のようなものだ
    主人公は生来の芸術家気質で、育った環境もあって、あまり人への興味がない
    それには母親を失ったことも起因している
    母の死について父を責めることも出来ず、似たようなタイプである主人公には、最初から他人や人生に対してある種の諦観がある
    そうして、当初は高い視点から世の中を無機的に見つめていたのだが
    徐々に社会から人へと興味の対象が移り、幸福とはなんであるかを探求し始める
    しかし恋人も親も失い、最後には芸術への期待も無くしてしまう
    残った希望は、温めなおしたポトフと妙な真面目さのある珍妙な会話であった
    意味の無い世界において、数少ない意味のあること、それが他人との真面目な会話と非製品的な食事だったのだ
    しかし最終的にその機会すらも永久に失い、世捨て人のようになってしまう
    資産はたんまりあるので、築いた自分の領土に長年引きこもるが、ある日ふいに地域社会の脈動を見て――領土から地図への回帰が起きて――再び創作意欲が活性化し最後の作品に取り掛かる
    その作品は自然の中で自然と格闘するしかない、つまり人工的であるしかない人間の生産活動は無意味であるというものだった……。

    社会の本質とは客観的にならないと掴めないのだろうか
    地図は客観で集団的、反対に領土は主観、個人的である
    しかし地図の内には、道路、鉄道、飛行機、標識、各種ランドマークなど人間の文化活動の痕跡があり、更に領土も内包する
    本質を掴むにはこの相反する概念が必要だろうが、地図にはそれがある
    地図だけに注目する観光者は盲目、領土しかない個人は監獄で、地図から領土を読む観光者の認識も中途半端であり
    領土から地図を見て領土を地図に焼き付けた時に、ようやく隠されたものが認識できる
    しかし個人の内面で煮えたぎる熱情はそれらの文化活動とは無関係であり、見えないからこそ見ようとする動機が創作の源泉であって、領土と地図が融合して完全となった時、見えざる本質の表象を形にしようとするタイプの芸術家であれば目的意識を失い世の中に冷めてしまう可能性が高い
    一見曖昧なタイトルは著者が言いたかったことそのものを示していると思う

    著者は直感的な洞察力から普遍的な真実を引き出すのが非常に得意であると感じる
    例えばこんな調子である

    ・ ビルゲイツについての考察からわかる市場の本質 → 市場にとっての善は、世の中の善と一致する
    ・ 不妊に悩む刑事夫婦から導かれる少子化の要因 → 子供が全く好きではないから(子供の生来のエゴイズム、ルールへの根本的な無理解、反道徳性が好きではない)
    ・ どうして日本製品は存在感を失ったのか → 沈黙を美徳だとする日本人が実は尊大だから
    ・ パーカーを通してみる商品流通市場の欠陥 → 価値の高い既存製品は新製品によって駆逐される運命にある(こうして世の中に無駄なゴミが増える)

    このように政治家や専門家が何十年も議論して見当外れな方針を打ち出す諸問題の核心をいとも容易く書いている
    やはりなぜ読書をするのか?という問いに対しての一つの答えはこういう部分にあると思うが
    全くフィードバックがないとなると(日本ではマイナーな作家だが)、こういった作風の作品がなにか高尚で難解になってしまうのもやむを得ないのだろう

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    2025年01月03日
  • マノン・レスコー

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    女に溺れて身を滅ぼすのが夢だ。が、一度きりの人生をそうそう頻繁に棒に振るわけにもいかないので、ファム・ファタール文学で憂さを晴らすのが関の山。『マノン・レスコー』と言えば、ファム・ファタールの嚆矢にして最高峰と言われる作品だが、18世紀前半という時代制約は如何ともしがたく、まあこんなものか。野崎歓の解説も良い。

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    2024年08月24日
  • うたかたの日々

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    初めてのデートでバラ色の雲が降りてきて、乗って空から風景を見るなど、夢の中を描いているような内容。珍しい読書体験をした。
    最初はカロリーが高すぎる文章にもたれつつ読んでいたが、途中でヒロインが病気に伏せる場面あたりからは慣れてきてこの世界に浸ることができふ。
    これを何も知らずに読んだらわけわからないので、発刊当時にあまり評価されなかったというのも理解できるし、数々のアーティストがこの本をモチーフにしているであろう作品を出しているのもまた理解できた。

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    2024年05月19日