野崎歓のレビュー一覧

  • フランス文学と愛

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    フランス文学を「アムール」を切り口として、男女、親子の間の「愛」、現代の「愛」という視点で読み解いていくもの。大変面白い本でした。

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    2014年11月17日
  • 赤と黒(上)

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    スタンダールは、大学時代に読んだ「パルムの僧院」以来で、初読というのが恥かしくなるほどのド古典だが、初読。

    訳者の野崎歓が言う通り、1830年代当時よりも、自らを偽って生きることの多い(そして恋愛のゲーム化がますます進む)現代において、なお共感されるところの大きな小説と言えるだろう。現代的なエンターテイメント小説と比較すると、構成に荒削りなところは多いが、それでも「近代小説の嚆矢」と言われるスタンダールの面目躍如といった作品で、ほとんど一気読みだった。

    野崎訳に対する批判は、すでにあちこちで論じられている通り、違和感のある文章がなかったと言えば嘘になる。しかし、そもそもこの問題は、翻訳自体

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    2014年06月27日
  • うたかたの日々

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    美しく楽しい日々が結婚式を境にどんどん転落していく。誰にもどうにもできない虚しさ。ラストのキリストとの対話、ハツカネズミがとてもとても悲しい。全てを読み終えて、まえがきに「大切なことは二つだけ。どんな流儀であれ、きれいな女の子相手の恋愛。そしてニューオーリンズの音楽、つまりデューク・エリントンの音楽。ほかのものは消えていい。なぜなら醜いから。」とあってさらに悲しくなった。それはコランに美しい日々の思い出が残ったからなのか…コランが消えていい存在に落ちぶれてしまったからなのか…若さの美しさ楽しさ痛み苦しみがいつまでも尾を引く。

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    2014年06月02日
  • ちいさな王子

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    表紙と挿絵が可愛いから読み始めた。
    挿絵はどこかで見たことがある可愛らしい絵。
    平仮名が多いからかスッと読めた。
    すぐ読める中にもどこか深い。
    小さな王子が自分の星で1輪の花に出会うが、嫌気が差し地球に来る。
    地球が来るまでに様々な個性がある星の人に会うが、その人たちも何処か孤独。
    見えない物の大切さが分かる本。

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    2013年12月16日
  • 赤と黒(下)

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    19世紀フランス、主に復古王政期から七月王政期に活躍した作家スタンダール(1783-1842)の代表的長編小説、七月革命を挟んだ1830年に執筆・刊行。副題は当初は「一九世紀年代記」だったが、執筆中に七月革命が熾きたことから、作品とフランス社会史との同時代性をより強調するために「一八三〇年代記」と付け加えられたとされる。作家自身は、政治的である以上にロマン的であるが故に、共和主義者であったようだ。

    フランス革命によって近代ブルジョア社会というものが本格的に立ち現れてしまった。如何な反動的な復古王政を以てしても、もはや旧体制へと時計の針を巻き戻すことはできない。人生は、個人のものとなった。そ

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    2013年12月24日
  • うたかたの日々

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    映画を見てやるせなくなったので、救いを求めて原作を読みました。結末が変わるわけではないので救われたかどうかは微妙ですが、読んだ後と前では印象がだいぶ変わりました。原作も映画もファンタジックな世界観は同じですが、映画の方が実写として現実味が強調される分、悲惨さが増しています。
    その点文字だとシュールさや幻想の方が引き立つので、むしろシニカルな印象さえ受けました。

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    2013年10月23日
  • 赤と黒(上)

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    貧しく家族にも虐げられてきた青年が、その抜群の記憶力と美貌で、貴族社会に入り込み、社交界を足場に出世していく。その飛躍の鍵は、それぞれタイプの異なる2人の女性。下巻で登場するマチルドと主人公の青年ジュリアンの、プライドと激情が数行置きに交錯するあたりは、その内容にも長さにも正直うんざりするが、物語の結末のためには、そのうんざりした気分が必要なのかもしれない。主人公も2人の女も、自分や相手の激情に感動しつつ、それをいかに打算的にコントロールするかに、常に心を砕いている。それがうまくいけば、社会的には成功するがうんざりした日々が続き、失敗すれば一瞬の生の充実はあるが滅びるしかない。マチルドは、いい

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    2013年07月17日
  • 赤と黒(下)

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    登場人物が極端な人が多すぎるけど、人間の社会と感情をえぐり出した小説としてとても面白く読んだ。ジュリアンの中身のない暗さ、マチルドの狂気、レナール夫人の優しさ、それぞれがしかるべき道を通って破滅に導かれる。ジュリアンの恋愛の駆け引きは陰険だけどそれなりに今でも通用するだろう。
    To the happy few

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    2013年04月28日
  • 赤と黒(下)

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    上巻であれだけ読むのに苦労したので、下巻はその分厚さに、読む前から尻込みしていた。

    ところがである。面白い。下巻に入った途端、私のこの本への評価が一変してしまった。
    舞台は、地方都市から大都会・パリの社交界へ。すると、それまでまどろっこしかったスタンダールの筆が、人が変わったように生き生きと感じられた。躍動感に溢れ、個性的で、したたか。フランスの歴史や当時の時代背景は全くわからないけれど、人間模様の面白さで惹きつけられる。

    そして、侯爵令嬢マチルドとの、あまりに熾烈で、同時に凍りつくような恋。
    主人公・ジュリヤンのあまりにも「感じやすい」激情と、マチルドの「高慢すぎる」退屈が、とんとん拍子

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    2013年04月09日
  • 赤と黒(上)

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    当時のフランスの状況を理解したうえで読んだらもっと楽しめたと思う。でも十分面白かった。ジュリヤンは幸せだったのかな?所々ジュリヤンが私と被っててなんかぞっとした。下巻も期待。

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    2012年11月18日
  • 赤と黒(上)

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    ずっと手を出したいと思っていた名著にやっと手を出せた。
    当時のフランスの状況のことはよくわからないが、それでも内容的に楽しめるだけの作品だと思う。

    当時の時代背景のメモ
    この作品が書かれた時代はナポレオンの時勢が終焉後の王政復古期である。
    当時の勢力抗争として考えられるのは、「王党派」(貴族、上層階級)と「自由主義勢力」(それ以外の庶民)である。「王党派」は復古した王政の権力維持を唱える保守勢力。「自由主義勢力」は革命的な勢力である。
    主人公は「自由主義勢力」の立場である一方、彼が仕えたレノール町長、恋仲になったレノール夫人は「王党派」である。

    上巻では、主人公の貴族的な「王党派」に対する

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    2012年10月17日
  • うたかたの日々

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    ヴィアンはルイス・キャロルを読んでいたのだろうか。
    ふつうのラブストーリーを想像すると出鼻をくじかれる。
    原語も流行ったころのフランスの世相もわからないから理解できない。という考え方もあるけど。夢のように突拍子なく展開する物語を楽しんでしまえばいいとも思う。子どもの時に不思議の国のアリスを読んでいるような心持ちで。

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    2012年06月17日
  • 赤と黒(下)

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    ジュリアンがついにパリへ。
    ジュリアンはもはや、線の細い男の子ではなく、パリに出してもおかしくない、深い考えとか世渡り術とか恋愛経験を吸収した美青年になっている。

    私は古典とか歴史とか、趣味とするほど好きなわけじゃないので、心理とか恋愛テクニック方面の視点から読んでました。フランスの革命期の政治の所とかはすっとばし気味笑

    ラ・モール嬢の感じた、「私は本当はあの人に恋などしていなかったのかしら?」という当惑が本当によくわかってしまった、21の秋!
    その過去形の文体も。
    ラ・モール嬢はその美貌と高貴な身分のせいか、自尊心が高まりすぎて、感情やら、イベントやらをまるで義務のようにこなす

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    2012年04月21日
  • 赤と黒(上)

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    たぶん初めて、乗り物の中で読むことができた本です。
    今まで、乗り物で本読むと気持ち悪くなってたから。

    それだけ集中して読めた面白い作品だったってこと

    主人公のジュリアン、はじめはそこまで「美少年」じゃないんだと思ってた
    作者もそうだったのかな。書いてたら付け足したくなっていったみたいな。
    金がほしい、という強すぎる思いから、僧職につくため、乗り気じゃなかったのにかかわった貴族たち。
    いつぞや自分は貴族的な生まれながら泣く泣く神学校に入る、みたいな感じになっていくジュリアン。
    目的と手段と自分の心とを分けていたはずなのに
    もういっかあ、って

    古典新訳は、内容には親しみたい

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    2012年04月21日
  • 赤と黒(下)

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    誤訳と騒がれた本書だが、ジュリヤン・ソレルの未熟な面が「僕」というおとなしめの語り口とものすごく調和している。新潮文庫の「おれ」だとすごく違和感がある。野崎訳を読んだ後に他の翻訳を読むのは、今のところ抵抗がある。

    上巻の疾走感に比べ、下巻のなかばは、なかなか話が進まず中だるみしているように思えた。
    けど、ラストに向けての展開は秀逸。
    マチルドの異常さも際立っていて物語に引き込まれた。
    七月革命前のフランスの雰囲気は、きっとこんなんだったろうと味わい深く楽しめた。
    この時期のフランス小説は面白い。

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    2012年03月20日
  • うたかたの日々

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    幻想的でありながらも淡々の物語が進んでいく。
    お伽話のような感覚でありながら、音楽描写も表現豊かに描かれており、
    すごく切ない大人の童話。

    肺の中に睡蓮が育つ病気に侵されてしまうヒロイン。
    それを献身的に見守る主人公。

    にしても、悲しい物語であり、純愛。

    そして、最初のまえがきから、印象的。

    「大切なことは2つだけ。どんな流儀であれ、きれいな女の子相手の恋愛。そしてニューオーリンズの音楽、つまり、デューク・エリントンの音楽。ほかのものは消えていい。なぜなら醜いから。」

    本当にそんなストーリー。こんな物語も憎いほど好きです。僕は。

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    2012年02月20日
  • 赤と黒(上)

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    上巻は読むのに苦労した。19世紀初頭のフランスの慣習や文化について知識がないからか。天気のように様々な面を見せるジュリアンの不安や憤りに共感することは多かった。冷静さと激しさなど、多くの正反対の性質を合わせ持つ彼だからこそ、多くの人の心に入り込めるのだろう。

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    2012年01月31日
  • 赤と黒(下)

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    ジュリアンとラ・モール嬢との恋の駆け引きは、まるで小学生同士の小競り合いのように滑稽でおもしろかった。身分の違いは人の心に思いがけない光を宿らせる。

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    2012年03月11日
  • 赤と黒(上)

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    ネタバレ

     『赤と黒』はナポレオン失脚後のフランスで片田舎の職人の息子ジュリアンが、立身出世を目論み上流階級の間隙を渡り歩くサクセス(?)ストーリーです。
     この時代で出世をするに当たってなによりも必要なものはお金、高い身分、そして縁故でした。その中でジュリアンに備わっていたものは縁故のみ。それも司祭様の教え子であった程度。彼はその一本の蜘蛛の糸から己の才能と美貌で、新たな糸に繋いで登っていくのです。
     上巻においてジュリアンを導いてくれた新たな糸はレナール夫人。
     司祭様つてでジュリアンの優秀さを知った町長に子供たちの家庭教師にと雇われて、出向いた家の奥様です。金や身分のことしか頭にない夫と対称的に、

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    2012年03月11日
  • ちいさな王子

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    「『...もしきみがぼくをなつかせてくれるなら、ぼくらはお互いが必要になる。きみはぼくにとって、この世でたった一人のひとになるし、きみにとってぼくは、この世でたった一匹のキツネになるんだよ……』」 「『さよなら。じゃあ、秘密を教えてあげよう。とてもかんたんだよ。心で見なくちゃ、ものはよく見えない。大切なものは、目には見えないんだよ』」

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    2011年12月29日