野崎歓のレビュー一覧
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バレエの演目として名前は知っていたけど、ほとんどストーリーを知らなかったので、新訳シリーズででたからこの機会に、と読みました。
星はつけたけど、ほとんど評価不能です。
マノン・レスコーのキャラクター(性格)の見えなさ。
放蕩をつくす悪女にはなりきれず、かといって性格の良い女とは全く思えず。
デ・クリュの恋に盲目な(愚かな)男っぷりも、いささか常軌を逸してる。(頭が良く、論理的てあるから余計に)
この本の書かれた時代背景。当時の文学のことも知らないと読みきれないのかもしれない。
椿姫がこの本のだいぶ後の時代に、この本の影響を受けて書かれたということにもただ驚く。 -
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有名な「星の王子さま」の新訳。
この作品ははじめて読んだ。
けれども、あまりピンとくるところがなかった。
少年少女はこの作品を読んでどう感じるのだろうか。
そういう部分がとっくに鈍麻してしまっている自分にはわからない。
私にとっては、サン=テグジュベリといえば、やはり「夜間飛行」や「人間の土地」のサン=テグジュベリだ。
たとえばこういう文章。
「リヴィエールには、自分が、長いあいだ、重い物体を差上げ続けてきたような気がする。いわば、休む間もなければ、果てる希望とてもないこれは努力なのだ。「僕は老いてきた……」行動自体のうちにかれが自分の糧を見いださないということは老いた証拠のように思わ -
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もちろん、映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』を観たために再読しようと思って買い求めた本です。
王子の語るエピソードの1つひとつが何かの象徴のように感じられるし、また読者にとっては気付きを得るような内容になっています。
ただ、これがあまりにも、明示的で不条理だという印象を受けました。つまり、メッセージは直接的で分かりやすいのだけれど、ストーリーとして釈然としない。
そういう読み方は、あるいは王子に言わせると、忌むべきなにかに分類されてしまうのかもしれませんが。
決して、好きでない、ということはありません。挿絵も含めて、とても優しくて素敵な小説世界だと思います。けれども、この本で強調さ -
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『きれいな女の子との恋愛、それとニューオーリンズかデューク・エリントンの音楽。その他のものはみんな消えちまえばいい。なぜって、その他のものはみんな醜いからだ。』そんな著者のパンクな言葉から始まる本作。
青年コランは音楽と料理を楽しむ裕福な暮らしを愛し、労働とは無縁の生活をしていた。コランは恋人クロエと結婚するが、ある日彼女の身に異変が起きる。
コランの他にも恋人を持つ青年たちの恋模様も織り交ぜ、時に美しく、時に非現実的で、そしてそこそこグロテスクでカオスな描写もあり、ちょっと理解に苦しむところも。労働を嫌い、娯楽と恋に生きるコランの顛末とは。幻想的で残酷で、癖の強い作品です。
個人的には“肺 -
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物語はいいけれども、この本
残念ながら誤訳が多いのです。
(しかも残念なことにこのレーベル
やたら誤訳が頻出します)
なので、読み直す本になっています。
野望に燃えた男、ジュリヤンの
栄光と挫折、そして死。
たといどんなに燃えるような情熱「赤」があったとしても、
やはり彼が抱く闇「黒」は消えはしなく
結局、死ぬまで彼を苦しめ続けました。
彼は確かに、自己中心的
人嫌い、何もいいところはないでしょう。
ただし、情熱だけは
取り柄だったでしょう。
しかし身分が卑しいゆえに
それがあらぬ方向に向ってしまったのです。
悲しむべくこと。
深いお話でした。 -
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ネタバレマスターピースにはマスターピースとして語り継がれる理由があるとあると思うのですが、解説を読んで納得しました。きちんと時代背景とヴィアンの生涯を作品に昇華させていますね。
解説ではこのポップで独特な筆致を「言葉遊び」と「記号表現の遊び」と文学的な論理で詳しく解説していますが、要はファンタジックで絵本のような世界観を受け入れられるかどうかだと思います。僕も読み始めはどうかと思ったけど、意外と面白かった。
古典作品は難しい翻訳がつきものですが、これは訳者が頑張ったのか、結構サクサクと読めますね。一度目は予備知識なしで読んで、二度目は時代背景やヴィアンの生涯を理解した上で読みたくなります。
読む -
Posted by ブクログ
どんなおとなだって、最初はこどもだった(それを覚えているおとなは、ほとんどいないけれど)
なにしろおとなには、いつだって説明が必要なんだから。
「まっすぐに歩いても、そんなに遠くまでは行けないんだよ……」
でも残念ながら、ぼくには箱のなかのヒツジを見てとる力はない。きっと、少しばかりおとなたちに似てきたのかもしれない。ぼくも年をとったんだ。
こどもたち!みんな、バオバブには気をつけるんだよ!
「あのころ、ぼく、なんにもわかっていなかったんだなあ!お花が何をしてくれたかで判断するべきで、何をいったかなんてどうでもよかったのに。お花はぼくをいい香りでつつんでくれたし、明るくしてくれた。ぼ