野崎歓のレビュー一覧
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ネタバレジュリアン・ソレルは、製材小屋の息子だが、体が小さく役立たず扱いをされていた。ジュリアンはナポレオンを尊敬していたが、この時代はナポレオンが失脚したあとの時代。ナポレオン信仰は隠すべきことだったみたい。
ジュリアンはラテン語がとても良くできたので、地元の大物であるレナール家に子供の家庭教師として招かれる。
最初は「度胸試し」のようなつもりで、レナール家の奥様を誘惑しようとするジュリアンだが、奥様との道ならぬ愛の沼に堕ちていく。この時代、姦通は死に値する罪だったようで、奥様は自分の罪に悩み苦しむ。
近所では奥様とジュリアンの関係を怪しむ人が増え、ジュリアンはレナール家を出て神学校に入校することに -
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40年前、四人囃子やPRISMのギタリストだった森園さんの♪いつもスモールシガレット 指にはさんで ボリス・ビアンなんか読んでた♪という歌を聴いて、ボリス・ビアンの名前を知り、うたかたの日々を読んだ。
マライヤの清水靖晃さんのアルバム「北京の秋」も持っている。
他人様には何のことやら判らないことだろうけれど、兎も角、本屋で新装丁の本書を見つけ、購入。そうでもなければ読まなかった本である。
帯に「いうまでもないことだが、この作品には『中国』も『秋』も出てこない」とあり、チョッと驚く。
いつまでも通勤のバスの乗れないアマディアス・ジュジュ、殺人の後に隠者になろうとするクロード・レオン、彼に恩寵 -
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砂漠に不時着した飛行士の「ぼく」は、小さな星からやってきた王子と友達になる……。
いわゆる『星の王子様』です。原題はこちらのタイトルの方が近いそう。
児童文学というカテゴリではありますが、どちらかと言うと「かつて子供だったすべての大人へ」というメッセージが強い気がします。
小さい時も読んだことがあるのですが、その時は正直よく分からなかった。
優しく柔らかい語り口なのに、孤独を感じる不思議な話。
私は幼少期、子供同士で遊ぶというよりは大人に囲まれて育ったので、言葉は伝わっているはずなのに意図が通じない、子供だけが感じ取れるような半空想の世界を伝えられないもどかしさと常に隣り合わせにいたのです -
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まずはスタンダールさんがフランス人であることをこの本の解説で知りました。
ナポレオン失脚後のフランスが舞台で、副題に「十九世紀年代記」とあるように時代背景を知らないと主人公のジュリアン・ソレルくんが単なる僻みやに思えてしまい、どうして上流階級の女性陣が彼にハマるのかがよくわからない。
まずは後ろにある翻訳者の野崎歓さんの読書ガイドから読まれることをおすすめします。
野崎さんのこの本は誤訳問題とか色々紛争があったらしいけれど、自分は別に気にしませんでした。
しかし、このジュリアンのどこが良いのだ?
文章だけじゃよくわからなかったので、勝手に20代前半のトム・クルーズをキャスティングし、向上心 -
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ブリュノとミシェル、両方ミシェルウェルベックが実際に辿ってきた人生をかなり濃く反映したキャラクターなんだな。
自由が、かえって男を生きづらくさせた。西欧社会の転換が生んだ翳りを、生々しく露悪的に捉える。自らの人生において、あらゆる面で強烈なコンプレックスを抱くブリュノ、なりふり構わず性に乱れる姿は滑稽だし彼の過去を踏まえると物悲しさすら漂う。でも後半吹っ切れたか振り切れたかしてる。より彼に対する切なさが増幅しちゃう。
根底にウェルベック自身の痛烈な自己批判があるんだろう。社会を世界をシニカルに捉えているのに、その眼差しは自身の振る舞いにすら向けられている。 -
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『闘争領域の拡大』に次ぐウエルベックの二作目。フランスでベストセラーになったらしい。
ウエルベックは博識な作家だが、本書もごたぶんにもれず数学、分子生物学、はては哲学まで盛り込まれていた。ド文系な自分にはさっぱり理解できなかった箇所も多かった。難しすぎる小説ははっきり言って苦手だ。
性欲に囚われた国語教師の兄ブリュノと、天才分子生物学者である弟ミシェル。この異父兄弟を主人公としてその一生が描かれる。前半の幼少期の話は好きだったが、後半になるにつれわけがわからなくなり、あまり物語に入ってゆけなくなった。
ブリュノは性欲をこじらせたまま大人になり、ニューエイジ風のキャンプに参加したり、乱交専 -
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なんとも珍妙な逸品。物語の筋は若者たちの恋愛と友情、そして悲劇の物語だが、表現がほぼナンセンスな表現で読み手の許容力を試される。
うまく物語に入り込めることができれば恋愛、仕事、お金、趣味と価値観(シックの収集)などに共感出来る。
クロエが亡くなり葬式を頼む場面以降がぶっ飛んでいる。悲しい場面のはずがかなりの可笑しみが伴う。最早悲しみに暮れるコラン目線は放棄され、貧乏人の出す葬式のパロディと化している。
物語の冒頭から時折登場するハツカネズミと猫の会話で終わるシーンがひたすらシュール。
なぜデュークエリントンが持ち上げられるのかと思えば、あとがきによると作者と知り合いだったんですね。 -
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バレエの演目として名前は知っていたけど、ほとんどストーリーを知らなかったので、新訳シリーズででたからこの機会に、と読みました。
星はつけたけど、ほとんど評価不能です。
マノン・レスコーのキャラクター(性格)の見えなさ。
放蕩をつくす悪女にはなりきれず、かといって性格の良い女とは全く思えず。
デ・クリュの恋に盲目な(愚かな)男っぷりも、いささか常軌を逸してる。(頭が良く、論理的てあるから余計に)
この本の書かれた時代背景。当時の文学のことも知らないと読みきれないのかもしれない。
椿姫がこの本のだいぶ後の時代に、この本の影響を受けて書かれたということにもただ驚く。 -
Posted by ブクログ
有名な「星の王子さま」の新訳。
この作品ははじめて読んだ。
けれども、あまりピンとくるところがなかった。
少年少女はこの作品を読んでどう感じるのだろうか。
そういう部分がとっくに鈍麻してしまっている自分にはわからない。
私にとっては、サン=テグジュベリといえば、やはり「夜間飛行」や「人間の土地」のサン=テグジュベリだ。
たとえばこういう文章。
「リヴィエールには、自分が、長いあいだ、重い物体を差上げ続けてきたような気がする。いわば、休む間もなければ、果てる希望とてもないこれは努力なのだ。「僕は老いてきた……」行動自体のうちにかれが自分の糧を見いださないということは老いた証拠のように思わ -
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もちろん、映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』を観たために再読しようと思って買い求めた本です。
王子の語るエピソードの1つひとつが何かの象徴のように感じられるし、また読者にとっては気付きを得るような内容になっています。
ただ、これがあまりにも、明示的で不条理だという印象を受けました。つまり、メッセージは直接的で分かりやすいのだけれど、ストーリーとして釈然としない。
そういう読み方は、あるいは王子に言わせると、忌むべきなにかに分類されてしまうのかもしれませんが。
決して、好きでない、ということはありません。挿絵も含めて、とても優しくて素敵な小説世界だと思います。けれども、この本で強調さ