野崎歓のレビュー一覧

  • 赤と黒(上)

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    ネタバレ

    ジュリアン・ソレルは、製材小屋の息子だが、体が小さく役立たず扱いをされていた。ジュリアンはナポレオンを尊敬していたが、この時代はナポレオンが失脚したあとの時代。ナポレオン信仰は隠すべきことだったみたい。
    ジュリアンはラテン語がとても良くできたので、地元の大物であるレナール家に子供の家庭教師として招かれる。
    最初は「度胸試し」のようなつもりで、レナール家の奥様を誘惑しようとするジュリアンだが、奥様との道ならぬ愛の沼に堕ちていく。この時代、姦通は死に値する罪だったようで、奥様は自分の罪に悩み苦しむ。
    近所では奥様とジュリアンの関係を怪しむ人が増え、ジュリアンはレナール家を出て神学校に入校することに

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    2023年03月15日
  • 北京の秋

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    40年前、四人囃子やPRISMのギタリストだった森園さんの♪いつもスモールシガレット 指にはさんで ボリス・ビアンなんか読んでた♪という歌を聴いて、ボリス・ビアンの名前を知り、うたかたの日々を読んだ。
    マライヤの清水靖晃さんのアルバム「北京の秋」も持っている。
    他人様には何のことやら判らないことだろうけれど、兎も角、本屋で新装丁の本書を見つけ、購入。そうでもなければ読まなかった本である。

    帯に「いうまでもないことだが、この作品には『中国』も『秋』も出てこない」とあり、チョッと驚く。

    いつまでも通勤のバスの乗れないアマディアス・ジュジュ、殺人の後に隠者になろうとするクロード・レオン、彼に恩寵

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    2023年01月20日
  • ちいさな王子

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    砂漠に不時着した飛行士の「ぼく」は、小さな星からやってきた王子と友達になる……。

    いわゆる『星の王子様』です。原題はこちらのタイトルの方が近いそう。
    児童文学というカテゴリではありますが、どちらかと言うと「かつて子供だったすべての大人へ」というメッセージが強い気がします。
    小さい時も読んだことがあるのですが、その時は正直よく分からなかった。

    優しく柔らかい語り口なのに、孤独を感じる不思議な話。
    私は幼少期、子供同士で遊ぶというよりは大人に囲まれて育ったので、言葉は伝わっているはずなのに意図が通じない、子供だけが感じ取れるような半空想の世界を伝えられないもどかしさと常に隣り合わせにいたのです

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    2022年12月21日
  • 赤と黒(上)

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    まずはスタンダールさんがフランス人であることをこの本の解説で知りました。
    ナポレオン失脚後のフランスが舞台で、副題に「十九世紀年代記」とあるように時代背景を知らないと主人公のジュリアン・ソレルくんが単なる僻みやに思えてしまい、どうして上流階級の女性陣が彼にハマるのかがよくわからない。

    まずは後ろにある翻訳者の野崎歓さんの読書ガイドから読まれることをおすすめします。
    野崎さんのこの本は誤訳問題とか色々紛争があったらしいけれど、自分は別に気にしませんでした。

    しかし、このジュリアンのどこが良いのだ?
    文章だけじゃよくわからなかったので、勝手に20代前半のトム・クルーズをキャスティングし、向上心

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    2022年11月12日
  • 北京の秋

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    「この作品には『中国』も『秋』も出てこない」という全否定から入る帯コメント。架空の砂漠エグゾポタミーに様々な人が集まり、一応テーマとなる鉄道建設にが行われるのだが、記述自体がハチャメチャ/スラプスティックで何がなんだかわからない。初期の筒井康隆を彷彿とさせる突拍子の無さである。ただし、筒井がどこか狙っているんだろうな感が見え隠れするのに比べ、おフランス的な突き放したような厭世的哲学感が漂う。

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    2022年09月30日
  • 北京の秋

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    今の時代だと、完全にポリコレに中指たててるな。
    筋何ざねえ、ジャズだアドリブだ!ってヴィアンが言ってた。

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    2022年11月29日
  • 素粒子

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    ブリュノとミシェル、両方ミシェルウェルベックが実際に辿ってきた人生をかなり濃く反映したキャラクターなんだな。

    自由が、かえって男を生きづらくさせた。西欧社会の転換が生んだ翳りを、生々しく露悪的に捉える。自らの人生において、あらゆる面で強烈なコンプレックスを抱くブリュノ、なりふり構わず性に乱れる姿は滑稽だし彼の過去を踏まえると物悲しさすら漂う。でも後半吹っ切れたか振り切れたかしてる。より彼に対する切なさが増幅しちゃう。

    根底にウェルベック自身の痛烈な自己批判があるんだろう。社会を世界をシニカルに捉えているのに、その眼差しは自身の振る舞いにすら向けられている。

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    2025年03月31日
  • マノン・レスコー

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    ひで~~笑 バカダナーー
    でもこの小説が世界を変えたから、このような感想を平民で女の私も抱けるようになったのでしょう。解説がフラットでよかった

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    2022年03月12日
  • フランス文学を旅する60章

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    期待していたのとは違った。土地がキーワードになっているので、シンプルにあらすじや作者の概要だけ知りたい場合には向かない。

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    2021年09月28日
  • 素粒子

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    『闘争領域の拡大』に次ぐウエルベックの二作目。フランスでベストセラーになったらしい。

    ウエルベックは博識な作家だが、本書もごたぶんにもれず数学、分子生物学、はては哲学まで盛り込まれていた。ド文系な自分にはさっぱり理解できなかった箇所も多かった。難しすぎる小説ははっきり言って苦手だ。

    性欲に囚われた国語教師の兄ブリュノと、天才分子生物学者である弟ミシェル。この異父兄弟を主人公としてその一生が描かれる。前半の幼少期の話は好きだったが、後半になるにつれわけがわからなくなり、あまり物語に入ってゆけなくなった。

    ブリュノは性欲をこじらせたまま大人になり、ニューエイジ風のキャンプに参加したり、乱交専

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    2021年02月15日
  • うたかたの日々

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    なんとも珍妙な逸品。物語の筋は若者たちの恋愛と友情、そして悲劇の物語だが、表現がほぼナンセンスな表現で読み手の許容力を試される。
    うまく物語に入り込めることができれば恋愛、仕事、お金、趣味と価値観(シックの収集)などに共感出来る。
    クロエが亡くなり葬式を頼む場面以降がぶっ飛んでいる。悲しい場面のはずがかなりの可笑しみが伴う。最早悲しみに暮れるコラン目線は放棄され、貧乏人の出す葬式のパロディと化している。
    物語の冒頭から時折登場するハツカネズミと猫の会話で終わるシーンがひたすらシュール。
    なぜデュークエリントンが持ち上げられるのかと思えば、あとがきによると作者と知り合いだったんですね。

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    2020年07月23日
  • 地図と領土

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    ☆3.5。
    どんな話なのだろうと思ってたらアートの話だった。
    文庫本あとがきに「服従」について記載があった。
    つぎは「服従」を読もう。

    映画化するとして勝手にキャスティング考えてみた。考え中
    ジェド…マチューアマルリック
    オルガ...イリーナシェイク
    ウエルベック

    ギャラリスト
    マリリン
    ジャスラン...ヴァンサンランドン
    エレーヌ
    クリスチャン...ラファエルペルソナ

    単行本の表紙はフェルメールっだったけれど文庫のはそういうことだったのね。

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    2020年05月04日
  • うたかたの日々

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    精神状態に呼応して周囲の世界までもが変わっていく面白い世界。1,2行で主人公が突然人を殺したりするし、その後はそのことには触れられもしない。
    「普通」の感覚で読んでいくと混乱するが、「そういうものだ」と思って受け入れていくとこの不思議な世界を楽しむことができる。

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    2020年01月11日
  • マノン・レスコー

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    バレエの演目として名前は知っていたけど、ほとんどストーリーを知らなかったので、新訳シリーズででたからこの機会に、と読みました。
    星はつけたけど、ほとんど評価不能です。
    マノン・レスコーのキャラクター(性格)の見えなさ。
    放蕩をつくす悪女にはなりきれず、かといって性格の良い女とは全く思えず。
    デ・クリュの恋に盲目な(愚かな)男っぷりも、いささか常軌を逸してる。(頭が良く、論理的てあるから余計に)

    この本の書かれた時代背景。当時の文学のことも知らないと読みきれないのかもしれない。
    椿姫がこの本のだいぶ後の時代に、この本の影響を受けて書かれたということにもただ驚く。

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    2019年03月03日
  • 地図と領土

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    初ウェルベック。
    主人公の芸術家についての詳細な描写が多いので興味を持って調べたら、架空の人物、作品の題名もモチーフも全部架空だったのね。
    位置付けを知らないまま読み始め、どういう方向性になるのか戸惑っていたら、第3章で急展開を見せるし…

    現代のフランス社会と芸術に詳しければ、この本に出てくる人物やメディアの意味とニュアンスについて、作者の感覚と同じものを持てたのかもしれない。

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    2018年05月20日
  • ちいさな王子

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    有名な「星の王子さま」の新訳。
    この作品ははじめて読んだ。

    けれども、あまりピンとくるところがなかった。
    少年少女はこの作品を読んでどう感じるのだろうか。
    そういう部分がとっくに鈍麻してしまっている自分にはわからない。

    私にとっては、サン=テグジュベリといえば、やはり「夜間飛行」や「人間の土地」のサン=テグジュベリだ。

    たとえばこういう文章。

    「リヴィエールには、自分が、長いあいだ、重い物体を差上げ続けてきたような気がする。いわば、休む間もなければ、果てる希望とてもないこれは努力なのだ。「僕は老いてきた……」行動自体のうちにかれが自分の糧を見いださないということは老いた証拠のように思わ

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    2017年12月02日
  • 赤と黒(上)

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    ネタバレ

    印象に残った文章
    結婚のせいで恋愛に走らずにすむのは、女の中でも干からびた女だけである。
     レナール婦人との恋のなりゆきは面白かった。途中教会?関係の流れはうまく入り込めなかったが、レナール夫人が最後に登場し、盛り上がった。下巻もレナール婦人がキーマンになるんだろうか?
     今から下巻が楽しみ。

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    2017年09月30日
  • 素粒子

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    「服従」が面白かったので、著者の代表作を読もうと思って購入。性格もキャリアも全く異なる異父兄弟の半生を中心に、家族や夫婦、親子、友人との関係を生々しく描いている。美貌、健康、学歴、財産、政治信条、友情、愛情、幸せなど、どれ一つ確固たるものはなく、得たと思えば去っていくし、またやってくる。外から来るものにしがみつくのではなく、中から信念を持って信じられ続けるものを持つことが重要だと再認識。これが難しいのだけれど。

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    2017年03月23日
  • ちいさな王子

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    もちろん、映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』を観たために再読しようと思って買い求めた本です。

    王子の語るエピソードの1つひとつが何かの象徴のように感じられるし、また読者にとっては気付きを得るような内容になっています。

    ただ、これがあまりにも、明示的で不条理だという印象を受けました。つまり、メッセージは直接的で分かりやすいのだけれど、ストーリーとして釈然としない。
    そういう読み方は、あるいは王子に言わせると、忌むべきなにかに分類されてしまうのかもしれませんが。

    決して、好きでない、ということはありません。挿絵も含めて、とても優しくて素敵な小説世界だと思います。けれども、この本で強調さ

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    2015年12月06日
  • 地図と領土

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    資本主義社会の消費にまつわるポスト・モダニズムとその周辺。消費に関して、ウィリアム・モリスについて言及している箇所があり、消費のサイクルのその後にまで批評の射程があるのは鋭いなと思いました。
    本文中で主人公の作品を解説している箇所については、芸術を言葉で語る空虚なのか、文章ゆえに作品として凄さが見えてこないため、高値で取引されたと言われてもそんな大したものじゃ無さそうだがと思いながら読むのですが、それにインスパイアされた系として具現化したのが文庫本の表紙の写真だそうです。これに関しては沈黙せざるを得えない。

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    2015年10月25日